塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、東京・杉並区の住戸改修「ポールダンサーの部屋」。築古住戸の価値向上を目指した計画。ポールダンサー入居の想定に対し、新設の“コンクリートの列柱”を挟んでステージと住まいの機能を並列させる構成を考案。列柱の身体性でダンサーの精神に見合う秩序を作り出す 玄関ホールから「ステージ」を見る。 photo©田中克昌
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、東京・杉並区の住戸改修「ポールダンサーの部屋」。築古住戸の価値向上を目指した計画。ポールダンサー入居の想定に対し、新設の“コンクリートの列柱”を挟んでステージと住まいの機能を並列させる構成を考案。列柱の身体性でダンサーの精神に見合う秩序を作り出す 居住エリアからステージ側を見る。 photo©田中克昌
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、東京・杉並区の住戸改修「ポールダンサーの部屋」。築古住戸の価値向上を目指した計画。ポールダンサー入居の想定に対し、新設の“コンクリートの列柱”を挟んでステージと住まいの機能を並列させる構成を考案。列柱の身体性でダンサーの精神に見合う秩序を作り出す ステージから居住エリア側を見る。 photo©田中克昌
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISION が設計した、東京・杉並区の住戸改修「誰かの部屋 #105 ポールダンサーの部屋」です。
築古住戸の価値向上を目指した計画です。建築家は、ポールダンサー入居の想定に対し、新設の“コンクリートの列柱”を挟んでステージと住まいの機能を並列させる構成を考案しました。そして、列柱の身体性でダンサーの精神に見合う秩序を作り出すことも意図されました。
築50年を超える全14戸の賃貸住宅のうち、105号室を改修した。
クライアントはこの建物のオーナーで古い躯体の質感を好んでおり、スケルトンに解体し、その状態を活かすことで築古の住戸の価値を引き上げることを要望した。
105号室では、クライアントであるオーナーから特殊な2つの要望が求められた。ひとつはポールダンサーが住める部屋を作ること。ただし入居者が決まっているわけではない。もうひとつは個人的に保有していた大量の強化ガラスを使いたいということだった。
踊りの身体性と住まいとの共存を考える。ポールダンスには、半径1500mmの広さが必要である。ポールの他方にベッドやテーブルが置ける広さを確保すると、ステージと住まいの機能が良いスケール感で並列することに気が付いた。私たちはその間に、コンクリートで列柱を作った。
列柱といえば古代ギリシャのオーダーを想起する。室内に打設した180mm角の列柱が体現する力強い身体性が、ダンサーの精神に見合う秩序になり得ると思った。列柱間にはキッチンやベッドを置くための腰壁を作り、更に通路部分を抜く。主な通路の腰壁には隅切を設けて間取り全体の流れと、均斉をもつ形を作った。強化ガラスは、部屋の奥半分に床として敷き詰め、残り半分である玄関から地続きのキッチンや水廻りや収納エリアは、既存モルタル直均しのままとした。
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塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、東京・杉並区の住戸改修「ポールダンサーの部屋」。築古住戸の価値向上を目指した計画。ポールダンサー入居の想定に対し、新設の“コンクリートの列柱”を挟んでステージと住まいの機能を並列させる構成を考案。列柱の身体性でダンサーの精神に見合う秩序を作り出す 玄関ホールから「ステージ」を見る。 photo©田中克昌
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、東京・杉並区の住戸改修「ポールダンサーの部屋」。築古住戸の価値向上を目指した計画。ポールダンサー入居の想定に対し、新設の“コンクリートの列柱”を挟んでステージと住まいの機能を並列させる構成を考案。列柱の身体性でダンサーの精神に見合う秩序を作り出す 玄関ホールより居住エリア見る。 photo©田中克昌
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、東京・杉並区の住戸改修「ポールダンサーの部屋」。築古住戸の価値向上を目指した計画。ポールダンサー入居の想定に対し、新設の“コンクリートの列柱”を挟んでステージと住まいの機能を並列させる構成を考案。列柱の身体性でダンサーの精神に見合う秩序を作り出す ステージから居住エリアを見る。 photo©田中克昌
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、東京・杉並区の住戸改修「ポールダンサーの部屋」。築古住戸の価値向上を目指した計画。ポールダンサー入居の想定に対し、新設の“コンクリートの列柱”を挟んでステージと住まいの機能を並列させる構成を考案。列柱の身体性でダンサーの精神に見合う秩序を作り出す ステージから居住エリアを見る。 photo©田中克昌
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、東京・杉並区の住戸改修「ポールダンサーの部屋」。築古住戸の価値向上を目指した計画。ポールダンサー入居の想定に対し、新設の“コンクリートの列柱”を挟んでステージと住まいの機能を並列させる構成を考案。列柱の身体性でダンサーの精神に見合う秩序を作り出す 新設されたコンクリートの列柱と腰壁 photo©田中克昌
