元木大輔 / DDAA LABによる展覧会「Hackability of the Stool」が、京都市京セラ美術館で開催。定番的スツールを改変する様々なアイデアを提示
元木大輔 / DDAA LABによる展覧会「Hackability of the Stool」が、京都市京セラ美術館で開催。定番的スツールを改変する様々なアイデアを提示

元木大輔 / DDAA LABによる展覧会「Hackability of the Stool」が、京都市京セラ美術館で開催されます。定番的スツールを改変する様々なアイデアを提示します。会期は2022年3月15日~20日。入場無料です。

「元木 大輔 / DDAA LAB Hackability of the Stool」展は、中国・杭州につづき、2022年3月15日(火)~3月20日(日)の6日間、京都市京セラ美術館に於いて開催されます。今回の京都展で展示されるスツールは全てアルテックのStool 60を使用して作成されています。

リリーステキストより

Hackability of the Stoolのコンセプト

Stool 60は、アルテックより発売されている、20世紀を代表する名作スツールです。デザインはシンプルで美しく、曲げ木の技術を使った製造技術を引き合い出すまでもなく、流通やパッケージに至るまで細部までデザインしつくされたモダニズムの考え方を代表するプロダクトです。そればかりか、大量に生産されているリプロダクト品にいたっては、生産コスト、メンテナンスコスト、クレーム対応や輸送の合理性などを徹底的に考えることで、なんと1脚1000円程度で販売されており、同じ量の木材を買うより安い値段で手に入れることができます。

Stool 60は、誰もが見たことがあるマスターピースがゆえに「典型的なスタッキングスツール」というステレオタイプな形をしています。そして、Stool 60に代表されるモダニズムのデザインは、最大公約数的にできているけれど万能ではありません。シンプルであるということは、逆説的にあらゆるものを削ぎ落としている、と言い換えることもできます。

「Hackability of the Stool」 (スツールの改変可能性)は、最大公約数なデザインの過程で削ぎ落とされてしまった、多様で、ニッチで、ささやかな機能を付加していくプロジェクトです。モダニズムや大量生産品の良いところはキープしたまま、大量生産品を下敷きに、多品種小ロットで、少しだけ便利で、多様なプロダクトをできるだけ簡単に作るためのリサーチとアイデア集です。

以下に、中国展の様子や作品写真を掲載します。

カンミレと宮下巧大による、福岡市の​「ゼロマチクリニック天神」。駅直結施設内の狭小区画でアプリ連携によるミニマム医療施設を目指し計画、デジタル技術で同時滞在人数の制御と受付プロセスの省略を実現、限られた面積内にゆとりある空間を生み出す
カンミレと宮下巧大による、福岡市の​「ゼロマチクリニック天神」。駅直結施設内の狭小区画でアプリ連携によるミニマム医療施設を目指し計画、デジタル技術で同時滞在人数の制御と受付プロセスの省略を実現、限られた面積内にゆとりある空間を生み出す photo©岡田和幸
カンミレと宮下巧大による、福岡市の​「ゼロマチクリニック天神」。駅直結施設内の狭小区画でアプリ連携によるミニマム医療施設を目指し計画、デジタル技術で同時滞在人数の制御と受付プロセスの省略を実現、限られた面積内にゆとりある空間を生み出す photo©岡田和幸
カンミレと宮下巧大による、福岡市の​「ゼロマチクリニック天神」。駅直結施設内の狭小区画でアプリ連携によるミニマム医療施設を目指し計画、デジタル技術で同時滞在人数の制御と受付プロセスの省略を実現、限られた面積内にゆとりある空間を生み出す photo©岡田和幸

カンミレ宮下巧大が設計した、福岡市の​「ゼロマチクリニック天神」です。駅直結施設内の狭小区画でアプリ連携によるミニマム医療施設を目指し計画、デジタル技術で同時滞在人数の制御と受付プロセスの省略を実現、限られた面積内にゆとりある空間を生み出します。施設の公式ページはこちら

駅直結の商業施設内、奥行約2m延床約30㎡の狭小区画において、アプリとの連携によるミニマムな医療体験・医療空間の実現を目指した。

アプリの予約・診療システムにより、待合スペースに同時滞在する患者さんの人数を1~3人と想定して面積を抑えると同時に、保険証の提示や問診表の記入などを省略できることから、従来のクリニックにある受付カウンターをなくし、小さいながらもゆとりのある待合スペースを計画した。

