
SHARE 阿曽芙実による、兵庫・西宮市の「『唯一味』の加工場とショップ」。既存住宅の一部を唐辛子製品の店へと増改築。元テラスの基壇を活用して、板張りの優しい佇まいと対比的な“ピリッとした物体”が浮遊する建築を考案。商品特徴との共通性も備えた“結晶の様な唯一無二の塊”も意図



阿曽芙実建築設計事務所が設計した、兵庫・西宮市の「『唯一味』の加工場とショップ」です。
既存住宅の一部を唐辛子製品の店へと増改築する計画。建築家は、元テラスの基壇を活用して、板張りの優しい佇まいと対比的な“ピリッとした物体”が浮遊する建築を考案しました。また、商品特徴との共通性も備えた“結晶の様な唯一無二の塊”も意図されました。店舗の場所はこちら(Google Map)。
この計画は、兵庫県西宮市にある住宅の一部をとうがらしのための加工場とショップに改装する計画だ。
お店の名前は「唯一味」。10年以上前から、佐賀県唐津市にあるおばあちゃんのとうがらし畑を手伝い、美味しいとうがらしを知り合いの料理屋さんや友人にプレゼントすることがきっかけで、販売することになっていった。おばあちゃんが高齢化で畑がままならなくなってきた頃、クライアントの受け継ぐ気持ちが本気となり、さらに、西宮の実家に住む両親が佐賀に帰ることが多くなり、空き家化してきたことがきっかけで、この計画となった。
確かに、おばあちゃんの畑で採れたとうがらしは、他と比べても、しっかり辛く、旨みを感じる。
ご実家を拝見した際、そもそも意思のある設計者によって設計された建物であり、約築20年ほどの住宅は、傷みはしているものの、素敵な佇まいだった。敷地境界の緑や一部の草屋根、なんといっても板張りの壁は良い味わいをしていた。
ご相談いただいた時には、玄関先に、小さなショーケースがあれば、とうがらしを売るには充分だと言う内容だった。ただ、実際に商品のバリエーションや今後の展開、さらに、味見をしたことによって、ただのとうがらしでは無い上に、とうがらし屋さんなんて、他にない。と思い直した。
その上で、住宅の玄関は、あくまで住宅として、もしくは裏側の動線として利用し、ショップはテラス側から入ることを提案した。
南側にあったテラスは、コンクリートの基壇に鉄骨フレームで造られていたため、鉄骨部分を解体し、コンクリートの基壇に木造の小さな異物のような物体を乗せた。
既存の板張りの優しい佇まいに、ピリッとした物体を対比させるように壁にへばり着かせ、一見すると、地面には着地せず、浮いているように見える。
また、お料理の中のとうがらしの存在のように、元々あった植栽にも合わせ、建物に凹凸をつけながらも存在感のある佇まいとなるようボリュームを調整し、唯一無二の一味である「唯一味」自身を小さな建物で表現した。
以下の写真はクリックで拡大します















以下、建築家によるテキストです。
想いがそのまま形となり伝わるように
この計画は、兵庫県西宮市にある住宅の一部をとうがらしのための加工場とショップに改装する計画だ。
お店の名前は「唯一味」。10年以上前から、佐賀県唐津市にあるおばあちゃんのとうがらし畑を手伝い、美味しいとうがらしを知り合いの料理屋さんや友人にプレゼントすることがきっかけで、販売することになっていった。
おばあちゃんが高齢化で畑がままならなくなってきた頃、クライアントの受け継ぐ気持ちが本気となり、さらに、西宮の実家に住む両親が佐賀に帰ることが多くなり、空き家化してきたことがきっかけで、この計画となった。
確かに、おばあちゃんの畑で採れたとうがらしは、他と比べても、しっかり辛く、旨みを感じる。
ご実家を拝見した際、そもそも意思のある設計者によって設計された建物であり、約築20年ほどの住宅は、傷みはしているものの、素敵な佇まいだった。敷地境界の緑や一部の草屋根、なんといっても板張りの壁は良い味わいをしていた。
ご相談いただいた時には、玄関先に、小さなショーケースがあれば、とうがらしを売るには充分だと言う内容だった。
ただ、実際に商品のバリエーションや今後の展開、さらに、味見をしたことによって、ただのとうがらしでは無い上に、とうがらし屋さんなんて、他にない。と思い直した。
その上で、住宅の玄関は、あくまで住宅として、もしくは裏側の動線として利用し、ショップはテラス側から入ることを提案した。
南側にあったテラスは、コンクリートの基壇に鉄骨フレームで造られていたため、鉄骨部分を解体し、コンクリートの基壇に木造の小さな異物のような物体を乗せた。
既存の板張りの優しい佇まいに、ピリッとした物体を対比させるように壁にへばり着かせ、一見すると、地面には着地せず、浮いているように見える。
また、お料理の中のとうがらしの存在のように、元々あった植栽にも合わせ、建物に凹凸をつけながらも存在感のある佇まいとなるようボリュームを調整し、唯一無二の一味である「唯一味」自身を小さな建物で表現した。
7平米ほどの小さなショップだが、唯一味のとうがらしのように、鋭さと鋭さだけではない奥行き感や風味を感じられるよう、細部まで研ぎ澄ませ、結晶のような唯一無二の塊となるように計画した。
(阿曽芙実)
■建築概要
題名:「唯一味」の加工場とショップ
所在地:兵庫県西宮市
主用途:店舗
設計:阿曽芙実 担当/阿曽芙実
施工:笹原建設
構造:木造
階数:地上2階(1階を増築・改修及び2階の一部を改修)
敷地面積:101.90㎡
店舗面積:15.11㎡(内、7.06㎡増築)
設計:2023年2月~2024年1月
工事:2024年2月~2024年4月
竣工:2024年4月
写真:大竹央祐
| 種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
|---|---|---|
| 外装・屋根 | 屋根 | |
| 外装・壁 | 外壁 | |
| 内装・床 | 店舗 床 | |
| 内装・壁 | 店舗 壁 | P.B.t-9.5 2枚貼りノ上EP塗装 |
| 内装・天井 | 店舗 天井 | P.B.t-9.5 2枚貼りノ上EP塗装 |
| 外構・床 | 外部アプローチ | 製作(シマ鋼板) |
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