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、東京・杉並区の住戸改修「ポールダンサーの部屋」。築古住戸の価値向上を目指した計画。ポールダンサー入居の想定に対し、新設の“コンクリートの列柱”を挟んでステージと住まいの機能を並列させる構成を考案。列柱の身体性でダンサーの精神に見合う秩序を作り出す 腰壁の詳細 photo©田中克昌
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、東京・杉並区の住戸改修「ポールダンサーの部屋」。築古住戸の価値向上を目指した計画。ポールダンサー入居の想定に対し、新設の“コンクリートの列柱”を挟んでステージと住まいの機能を並列させる構成を考案。列柱の身体性でダンサーの精神に見合う秩序を作り出す 新設されたコンクリートの列柱と腰壁 photo©田中克昌
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、東京・杉並区の住戸改修「ポールダンサーの部屋」。築古住戸の価値向上を目指した計画。ポールダンサー入居の想定に対し、新設の“コンクリートの列柱”を挟んでステージと住まいの機能を並列させる構成を考案。列柱の身体性でダンサーの精神に見合う秩序を作り出す 玄関ホールからキッチンを見る。 photo©田中克昌
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、東京・杉並区の住戸改修「ポールダンサーの部屋」。築古住戸の価値向上を目指した計画。ポールダンサー入居の想定に対し、新設の“コンクリートの列柱”を挟んでステージと住まいの機能を並列させる構成を考案。列柱の身体性でダンサーの精神に見合う秩序を作り出す キッチンからステージと居住エリアを見る。 photo©田中克昌
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、東京・杉並区の住戸改修「ポールダンサーの部屋」。築古住戸の価値向上を目指した計画。ポールダンサー入居の想定に対し、新設の“コンクリートの列柱”を挟んでステージと住まいの機能を並列させる構成を考案。列柱の身体性でダンサーの精神に見合う秩序を作り出す キッチンからステージ側を見る。 photo©田中克昌
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、東京・杉並区の住戸改修「ポールダンサーの部屋」。築古住戸の価値向上を目指した計画。ポールダンサー入居の想定に対し、新設の“コンクリートの列柱”を挟んでステージと住まいの機能を並列させる構成を考案。列柱の身体性でダンサーの精神に見合う秩序を作り出す キッチンからステージを見る。 photo©田中克昌
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、東京・杉並区の住戸改修「ポールダンサーの部屋」。築古住戸の価値向上を目指した計画。ポールダンサー入居の想定に対し、新設の“コンクリートの列柱”を挟んでステージと住まいの機能を並列させる構成を考案。列柱の身体性でダンサーの精神に見合う秩序を作り出す 居住エリアからステージ側を見る。 photo©田中克昌
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、東京・杉並区の住戸改修「ポールダンサーの部屋」。築古住戸の価値向上を目指した計画。ポールダンサー入居の想定に対し、新設の“コンクリートの列柱”を挟んでステージと住まいの機能を並列させる構成を考案。列柱の身体性でダンサーの精神に見合う秩序を作り出す 居住エリアからステージを見る。 photo©田中克昌
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、東京・杉並区の住戸改修「ポールダンサーの部屋」。築古住戸の価値向上を目指した計画。ポールダンサー入居の想定に対し、新設の“コンクリートの列柱”を挟んでステージと住まいの機能を並列させる構成を考案。列柱の身体性でダンサーの精神に見合う秩序を作り出す ステージ photo©田中克昌
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、東京・杉並区の住戸改修「ポールダンサーの部屋」。築古住戸の価値向上を目指した計画。ポールダンサー入居の想定に対し、新設の“コンクリートの列柱”を挟んでステージと住まいの機能を並列させる構成を考案。列柱の身体性でダンサーの精神に見合う秩序を作り出す ステージから居住エリア側を見る。 photo©田中克昌
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、東京・杉並区の住戸改修「ポールダンサーの部屋」。築古住戸の価値向上を目指した計画。ポールダンサー入居の想定に対し、新設の“コンクリートの列柱”を挟んでステージと住まいの機能を並列させる構成を考案。列柱の身体性でダンサーの精神に見合う秩序を作り出す ステージから居住エリア側を見る。 photo©田中克昌
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、東京・杉並区の住戸改修「ポールダンサーの部屋」。築古住戸の価値向上を目指した計画。ポールダンサー入居の想定に対し、新設の“コンクリートの列柱”を挟んでステージと住まいの機能を並列させる構成を考案。列柱の身体性でダンサーの精神に見合う秩序を作り出す 新設されたコンクリートの列柱と腰壁 photo©田中克昌
