本橋良介+三木達郎 / MMAAAが設計した、東京都・世田谷区の集合住宅「玉川台のアパートメント」です。
計画として容積率は消化しつつも事業上の無理を少し受け入れてもらって、建物は2棟の分棟にして、足元を半層だけ地中に埋めた4階建てとした。そうすると各棟1層あたり3つの住戸が並ぶことになり、平面のサイズが戸建て住宅のそれに近づく。一方で4層となると断面方向は寸法が厳しくなり、高度斜線と日影規制を受けて、各棟の屋根は切り妻型となる。そこで上階は段々とセットバックさせて立面を分節することで大きな面が現れることを避けている。さも戸建てであるかのような佇まいとなるので、比べると少し大ぶりではあるけれど周辺の街並みが連続する。
建物は2棟に分かれるのでその間は自ずと中庭となり、各住戸は周囲の緑地とその中庭に表裏で挟まれることになる。A棟は浴室コア、B棟は互い違いの壁のおかげで、室内はプライバシーを担保しつつ表裏の空地にオープンに面することができる。またこの中庭は隣接する住宅の窓前の空地にもなり、地域的に敷地内の空地を互いに享受し合う関係を本計画でも連続させている。