塩塚隆生アトリエによる、福岡市の、大分県拠点施設「dot.」の写真と図面

塩塚隆生アトリエによる、福岡市の、大分県拠点施設「dot.」の写真と図面

塩塚隆生アトリエのウェブサイトに、福岡市の、大分県拠点施設「dot.」の写真が22枚掲載されています。施設の公式サイトはこちら

【目的】大分県が企画管理するUIJターンを促すための施設。大分県から福岡市に就学や就職をした学生や20代の女性が、大分県の企業情報を得たり、就職に関する相談を受けたり、企業もこの場所を使ってプレゼンやコミュニケーションをはかる施設。

【場所】場所は、かつての城下町の地割や道幅の残る、福岡市中心部の若者が集まる大名エリア。施設が入る建物は、テントビルの2階。

【用途】施設は、カフェとコワーキングで構成される。カフェとコワーキングのエリアはルーズにつながり、利用人数や活動の内容等によってエリアをフレキシブルに設定できるように設えている。

【配置】奥に細長い地割を利用して、前面を人が行き交う道路をのぞむ桟敷席のようなカフェスペースとし、その奥にコワーキングや交流のためのスペースを設けた。

【天井木格子】40x40の県産ヒノキを600mモデュールで組み合わせた天井の木格子がアイキャッチになる。木格子は、奥にいくほど密度が粗になりスペースの気積が大きくなる。木格子による洞窟のような空間。

【仕上げ】壁の仕上げはFL+2100までとし、その上は既存躯体を現している。また、仕上げを躯体と干渉しないように離して設け、仕上げ自体が舞台セットのように自立している。床・壁の仕上は、いずれも通常下地材として使われるもの(床のOAフロア素地、壁・棚のフレキシブルボード等)をそのまま仕上材として使用することで、空間が活動の背景・風景となるようにした。

【モデュール】その上で、床・壁は500mmモデュール、天井は600mmモデュールとし、それぞれ個々の秩序を持っている。施設全体は、折り畳んで可動できるテーブルや軽いイスによって容易に空間の設えを変化できる。床・壁の500mmのモデュールは、活動や設えの補助線となる。

【設え】壁を巡るスチールのボーダーは、壁面から15mm離れていて、企業や就職情報のボードを差し込んだり、ボーダー自体にマグネットやフックで掲示したりできる。また棚は、企業情報や、大分県の情報をタブレットや本、映像等でプレゼンテーションするスペースで、亜鉛メッキされたスチールのフラットバーの組み合わせでできている。

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キノシタヒロシ建築設計事務所による、鳥取の商店街に面した既存建物を、私設図書館と住宅に改修した「小さな図書館のある家 」の写真

キノシタヒロシ建築設計事務所のサイトに、鳥取の商店街に面した既存建物を、私設図書館と住宅に改修した「小さな図書館のある家 」の写真が12枚掲載されています。

たくさんの本をお持ちでその収蔵場所も兼ねた住まいを考えていた施主に、単に書庫としてだけでなく、気が向いたら私設の図書館のようにして街に開くことができる住空間としてはどうかと提案し計画が始まった。
入り口にあった6枚のガラス戸はそのまま転用することとし、一階はアーケードから続く土間や客間として、あるいは小さな図書館のような開かれた場所にもなり、円環状に設けられたベンチはその様々な場面で使われる。上階は躯体が持つおおらかさを存分に活かして施主の好みでもあるワンルームとした。設備を最新の高効率機器に取り替えた以外は、建築全体として大きな費用は掛けず最小限の改修に留めた。
東京と鳥取の2拠点でカフェやギャラリーを運営する施主は、東京のマンションでのふたり暮らしをやめ、鳥取の街で自分たちらしく生活している。この街で得た新しい共同体の形成にこれからの家族の有り様が示されているように感じる。

この市街地は1952年に鳥取大火が起こり街中が焼けた。
復興の際、同年に施行された耐火建築物促進法の最初の適法として、附近にある目抜き通りの両側に防火建築帯が建造された。同時期に周辺には、それとほぼ同じ規格の鉄筋コンクリート造の家屋が建てられ、未だにその多くが現存している。今回の敷地もそのうちの一つである。
躯体の1階の天井高さはアーケードと同じ3500mm、2階は3400mmと防火建築帯とほぼ同じ規格であり、またそれは一般的なマンションなどの躯体天井高さと比べて遥かに高い。この空間スケールはアーケードと同じく、大火以降から経験されてきたこの街特有のスケールであり、この地域の共同体の活動を支えて来たであろうことは容易に想像できる。施主の描く新しい共同体の形成の器として、これらを評価し積極的に設計に取り込んだ。

