大松俊紀 / 大松俊紀アトリエによる、椅子「Shades of Michelangelo」です。
椅子は背板を座面に対して90度にすると座り心地がよくないので角度がつけられているが、もし直角の背板を座った人の背中が押し出すように変形したら、椅子の形や座り心地はどうなるだろうか? そのような疑問から、この椅子のデザインは出発した。
座面と背板は一体となった3mm厚のアルミニウム板で成形されており、座面のアルミニウム板は前脚へと少し伸びながら木製の脚と一体化することで、貫なしで安定した構造となっている。
”インクリメンタルフォーミング”技術
金属板を今回のように三次曲面加工する場合、通常「型」が必要となるが、単品生産の場合、型を作る余裕はない。そこで考え出されたのが、菊川工業株式会社の”インクリメンタルフォーミング”技術で、今回のアルミニウム部分の加工に採用した。
『インクリメンタルフォーミングとは、金型不要な成形加工技術で、少量多品種や複雑な形状の製品製作の場合、(「型」を使用する)従来工法に比べて、安価で短期に対応できます』(菊川工業株式会社のHPより)インクリメンタルフォーミング(菊川工業株式会社のHP)
https://www.kikukawa.com/technology/incremental-forming/