長坂常 / スキーマ建築計画が設計した、中国地方の「独忘+EL AMIGO」です。
子供が泊まるゲストハウスと大人が遊ぶパブの計画です。建築家は、ゲストハウスは“孤に帰る場所”として、瀬戸内と対峙する空間を志向しました。また、パブは“穴蔵”の様な場で、窓を開けると瀬戸内の一望が可能な空間となっています。
瀬戸内に無数に浮かぶ島の一つ、その島の瀬戸内を南に望む斜面に上から母家、茶室、客室、食堂が異なるデザインで建つ。
この家は、家族、ご友人含めいろいろな方が頻繁に来ることから、その下に今回その子供たちが泊まれるゲストハウスと大人が食後に遊ぶパブ「EL AMIGO」をつくった。
そもそもこの山の造成が左回りに緩やかに上がるスロープと併走して建物が増床していっているが、今回の二つの建物はその軌道から少し離れ南に落ちたところにある。その時、これらの建物が既存の建物から見た時に瀬戸内の風景を邪魔しないよう建物の位置を決めた。
ゲストハウスは子供に対して現世から切り離し、孤に帰る場所として宿坊をイメージし「独忘」という名のもとで計画した。
そこには5つの寝床ユニットとシャワーとトイレのユニットがついていて、食事には母家の食堂を利用することから、食堂の正面に位置させた。と同時に食堂からの瀬戸内への眺めを阻止しないように独忘の屋根を食堂のフロアレベルに合わせた。
パブ「EL AMIGO」は夜な夜な穴蔵に入ってテーブルとマスターを囲ってしっぽり飲める場所になっている。昼間は障子をすけるような優しい光がFRP越しにさしこみ、窓を開けると瀬戸内が一望できるようになっており、立礼式の茶会をひらくこともできる。