SHARE アトリエハコ建築設計事務所による、東京都渋谷区の住宅「本町の住宅」
all photos©URBAN ARTS / Shinsuke Kera
アトリエハコ建築設計事務所が設計した、東京都渋谷区の住宅「本町の住宅」です。
都心に近い住宅密集地。
戸建住宅やアパートなどが建て込んだ昔ながらの風情が残るなか、間口約4M・面積約13坪の狭小敷地に建つ、木造3階建て住宅。
家族4人が住まうことを存分に楽しめる住宅を目指した。限られた敷地のなか、意味ある使える生活空間を最大限確保するため、
建物全体の大枠を許容建蔽率(60%)の床を3層積んだ180%分のボリュームとして設定した上で、
その中で、許容容積率(160%)を超過する分(20%)の床を吹抜にしたり、屋根付きポーチに(外部化)した。
最大限確保した延床面積に加え、更に空間の「伸びしろ」と周辺環境との間の「ゆとり」を獲得することを狙った。
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以下、建築家によるテキストです。
都心に近い住宅密集地。
戸建住宅やアパートなどが建て込んだ昔ながらの風情が残るなか、間口約4M・面積約13坪の狭小敷地に建つ、木造3階建て住宅。
家族4人が住まうことを存分に楽しめる住宅を目指した。
限られた敷地のなか、意味ある使える生活空間を最大限確保するため、
建物全体の大枠を許容建蔽率(60%)の床を3層積んだ180%分のボリュームとして設定した上で、
その中で、許容容積率(160%)を超過する分(20%)の床を吹抜にしたり、屋根付きポーチに(外部化)した。
最大限確保した延床面積に加え、更に空間の「伸びしろ」と周辺環境との間の「ゆとり」を獲得することを狙った。
見通し・風通しの良い開放的な骨格を得るため、構造上必要とされる耐力壁を重ねたり連続させたりして、見え掛り上の枚数を減らした。
また、階段を建物中央に配置し廊下の不要なプランとしたが、その階段が邪魔な存在とならないように、
居室の床が螺旋階段にそのまま連続しスキップする設えとした。
前面道路以外の三方を隣家に囲まれた中、天窓と吹抜をワンセットで活用した。
周囲の建物越しに屋上に降り注いだ自然光は、天窓から建物内に取り込まれ、直下の吹抜けを介して更にその下階へ届けられ、
また、吹抜け部分の7mの天井高さとその直上部の天窓により、重力換気が促される。
以上の空間操作を経て実現された住宅は、
天井高さや光の取り入れ方などそれぞれニュアンスの異なる空間と、それらを柔らかくつなぐ「居場所」感を備える階段が、
一種独特のバリアフリー感とシークエンスを感じさせるインテリアとなったが、
この住空間内の行き来が、施主の日常生活に一種のリズムのようなものをもたらすことを目指した。
■建築概要
所在地:東京都渋谷区
主要用途:専用住宅
家族構成:夫婦+子供2人
竣工:2015年
設計:アトリエハコ建築設計事務所/七島幸之 佐野友美
構造設計:ビーファースト株式会社/松井保之 今垣優子
施工:株式会社 木心/宮内孝
用途地域:第一種住居地域
防火指定、その他の区域:準防火地域、20m第三種高度地区
敷地面積:43.42 ㎡
構造・規模:木造軸組工法・3階建て
耐火区分:準耐火建築物(イ-2)
基礎・杭:RC造ベタ基礎・先端羽根付き鋼管杭
規模:軒高8,406mm・最高の高さ8,800mm
建築面積:25.94 ㎡(建蔽率:59.74%< 60.00%(許容建坪率))
延床面積:69.29 ㎡(容積率:159.58%<160.00%(許容容積率))
建築写真(all photos©:URBAN ARTS / Shinsuke Kera)
図版(アトリエハコ建築設計事務所)