本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る 外観、南西側より見る。 photo©中村絵
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る 外観、北東側よりレストラン棟を見る。 photo©中村絵
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る レストラン棟、2階、正面:レストラン、右:キッチン photo©中村絵
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る コテージ1、客室 photo©中村絵
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所 が設計した、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」です。
消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設です。建築家は、“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向しました。また、旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造りました。店舗の公式ページはこちら 。
人口500人程度の南砺市利賀村に前衛料理のシェフとそのスタッフ11人余りが移り住み、ここ30年程人が住んでいなかった消滅集落を、地域に根差したレストランと宿泊施設に変えるプロジェクトである。
旧集落は川が削り出した半島状のがけ地の上にあり、川にせり出した半島からは谷筋沿いに見通せる眺望が望める魅力的な場所であった。
地元で活動する設計者として地域に通い、歴史や地元の生活に根差すことで、土地の魅力を引き出しながら、自立した維持管理が可能な持続可能性のある計画とした。
周辺の景観と連続するように、一部旧来の石垣が残る旧集落の高低差を生かして建物配置とランドスケープを計画した。3m以上の積雪がある冬期でも眺望を得るため、ダイニングとそのアプローチを2階とし、集落のスケールから突出しないようにした。一方、コテージは山からの排水を妨げないように、従前集落の配置を参照した分棟配置とし、近景の植物や雪そのものを楽しむことができるようにした。
地形や元の集落配置を参照すると共に、周辺集落の板金屋根に見られる「雪割」という屋根部材や、雪囲いを建築デザインに取り入れ、内外装では残存民家の建材を一部再利用した。また、井戸掘削や上水道の延伸が難しいことから、地域住民が利用してきた沢水の取水設備を継承するなど、住民とも協力した。
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本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る 俯瞰、南側より見る。 photo©中村絵
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る 外観、南西側より見る。 photo©中村絵
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る 外観、北西側より見る。 photo©本瀬齋田建築設計事務所
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る 外観、北東側よりレストラン棟を見る。 photo©中村絵
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る レストラン棟、2階、左:ロビー、右手前:受付 photo©中村絵
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る レストラン棟、2階、ロビー photo©中村絵
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る レストラン棟、2階、ロビー、開口部越しに外部を見る。 photo©中村絵
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る レストラン棟、2階、正面:レストラン、右:キッチン photo©中村絵
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る レストラン棟、2階、左:キッチン、正面:レストラン photo©中村絵
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る レストラン棟、2階、レストラン、開口部越しに外部を見る。 photo©中村絵
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る レストラン棟、2階、キッチン photo©中村絵
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る 外観、手前より、コテージ3、コテージ2、コテージ1 photo©中村絵
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る 外観、左手前:コテージ2、右奥:コテージ1 photo©中村絵
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る コテージ1、客室 photo©中村絵
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る コテージ2、客室 photo©中村絵
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る コテージ3、客室 photo©中村絵
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る コテージ3、客室から開口部越しに外部を見る。 photo©中村絵
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る 配置図 image©本瀬齋田建築設計事務所
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る 配置図 image©本瀬齋田建築設計事務所
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る レストラン棟、1階平面図 image©本瀬齋田建築設計事務所
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る レストラン棟、2階平面図 image©本瀬齋田建築設計事務所
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る コテージ、平面図 image©本瀬齋田建築設計事務所
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る 立面図 image©本瀬齋田建築設計事務所
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る 立面図 image©本瀬齋田建築設計事務所
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る 断面図 image©本瀬齋田建築設計事務所
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所による、富山・南砺市の「消滅集落のオーベルジュ」。消滅集落に移住して開業する施主の為の飲食店と宿泊施設。“地域に根差した”存在を目指し、場の魅力を引出すと共に“自立した維持管理”も可能とする建築を志向。旧集落の配置や地域で使われる意匠も参照して造る レストラン棟、断面詳細図 image©本瀬齋田建築設計事務所
以下、建築家によるテキストです。
人口500人程度の南砺市利賀村に前衛料理のシェフとそのスタッフ11人余りが移り住み、ここ30年程人が住んでいなかった消滅集落を、地域に根差したレストランと宿泊施設に変えるプロジェクトである。
旧集落は川が削り出した半島状のがけ地の上にあり、川にせり出した半島からは谷筋沿いに見通せる眺望が望める魅力的な場所であった。
地元で活動する設計者として地域に通い、歴史や地元の生活に根差すことで、土地の魅力を引き出しながら、自立した維持管理が可能な持続可能性のある計画とした。
周辺の景観と連続するように、一部旧来の石垣が残る旧集落の高低差を生かして建物配置とランドスケープを計画した。3m以上の積雪がある冬期でも眺望を得るため、ダイニングとそのアプローチを2階とし、集落のスケールから突出しないようにした。一方、コテージは山からの排水を妨げないように、従前集落の配置を参照した分棟配置とし、近景の植物や雪そのものを楽しむことができるようにした。
地形や元の集落配置を参照すると共に、周辺集落の板金屋根に見られる「雪割」という屋根部材や、雪囲いを建築デザインに取り入れ、内外装では残存民家の建材を一部再利用した。また、井戸掘削や上水道の延伸が難しいことから、地域住民が利用してきた沢水の取水設備を継承するなど、住民とも協力した。
■建築概要
タイトル:消滅集落のオーベルジュ
施設名:CUISINE REGIONALE L’EVO
所在地:富山県南砺市利賀村大勘場田島100
主用途:オーべルジュ(飲食店、宿泊施設)
設計:本瀬齋田建築設計事務所 担当/本瀬あゆみ 齋田武亨
施工:近藤建設
構造設計:ラケンネ 増田圭吾
設備設計:祥設計 青野茂和
照明設計:山下匡紀
構造:木造
階数:地上2階
敷地面積:7610.96㎡
建築面積:596.36㎡
延床面積:868.35㎡
竣工年月:2020年11月
写真:中村絵 ※石垣の写真は本瀬齋田建築設計事務所撮影