建築家によるテキストより

このような商業施設内で狭小なクリニックを成立させる課題のひとつが、待合室・診察室・処置室の各室の仕切り方だ。プライバシー配慮のために間仕切り壁を設け、法に則って必要な設備を各室に新設すると、設備のイニシャルコストが大きくなり、全体のコストバランスがとれなくなる。加えて、今回の場合は、区画の天井懐内に設備を新設する余地がなかった。そこで、サウンドマスキングシステムを採用し、視線を遮れる程度の高さの家具やカーテンで各室を緩やかに仕切る計画とした。これにより、設備の増設が最小限となり、かつ視線が抜けることで圧迫感が軽減された。

建築家によるテキストより

このプロジェクトでは、アプリシステムと連携した実空間のあり方を、エンジニアチームや医療スタッフと共に試行錯誤した。まとまった面積の区画を借りるハードルが高い駅直結の商業施設内等に、通勤や通学の移動中に気軽に立ち寄ることができる、アプリと連携した小さなクリニックを展開するためのプロトタイプとして、今後実際に運用する中でのフィードバックを元に改良を重ねていく土台となるような計画を目指した。

建築家によるテキストより
チームラボアーキテクツによる、東京・江東区の店舗「Vegan Ramen UZU Tokyo」。“withコロナ社会”での飲食店舗の新しい在り方を模索し計画、キッチンを中心とし作品を配した屋内外の其々の空間で飲食が行えるよう設計、多様な人々が同じ空間に共存し楽しめる場所を目指す
チームラボアーキテクツによる、東京・江東区の店舗「Vegan Ramen UZU Tokyo」。“withコロナ社会”での飲食店舗の新しい在り方を模索し計画、キッチンを中心とし作品を配した屋内外の其々の空間で飲食が行えるよう設計、多様な人々が同じ空間に共存し楽しめる場所を目指すひとつなぎのベンチ photo©チームラボ
チームラボアーキテクツによる、東京・江東区の店舗「Vegan Ramen UZU Tokyo」。“withコロナ社会”での飲食店舗の新しい在り方を模索し計画、キッチンを中心とし作品を配した屋内外の其々の空間で飲食が行えるよう設計、多様な人々が同じ空間に共存し楽しめる場所を目指す「空と火のためのロングテーブル」と「空から噴き落ちる、地上に憑依する炎」 photo©チームラボ
チームラボアーキテクツによる、東京・江東区の店舗「Vegan Ramen UZU Tokyo」。“withコロナ社会”での飲食店舗の新しい在り方を模索し計画、キッチンを中心とし作品を配した屋内外の其々の空間で飲食が行えるよう設計、多様な人々が同じ空間に共存し楽しめる場所を目指す虚像反転無分別 photo©チームラボ

チームラボアーキテクツが設計した、東京・江東区の店舗「Vegan Ramen UZU Tokyo」です。“withコロナ社会”での飲食店舗の新しい在り方を模索し計画、キッチンを中心とし作品を配した屋内外の其々の空間で飲食が行えるよう設計、多様な人々が同じ空間に共存し楽しめる場所が目指されました。店舗の公式サイトはこちら

「withコロナ社会」に提案する食空間。

豊洲にあるチームラボプラネッツの敷地内にオープンしたヴィーガンラーメン店「Vegan Ramen UZU Tokyo」は、キッチンを中心に、屋外空間と屋内空間が一体となっている。

建築家によるテキストより

新型コロナウイルスの影響を受け、人々の飲食形態も変化しつつある。食事の宅配サービスを利用する人が増え、レストラン以外の自分の好きな場所で、レストランで提供される食事を楽しむことが日常化し、屋外での食事の機会も増えている。それに伴い、レストランという業態自体の、新しいありかたを模索したいと考えた。

建築家によるテキストより

「Vegan Ramen UZU Tokyo」では、キッチンで提供された食事を、小さな建物内のギャラリー、または、屋外にある2つの作品空間のどちらでも飲食できるように計画した。キッチンに併設された建物内のギャラリーでは、テーブルや椅子などの物理的な境界面から自由になった作品《虚像反転無分別》の空間とし、作品空間に没入しながら食事が可能である。

また、屋外空間には、キッチン前に、天板が鏡面の《空と火のためのロングテーブル》を配置。テーブルには、パブリックアート《空から噴き落ちる、地上に憑依する炎》と空が映り、作品、自然と一体となりながらラーメンを食べることができる。

隣接して配置された《ひとつなぎのベンチ》は、三次元上に一筆書きで描かれたようにつながっているため、高低差を生かしてテーブル兼ベンチとして食事を可能にしている。同時に、地域の人が散歩の途中に休憩したり、子供たちが遊具として遊んだり、使用する人々によって、機能が自由に変化する。

