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2025.9.19Fri
2025.9.18Thu
SDレビュー2025の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる
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日程
2025年9月19日(金)
–
9月28日(日)
architecture|exhibition|feature
二又大瑚伴拓実佐藤あゆ北潟寛史塚越竜也大庭拓也東郷拓真森本莉央橿渕開池田裕大郎石飛亮筒井祥平能村嘉乃茅原愛弓村山徹神本豊秋加藤亜矢子小野直輝佐藤布武建築展
SDレビュー2025の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる左奥:「還る墓」小野直輝、右手前:「モナステリーディスティラリー」石飛亮+東郷拓真、 photo©architecturephoto
SDレビュー2025の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる左手前:「還る墓」小野直輝、右奥:「モナステリーディスティラリー」石飛亮+東郷拓真 photo©architecturephoto
SDレビュー2025の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる左手前:「スクラップ・アンド・リファイン―変化し続けるテナント商業ビル―」大庭拓也+茅原愛弓+北潟寛史+橿渕開、左奥:「廃墟の上棟」神本豊秋+能村嘉乃+筒井祥平、右手前:「旧吉野小プロジェクト」村山徹+加藤亜矢子+塚越竜也+二又大瑚、右奥:「暮らしの拡張基地タカキヤ」佐藤布武+佐藤あゆ+森本莉央+池田裕大郎+伴拓実 photo©architecturephoto
SDレビュー2025の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる左:「旧吉野小プロジェクト」村山徹+加藤亜矢子+塚越竜也+二又大瑚、中央手前:「暮らしの拡張基地タカキヤ」佐藤布武+佐藤あゆ+森本莉央+池田裕大郎+伴拓実、中央奥:「スクラップ・アンド・リファイン―変化し続けるテナント商業ビル―」大庭拓也+茅原愛弓+北潟寛史+橿渕開、右奥:「廃墟の上棟」神本豊秋+能村嘉乃+筒井祥平 photo©architecturephoto

SDレビュー2025の入選作品の展覧会レポート(後編)です。
“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件の建築コンペティションで、若手建築家の登竜門としても知られています。本記事では展覧会の様子を前編と後編に分けて紹介します。会期は2025年9月19日~28日。
SDレビュー2025の審査を務めたのは、青木淳、冨永祥子、満田衛資、増田信吾でした。展覧会の公式サイトはこちら。

SDレビューとは

SDレビューは、実際に「建てる」という厳しい現実の中で、設計者がひとつの明確なコンセプトを導き出す思考の過程を、ドローイングと模型によって示そうというものです。
実現見込みのないイメージやアイデアではなく、実現作を募集します。
1982年、建築家・槇文彦氏の発案のもとに第1回目が開催され、以降毎年「建築・環境・インテリアのドローイングと模型」の展覧会とその誌上発表を行っております。

kajima-publishing.co.jp
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以下、入選作品を展示順に掲載します。


モナステリーディスティラリー
石飛亮+東郷拓真

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SDレビュー2025の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる「モナステリーディスティラリー」石飛亮+東郷拓真 photo©architecturephoto
SDレビュー2025の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる「モナステリーディスティラリー」石飛亮+東郷拓真 photo©architecturephoto
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SDレビュー2025の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる「モナステリーディスティラリー」石飛亮+東郷拓真 photo©architecturephoto
SDレビュー2025の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる「モナステリーディスティラリー」石飛亮+東郷拓真 photo©architecturephoto

長崎県の五島列島福江島に建つクラフトジンの蒸溜所の第三期工事プロジェクト。かつて潜伏キリシタンの居住地だった半泊集落には祈りの場である半泊教会が建っており、そこに隣接するように生産の場である蒸溜所がある。この地に訪れる人々を迎え入れる空間として、新たに食と交流の場を計画する。集落全体を半開放的な修道院のような集合体と捉え、風景と経験の連続体としてつくっていく。中世の修道院は、それぞれの用途に即した空間を設えた室が連結していくかたちで全体がつくられており、各室は単体として独立しながらも、同時に動線空間として隣接する室と連続している。このような平面形式を再解釈し、様々なプロポーションを持つ室を連結しながら全体を構成していく。分厚い壁で切断された各室にはその空間にふさわしい窓を設け、多様な集落の風景に向き合う場を設える。こうした室が連なっていくことで、ひとつひとつの情景を紡いでいくような慈の空間の連続体をつくることを目指している。

