ファラによる、ポルトガル・ポルトの、6住戸の集合住宅「six houses and a garden」。部屋を構成する床・壁・天井等の素材感と開口部等の幾何学の組み合わせによって慣習に捉われないリビングルームを実現
ファラによる、ポルトガル・ポルトの、6住戸の集合住宅「six houses and a garden」。部屋を構成する床・壁・天井等の素材感と開口部等の幾何学の組み合わせによって慣習に捉われないリビングルームを実現 photo©ricardo loureiro
ファラによる、ポルトガル・ポルトの、6住戸の集合住宅「six houses and a garden」。部屋を構成する床・壁・天井等の素材感と開口部等の幾何学の組み合わせによって慣習に捉われないリビングルームを実現 photo©fala
ファラによる、ポルトガル・ポルトの、6住戸の集合住宅「six houses and a garden」。部屋を構成する床・壁・天井等の素材感と開口部等の幾何学の組み合わせによって慣習に捉われないリビングルームを実現 photo©ricardo loureiro

ファラが設計した、ポルトガル・ポルトの、6住戸の集合住宅「six houses and a garden」です。部屋を構成する床・壁・天井等の素材感と開口部等の幾何学の組み合わせによって慣習に捉われないリビングルームを実現しています。
ファラは、フィリップ・マガリャインシュ(filipe magalhães)、アナ・ルイサ・ソアレス(ana luisa soares)、アーメッド・ベルホジャ(ahmed belkhodja)の3人が主宰する建築設計事務所で2013年に設立されました。それぞれ、SANAA、伊東豊雄、アトリエ・ワンという日本の設計事務所に勤務やインターンした経験をもつことも特徴です。またフィリップとアナは、日本滞在中は中銀カプセルタワーに居住していました。

こちらは、建築家によるテキストの翻訳

同じような外観を持つ2つの建物、1つはとても長く、もう1つはとても短い。同じものが4つ、例外的なものが2つの計6つの家が、1つの共通の庭を囲んで、街区の中に隠れています。細分化された現実を結びつける一つの建築。

それぞれの内部空間の構成は、直交線、対角線、曲線を組み合わせています。部屋のわずかに歪んだ外周がフレームを構成しています。
主要な空間は、副次的なプログラムを構成する相対する面々を引き算することで生まれます。細い金属製のポールは垂直方向の緊張感をもたらし、丸い開口部は不均等なプログラムをつなぎます。非常に小さなボリュームの中で、この両義的な幾何学の組み合わせは、非常に慣習に捉われないリビングルームを実現しています。

洗練されていないインテリアの素材感は、その複雑さに従ったものです。壁は単なる白、水平のスラブは無愛想なコンクリート、床は磨かれた青い大理石、傾いた天井はピンクに塗られています。木製のドア、誇張されたハンドル、そしてピンクの大理石の気配が、この表面のゲームに添えられています。

外側では、どこからどこまでが個々の家なのかわからないように連続して柱廊を形成し、共有の庭園を囲んでいます。ファサードは、細い金属製の柱、ストライプの入った青いドア、黒い箱状の天窓など、いくつかのリズミカルな列が重なっています。屋根は2層構造になっていて、金属板の下にピンク色の波状の平面を貼り付け、表面の薄さを強調しています。周りには、最も正直で美しい都市のシナリオがあり、このような建築的な試みのための理想的な背景となっています。

古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計左側に見える3つのヴォリュームが「スイシャハウス」。一番右側に位置するのが、既存の土蔵を改修した「スイシャオフィス」。 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 photo©山内紀人

古谷デザイン建築設計事務所が設計した、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築が設計されています。

神奈川県川崎市高津区。平瀬川の左右に展開する農園(生産緑地+宅地)の再編計画である。

農園内には樹齢100年を超える大きな庭園木に囲まれた明治・大正期の母屋と土蔵を中心に農作業小屋や温室などが散在する形であった。土地オーナーは数年前に生産緑地の有効利用のため平家の住まいを新築し、古い母屋と土蔵は長く形骸化している状態にあった。

