篠元貴之 / rhyme designによる、愛知・名古屋市の、集合住宅の一住戸の改修「小さなガリバーに捧ぐ部屋」です。
名古屋市郊外の集合住宅の一室改修である。
南側に大きな窓と出窓があり、隣接する公園へ開いている。
子供の成長とともに、空間や家具等との関係性が変わっていくことに意識して改修を行った。
“柱のキズはおととしの”
という童謡 背比べ のフレーズのように、
小さな子どもにとって、年々自分の体と周囲のモノの関係は著しく変化する。
幼い体の身体感覚は、大人では見つけることの出来ない機能を見つけ、目線の高さは毎年変わり、空間の使い方も変わる。
体がすっぽりはまる場所だった出窓が、ある日、腰掛ける場所に変わったり、
今まで補助の台が必要だった場所に、ひょいっと上がれたり、すこしずつ、成長とともに環境との関係性が変わっていく。
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以下、建築家によるテキストです。
“子供の頃、マクドナルドに行くと、注文カウンターに届かないので、
オーダーする親の隣で、カウンターの下のMマークの部分ばかり見ていた。
背が伸びて、注文カウンターに届くなり、メニューを見た時、初めてお客さんになれた気がした。その日から、Mマークの取り付く壁は、『注文カウンター』になった。”
名古屋市郊外の集合住宅の一室改修である。
南側に大きな窓と出窓があり、隣接する公園へ開いている。
子供の成長とともに、空間や家具等との関係性が変わっていくことに意識して改修を行った。
“柱のキズはおととしの”
という童謡 背比べ のフレーズのように、
小さな子どもにとって、年々自分の体と周囲のモノの関係は著しく変化する。
幼い体の身体感覚は、大人では見つけることの出来ない機能を見つけ、目線の高さは毎年変わり、空間の使い方も変わる。
体がすっぽりはまる場所だった出窓が、ある日、腰掛ける場所に変わったり、
今まで補助の台が必要だった場所に、ひょいっと上がれたり、すこしずつ、成長とともに環境との関係性が変わっていく。
小さな住戸の中でも時間の流れと共に、使われ方の関係性がコンバートされて、単一機能ではない、あそびしろのある場となることを意識した。
“本棚の中に自分だけの通路”
“絵を動かすとクローゼットに入れる” など、
一文では伝えられない、多義性に富んだ空間を目指した。
■建築概要
設計:篠元 貴之 / rhyme design
所在地:愛知県名古屋市
計画種別:リノベーション
用途:専用住戸
竣工年:2020年3月
専有面積:80㎡
施工:ヒシダ建装・フォルテプランニング(本棚・什器一部)
写真:渡辺シンヤ