竹中工務店の設計・施工による、兵庫・神戸市の「竹中工務店深江竹友寮」です。
本計画は竹中工務店新入社員が1年間共同生活をする教育寮の建替計画である。旧寮の老朽化に伴う今回の建替えにあたっては、伝統の一つであった相部屋の寮室(2人1室の共同部屋)を「個室化すること」と、今後の社会変化に柔軟に対応できる人材を育成する為の「交流のさらなる促進」が求められた。この命題に対して、個室に廊下を介さず面する共用部を寮生全員で共有する「SHARE LIVING」のしくみを展開した。ひと繋がりとなったリビングは寮生の居場所であるだけではなく、活動に応じて、ラボ、コモンズ、ギャラリーなどへと多彩に変容を可能にする。コンクリートの無垢な躯体や設備をあえて見せ、多様な家具や敷物をランダムに配置することで、時間の過ごし方を自ら選べると共に、様々な活動を触発し、受け止める余白を持つ空間を目指した。この深江寮は未完であり続け、その時々の寮生自身が互いの領域を共有し合い、豊かな共感性を育みながら、彼らによって常に更新され続けて行く。