著名な画家 デイヴィッド・ホックニーへのインタビュー動画「The World is Beautiful」 第33回村野藤吾賞を、谷口吉生と「鈴木大拙館」が受賞

第33回村野藤吾賞を、谷口吉生と「鈴木大拙館」が受賞しています。こちらのPDFで候補に挙がった建築のリストも見ることができます

 第33回村野藤吾賞の選考は2020年2月18日(火)、加茂紀和子、佐野吉彦、中川武、平田晃久の各氏と本会代表の古谷誠章による5名の選考委員により厳正に行なわれ、 3月24日(火)に開催された村野藤吾記念会委員会において、第33回村野藤吾賞を下記の通り決定しましたのでお知らせいたします。
 受賞決定から発表が大幅に遅れましたのは、受賞発表と共にご案内申し上げておりました授賞式および受賞記念パーティーの開催の日程が決定できなかったためでした。
 例年、村野藤吾の生誕記念日の5月15日に授賞式を挙行してまいりましたが、本年は新型コロナウイルス感染拡大のため延期を余儀なくされました。 授賞式は今秋の開催を目指していますが、いまだ開催を確定できないため、受賞発表のみを先行し、授賞式および受賞記念パーティーは改めてご案内いたします。

受賞者|谷口 吉生(たにぐち・よしお)
受賞作品|鈴木大拙館
選考委員|古谷誠章、加茂紀和子、佐野吉彦、中川武、平田晃久

藤村龍至が、noteでの発信を開始。最初の投稿は「ささやかな記述の反復」 藤田雄介 / Camp Design inc.による、兵庫の、既存RC住宅の改修「AKO HAT」
藤田雄介 / Camp Design inc.による、兵庫の、既存RC住宅の改修「AKO HAT」 photo長谷川健太
藤田雄介 / Camp Design inc.による、兵庫の、既存RC住宅の改修「AKO HAT」 photo©長谷川健太

藤田雄介 / Camp Design inc.による、兵庫の、既存RC住宅の改修「AKO HAT」です。

本計画は1970年代後半に建てられた、ほぼ断熱性のない鉄筋コンクリート造・打ち放しの住宅の改修である。現代においては過酷とも言える住環境であり、また周辺環境も時間の経過と共に大きく変化して、周囲から硬く閉ざした存在になっていた。
テーマは境界の変容である。境界を指す語として boundaryとborder があるが、前者は2つの領域の関係性を断ち切ってしまう硬く切断的な境界を意味し、後者はお互いの領域がやわらかく曖昧に溶け合うような境界を意味している。RC造打ち放しのboundaryな境界に対して、我々はborder hat と呼ぶ新たな外皮を被せることで、既存外壁の周囲に動的な境界空間をつくりだした。

建築家によるテキストより
眞柴一樹+河合美里 / アトリエウルルによる、大阪市の集合住宅の一住戸の改修「3つの廊下と大きなワンルーム」
眞柴一樹+河合美里 / アトリエウルルによる、大阪市の集合住宅の一住戸の改修「3つの廊下と大きなワンルーム」 photo courtesy of アトリエウルル
眞柴一樹+河合美里 / アトリエウルルによる、大阪市の集合住宅の一住戸の改修「3つの廊下と大きなワンルーム」 photo courtesy of アトリエウルル
眞柴一樹+河合美里 / アトリエウルルによる、大阪市の集合住宅の一住戸の改修「3つの廊下と大きなワンルーム」 photo courtesy of アトリエウルル

眞柴一樹+河合美里 / アトリエウルル一級建築士事務所による、大阪市の集合住宅の一住戸の改修「3つの廊下と大きなワンルーム」です。

新築の集合住宅が日々供給されていく都心では、築年数の古い中高層の集合住宅はプランニングの古さ、周辺環境の悪化により、良好な住環境とは言い難い。

だが、そこには長年培われてきたコミュニティがあり、それを簡単に断ち切ってまで引っ越すことを望まない高齢者が多く住んでいる。

思い出の品の収納を確保しつつ、プライバシーとコミュニティを施主が自由に調節し、風、光、人が自由に通りぬける、そんな空間をつくり、新しいコミュニティをカタチ作ることができるように目指した。 

建築家によるテキストより
飯塚哲平+ハーシュ・ジェイン+サウラブ・ジェイン / STUDIO JUGGERNAUTによる、インド・ノイダのオフィスビル「CIPL House」
飯塚哲平+ハーシュ・ジェイン+サウラブ・ジェイン / STUDIO JUGGERNAUTによる、インド・ノイダのオフィスビル「CIPL House」 photo©Nakul Jain
飯塚哲平+ハーシュ・ジェイン+サウラブ・ジェイン / STUDIO JUGGERNAUTによる、インド・ノイダのオフィスビル「CIPL House」 photo©Nakul Jain