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、東京・杉並区の住戸改修「ポールダンサーの部屋」。築古住戸の価値向上を目指した計画。ポールダンサー入居の想定に対し、新設の“コンクリートの列柱”を挟んでステージと住まいの機能を並列させる構成を考案。列柱の身体性でダンサーの精神に見合う秩序を作り出す 新設されたコンクリートの列柱と腰壁 photo©田中克昌
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、東京・杉並区の住戸改修「ポールダンサーの部屋」。築古住戸の価値向上を目指した計画。ポールダンサー入居の想定に対し、新設の“コンクリートの列柱”を挟んでステージと住まいの機能を並列させる構成を考案。列柱の身体性でダンサーの精神に見合う秩序を作り出す ステージから居住エリア側を見る。 photo©田中克昌
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、東京・杉並区の住戸改修「ポールダンサーの部屋」。築古住戸の価値向上を目指した計画。ポールダンサー入居の想定に対し、新設の“コンクリートの列柱”を挟んでステージと住まいの機能を並列させる構成を考案。列柱の身体性でダンサーの精神に見合う秩序を作り出す ステージからキッチンを見る。 photo©田中克昌
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、東京・杉並区の住戸改修「ポールダンサーの部屋」。築古住戸の価値向上を目指した計画。ポールダンサー入居の想定に対し、新設の“コンクリートの列柱”を挟んでステージと住まいの機能を並列させる構成を考案。列柱の身体性でダンサーの精神に見合う秩序を作り出す ステージから玄関ホール側を見る。 photo©田中克昌
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、東京・杉並区の住戸改修「ポールダンサーの部屋」。築古住戸の価値向上を目指した計画。ポールダンサー入居の想定に対し、新設の“コンクリートの列柱”を挟んでステージと住まいの機能を並列させる構成を考案。列柱の身体性でダンサーの精神に見合う秩序を作り出す キッチンから水廻り側を見る。 photo©田中克昌
塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONによる、東京・杉並区の住戸改修「ポールダンサーの部屋」。築古住戸の価値向上を目指した計画。ポールダンサー入居の想定に対し、新設の“コンクリートの列柱”を挟んでステージと住まいの機能を並列させる構成を考案。列柱の身体性でダンサーの精神に見合う秩序を作り出す アクソメ図、平面図 image©ARCHIDIVISION
以下、建築家によるテキストです。
築50年を超える全14戸の賃貸住宅のうち、105号室を改修した。
クライアントはこの建物のオーナーで古い躯体の質感を好んでおり、スケルトンに解体し、その状態を活かすことで築古の住戸の価値を引き上げることを要望した。
この計画に先立って2017年に私たちの設計で同じ建物の302号室の改修が竣工している。高台に建つ建物のため3階でも眺望が開けた部屋で、その浮遊感を、鉄を使った構造体で実現するよう取り組んだ。
105号室では、クライアントであるオーナーから特殊な2つの要望が求められた。ひとつはポールダンサーが住める部屋を作ること。ただし入居者が決まっているわけではない。もうひとつは個人的に保有していた大量の強化ガラスを使いたいということだった。
踊りの身体性と住まいとの共存を考える。ポールダンスには、半径1500mmの広さが必要である。ポールの他方にベッドやテーブルが置ける広さを確保すると、ステージと住まいの機能が良いスケール感で並列することに気が付いた。私たちはその間に、コンクリートで列柱を作った。
列柱といえば古代ギリシャのオーダーを想起する。室内に打設した180mm角の列柱が体現する力強い身体性が、ダンサーの精神に見合う秩序になり得ると思った。列柱間にはキッチンやベッドを置くための腰壁を作り、更に通路部分を抜く。主な通路の腰壁には隅切を設けて間取り全体の流れと、均斉をもつ形を作った。強化ガラスは、部屋の奥半分に床として敷き詰め、残り半分である玄関から地続きのキッチンや水廻りや収納エリアは、既存モルタル直均しのままとした。
一般的に集合住宅は合理の秩序の元、同じ間取りの部屋が複製されている。この状況に対して私たちは1階の部屋に重いコンクリートを使い、3階の部屋に軽い鉄を使い、その質感と量感で部屋のある階に応じた重力や浮遊を演出した。
挿入した新たな構造体は形とマテリアルを兼ねた壮大なフェイクである一方で、それ自体が自律的な存在である。生活の多様化が著しい現代において、画一的に複製された無機質さに一石を投じるカタログのように、次の部屋の改修につなげていきたいプロジェクトである。
■建築概要
題名:誰かの部屋 #105 ポールダンサーの部屋
所在地:東京都杉並区
主要用途:賃貸マンション
設計・監理:塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISION
施工:THモリオカ / 森岡繁弥
構造:RC造3階
床面積:40.15㎡
設計:2023年1月~2023年8月
工事:2023年8月~2023年9月
竣工:2023年9月
写真:田中克昌