奥野八十八 / アトリエ・ブリコラージュによる、京都市の住宅「洛北の家」
photo©母倉知樹

奥野八十八 / アトリエ・ブリコラージュによる、京都市の住宅「洛北の家」

奥野八十八 / アトリエ・ブリコラージュによる、京都市の住宅「洛北の家」 photo©母倉知樹
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奥野八十八 / アトリエ・ブリコラージュが設計した、京都市の住宅「洛北の家」です。

京都、東山を見渡す大きな川沿い、街なかではなかなか得難い眺望が得られるこの恵まれた敷地を初めて訪れたときにまず思い浮かべたのが、折に触れて訪れているいくつかのお寺や町家のことでした。比叡山、大文字山を中心とする東山の山並みを見渡す「遠景」、川の流れや堤防の並木を楽しめる「中景」、敷地の端に残された法面も取り込んだ庭を眺める「近景」。スケール感の違う3つの景色をいかに設計に取り込むかを考える上で、高山寺石水院や円通寺における借景の有り様、杉本家住宅や四君子苑における北庭と座敷の関係に大きなヒントがあると感じたのです。

建築家によるテキストより

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奥野八十八 / アトリエ・ブリコラージュによる、京都市の住宅「洛北の家」 photo©母倉知樹
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以下、建築家によるテキストです。


京都、東山を見渡す大きな川沿い、街なかではなかなか得難い眺望が得られるこの恵まれた敷地を初めて訪れたときにまず思い浮かべたのが、折に触れて訪れているいくつかのお寺や町家のことでした。比叡山、大文字山を中心とする東山の山並みを見渡す「遠景」、川の流れや堤防の並木を楽しめる「中景」、敷地の端に残された法面も取り込んだ庭を眺める「近景」。スケール感の違う3つの景色をいかに設計に取り込むかを考える上で、高山寺石水院や円通寺における借景の有り様、杉本家住宅や四君子苑における北庭と座敷の関係に大きなヒントがあると感じたのです。

諸室の配置は敷地を取り巻く周囲の環境との関係で決まっていきました。
四季を通じて穏やかな順光の下で庭の眺めを楽しめるようにまず北側に大きく主庭を取り、それをL型に囲うようにして道路から遠い西側に寝室を中心とするプライベート空間、東側にパブリックな性格の食堂・台所を配置し、全体の骨格が決まりました。
この配置計画により建物の構成は北東側が欠き込まれる形となり、比叡山、すなわちこの街の「鬼門」方向を遠く眺めるこの住まいに求められるであろう、伝統に対する敬意が結果的に示されることになりました。

遠景に対しては、川沿いの並木と敷地の端に元々たっていた立派な松の木の間を縫って視線が東山の「大の字」まで抜ける場所は実は2階レベルのごく一部しかないという発見が計画を決定づける一つの鍵となり、この場所を応接室兼セカンドリビングとしました。
個室からの眺めは比叡山を切り取った一幅の絵とすべく、平屋で納めた居間の屋根で表通りを隠し、元からあった2本の松の木を額縁のように見立て、その間に比叡山がぴたっと納まるように注意深く計画しました。

これらの諸室をつなぐ動線はすべて単なる廊下ではなく、書画骨董から現代アート、アンティークの家具調度品まで多岐に渡るクライアントのコレクションのための「ギャラリー」と位置づけ、全体として「大きな住宅」というよりは「小さな美術館」を計画するつもりで設計を進めました。

また、全体のボリュームをいくつかに分割することで周囲の住宅地のスケール感から逸脱しないように気を配りながら、それぞれのボリュームごとに掛けられた屋根並みによって陰影のある外観を構成し、外構の計画と合わせて地域の景観形成にも寄与することを目指しています。

■建築概要

洛北の家
構造規模:木造2階建て、一部RC造
敷地面積:700.65㎡
建築面積:303.34㎡
延床面積:415.91㎡
所在地:京都市
構造設計:エス・キューブ・アソシエイツ
設計協力:荒木麻衣子/アトリエ・ポンヌフ
照明計画:アカリ・アンド・デザイン
造園:荻野寿也景観設計
施工:野口建設
竣工:2016年4月
撮影:母倉知樹

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
外装・壁外壁

ジョリパットアイカ

内装・床各部床

チーク積層フローリングワールドフロンテア

内装・床リビング、ダイニング、キッチン床

アッシュフローリング サーモ加工 浮造り加工(ワールドフロンテア

内装・壁ホール1壁

ライムストーン

内装・壁ホール1・2、ギャラリー壁

中霧島壁高千穂シラス

内装・壁キッチン壁

大判タイル(ラミナムジャパン

内装・壁リビング、ダイニング、キッチン壁

フェザーフィールプラネットジャパン

内装・天井玄関天井

米杉小幅板

内装・天井リビング、ダイニング、キッチン天井

フェザーフィールプラネットジャパン

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今津康夫 / ninkipen!が設計した、兵庫・川西市の「鶴之荘保育園」です。

兵庫県川西市の中心に位置する保育園の新築である。

特急の停車する駅から徒歩すぐの立地である為、多くの利用者が通勤途中で下車して登園できる利便性の高さを持つ一方で、駅前の喧騒の中にどのように子どもの空間をつくることができるのかを模索した。

定員が40人という小規模な保育に合わせ、建築も小さなスケールからなる在来木造とし、住宅より住宅らしい保育園を目指した。準耐火構造の為、主構造は流通する柱・梁サイズを使用する為に石膏ボードで被覆し、現しとしないことを選択したが、仕上げには無垢材を多く用いて内外ともに木質化を図った。

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