阿曽芙実建築設計事務所による、岐阜・多治見市の住宅「Kaleido scape」。余裕のある“T型の敷地”に計画。物価上昇に対応する為にシンプルな構成を意識し、家型で筒状のヴォリュームを交差させた“様々な外部と関わりをもつ”建築を考案。“万華鏡”の様に室内に光が入り込み空間を彩る俯瞰、東側より見る。 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、岐阜・多治見市の住宅「Kaleido scape」。余裕のある“T型の敷地”に計画。物価上昇に対応する為にシンプルな構成を意識し、家型で筒状のヴォリュームを交差させた“様々な外部と関わりをもつ”建築を考案。“万華鏡”の様に室内に光が入り込み空間を彩る外観、敷地内の南側より玄関とテラス1を見る。 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、岐阜・多治見市の住宅「Kaleido scape」。余裕のある“T型の敷地”に計画。物価上昇に対応する為にシンプルな構成を意識し、家型で筒状のヴォリュームを交差させた“様々な外部と関わりをもつ”建築を考案。“万華鏡”の様に室内に光が入り込み空間を彩るロフトからリビング・ダイニング・キッチンを見下ろす。 photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所による、岐阜・多治見市の住宅「Kaleido scape」。余裕のある“T型の敷地”に計画。物価上昇に対応する為にシンプルな構成を意識し、家型で筒状のヴォリュームを交差させた“様々な外部と関わりをもつ”建築を考案。“万華鏡”の様に室内に光が入り込み空間を彩る左:テラス1、右手前:室1、右奥:キッチンとダイニング photo©大竹央祐
阿曽芙実建築設計事務所が設計した、岐阜・多治見市の住宅「Kaleido scape」です。
余裕のある“T型の敷地”に計画されました。建築家は、物価上昇に対応する為にシンプルな構成を意識し、家型で筒状のヴォリュームを交差させた“様々な外部と関わりをもつ”建築を考案しました。そして、“万華鏡”の様に室内に光が入り込み空間を彩ります。
この計画は、岐阜県多治見市の街中にある旗竿敷地に建つ平屋の住居の計画である。
用途地域が商業地域であるにも関わらず、地方都市では、自治体の想定する用途の活用がないまま人口減少が進み、空洞化している。この土地も同様に、敷地いっぱいに大きな建築を建てることも可能ではあるが、現実的な施主の要望はそれには及ばず、敷地の中に緩やかに平屋を建てることであった。
広い敷地であることから、さまざまな形態が生まれる可能性もあったが、コロナ禍の急激な物価上昇との折り合いがつくよう、シンプルで効果的な空間構成を目指した。T型の敷地に対して、家型で筒状のメインのボリュームを配置し、交差するようにサブのボリュームを配置した。
筒状の建築がさまざまな外部との関わりを持ち、方角や開口の大きさなどで、キラキラと光や風景が入り込んでくる。まるで万華鏡のように、白い壁に光が写り込み、時間や季節によって刻々と空間を染めていく。
メインのボリュームの南側にはデッキと深い庇を設け、冬は暖かく、夏には軒先にタープを吊るせるように計画した。アウトドアが好きな一家のための縁側空間は、出かけずとも野遊びができるよう、キッチンを近くに設け、容易に屋外もしくは、半屋外で食事や余暇の時間を過ごせる。
また、北側には、自立壁を設けることで、小さな中庭のようなテラスを設け、直射日光の当たりにくい外部空間とした。昨今の夏の暑さが高まる中、北側の日陰のある庭は夏を楽しむには欠かせない。
また、北西は畑ができるような場所として残し、子供部屋の前の広めの廊下から連続するように設えた。正面の長いアプローチは、住まいへの期待感が膨らむように、また、アプローチの西側は将来、果樹を植えるエリアとして整えた。
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阿曽芙実建築設計事務所による、岐阜・多治見市の住宅「Kaleido scape」。余裕のある“T型の敷地”に計画。物価上昇に対応する為にシンプルな構成を意識し、家型で筒状のヴォリュームを交差させた“様々な外部と関わりをもつ”建築を考案。“万華鏡”の様に室内に光が入り込み空間を彩る外観、南の道路側よりアプローチを見る。 photo©大竹央祐

阿曽芙実建築設計事務所による、岐阜・多治見市の住宅「Kaleido scape」。余裕のある“T型の敷地”に計画。物価上昇に対応する為にシンプルな構成を意識し、家型で筒状のヴォリュームを交差させた“様々な外部と関わりをもつ”建築を考案。“万華鏡”の様に室内に光が入り込み空間を彩る外観、敷地内の南側より玄関とテラス1を見る。 photo©大竹央祐

