SHARE K2YT(Thirdparty)による東京都の共同住宅「HOUSE K」
photo©淺川敏
K2YT(Thirdparty)による東京都の共同住宅「HOUSE K」です
以下、建築家によるテキストです。
敷地は東京都内の住宅地にあり、南側と西側が道路に面する角地である。ただ、北側が鉄道の高架に近接しているため、騒音と振動が問題であった。そこで騒音対策として外部に対して閉じつつも、一方では開放的にしたいという矛盾があった。
この住宅には二世帯の家族が住む。要求された部屋数が多かったことから、それらの部屋をほぼ6等分した平面上に配置し、4層に積み上げ、各部屋の天井高さに応じて床のレベルを調整し、開口をあけてつなげている。外部空間である中庭も部屋と同じような扱いとし、各部屋の間にばらまいた。
ひとつひとつの部屋はあまり広くないが、中庭や向こうの部屋まで見通せるので、実際以上の広がりを感じる。それぞれの世帯の住まいは分れているがお互いの生活の気配は感じられる。中庭を部屋のように配置し、敷地の外にある街との間に深い奥行きをつくった。そのため住環境はとても開放的になっている。中庭を立体的にとりこみ部屋と等価に扱うことで、街との間に今まで感じたことのない奥行きをもつ開かれた関係がうまれた。
■建築概要
用途:共同住宅
場所:東京都
延床面積:291.57㎡
構造設計:鈴木 健