アリソン理恵 / ARAが設計した、東京・渋谷区の「奥の住まい」です。
路地の“更に奥の路地”の先に建つ住宅の改修です。建築家は、暮らしの様々な出来事の“受け皿”として、日当たりや風通しが良く“家族や暮らしのかたち”と共に変化できる空間を志向しました。また、住人自身での改変の容易さも予め考慮されました。
商店街を抜けて、舗装されていない路地のさらに奥の路地を入った奥の方に建つ住宅の改修。
既存の敷地や、木造の架構をめいっぱいつかって、日当たりと風通しがちょっとよくなるように手を入れ、構造と断熱の補強をして、設備を入れ替え、暮らしにまつわる様々な出来事を受け止める受け皿としての住まいを整えた。
町に住むということは、寝て起きて食べるという最低限の行為をこえて、仕事したり遊んだり、家事をしたり、物の手入れをしたり、庭仕事したり、人をよんだり、様々な営みの総体であり、住まいもそういった様々な場面を実現するしつらえをもつべきだと思う。
常に変化する家族のかたちや暮らしのかたちと共に変化していけるよう、一階にはテントの庇のある明るい外室と、広間と水廻り、回遊性のあるワーキングスペース、二階にはいくつかのポケットのような、小さな居場所となるアルコーブと大広間というわかりやすい間取りとした。
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以下、建築家によるテキストです。
商店街を抜けて、舗装されていない路地のさらに奥の路地を入った奥の方に建つ住宅の改修。
既存の敷地や、木造の架構をめいっぱいつかって、日当たりと風通しがちょっとよくなるように手を入れ、構造と断熱の補強をして、設備を入れ替え、暮らしにまつわる様々な出来事を受け止める受け皿としての住まいを整えた。
町に住むということは、寝て起きて食べるという最低限の行為をこえて、仕事したり遊んだり、家事をしたり、物の手入れをしたり、庭仕事したり、人をよんだり、様々な営みの総体であり、住まいもそういった様々な場面を実現するしつらえをもつべきだと思う。
常に変化する家族のかたちや暮らしのかたちと共に変化していけるよう、一階にはテントの庇のある明るい外室と、広間と水廻り、回遊性のあるワーキングスペース、二階にはいくつかのポケットのような、小さな居場所となるアルコーブと大広間というわかりやすい間取りとした。
また、住みながら手を加えやすい素材やディテール、しつらえとしており、住まい手も自分の手を使って暮らしの場所を整えていけるような素地としている。これからどんな住まいになっていくのか、共に見守っていきたい。
■建築概要
題名:奥の住まい
所在地:東京都渋谷区
主用途:住宅
設計:ara 担当/アリソン理恵、太田孝一郎
施工:関口工務店
構造:木造
階数:地上2階
敷地面積:113.12㎡
建築面積:54.76㎡
延床面積:92.00㎡
設計:2021年9月~2022年9月
工事:2022年10月~2022年3月
竣工:2022年3月
写真:山本康平