建築家によるテキストより

還る墓
小野直輝

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SDレビュー2025の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる「還る墓」小野直輝 photo©architecturephoto

東日本大震災でみやぎ霊園は大きな被害を受け、流されたお骨や倒壊した墓石の修復が続いた。近年は墓じまいや無縁墓の増加も問題となっている。そんな中でこれからのお墓の在り方を見つめ直すような墓地の計画が求められた。

敷地は山の湧水が集まる場所で、目下には貯水池がある。この環境を活かし、水と石が混じり合う風景を考えた。大きな水の流れのなかに、私たちの小さな時間を留めるための石を置く。近郊の採石場から石を見つけ、墓石の役目を終えると山に還す。墓標をもたない樹木葬や散骨葬を望む人が増えつつあるが、人々が石に故人を重ねて思いを馳せることは、後世に残すべき人間らしい営みだと考えた。区画された墓地とは異なり、ここでは墓石が互いに影響しあって、大きな風景の一部となる。流れる水とそれを反射する石の風景が、霊園に集う人々をゆるやかにつなぐ場となることを期待する。

建築家によるテキストより

旧吉野小プロジェクト
村山徹+加藤亜矢子+塚越竜也+二又大瑚

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SDレビュー2025の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる「旧吉野小プロジェクト」村山徹+加藤亜矢子+塚越竜也+二又大瑚 photo©architecturephoto
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SDレビュー2025の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる「旧吉野小プロジェクト」村山徹+加藤亜矢子+塚越竜也+二又大瑚 photo©architecturephoto

奈良県吉野町の閉校となった旧吉野小学校を研修・交流施設にリノベーションする計画である。学校建築は、単なる表層的な改修では変えることが難しい強い全体性をもっている。私たちがここで行うのは、この建築に内在する全体性そのもののリノベーションである。

まず、既存建物の特徴である長い廊下を、ぐるりと円環する正方形の回廊に置き換える。この回廊は、部分となる諸室を繋ぐ機能を持っているが、それ以上に、新たな全体性を立ち上げるための仮の縛りである。言うなればビーズのネックレスの紐のようなものであり、部分であるビーズを通し束ねるための存在である。この仮のゆるい縛りが最後に新たな全体性を立ち上がらせるという仮説のもと、部分を個々に設計しつつ、それらが連なる全体も意識しながら設計する。すると、いつしかゆるい縛りとしての回廊は透明な存在となり、まちに開かれた緩やかな全体へとリノベーションされる。

建築家によるテキストより

スクラップ・アンド・リファイン
―変化し続けるテナント商業ビル―

大庭拓也+茅原愛弓+北潟寛史+橿渕開

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SDレビュー2025の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる「スクラップ・アンド・リファイン―変化し続けるテナント商業ビル―」大庭拓也+茅原愛弓+北潟寛史+橿渕開 photo©architecturephoto
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SDレビュー2025の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる「スクラップ・アンド・リファイン―変化し続けるテナント商業ビル―」大庭拓也+茅原愛弓+北潟寛史+橿渕開 photo©architecturephoto
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SDレビュー2025の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる「スクラップ・アンド・リファイン―変化し続けるテナント商業ビル―」大庭拓也+茅原愛弓+北潟寛史+橿渕開 photo©architecturephoto

都市部のテナント商業ビルは高度経済成長以降、変化する用途やニーズに応えるべく、テナント入退去の度にファサードを壊して作る、スクラップ・アンド・ビルドが繰り返されてきました。しかしこれからは環境負荷低減や循環型社会への対応が求められます。

