MVRDVによる、ロッテルダムの芸術収蔵庫「デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲン」が開館へ。世界初の一般公開された美術品保管施設で、サイズと気候区分で作品を分類し、数多の美術品等の保管・維持管理の裏にある世界を公開
MVRDVによる、ロッテルダムの芸術収蔵庫「デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲン」が開館へ。世界初の一般公開された美術品保管施設で、サイズと気候区分で作品を分類し、数多の美術品等の保管・維持管理の裏にある世界を公開 photo©Ossip van Duivenbode
MVRDVによる、ロッテルダムの芸術収蔵庫「デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲン」が開館へ。世界初の一般公開された美術品保管施設で、サイズと気候区分で作品を分類し、数多の美術品等の保管・維持管理の裏にある世界を公開 photo©Iris van den Broeke
MVRDVによる、ロッテルダムの芸術収蔵庫「デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲン」が開館へ。世界初の一般公開された美術品保管施設で、サイズと気候区分で作品を分類し、数多の美術品等の保管・維持管理の裏にある世界を公開 photo©Iris van den Broeke
MVRDVによる、ロッテルダムの芸術収蔵庫「デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲン」が開館へ。世界初の一般公開された美術品保管施設で、サイズと気候区分で作品を分類し、数多の美術品等の保管・維持管理の裏にある世界を公開 photo©Ossip van Duivenbode

MVRDVの設計で完成していた、オランダ・ロッテルダムの芸術収蔵庫「デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲン」の開館します。世界初の一般公開された美術品保管施設で、サイズと気候区分で作品を分類し、数多の美術品等の保管・維持管理の裏にある世界を公開します。開館は2021年11月6日からとのこと。アーキテクチャーフォトでは様々な季節の外観写真も特集記事として紹介していました。

こちらはリリーステキストの翻訳です

新しいタイプのアート体験を。デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲンの一般公開が開始へ

11月6日、MVRDVが設計したロッテルダムのデポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲン(Depot Boijmans Van Beuningen)がオープンします。デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲンでは、様々な保存所に保管されている151,000点以上の作品と来館者との対話を中心に展開されます。来場者は、一人でもグループでも、空調の効いた保管スペースを巡るガイドツアーに参加したり、高さ35メートルに位置する屋上の森やレストラン「Renilde」を楽しむことができます。今回のオープンは、約10年に及ぶプロジェクトの締めくくりとなります。MVRDVは、2013年の設計コンペで勝利し、2017年に建設を開始しました。11月5日(金)にはオランダのウィレム=アレクサンダー国王がオープニングセレモニーを行い、11月6日(土)の午前10時から一般公開されます。

デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲン(Depot Boijmans Van Beuningen)は、世界で初めての一般公開された美術品保管施設です。この施設の設計にあたっては、さまざまなターゲットグループが歓迎してくれるような、可能な限り魅力的な建物を作ることが求められました。それは、コレクションのごく一部しか展示できない第二の美術館ではなく、目を見張るような数の美術品やデザイン作品の保管・維持管理の裏にある世界を明らかにするエンジンルームであることを強調したものでした。保管庫を訪れると、まったく新しい体験ができます。美術品は美術史の時代ではなく、大きさや気候に応じて配置され、古い作品と現代の作品が並置されているため、新たなつながりが生まれてきます。

建築家であり都市計画家でもあるヴィニー・マース率いるMVRDVの設計チームは、丸みを帯びた頑丈で機能的な建物を選択し、隣の建物に背を向けることなく、ミュゼーアム公園(Museumpark)とロッテルダム市の両方と新しい関係を築くことにしました。周囲の環境に溶け込むような建物であると同時に、数十億の価値を持つコレクションの安全な保管場所となることを目指しました。

