SHARE 田所克庸、上田篤、川勝真一による「その街にある教会」
1.会堂
2.牧師室
3.洗面・脱衣室
4.台所
5.事務スペース
6.風除室
7.予備室
以下、建築家によるテキストです。
松本の郊外、田畑に囲まれた小さな街にある教会。敷地は、新しく造成された宅地にある。
「教会」らしい厳粛さや象徴性から建築を組み立てるのではなく、切実な断熱性や遮音性、住環境、礼拝室の使用法などの形而下の問題を街中の平易な要素を援 用し、教会との接点を見つけだしながら、解決し浮び上がらせる事で、形而上の祈りの空間に転換することが可能であるかを考えた。
会堂を中心として展開する、とりどりの条件により導き出された素材や色、移動と共に現れる正面性、どこからともなく差し込む光、くぼみを持った壁面など が、そのシーン毎に意味を保持しつつも、総体から見れば鮮明な在り方ではなく、「様子の存在」、或いは、「教会の点景」へと変換される。更には、教会が 「街の点景」へ回収されるような、そんな鷹揚なあり方を目指している。
その土地や風景を肯定し、教会での営みを掬い上げることで、この街の日常にしっくりとなじみながら、それでいて教会としての佇まいが滲み出るような、そんな建築の姿を模索した。
■建築概要
設計:田所克庸、上田篤、川勝真一/ un voice一級建築士事務所
所在地:長野県松本市
用途:教会
構造・階数:木造・地上1階
建築面積:77.63㎡
延床面積:77.32㎡
構造設計:門藤芳樹/門藤芳樹構造設計事務所
施工:筑北木材建設株式会社
カーテン制作:森山茜
スピーカー制作:鶴林万平(soni house)