間田央+間田真矢 / mamm-designのサイトに、東京の、中庭空間とそれを取り巻く回廊とメルヘンチックな小屋が特徴的な「友の季ひまわり幼稚園」の写真が67枚、掲載されています。
東京都荒川区に建つ定員175 名の新設の私立幼稚園である。住宅と町工場が密集する周辺環境にあって、どこにいても自然を感じられる園舎をつくり、子どもたちの心と体の成長に寄与したいと考えた。そのため緑豊かで光溢れる中庭を囲んで、保育室や遊戯室を配置し、室内に「外」を大きく取り込む中庭型の構成とした。
発達過程にある子どもたちの変化に対応できるように、天井高の異なる保育室内のスペースや中庭に浮かぶ小屋、幅員に変化があり滞留するきっかけとなる膨らみがある外廊下など、多様性のある空間を設えた。使い方を決め過ぎず、先生たちに余地を残しておいたことで、設計者が想定していた以上に園舎をイキイキと活用されており、その様子を目にすることが園を訪れる楽しみとなっている。
また四季折々に異なる表情を見せる草木などの自然が、子どもたちの感受性を刺激し、豊かにするのではないかと考え、施設全体を立体的に緑化した。緑が育ち、そこにやってくる虫や鳥までも含めて園児や保護者は楽しんでいるようだ。併せて、生活の中で子どもたちが常に発見をして楽しむことができるように、虫や木など自然の形をモチーフとした模様やオブジェを至るところに忍ばせている。
設計者として、卒園後も忘れ得ぬ子供たちの記憶として残って欲しいと願っている。