テナント入退去時にファサードを壊さず、廃棄せず、作り直すことができれば、その両者に対応できるのではないかと考えました。

我々はそれを「スクラップ・アンド・リファイン」と名付け、実現するための仕組みを提案します。

この建物は自身のアイデンティティを押し出すのではなく、テナントの多様な表現が街に対する顔になるような「器」としての柔軟性を持ちます。時代の変化を受け入れながら、資源を循環させ、街と共に成長する、次世代のテナント商業ビルのスタンダードになるのではないでしょうか。未来の都市とテナント商業ビルのあり方の一つの解になることを目指しています。

建築家によるテキストより

廃墟の上棟
神本豊秋+能村嘉乃+筒井祥平

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SDレビュー2025の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる「廃墟の上棟」神本豊秋+能村嘉乃+筒井祥平 photo©architecturephoto
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かつて繁栄とともに無作為に増殖し、やがて廃墟となった巨大建築。自然と町のあいだに擁壁のように立ちはだかっていたこの構造を、環境と町をつなぐ装置へと読み替えることを試みた。

最大7層の建物を1~5層へと減築し、70年ぶりに山の風景や川音、SLの汽笛を町に取り戻す。

過去の写真や図面、町の人々の記憶を手がかりに、掘る・削る・発見するという考古学的手法や、自然現象のシステムを参照し、過去と現在を接続する。

自然と人工、鉄骨とRC、住民と宿泊者―相反するもののバランスを見極め、新たな起点としての上棟を打ち込む試みである。

建築家によるテキストより

暮らしの拡張基地タカキヤ
佐藤布武+佐藤あゆ+森本莉央+池田裕大郎+伴拓実

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SDレビュー2025の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる「暮らしの拡張基地タカキヤ」佐藤布武+佐藤あゆ+森本莉央+池田裕大郎+伴拓実 photo©architecturephoto

「暮らしをつくる」を合言葉に、人々が集い、活動する事業と建築を設計するものである。敷地は、国の重伝建に選定されている漆工町・長野県塩尻市木曽平沢。

本展示では版画をモチーフに、「塗り」を軸に図面表現を探求した。情報を広く伝えるために開発された版画は、文字や線、人やモノなどが抽象化される傾向にある。山の中で自然とともに歩んできた地域の雰囲気と、その中で様々な境界を溶かしていくような本設計の方向性を表現している。断面で街の諸条件と設計のポイントを示し、各種図面とパースでプロジェクトを紹介する。

自分たちで事業の構想と予算獲得をしながら保存と活用の設計を行い、セルフリノベーションにて改修を続けてきた。モックアップでは、漆ならではの詳細開発や、これまでのソフト事業を紹介する。文化財という特殊に感じる設計案件も、その仕組みや意味を読み取る設計者が参画することで、街の魅力を引き出すことができる。

建築家によるテキストより

  • SDレビュー2025の入選作品の展覧会レポート(前編)はこちら

■展覧会情報

東京展
会期:2025年9月19日(金)~9月28日(日)会期中無休
11:00–19:00(最終日は16:00まで)
会場:ヒルサイドテラスF棟 ヒルサイドフォーラム
東京都渋谷区猿楽町18-8
───
京都展
会期:2025年10月3日(金)~10月25日(土)
10:00–17:00(入館は16:30まで)
10月18日(土)・日曜日・祝日は休館
会場:京都工芸繊維大学 美術工芸資料館
京都府京都市左京区松ヶ崎橋上町

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二又大瑚伴拓実佐藤あゆ北潟寛史塚越竜也大庭拓也東郷拓真森本莉央橿渕開池田裕大郎石飛亮筒井祥平能村嘉乃茅原愛弓村山徹神本豊秋加藤亜矢子小野直輝佐藤布武建築展
2025.09.19 Fri 20:07
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    SDレビュー2025の入選作品の展覧会レポート(前編)です。
    “実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件の建築コンペティションで、若手建築家の登竜門としても知られています。本記事では展覧会の様子を前編と後編に分けて紹介します。会期は2025年9月19日~28日。
    SDレビュー2025の審査を務めたのは、青木淳、冨永祥子、満田衛資、増田信吾でした。展覧会の公式サイトはこちら。

