川辺直哉建築設計事務所が設計した、神奈川・横浜市の住宅「中田の自邸」です。
設計者の自邸である。分筆が進む住宅地にあり、この敷地も、もともとの敷地が2分割された宅地にある。周辺の敷地分割線はさまざまな角度となり、そこに沿うようにして住宅が建てられている。敷地は変形した5角形の角地で、周囲は住宅に囲まれていた。そこで周囲の住宅の角度と異なる角度を取り入れて、開口同士の視線の干渉や壁面の近接を防ぎながら、隣家や街に小さな緩衝スペースを複数つくり出そうと考えた。
室内は折れ曲がる壁によって緩やかに分節され、高さの異なる3つの床レベルを繋ぐ中央に配置された階段の螺旋運動に伴い、開口を通した風景が壁により見え隠れしながら重なり、さまざまな方向に視線が展開する。3つの4角形を組み合わせた単純な平面形状ながら、見える風景や奥行きが場所によって変化し、時間帯や季節によっても表情の異なる居場所が生まれる。