建築家によるテキストより

我々は敷地のみどりに特別な思いを持つオーナーとその生活の支えになっている農作業と草花や樹木を景観とし、そのライフスタイルをお裾分けしてもらえるような賃貸住宅を作れないかと考え、収納性の劣化から形骸化し物置などの影に隠れていた置き屋根の土蔵に着目した。

建築家によるテキストより

1901年築の土蔵の佇まいを頼りに賃貸住宅4戸と農作業小屋が連結された建築を提案。
それぞれのボリュームの間にはみどりのお裾分けを享受できる空間を設えることとした。それはコンサバトリーであり、デッキテラス、ルーフテラスであり、パーゴラであり、それらが一体となったLDKである。

蔵は水廻りを増築しオフィスとして賃貸。敷地内の樹木はおおよそ元のままであり新しい建築がお邪魔した格好になっている。オーナーのプライバシーと住まい手のプライバシーは既存樹木や新設した混ぜ垣によって緩やかに仕切られその気配や育った植物の佇まいを共有することができる。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス [期間:2021/8/2-8/8]
最も注目を集めたトピックス [期間:2021/8/2-8/8]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2021/8/2-8/8)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. ファラによる、ポルトガル・ポルトの住宅「house with four columns」。建築的な装置として考案された天井と切り離された柱によって住まい方を示唆
  2. トラフ建築設計事務所による、木製ピースでつくるペンギンのオブジェ「ISHINOMAKI PENGUIN KIT」
  3. 二俣公一 / ケース・リアルによる、福岡市の、ルーフトップバー「DREIECK PARK SUD」。屋上の既存設備機器の存在をその延長にあるようなバーを考えることで解決しつつ魅力的な店舗となることを意図
  4. 後藤周平建築設計事務所による、静岡・浜松市の「成田商店本社屋 工場」。地域の産業の在り方を模索し事業を拡大する施主企業の為に、地域の風景を継承しつつ未来につないでいく建築を意図
  5. 田中亮平 / G ARCHITECTS STUDIOによる、東京・港区の、ルーフトップ住居のリノベーション「麻布のペントハウス」
  6. トラフ建築設計事務所による、絵本をテーマとした展覧会の会場構成「おいでよ!絵本ミュージアム2021」
  7. 中村竜治建築設計事務所による、東京・渋谷区の、資生堂の美容施設「Beauty Square」。流動的に複数の店舗・サロン・イベントスペースが入居する施設として、建物とショップの間に挟まれる境界部分を設計
  8. ファラによる、ポルトガル・ポルトの住宅「uneven house」
  9. 宮川清志 / SESNによる、東京・港区芝の美容クリニック「RENATUS CLINIC」
  10. 中村竜治建築設計事務所による、群馬の店舗「ジンズイオンモール高崎」
  11. ギャラリー・間での、妹島和世+西沢立衛 / SANAAの建築展「環境と建築」の概要が公開
  12. nendoがデザインを手掛けた「Tokyo2020 聖火台」の動画
  13. 石上純也が今年のサーペンタイン・パヴィリオンを設計することに
  14. 富永哲史+小野里紗+名畑碧哉 / n o t architects studioによる、東京・品川区の住宅「天気とくらすイエ」。散歩道を建築内に引き込むことで、季節や時間によってうつろい続ける公園的な環境を意図
  15. 松本光索による、東京・港区の「素材、表層、用途なしの空間」
  16. 遠藤克彦建築研究所が、茨城の「大子町新庁舎」設計プロポで最優秀者に。提案書も公開。
  17. 武田清明建築設計事務所による、東京・練馬区の住宅「鶴岡邸」のレポート。周辺環境の自然と対話する建築の在り方を躯体のもつ質感で実現
  18. 二俣公一 / ケース・リアルによる、京都市の、ティールームの為の多目的に使われるスペース「冬夏ラボ」
  19. 青木茂建築工房が改修を手掛けた、東京・品川区の「目黒クリニックビル」。礼拝所・事務所として50年使われた建物を更に50年以上使える診療所として再生
  20. 矢野泰司+矢野雄司 / 矢野建築設計事務所による、多機能スペース「方丈の屋根」

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