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    SDレビューは、実際に「建てる」という厳しい現実の中で、設計者がひとつの明確なコンセプトを導き出す思考の過程を、ドローイングと模型によって示そうというものです。
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    【ap job更新】 再生建築のリーディングカンパニー「青木茂建築工房」が、意匠設計・BIM・3DCGのスタッフ(経験者・既卒・2026年新卒)を募集中
    【ap job更新】 再生建築のリーディングカンパニー「青木茂建築工房」が、意匠設計・BIM・3DCGのスタッフ(経験者・既卒・2026年新卒)を募集中
    アーキテクチャーフォトジョブボードに新しい情報が追加されました
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    再生建築のリーディングカンパニー「青木茂建築工房」の、意匠設計・BIM・3DCGのスタッフ(経験者・既卒・2026年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
    新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。

    青木茂建築工房では、東京・福岡両事務所で設計スタッフおよびBIMマネージャー/BIMオペレーター/3DCGクリエーターを募集します。
    特に、東京事務所での勤務を希望される実務経験のある方を積極的に採用します。また、2026年4月入社の新卒スタッフも募集しています。

    青木茂建築工房は、主に再生建築に取り組む建築設計事務所です。国内でいち早く再生建築に着手し、事務所開設から49年間で多数の実績を積み重ねてきました。その成果は、建築学会賞(業績)、BCS賞、公共建築賞、BELCA賞など数多くの受賞につながっています。

    当事務所では、環境に優しく持続可能な建築再生手法を「リファイニング建築」と名付け、独自に展開しています。古い建物の構造躯体を再利用し、耐震補強や劣化部分の補修、違法部分の適法化などを行うことで、安全性と遵法性を確保。さらに、建物が本来持つ可能性を提案によって新たな価値へと昇華させ、長く使える建物へと再生しています。こうした取り組みを通じて循環型社会の実現に貢献し、持続可能な未来をともにつくっていく仲間を求めています。

    現在、文化施設、教育施設、大規模店舗、病院、オフィスビル、集合住宅など、30件以上のプロジェクトが進行中です。民間・公共・PFIといった多様な依頼を受け、企画から設計監理まで、再生建築にまつわるすべての業務を経験できます。幅広い用途や事業スキームに携わることで、社会性のある実務を積みながら、デザインに加え、建設技術・法律・ファイナンスを含めた多角的なアプローチを実践・習得することが可能です。

    東京・福岡の2拠点に約25名のスタッフが在籍し、海外からの注目も高いことから、外国人スタッフも活躍する多国籍な職場環境となっています。設計実務に携わりながら博士課程で学ぶ者や、大学での教育・研究活動に取り組むスタッフもおり、その成果を実務に還元することで、個人としても事務所としても設計力を高めています。

    再生建築のリーディングカンパニーとして確かな実績と経験を持ちながら、常に次の時代を見据えた新しい建築に挑戦し続けています。私たちと共に成長し、未来を築いていく仲間をお待ちしています。

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    建築求人情報
    2025.09.19 Fri 15:00
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    ラッパーの環ROYと建築家の藤原徹平と中山英之が審査する、日本ペイント主催の国際学生コンペ「AYDA2025」が開催。テーマは「空間と詩、その間」。最優秀賞には国際アワードセレモニーへの招待と賞金30万円が贈呈

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    ラッパーの環ROYと建築家の藤原徹平と中山英之が審査する、日本ペイント主催の国際学生コンペ「AYDA2025」が開催。テーマは「空間と詩、その間」。最優秀賞には国際アワードセレモニーへの招待と賞金30万円が贈呈
    ラッパーの環ROYと建築家の藤原徹平と中山英之が審査する、日本ペイント主催の国際学生コンペ「AYDA2025」が開催されます
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    ラッパーの環ROYと建築家の藤原徹平と中山英之が審査する、日本ペイント主催の国際学生コンペ「AYDA2025」が開催されます。テーマは「空間と詩、その間」。最優秀賞には国際アワードセレモニーへの招待と賞金30万円が贈呈されます。登録締切は2026年1月8日(木)。提出期限は2026年1月15日(木)です。【ap・ad】

