SHARE UME architects / 梅原悟による、大阪の、既存住宅のテラスの改修「彩都西のレンガテラス」
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UME architects / 梅原悟による、大阪の、既存住宅のテラスの改修「彩都西のレンガテラス」です。梅原は弊サイトでも特集した「北白川の角家」で、第4回京都建築賞(奨励賞)を受賞した建築家です。
敷地は数年前住宅メーカーによって分譲された彩都西、大阪モノレールの終点にある。このプロジェクトはその住宅メーカーによって建てられた一住宅のテラスの改修である。もともと条例で厳しく植栽を義務づけされていたエリアであったため、そこも見るには緑豊かな庭であったが、夫婦共働きの上、その植栽と芝生の維持に時間を取られ、またリビングの延長として使うには難しく、クライアントにとっては長年悩みの種であった。そこで条例が改定されたのを機に、統一感を持ったアクティブに使えるテラスにするため、テラスの床と壁を同一材料、レンガで構成することにした。
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以下、建築家によるテキストです。
「彩都西のレンガテラス」
敷地は数年前住宅メーカーによって分譲された彩都西、大阪モノレールの終点にある。このプロジェクトはその住宅メーカーによって建てられた一住宅のテラスの改修である。もともと条例で厳しく植栽を義務づけされていたエリアであったため、そこも見るには緑豊かな庭であったが、夫婦共働きの上、その植栽と芝生の維持に時間を取られ、またリビングの延長として使うには難しく、クライアントにとっては長年悩みの種であった。そこで条例が改定されたのを機に、統一感を持ったアクティブに使えるテラスにするため、テラスの床と壁を同一材料、レンガで構成することにした。そのレンガは透水性を保ち、また強度も強いため、このプロジェクトに最適であった。大きな木は適切な場所へ移植し、レベルの違う床はレンガを積むことで安定し、それまで難しかった各アクセス(ガレージ、リビング、玄関、裏動線)の問題も同時にクリアできた。境界壁は面する道路からの高さの違う視線を意識し、見る・見られる距離感や関係性を試しながら高さを決定した。またレンガ間に隙間をもって積むことによりセミオープンな壁となり、材料が持つ特徴あるマッシヴさによる閉塞感を緩和させている。そして、レンガの穴の位置がズレていることによって、その穴に鉄筋を通しながらも、隙間の広がりとレンガのずれがランダム性をつくり出し、ユニークな表情をもつファサードとなっている。また控壁の上にはFRPグレーティングをおいてベンチとしている。結果、住宅メーカーの住戸の中にレンガが差し込まれた印象を与えている。
■建築概要
作品名:彩都西のレンガテラス
所在地:大阪府箕面市
用途:テラス、ポーチ
設計:UME architects / 梅原悟
構造設計:株式会社 エス・キューブ・アソシエイツ/ 橋本一郎
施工:奥井造園土木 / 奥井康一
レンガ:株式会社 水野製陶園 / 水野太史
写真:市川靖史
製作協力:真鍋遥(アルバイト)
延床:50㎡ (レンガ3,750個)
竣工:2016年9月