建築家によるテキストより
黒川智之建築設計事務所による、神奈川・横浜市の「三ツ池の蔵」。小高い丘上の周辺に恵まれた敷地に計画、家形の構えを四方に向けた建築を考案した上で樹木に対応した外形の変形や諸機能に応える為の量塊を欠き取りを実行、象徴性と環境調和の同居を目指す
黒川智之建築設計事務所による、神奈川・横浜市の「三ツ池の蔵」。小高い丘上の周辺に恵まれた敷地に計画、家形の構えを四方に向けた建築を考案した上で樹木に対応した外形の変形や諸機能に応える為の量塊を欠き取りを実行、象徴性と環境調和の同居を目指す photo©太田拓実
黒川智之建築設計事務所による、神奈川・横浜市の「三ツ池の蔵」。小高い丘上の周辺に恵まれた敷地に計画、家形の構えを四方に向けた建築を考案した上で樹木に対応した外形の変形や諸機能に応える為の量塊を欠き取りを実行、象徴性と環境調和の同居を目指す photo©太田拓実
黒川智之建築設計事務所による、神奈川・横浜市の「三ツ池の蔵」。小高い丘上の周辺に恵まれた敷地に計画、家形の構えを四方に向けた建築を考案した上で樹木に対応した外形の変形や諸機能に応える為の量塊を欠き取りを実行、象徴性と環境調和の同居を目指す photo©太田拓実

黒川智之建築設計事務所が設計した、神奈川・横浜市の「三ツ池の蔵」です。小高い丘上の周辺に恵まれた敷地に計画、家形の構えを四方に向けた建築を考案した上で樹木に対応した外形の変形や諸機能に応える為の量塊を欠き取りを実行、象徴性と環境調和の同居が目指されました。

横浜市にある三ツ池公園のほど近く。
小高い丘の上に建ち、周囲を望むそれはまるでヴィラのような佇まいを持つ。

大きな敷地の一部に建つ老朽化したガレージ兼蔵であった住宅の離れを、ゲストハウスとしての機能を付加した形で建て替える計画であった。

建築家によるテキストより

敷地は、北に前面道路・東に母屋・南に大きく開けた庭・西に森と、どの方角に対しても正面を向けても良いような恵まれた環境に囲まれていることから、家形の蔵構えを四方に向けた、妻/平の区別のない建築としている。この4つの家形の立面をせり上げ、屋根を方形屋根が変形したような形状とすることで、全体を統合することを考えた。