    テーマ:空間と詩、その間

    詩は、言語の獲得とともに長い時間をかけて育まれてきた、私たちとこの世界の生を謳いあげる創造的な手段です。そして詩は、正確な情報伝達とはまた違った象限で、言語による表現世界の輪郭を今も押し広げています。

    情景や空間の印象を形容するとき、「詩的」という表現がつい口をつくこともよくあるでしょう。けれども、「では詩的な空間とはいったいどんなレシピでできているのか」と問われたら、少し考え込んでしまうかもしれません。

    意味伝達のためだけではない、配置や感触に比重を置く言葉の連なり。仮に詩をそんなふうに定義するなら、この「言葉」を色や形、素材や具体的なモノ、あるいはそれらを取り巻く環境に置き換えてみて、これを空間の生成原理として考えてみることができるのではないか。たとえばそんな問いかけに、あなたならどんなふうに応えますか?

    ヒントは、やはり詩の中にあります。意味に縛られず、文章とは異なる方向へ開かれた言葉の連なり。前の言葉が後の言葉と響き合い、あるいは反発し合い、言葉と書いたそれさえ、時に意味から離れて音になる。優れた詩的表現が、知っていたはずの日常に新しい輪郭を与えるように、あなたなりの方法で、空間と詩、その間を描き出してください。

     
    課題

    テーマに沿った提案をするための具体的な都市、場所、あるいは環境を選び、建築空間化してください。スケールや目的に制限はありません。表現方法は自由です。

    ayda.jp

    賞金

    ●インターナショナルアワード 最優秀賞(1名)
    賞金 10,000 USドル
    ハーバード大学での6週間のサマースクールへの招待
    (旅費滞在費を含む)

    ●日本地区最優秀賞(1名)
    賞金 30万円
    インターナショナルアワードセレモニーへの招待
    (旅費滞在費含む)
    日本地区審査員とのインターンシップツアーへの招待

    ●日本地区インテリア部門優秀賞(2名)
    賞金 各5万円
    日本地区審査員とのインターンシップツアーへの招待

    ●日本地区建築・ランドスケープ部門優秀賞(2名)
    賞金 各5万円
    日本地区審査員とのインターンシップツアーへの招待

    ayda.jp

    以下に、募集概要等を掲載します。

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    2025.09.19 Fri 10:17
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    ジャン・ヌーヴェル / Ateliers Jean Nouvelが手掛ける、鹿児島・屋久島のヴィラ「NOT A HOTEL YAKUSHIMA」のパースが公開
    image courtesy of NOT A HOTEL

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    ジャン・ヌーベル別荘鹿児島
    ジャン・ヌーヴェル / Ateliers Jean Nouvelが手掛ける、鹿児島・屋久島のヴィラ「NOT A HOTEL YAKUSHIMA」のパースが公開 image courtesy of NOT A HOTEL

    ジャン・ヌーヴェル / Ateliers Jean Nouvelが手掛ける、鹿児島・屋久島のヴィラ「NOT A HOTEL YAKUSHIMA」のパースが公開されています。2026年夏の販売開始が予定されています。

    ジャン・ヌーヴェルによる「NOT A HOTEL YAKUSHIMA」コンセプト

    最も洗練されたものは、自然の中にある。風景や小径、起伏、そしてふと現れる眺め。それ以外は、何もない。
    このプロジェクトは、単に住まう場所をつくることではない。一本の木、ひとひらの草の葉、ひとつの石と恋に落ちることなのだ。

    まるで現代美術の収集家のように、石や庭、むき出しの大地の中にこそ、この島を体験する理想的な方法を見出すことができる。
    それは自然であり、場所であり、芸術作品であり、雨であり、水の音だ。
    その根底にあるのは石。時間や雨風によって形作られ、歳月の記憶をまとう永遠の存在。