デポの形状は、建物の設置面積を比較的小さくしたいという要望から生まれたものです。その結果、建物は公園内のスペースを取らず、保管スペース、修復スタジオ、ケータリング施設、映画やプレゼンテーションの部屋など、すべてのプログラムを収容するために、10メートルのオーバーハングで上方にカーブしています。建物には5つの気候ゾーンがあり、版画や絵画、写真など、最もデリケートな芸術作品に対応しています。

6,609m2のガラスを1,664枚のパネルに分割した鏡面仕上げのファサードは、建物が周囲の環境に視覚的に溶け込むようになっています。大きなエントランスドアはファサードと一体化しており、営業時間中のみ、ジェームズ・ボンドの映画に出てくるガジェットのようにファサードが開いて見えるようになっています。天候に左右されることなく、毎日異なる表情を見せる車両基地は、まるで生きた絵画のようです。

若林秀典建築設計事務所による、滋賀・米原市の、伊吹山の麓に建つ「米原の家Ⅱ」。冬の寒さ厳しい豪雪地域に、夏は開放的で冬は寒さから守られた住環境を、南北の対比的な開口部の設計で実現
若林秀典建築設計事務所による、滋賀・米原市の、伊吹山の麓に建つ「米原の家Ⅱ」。冬の寒さ厳しい豪雪地域に、夏は開放的で冬は寒さから守られた住環境を、南北の対比的な開口部の設計で実現 photo©笹の倉舎/笹倉洋平
若林秀典建築設計事務所による、滋賀・米原市の、伊吹山の麓に建つ「米原の家Ⅱ」。冬の寒さ厳しい豪雪地域に、夏は開放的で冬は寒さから守られた住環境を、南北の対比的な開口部の設計で実現 photo©笹の倉舎/笹倉洋平
若林秀典建築設計事務所による、滋賀・米原市の、伊吹山の麓に建つ「米原の家Ⅱ」。冬の寒さ厳しい豪雪地域に、夏は開放的で冬は寒さから守られた住環境を、南北の対比的な開口部の設計で実現 photo©笹の倉舎/笹倉洋平

若林秀典建築設計事務所が設計した、滋賀・米原市の、伊吹山の麓に建つ「米原の家Ⅱ」です。冬の寒さ厳しい豪雪地域に、夏は開放的で冬は寒さから守られた住環境を、南北の対比的な開口部の設計で実現する。

敷地は滋賀県米原市、伊吹山の麓の緑豊かな集落のなかにある。夏は山から吹き下ろす風が心地よい場所だが、一方で冬は寒さの厳しい豪雪地域でもある。畑だった生家の北側隣地を宅地に転用し子世帯のための家を建てる。

クライアントからは夏には豊かな自然環境を享受できる風通しの良い開放的な暮らしと、冬の厳しい寒さから守られた住環境の両立が求められた。

建築家によるテキストより

夏は伊吹山から吹き下ろす風を利用し外気を効率的に取り入れることができるよう、風上にあたる北側は開口部を小さくとり風下の南側は大きく開くよう計画した。これは冬の寒さ溜まりとなりやすい北側に対して開口面積を減らすことにもなり、そして南側の大開口からたっぷりと暖かな陽射しを取り込むことができる。

建築家によるテキストより

玄関を入ると正面の地窓から中庭とリビングの足元が垣間見え、天井高さを低く抑えた廊下を抜けると吹抜け空間のLDKへと連なる。南側に開いた大開口の吹抜が中庭とリビング、そして2階のファミリールームや子供室へと連続して繋いでいる。この吹抜のリビングを中心に家族がどこにいても互いに気配を感じることができるよう計画した。