阿曽芙実建築設計事務所による、岐阜・多治見市の住宅「Kaleido scape」。余裕のある“T型の敷地”に計画。物価上昇に対応する為にシンプルな構成を意識し、家型で筒状のヴォリュームを交差させた“様々な外部と関わりをもつ”建築を考案。“万華鏡”の様に室内に光が入り込み空間を彩る外観、敷地内の南側より玄関とテラス1を見る。 photo©大竹央祐

阿曽芙実建築設計事務所による、岐阜・多治見市の住宅「Kaleido scape」。余裕のある“T型の敷地”に計画。物価上昇に対応する為にシンプルな構成を意識し、家型で筒状のヴォリュームを交差させた“様々な外部と関わりをもつ”建築を考案。“万華鏡”の様に室内に光が入り込み空間を彩る外観、敷地内の南側より開口部越しに、ダイニングとキッチンを見る。 photo©大竹央祐

阿曽芙実建築設計事務所による、岐阜・多治見市の住宅「Kaleido scape」。余裕のある“T型の敷地”に計画。物価上昇に対応する為にシンプルな構成を意識し、家型で筒状のヴォリュームを交差させた“様々な外部と関わりをもつ”建築を考案。“万華鏡”の様に室内に光が入り込み空間を彩る俯瞰、東側より見る。 photo©大竹央祐

阿曽芙実建築設計事務所による、岐阜・多治見市の住宅「Kaleido scape」。余裕のある“T型の敷地”に計画。物価上昇に対応する為にシンプルな構成を意識し、家型で筒状のヴォリュームを交差させた“様々な外部と関わりをもつ”建築を考案。“万華鏡”の様に室内に光が入り込み空間を彩る外観、東側より見る。 photo©大竹央祐

阿曽芙実建築設計事務所による、岐阜・多治見市の住宅「Kaleido scape」。余裕のある“T型の敷地”に計画。物価上昇に対応する為にシンプルな構成を意識し、家型で筒状のヴォリュームを交差させた“様々な外部と関わりをもつ”建築を考案。“万華鏡”の様に室内に光が入り込み空間を彩る外観、東側より玄関扉を見る。 photo©大竹央祐

阿曽芙実建築設計事務所による、岐阜・多治見市の住宅「Kaleido scape」。余裕のある“T型の敷地”に計画。物価上昇に対応する為にシンプルな構成を意識し、家型で筒状のヴォリュームを交差させた“様々な外部と関わりをもつ”建築を考案。“万華鏡”の様に室内に光が入り込み空間を彩るロフトから玄関を見下ろす。 photo©大竹央祐

阿曽芙実建築設計事務所による、岐阜・多治見市の住宅「Kaleido scape」。余裕のある“T型の敷地”に計画。物価上昇に対応する為にシンプルな構成を意識し、家型で筒状のヴォリュームを交差させた“様々な外部と関わりをもつ”建築を考案。“万華鏡”の様に室内に光が入り込み空間を彩るロフトからリビング・ダイニング・キッチンを見下ろす。 photo©大竹央祐

阿曽芙実建築設計事務所による、岐阜・多治見市の住宅「Kaleido scape」。余裕のある“T型の敷地”に計画。物価上昇に対応する為にシンプルな構成を意識し、家型で筒状のヴォリュームを交差させた“様々な外部と関わりをもつ”建築を考案。“万華鏡”の様に室内に光が入り込み空間を彩る左:テラス1、右手前:室1、右奥:キッチンとダイニング photo©大竹央祐

阿曽芙実建築設計事務所による、岐阜・多治見市の住宅「Kaleido scape」。余裕のある“T型の敷地”に計画。物価上昇に対応する為にシンプルな構成を意識し、家型で筒状のヴォリュームを交差させた“様々な外部と関わりをもつ”建築を考案。“万華鏡”の様に室内に光が入り込み空間を彩る外観、東側より見る。夕景 photo©大竹央祐

阿曽芙実建築設計事務所による、岐阜・多治見市の住宅「Kaleido scape」。余裕のある“T型の敷地”に計画。物価上昇に対応する為にシンプルな構成を意識し、家型で筒状のヴォリュームを交差させた“様々な外部と関わりをもつ”建築を考案。“万華鏡”の様に室内に光が入り込み空間を彩る外観、東側より見る。夕景 photo©大竹央祐

