nevertheless / 佐河雄介建築事務所が設計した、福島・いわき市の住宅「斜材の家」です。佐河はO.F.D.A.associates出身の建築家。
敷地は福島県いわき市、海まで徒歩数分の住宅街。
東北地方に存するが、冬は比較的温暖で、夏は浜風が涼しく、過ごしやすい地域である。
施主は夫婦と子ども1人。近所には施主の両親の家があるため、家族が集まる場所、外遊びが大好きな子どもが遊べるような外部空間をつくることが要望の一つであった。
そこで建物を北側に寄せ、南側に庭をつくり、広間には開放的な開口部を設け、広間と庭の間に2層分を構造体で囲んだ半外部空間(テラス)をつくった。この空間は、家族の集まる場所で、子どもの遊び場であるとともに、開放的な広間と庭のバッファーゾーンとして位置づけている。2層分の空間を柱と斜材で囲うことで、開放的でありながら、構造体がスクリーンのような役割を果たしている。
構造は、前述の構造体も含め、外周部を筋交いで固めた真壁とし、内部には適宜間仕切壁を設け大壁とした。
真壁にはクリア塗装のラワン合板を落とし込み、大壁を白いクロス貼りとすることで、全ての部屋が、白い壁と天井、木現しの真壁と勾配天井(屋根)を併存させている。決して大きくはない内部空間に、天井の高さや素材感の幅を持たせることで多様な表情が生まれることに期待した。外観においては、シンメトリーの切妻ファサードの一方を構造現しとし、もう一方を白いサイディングで仕上げている。