建築家によるテキストより
八木佐千子 / NASCA+partnersによる、大阪・寝屋川市の、既存校舎を繋ぐ「同志社香里中学校・高等学校 メディアセンター 繋真館」。既存樹木を生かすことで中庭と共生し、実空間だからこその直接の出会いを尊重した、将来の変化にも対応できる“知の拠点”としてのワンボックス空間
八木佐千子 / NASCA+partnersによる、大阪・寝屋川市の、既存校舎を繋ぐ「同志社香里中学校・高等学校 メディアセンター 繋真館」。既存樹木を生かすことで中庭と共生し、実空間だからこその直接の出会いを尊重した、将来の変化にも対応できる“知の拠点”としてのワンボックス空間 photo©淺川敏
八木佐千子 / NASCA+partnersによる、大阪・寝屋川市の、既存校舎を繋ぐ「同志社香里中学校・高等学校 メディアセンター 繋真館」。既存樹木を生かすことで中庭と共生し、実空間だからこその直接の出会いを尊重した、将来の変化にも対応できる“知の拠点”としてのワンボックス空間 photo©淺川敏
八木佐千子 / NASCA+partnersによる、大阪・寝屋川市の、既存校舎を繋ぐ「同志社香里中学校・高等学校 メディアセンター 繋真館」。既存樹木を生かすことで中庭と共生し、実空間だからこその直接の出会いを尊重した、将来の変化にも対応できる“知の拠点”としてのワンボックス空間 photo©淺川敏
八木佐千子 / NASCA+partnersによる、大阪・寝屋川市の、既存校舎を繋ぐ「同志社香里中学校・高等学校 メディアセンター 繋真館」。既存樹木を生かすことで中庭と共生し、実空間だからこその直接の出会いを尊重した、将来の変化にも対応できる“知の拠点”としてのワンボックス空間 photo©淺川敏

八木佐千子 / NASCA+partnersが設計した、大阪・寝屋川市の、隣接する既存校舎を繋ぐ「同志社香里中学校・高等学校 メディアセンター 繋真館」です。既存樹木を生かすことで中庭と共生し、実空間だからこその直接の出会いを尊重した、将来の変化にも対応できる“知の拠点”としてのワンボックス空間が計画されました。

繋真館(=メディアセンター)は中庭の「香里の森」と共生し、隣接する既存校舎を繋ぐことでできた建築です。

建築家によるテキストより

中庭の既存樹木をできるだけ残し、館内のいたるところから窓先には緑を望むことができます。また、既存校舎の壁をリフレクタとし柔らかな間接光として利用することで随所に内外が溶け合う空間が生まれています。この繋真館が事実上ハードもソフトもハブとなって、人々が一日を過ごすキャンパス全体の生活空間を緩やかに繋いでいきます。

ICTやバーチャルな情報伝達が発達し、コミュニケーションツールが急速に変化していく今だからこそ、中学校・高校生の生徒たちには人と人が直接出会い、直に啓発されることの意義は重要だと思います。登下校時に通り抜けに利用した生徒が、特別な目的がなくてもここを訪れ、思い思いの時を過ごし、各々が、お気に入りの居場所を見つけ出し、自分自身の将来や夢を発見する場となることを期待しています。

