川原達也+エレン・クリスティナ・クラウゼ / KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTSによるインスタレーション「Small Wooden Installation」です。
日本にゆかりのあるヨーロッパのアーキテクトが招待されたグループ展「Dialoge Japan:Europa」のために制作したちいさなインスタレーション.
招待されたのはヨーロッパの同世代のアーキテクトたちで,スウェーデンからArrhov Frick,ベルギーからEagles of Architecture,オランダからStudio Maks,ポルトガルからFala Atelier,イタリアからStudio Spazio,ルーマニアからUNULAUNU,スイスからAtelier AmontとFrundgallina,そしてドイツからはNKBAKとわれわれKAWAHARA KRAUSEの計10組で,それぞれが大きさ2坪程度のインスタレーションを,ギャラリーから提供される木材を用いて制作することを求められました.
この展覧会はミュンヘンでの会期後ハンブルクに巡回することが計画されていることから,われわれは与えられた材料のうち34mm角の角材のみを用いて輸送が簡単な棒状のユニットを作り,
徐々にそれらの距離を離しながらメガホン状に2列に並べることで現れるイメージを提示しました.
そのイメージが何を意味するのかということよりも,それが観る人たちの連想力をかき立てるものになれることを目指しました.直接的すぎず,かといって間接的すぎず,ほどよく具体的で,なんとなく抽象的なものが,観る人たちの想像をふくらませる「トリガー」のようなものになってくれればと思っています.そこに何か日本的なものを見つける人もいれば,西欧的なものを見つける人もいるかもしれないし,あるいはまったく別のものを思い起こす人もいるでしょう.大切にしたかったのは眼の前にあるこのインスタレーションが,それそのもの以上のものを喚起する「きっかけ」を提供することです.