    その周囲には岩や石壁が、まるで昔からここに存在していたかのように配置される。
    この島はまるで宝物のような場所だ。
    現れては消え、すべてが変化しうる場所でありながら、それでも常に、静かに想いに耽る喜びを与えてくれる。

    ここでは時間は不変で、静謐は絶対的、瞑想的でなければならない。
    ガラスのように最もシンプルな素材が選ばれるのは、雨への感覚を研ぎ澄ますため。
    水の透明性や、その向こうに広がる空を映し出し、そこから湧き上がる根源的で自然な感情を呼び起こすためだ。

    リリーステキストより
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    ジャン・ヌーベル別荘鹿児島
    2025.09.19 Fri 08:24
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    藤本壮介の設計で、JINSのグローバル旗艦店「JINS銀座店」が2026年春にオープン。アントニン・レーモンド設計の“教文館ビル”(1933年)の一角に計画
    image courtesy of JINS

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    architecture|fashion
    中央区店舗東京藤本壮介銀座
    藤本壮介の設計で、JINSのグローバル旗艦店「JINS銀座店」が2026年春にオープン。アントニン・レーモンド設計の“教文館ビル”(1933年)の一角に計画 image courtesy of JINS

    藤本壮介の設計で、JINSのグローバル旗艦店「JINS銀座店」が2026年春にオープンします。
    アントニン・レーモンド設計の“教文館ビル”(1933年)の一角での計画です。

    株式会社ジンズ(以下JINS)は2026年春、東京・銀座の象徴である中央通りに、初のグローバル旗艦店「JINS銀座店」をオープンいたします。2026年にアイウエア事業25周年を迎えるJINSは、ここ銀座を拠点に、日本発のクリエイティビティと革新を世界へ発信し、グローバルブランドとして新たな挑戦を開始します。

    近代日本建築の巨匠アントニン・レーモンド氏が設計した歴史的名建築・教文館ビルを舞台に、世界的建築家・藤本壮介氏が新たな設計を手がけます。名だたるブランド旗艦店が並ぶ銀座・中央通りにおいて、JINSは偶然のようで必然のような出会いを大切にする日本的思想「縁(えにし)」をコンセプトに掲げ、訪れるたびに新しい発見がある唯一無二の体験を提供しながら、国内500店舗以上、海外250店舗以上を展開するブランドとして次の25年に向け「世界No.1のアイウエアブランド」を目指す第一歩をここ銀座から踏み出します。

    リリーステキストより

    以下の画像は拡大して閲覧できます。

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    中央区店舗東京藤本壮介銀座
    2025.09.19 Fri 07:40
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    NOIZによる、東京・千代田区のオフィス「WingArc1st D.E.BASE」。IT企業の為に計画。無数の“仮想的な面”をビルのグリッドを“切り裂く”様に設定し、断面線としての“光のライン”を縦横無尽に交錯させる空間を考案。異質な素材や形と色を組合わせて技術者の創造性も刺激する
    photo©高木康広

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    architecture|feature
    andHACHInoizインターオフィスハイライツ事務所住友不動産千代田区図面あり建材(内装・その他)建材(内装・壁)建材(内装・床)建材(内装・照明)建材(内装・造作家具)東京高木康広
    NOIZによる、東京・千代田区のオフィス「WingArc1st D.E.BASE」。IT企業の為に計画。無数の“仮想的な面”をビルのグリッドを“切り裂く”様に設定し、断面線としての“光のライン”を縦横無尽に交錯させる空間を考案。異質な素材や形と色を組合わせて技術者の創造性も刺激するエントランス側から「オープンスペース」を見る。 photo©高木康広
    NOIZによる、東京・千代田区のオフィス「WingArc1st D.E.BASE」。IT企業の為に計画。無数の“仮想的な面”をビルのグリッドを“切り裂く”様に設定し、断面線としての“光のライン”を縦横無尽に交錯させる空間を考案。異質な素材や形と色を組合わせて技術者の創造性も刺激するオープンスペースから「プライベートルーム」側を見る。 photo©高木康広
    NOIZによる、東京・千代田区のオフィス「WingArc1st D.E.BASE」。IT企業の為に計画。無数の“仮想的な面”をビルのグリッドを“切り裂く”様に設定し、断面線としての“光のライン”を縦横無尽に交錯させる空間を考案。異質な素材や形と色を組合わせて技術者の創造性も刺激する「カフェゾーン」 photo©高木康広
    NOIZによる、東京・千代田区のオフィス「WingArc1st D.E.BASE」。IT企業の為に計画。無数の“仮想的な面”をビルのグリッドを“切り裂く”様に設定し、断面線としての“光のライン”を縦横無尽に交錯させる空間を考案。異質な素材や形と色を組合わせて技術者の創造性も刺激する天井照明と壁面の詳細 photo©高木康広