阿曽芙実建築設計事務所による、岐阜・多治見市の住宅「Kaleido scape」。余裕のある“T型の敷地”に計画。物価上昇に対応する為にシンプルな構成を意識し、家型で筒状のヴォリュームを交差させた“様々な外部と関わりをもつ”建築を考案。“万華鏡”の様に室内に光が入り込み空間を彩る外観、南の道路側よりアプローチを見る。夕景 photo©大竹央祐

阿曽芙実建築設計事務所による、岐阜・多治見市の住宅「Kaleido scape」。余裕のある“T型の敷地”に計画。物価上昇に対応する為にシンプルな構成を意識し、家型で筒状のヴォリュームを交差させた“様々な外部と関わりをもつ”建築を考案。“万華鏡”の様に室内に光が入り込み空間を彩る外観、東側より見る、夜景 photo©大竹央祐

阿曽芙実建築設計事務所による、岐阜・多治見市の住宅「Kaleido scape」。余裕のある“T型の敷地”に計画。物価上昇に対応する為にシンプルな構成を意識し、家型で筒状のヴォリュームを交差させた“様々な外部と関わりをもつ”建築を考案。“万華鏡”の様に室内に光が入り込み空間を彩る平面図 image©阿曽芙実建築設計事務所

阿曽芙実建築設計事務所による、岐阜・多治見市の住宅「Kaleido scape」。余裕のある“T型の敷地”に計画。物価上昇に対応する為にシンプルな構成を意識し、家型で筒状のヴォリュームを交差させた“様々な外部と関わりをもつ”建築を考案。“万華鏡”の様に室内に光が入り込み空間を彩る断面図 image©阿曽芙実建築設計事務所
以下、建築家によるテキストです。
Kaleido scape -万華鏡のように千変万化する空間-
この計画は、岐阜県多治見市の街中にある旗竿敷地に建つ平屋の住居の計画である。
用途地域が商業地域であるにも関わらず、地方都市では、自治体の想定する用途の活用がないまま人口減少が進み、空洞化している。この土地も同様に、敷地いっぱいに大きな建築を建てることも可能ではあるが、現実的な施主の要望はそれには及ばず、敷地の中に緩やかに平屋を建てることであった。
広い敷地であることから、さまざまな形態が生まれる可能性もあったが、コロナ禍の急激な物価上昇との折り合いがつくよう、シンプルで効果的な空間構成を目指した。T型の敷地に対して、家型で筒状のメインのボリュームを配置し、交差するようにサブのボリュームを配置した。
筒状の建築がさまざまな外部との関わりを持ち、方角や開口の大きさなどで、キラキラと光や風景が入り込んでくる。まるで万華鏡のように、白い壁に光が写り込み、時間や季節によって刻々と空間を染めていく。
メインのボリュームの南側にはデッキと深い庇を設け、冬は暖かく、夏には軒先にタープを吊るせるように計画した。アウトドアが好きな一家のための縁側空間は、出かけずとも野遊びができるよう、キッチンを近くに設け、容易に屋外もしくは、半屋外で食事や余暇の時間を過ごせる。
また、北側には、自立壁を設けることで、小さな中庭のようなテラスを設け、直射日光の当たりにくい外部空間とした。昨今の夏の暑さが高まる中、北側の日陰のある庭は夏を楽しむには欠かせない。
また、北西は畑ができるような場所として残し、子供部屋の前の広めの廊下から連続するように設えた。正面の長いアプローチは、住まいへの期待感が膨らむように、また、アプローチの西側は将来、果樹を植えるエリアとして整えた。
岐阜県多治見市は、夏になると毎年のように日本一の最高気温が報じられるほどの町であることから、天井を高くし、屋根形状を三角とすることで、重力換気が有利になるような平家建てとした。
道路から大きな屋根面が見えることで、町に対しても肩を下ろした形状とすることで、地域に優しさや温かさが広がる、始まる拠点となるよう整えた。
■建築概要
題名:Kaleido scape
所在地:岐阜県多治見市
主用途:専用住宅
設計:阿曽芙実建築設計事務所 担当/阿曽芙実
施工:株式会社松原建築商事
構造:木造
階数:地上1階
敷地面積:332.24㎡
建築面積:81.94㎡
延床面積:75.45㎡
設計:2022年4月~2023年6月
工事:2023年7月~2024年1月
竣工:2024年1月
写真:大竹央祐(Yousuke Ohtake)