飯塚哲平+ハーシュ・ジェイン+サウラブ・ジェイン / STUDIO JUGGERNAUT(スタジオジャガーナント)が設計した、インド・ノイダのオフィスビル「CIPL House」です。

デリー近郊の産業都市ノイダに計画されたIT企業のオフィス。機能的かつ様々なワークスタイルに対応可能な柔軟性を追求した。平面計画は、2つの平行するストライプ型とし、1つはサービス、もう一方はワークスペースとし、ワークフローをより効率的にするシンプルな構成とした。

南西からの強烈な太陽光と熱を考慮し、ファサードには6㎜厚のグワーリヤル産砂岩のスクリーンを設け、明るく開放的な空間を実現しつつ日射遮蔽に配慮したデザインとした。また、外装はノイダ産の黒御影石で覆われており、周囲を取り囲む荒涼とした工業建築とは一線を画した、自然素材による温かみのある外観を目指した。

建築家によるテキストより
伊藤憲吾建築設計事務所による、大分・中津市の老人ホーム「光と風の宿」
伊藤憲吾建築設計事務所による、大分・中津市の老人ホーム「光と風の宿」 photo©八代写真事務所 八代哲弥
伊藤憲吾建築設計事務所による、大分・中津市の老人ホーム「光と風の宿」 photo©八代写真事務所 八代哲弥

伊藤憲吾建築設計事務所が設計した、大分・中津市の老人ホーム「光と風の宿」です。

大分県中津市に建つ老人ホームの増築工事である。

中津市は中津城のある城下町として歴史ある街並みを残している。それに対して本プロジェクトは木造で建てたいと要望があった。敷地は主要幹線道路に面した角地である。既存の老人ホームは4階建てのRC造で耐火建築であった。老人ホームに住まう方の安全を確保し、耐火建築に対しての木造増築の法的対応が課題となった。

法的な課題について先に述べる。増築であるが別棟として法的に取り扱い、構造的解釈をそれぞれの棟で行い耐火規制の捉え方を分けた。行政庁と協議の結果、渡り廊下部分を耐火建築と遮煙機能を設けた特定防火設備で区画することで耐火規制も区分することとした。都市木造化のケースとして可能性がある法的回答だと考えている。

城下町ではあるが周辺にそういった景観は多くない。今後の可能性を示唆するためにも屋根は入母屋屋根の変形型としている。外観は屋根と格子のみの印象である。格子は見込みサイズを変えているので均質な表情ではなく柔らかさを持つ表情となっている。

建築家によるテキストより
国立近代美術館が、ピーター・ドイグの展覧会の会場の様子を3DVRで公開開始

東京国立近代美術館が、ピーター・ドイグの展覧会の会場の様子を3DVRで公開開始しています。新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡散防止のため2020年5月19日現在も休館中です。また図録に収録された論考の一部も公開されています。また、国立科学博物館と森美術館も既に同様の試みを行っています

展覧会の公式概要は以下。

ピーター・ドイグ(1959-)は、ロマンティックかつミステリアスな風景を描く画家です。今日、世界で最も重要なアーティストのひとりと言われています。彼は、ゴーギャン、ゴッホ、マティス、ムンクといった近代画家の作品の構図やモチーフ、映画のワンシーンや広告、彼が過ごしたカナダやトリニダード・トバゴの風景など、多様なイメージを組み合わせて絵画を制作してきました。

私たちが彼の作品に不思議と魅せられるのは、誰もがどこかで見たことのあるイメージを用いながらも、見たことのない世界を見せてくれるからだと言えるでしょう。本展は、ピーター・ドイグの初期作から最新作までを紹介する待望の日本初個展です。絵画から広がる想像の旅へ、みなさんをお連れします。

ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展が2021年に延期されることに。それに伴い美術展も2022年に延期。

ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展が2021年に延期されることが発表されています。2020年3月に、8月開催へ延期されることが発表されましたが、再延期が決定し2021年5月22日~11月21日の開催となりました。それに伴って、2021年開催予定だった美術展も、2022年4月23日~11月27日に延期されることも発表されました。ちなみに日本館の展示は2019年7月にコンペで決定した、門脇耕三がキュレーションする「建築のリサイクル-モノと生産の循環をデザインする」です。コンペ時の情報はこちらにまとめています

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