玉上貴人 / タカトタマガミデザインによる、愛知・弥富市の、大型賃貸型物流施設の託児所・休憩ラウンジ・売店「レッドウッド弥富DC KLÜBB エリア」です。本体設計は、塩浜工業が手掛けています。
eコマース市場の急成長により通販会社や運送会社をはじめメーカー等様々な業態をターゲットとした大型賃貸型物流施設の開発が各地で進んでいる。これまで数々の物流不動産を開発してきたクライアントは効率重視、物中心の施設づくりから舵を切り、HUMAN CENTRIC DESIGN」の理念を掲げた。新規開発する大型施設には人に優しい快適な労働環境として託児所や売店、休憩ラウンジの整備を進めており「KLÜBBエリア」という名でブランディングしている。
我々は初期からこの「KLÜBBエリア」の設計を手がけており、このレッドウッド弥富DCはレッドウッド南港DC1(2016竣工)から南港DC2、藤井寺DCに続く4棟目のプロジェクトとなる。
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以下、建築家によるテキストです。
□KLÜBBエリア
eコマース市場の急成長により通販会社や運送会社をはじめメーカー等様々な業態をターゲットとした大型賃貸型物流施設の開発が各地で進んでいる。これまで数々の物流不動産を開発してきたクライアントは効率重視、物中心の施設づくりから舵を切り、HUMAN CENTRIC DESIGN」の理念を掲げた。新規開発する大型施設には人に優しい快適な労働環境として託児所や売店、休憩ラウンジの整備を進めており「KLÜBBエリア」という名でブランディングしている。
我々は初期からこの「KLÜBBエリア」の設計を手がけており、このレッドウッド弥富DCはレッドウッド南港DC1(2016竣工)から南港DC2、藤井寺DCに続く4棟目のプロジェクトとなる。
□ジグザグ壁
これまでのプロジェクトでは眺望の良い最上階にラウンジ、通勤動線に近い一階に託児所が設置されてきたが、本プロジェクトでは1階メインエントランスから南西角までの10m四方×5スパンに及ぶスペースが両者を含むKLÜBBエリアとなった。そこで様々な方向性の開口をもつジグザグ形状の壁でエリア全体を覆うことで託児所と売店、ラウンジそれぞれの関係性、ランドスケープとの繋がりを豊かにできないかと考えた。
ジグザグ壁は外壁から内壁へと連続し、売店とラウンジの仕切からベンチへ、そして小上がりの仕切りへと変化し外部の託児所ファサードとなる。こうして自由な出入りを促し視覚的な広がりを生んでいる。託児所の入口前には園庭を、ラウンジの入口前にはテラスと広場を設け、大人と子供の滞留するエリアをそれとなく分けながらも相互に行きできる位置関係とした。仕事を終え子供を迎えに来た親御さんたちのコミュニケーションの場としてラウンジや広場、テラスが使われたり、売店や託児所と相互に作用し賑わいの場となることを期待している。
□陰に佇む/影の表情
巨大な倉庫の外部空間は日差しや雨を避ける場所も少なく、遠くまで見渡せることがヒューマンスケールを超え、不気味さを感じさせることがある。ここでは軒を設けたテラスのジグザグ形状や出窓、入り窓によって生まれる壁沿いの適度な物陰が人の佇むことができる場所となっている。ラウンジ内では椅子テーブルを整然と並べるのではなく、ジグザグの壁に影響を受けた配置とすることで人の視線が交わりにくく、それぞれの場所に固有の居心地をつくった。単一素材で仕上げたジグザグ壁の彫りの深い陰影は無機質で平面的な施設の外観との対比によって、共用のアメニティ空間ということが一目でわかる表情をファサードに与える。様々な角度に向けられた大小の窓は日中、印象的な自然光を内部空間にもたらし、夜はファサードにぽつぽつと灯りを浮かび上がらせ、人の気配をにじませるだろう。
■建築概要
物件名:レッドウッド弥富DC KLÜBB エリア
所在地:愛知県弥富市
工事種別:内装、外装、外構工事(新築工事の共用部)
本体設計:塩浜工業
施工:塩浜工業
主要用途:託児所、休憩ラウンジ、売店
敷地面積:48,823.28m2
床面積:590m2
(本体延床面積 )99,608.21m2
構造:鉄骨造
規模:地上4階
竣工:2018/2/28
Photographer:吉村昌也 / Masaya Yoshimura