建築家によるテキストより

こうして形成された建築に対し、アプローチを母屋からの方向に正対させつつ施主が大切にする木を囲うように外形をくの字に歪ませる操作を、また、見晴らし用のテラス・庭いじりの際の東屋的な場所・アプローチの軒下空間をつくり出すためにボリュームを欠き取る操作を加えている。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス [期間:2022/3/7-3/13]
最も注目を集めたトピックス [期間:2022/3/7-3/13]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2022/3/7-3/13)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 中西昭太建築事務所による、石川の住宅「金沢の家」。雨が多い北陸で“帰りたくなる家”との要望に、北陸伝統建築を参照しつつ室内から光風音に触れ生活できる建築を目指し設計、図式でなく小さな思考を重ねた形態が季節毎の魅力を生む
  2. A.C.E. / 波多野崇による、京都・城陽市の「御旅所の家」。神社の祭礼時に使われる“御旅所”の隣接地に計画、施主の求める“普遍性”に応える為に地域の風景・素材・スケールを再解釈して設計に反映、街の在り方を引継ぐ事で要望の具現化を目指す
  3. 小山光+KEY OPERATIONの設計監修による、横浜市の「桜木町の集合住宅」。高層単身者用分譲として計画、“惰性で採用”される外壁タイル等の集住特有意匠の再定義を目指して独自の仕上げ開発等を実践、量塊ゆえ景観への影響の大きな集住を多義的な視点を意識した上で更新
  4. ピーター・ズントーによる家具コレクション。半世紀に渡り手掛けた建築の為にデザインされた家具を再構成し、椅子やテーブル等7型がラインナップ、日本の家具ブランド“Time & Style”が製品化
  5. 桐圭佑 / KIRI ARCHITECTSによる、北海道・室蘭市の「福田歯科医院の増築」。設計者が以前手掛けた医院の増築で、患者と従業員の双方が快適な環境を目指し其々の空間を外壁に沿った床で繋いで回遊性を設計、人の循環が光や空気の動きを生み建築に奥行きをもたらす
  6. 定方三将 / 上町研究所による、兵庫の「宝塚の住宅lll」。傾斜地で鬱蒼と緑が茂る土地に魅力を感じた施主の為に計画、眺望よりも敷地の木々との繋がりを求め主空間を1階に配置、近隣と隔絶感も相まり“森の奥の別荘地”のような感覚を生み出す
  7. 島根・隠岐の島町の「西郷港周辺地区デザインコンペ」で、SUGAWARADAISUKE-上條・福島JVの提案が最優秀作品に。提案書と講評も公開
  8. 青木律典 / デザインライフ設計室による、東京・多摩市の住宅「高基礎の家」。隣地と高低差のある旗竿地に計画、閉塞感回避の為の眺望採光を基礎の高さ設定で実現しそれを内部空間でも活用、機能的な諸室配置を行いつつも多様な光を取り込む事で新たな振舞を引き出す
  9. ネリ&フーによる、中国・深センの「南投市ゲストハウス」。既存建物を改修した宿泊施設で都市の中に古さが残る街の特徴に注目、路地裏や日常を取り込む為に構造体に切込みを入れ垂直な中庭を計画、空間や意味を創造し都市の流動に溶け込ませる
  10. 加藤直樹 / N.A.Oによる、神奈川・秦野市の、施工費約720万円で完成させた、将来的な他用途への転用も考慮した住宅「HOUSE-KT(加藤小屋)」
  11. 玉井洋一による連載コラム “建築 みる・よむ・とく” 第5回「“偽”ペット・アーキテクチャー」
  12. 大阪の喜連団地の6住戸を対象とした改修コンペ「公社喜連団地住戸改善事業 事業提案競技」が、大阪府住宅供給公社の主催で開催
  13. 川西康之 / イチバンセンによる、新潟・上越市の「IM TAXI LOUNGE」。タクシー待合所で観光案内機能も持つ建築で、地場の木材活用を目指して構造・仕上げ・サッシ等の全てに県産材を利用、構造形式の開発による開放的な空間は地域交流の場としても機能
  14. 中野晋治建築研究室による、福岡・福津市の住宅「川沿いの家」。海に近く川と道に挟まれた敷地に計画、周辺環境を調整できる柔軟な建築を目指し大型開き戸を考案、開閉により視線や通風等を制御でき住み手がその時々に必要な状態をつくる
  15. 村山徹と杉山幸一郎による連載エッセイ ”今、なに考えて建築つくってる?” 第1回「コストとレギュレーション」
  16. 長坂常 / スキーマ建築計画がHyundaiの為にデザインしたモバイルハウス「旅する住まい」をレポート。自動車の蓄電池から都市生活を持ちだすアイデアを構想、木と布を素材とし出来るだけ軽くつくり、気楽に出かけられる事も意図
  17. 岡佑亮 / チドリスタジオによる、石川・金沢市の、自邸兼事務所「北陸住居 No.1」。地域と向き合いバナキュラーと作品の間の在り方を模索、建築に伝統的中庭“セド”を現代化した空間を設け公と私を緩やかに接続、歴史を基とした北陸らしさの実践を通し建築の普遍的可能性も追求
  18. ザハ・ハディド・アーキテクツによる、中国・成都市の建築展「Future Cities」の会場写真。現在6大陸で60のプロジェクトを進めるファームの個展で、デジタル設計手法と持続可能な建設手法の融合を進める特徴や、多分野にわたるアプローチからの建築への探究心を紹介
  19. アラップとチッパーフィールド事務所による、イタリア・ミラノのアリーナ「Arena in Santa Giulia」。スポーツやイベントに対応する施設で、基壇上に3つのリングが浮かぶ意匠を特徴とし昼はアルミ素材が煌めき夜はLEDの帯により発光、2025年に完成し冬季オリンピック会場としても使用
  20. STUDIO MOVEによる、東京・港区の「エルムクリニック 表参道院」。ブランド店舗が並ぶエリアの特徴的な建物内に作られた美容医院、街を行き交う人々を誘う公園の様な場になる事を目指し、施設への敷居を下げ気軽さを持つ空間とすべく受付の在り方を拡張する設計を行う

メキシコの建築家 フリーダ・エスコベドが、ニューヨークの、メトロポリタン美術館の新棟の設計者に

メキシコの建築家 フリーダ・エスコベドが、ニューヨークの、メトロポリタン美術館の新棟の設計者に選ばれています。リンク先はニューヨークタイムズです。フリーダは現在42歳の女性建築家で、2018年にはサーペンタインパヴィリオンの設計も手掛けました。こちらに日本語で読めるインタビューがあります。

以下は、フリーダが手掛けた2018年のサーペンタインパヴィリオンの様子とインタビューを収録した動画です。

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