    NOIZが設計した、東京・千代田区のオフィス「WingArc1st D.E.BASE」です。
    IT企業の為に計画されました。建築家は、無数の“仮想的な面”をビルのグリッドを“切り裂く”様に設定し、断面線としての“光のライン”を縦横無尽に交錯させる空間を考案しました。そして、異質な素材や形と色を組合わせて技術者の創造性も刺激しています。

    データ活用の分野で業界をリードするIT企業の、技術者向けのイベント・プレゼンテーションを行うためのオープンスペースを併設したフラッグシップオフィスの内装設計です。

    自社の技術力や創造性を対外的に示す場として、あるいは技術者同士のコミュニケーションを誘発する場として、空間の床・壁・天井の至るところにLEDディスプレイが埋め込まれ、それらを統合的にまとめる強い空間のアイデンティティが求められました。

    建築家によるテキストより

    ここでは仮想的な無数の面を、オフィスビルのグリッドを切り裂くように設定し、その断面線としての光のラインをあたかも情報空間を行きかうデータのように縦横無尽に交錯させて、情報を扱う企業ならではアイデンティティを表現したいと考えました。

    建築家によるテキストより

    斜めに横断する直線によって、会議室やサーバー室、工作機器室などの各諸室がボリュームとして切り出されるだけでなく、その界面を形成するガラス面によって、複雑な反射と奥行き感を生み出し、透過LEDディスプレイなどの視覚効果をまじえて、実と虚が重なりあい連続する空間になっています。

    また、その直線の壁は一部が、アメーバのような有機的な曲面によって浸食され、テレカンブースや、什器として自律的な機能が与えられています。この曲面には構造色フィルムが貼られており、色彩を変化させながら周辺環境を歪める効果があり、直線を基調にした空間をトポロジカルに変換し、あたかも仮想世界の鏡のような感覚を与えることを意図しています。

    空間を構成する素材や形、色彩などの要素を意図的に異質なものの組み合わせで対比させ、ここに集う技術者の創造性を刺激し柔軟な発想を促すものとしたいと考えました。

    建築家によるテキストより
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    andHACHInoizインターオフィスハイライツ事務所住友不動産千代田区図面あり建材(内装・その他)建材(内装・壁)建材(内装・床)建材(内装・照明)建材(内装・造作家具)東京高木康広
    2025.09.19 Fri 06:50
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    2025.9.17Wed
    • 【ap job更新】 BIGと隈研吾に学び、国内外の様々な受賞歴を持つ神谷修平が主宰する「カミヤアーキテクツ」が設計スタッフ(経験者・既卒)を募集中
    • 【ap job更新】 九州と東京を拠点に、各地で新たな“建築の物語”をひらく「HAJIMARI ARCHITECTS(旧DABURA.m)」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2026年新卒)と CADオペレーターを募集中
    • 小野寺匠吾建築設計事務所による、大阪・関西万博の「いのちめぐる冒険(河森正治館)」。環境問題や廃棄解体問題も主題に計画。建築の循環プロセスの可視化を目指し、海運規格の輸送性の高い鉄骨フレーム、大阪湾の海水100%のコンクリート、分解や再構築の効率が高い構造システム、で造る建築を考案

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