建築家によるテキストより

メディアセンターは時代とともに社会や教育環境の要請に応えて質的にも量的にも大きく変化します。ここでは、時間や季節に応じて変化を楽しめる将来可変可能なワンボックス空間をつくり、その都度ニーズに応じたしつらえを家具でつくることで将来の教育空間に柔軟に対応します。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス [期間:2021/10/25-10/31]
最も注目を集めたトピックス [期間:2021/10/25-10/31]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2021/10/25-10/31)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 田根剛がデザインアーキテクトを務め、帝国ホテルが2031年から本館の建替えを開始することを発表。考古学的リサーチにより、“東洋の宝石”をコンセプトにした完成予想のパースも公開
  2. 宇野友明による、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築
  3. 今津康夫 / ninkipen!による、長野・大町市の、本州で最も透明度の高い湖の畔に建つ別荘「湖荘」。施主が求める“都会の喧騒から解放された簡素な小屋”を、湖にひれ伏すような非対称な屋根によって、初めからあったような佇まいでつくる
  4. 【シリーズ・色彩にまつわる設計手法】 第5回 青木淳 インタビュー・前編「場所の記憶を表現した“水の柱”」
  5. 青柳創+青柳綾夏 / アオヤギデザインによる、東京の、設計者の自邸「善福寺の家」
  6. 森下陽 amp/アンプ建築設計事務所による、静岡・浜松市の住宅「高林の連窓」。性質の異なる2つの道が交差する敷地に、それぞれに対して縦と横の連窓を配置することで、周辺環境との関係を調整し心地良い住空間を目指す
  7. 長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・小平市の「武蔵野美術大学16号館」。“半建築”として設計され、使い手自ら手を加え変化し続けることを促す建築を、実際に使われている様子を中心に紹介
  8. 妹島和世+西沢立衛 / SANAAの講演会「環境と建築」が、東京・千代田区の有楽町朝日ホールで開催。参加申し込みを受け付け中
  9. 川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「H_apartment」。外周部に配された少しずつ見付幅の変化する列柱状構造体は、構造体と開口の関係がグラデーショナルに変化し、建築と周辺環境を接続
  10. 瀧尻賢 / Atelier Satoshi Takijiri Architectsによる、京都・木津川市の、田園と山々を望む敷地に建つ「中山珈琲焙煎所」。働く夫妻が豊かな風景を眺める為にガラススクリーンを設け、商業的な設えを排除したミニマルで素朴な空間で、この地の風景の一部となることを目指す
  11. 妹島和世+西沢立衛 / SANAAによる、TOTOギャラリー・間での建築展「環境と建築」のレポート。進行中のプロジェクト模型中心に構成され、展示物の組み合わせや配置を現場で徹底的に検証調整することで、会場構成による体験自体も建築として捉えられるような展覧会
  12. 齋藤隆太郎 / DOGによる、神奈川・横浜市の、診療所「アーチクリニック」。地域に根差した医療を提供するため、“C型円弧壁”により待合と訪問診療事務所オープンスペースを空間的に連続させ、訪問診療の敷居の高さの払拭することを意図
  13. 小野寺匠吾建築設計事務所による、東京・江東区の、集合住宅の一住戸の改修「Y邸」。玄関とリビングをつなぐ11cm幅の“機能のない隙間”が、景色や気配を伝え、空間の質を大きく変える
  14. 八木祐理子+高田一正 / PAN- PROJECTSによる、国立新美術館でのインスタレーション「The Matter of Facts」。コロナ禍で中止延期のイベント等印刷物を素材として用い、“都市の記憶”として再提示することで、私達が生きる“現在地”を新たに捉えるための試み
  15. 白井晟一の、松濤美術館での建築展「白井晟一 入門 第1部/白井晟一クロニクル」のフォトレポート。白井建築を会場に行われ、無名時代から晩年の作品までを豊富な図面と資料で紹介する展示
  16. ザハ・ハディドの展覧会「ZAHA HADID DESIGN 展」が、東京・港区のKarimoku Commons Tokyoで開催。ザハのデザイン作品に注目し過去のアーカイブから紹介すると共に、建築モデルも紹介される
  17. 古森弘一建築設計事務所による、福岡・北九州市の住宅「方眼の間」。構想をもった施主家族と設計者が議論しながら設計する為に、共通ルールとして三尺方眼を天井に可視化し、在来工法の延長に成立させる事で将来的な増改築も考慮
  18. OMA / 重松象平による、福岡の複合オフィスビル「天神ビジネスセンター」が完成。OMAの日本初のオフィスビルで、交差する二つの通りに面する建物ヴォリュームの角をピクセル化して削ることで都市活動の融合を明確にし、入口広場に公共の活動を呼び込む
  19. 国際的な建築家たちが登壇する、JIA国際委員会主催のウェビナー「《越境建築家》たちとの対話シリーズ Part2」が、2021年11月から2022年4月に渡って開催
  20. 加藤直樹 / N.A.Oによる、神奈川・秦野市の、施工費約720万円で完成させた、将来的な他用途への転用も考慮した住宅「HOUSE-KT(加藤小屋)」

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