牧戸奈須加+吾郷隆 / 牧戸建築環境設計事務所による、島根・出雲市の「YT邸」。古くから葦が群落する小さな湖の近くの敷地。日本建築の与件と土地への応答を求め、イネ科植物が持つ固有の感覚を翻訳した“縦格子”で覆われた建築を考案。伝統民家を参照した高床は防湿等の機能的役割も果たす
牧戸奈須加+吾郷隆 / 牧戸建築環境設計事務所による、島根・出雲市の「YT邸」。古くから葦が群落する小さな湖の近くの敷地。日本建築の与件と土地への応答を求め、イネ科植物が持つ固有の感覚を翻訳した“縦格子”で覆われた建築を考案。伝統民家を参照した高床は防湿等の機能的役割も果たす南側外観、夜景 photo©野津写真事務所 野津研一
牧戸奈須加+吾郷隆 / 牧戸建築環境設計事務所による、島根・出雲市の「YT邸」。古くから葦が群落する小さな湖の近くの敷地。日本建築の与件と土地への応答を求め、イネ科植物が持つ固有の感覚を翻訳した“縦格子”で覆われた建築を考案。伝統民家を参照した高床は防湿等の機能的役割も果たす南側外観、夜景 photo©野津写真事務所 野津研一
牧戸奈須加+吾郷隆 / 牧戸建築環境設計事務所による、島根・出雲市の「YT邸」。古くから葦が群落する小さな湖の近くの敷地。日本建築の与件と土地への応答を求め、イネ科植物が持つ固有の感覚を翻訳した“縦格子”で覆われた建築を考案。伝統民家を参照した高床は防湿等の機能的役割も果たす photo©野津写真事務所 野津研一

牧戸奈須加+吾郷隆 / 牧戸建築環境設計事務所が設計した、島根・出雲市の「YT邸」です。
古くから葦が群落する小さな湖の近くの敷地に計画されました。建築家は、日本建築の与件と土地への応答を求め、イネ科植物が持つ固有の感覚を翻訳した“縦格子”で覆われた建築を考案しました。また、伝統民家を参照した高床は防湿等の機能的役割も果たします。

葦の群落する景観を残す小さな湖の南岸、稲穂の広がる土地の傍らに位置する住宅である。
平屋建日本建築であることが与件としてあり、どのようにすれば和を現代建築たらしめることができるか、それらをどのように周辺環境と接続するかを課題とした。

建築家によるテキストより

古より葦原であったとされるこの土地への応答として、葦 / 稲 / 竹等が持つイネ科植物特有のザワツキを汎用人口材で翻訳した縦格子をつくり、形式化した和要素を削いだ深い屋根軒影の中にその縦格子を切並べただけの外観を目標とした。

格子には経年灰色木材に似たシルバーグレー色の鋼板材を使用し不規則に取付け、見る角度や日影で変化する表情を持たせることを試みた。

建築家によるテキストより

伝統木造民家を参考に床を高さ調整することで屋内外の大きな収納確保、建屋周囲防湿、床下 / 設備メンテナンス、防災対策等の課題について対応した。

敷地境界は目隠し塀等で囲わず、積石と今後徐々に行われる植栽のみのゆるいものとし、格子材や沿道の竹垣越しに芝庭を介し東~北へ広がる田景に接続した。

建築家によるテキストより
柿木佑介+廣岡周平 / PERSIMMON HILLS architectsによる、福島・双葉郡の「楢葉町地域活動拠点施設『まざらっせ』」。元保育所の公民館を更に改修。避難解除後の住民と移住者が共に活動する場として、新設建具がもたらす“開放性”と家具類がつくる多様な“居場所”を備えた空間を考案。新たな交流を受入れ混ざり合う“舞台”を作る
柿木佑介+廣岡周平 / PERSIMMON HILLS architectsによる、福島・双葉郡の「楢葉町地域活動拠点施設『まざらっせ』」。元保育所の公民館を更に改修。避難解除後の住民と移住者が共に活動する場として、新設建具がもたらす“開放性”と家具類がつくる多様な“居場所”を備えた空間を考案。新たな交流を受入れ混ざり合う“舞台”を作る屋外スペース photo©中山保寛
柿木佑介+廣岡周平 / PERSIMMON HILLS architectsによる、福島・双葉郡の「楢葉町地域活動拠点施設『まざらっせ』」。元保育所の公民館を更に改修。避難解除後の住民と移住者が共に活動する場として、新設建具がもたらす“開放性”と家具類がつくる多様な“居場所”を備えた空間を考案。新たな交流を受入れ混ざり合う“舞台”を作る廊下、左:スタジオ1、右:会議室 photo©中山保寛
柿木佑介+廣岡周平 / PERSIMMON HILLS architectsによる、福島・双葉郡の「楢葉町地域活動拠点施設『まざらっせ』」。元保育所の公民館を更に改修。避難解除後の住民と移住者が共に活動する場として、新設建具がもたらす“開放性”と家具類がつくる多様な“居場所”を備えた空間を考案。新たな交流を受入れ混ざり合う“舞台”を作るホール photo©中山保寛
柿木佑介+廣岡周平 / PERSIMMON HILLS architectsによる、福島・双葉郡の「楢葉町地域活動拠点施設『まざらっせ』」。元保育所の公民館を更に改修。避難解除後の住民と移住者が共に活動する場として、新設建具がもたらす“開放性”と家具類がつくる多様な“居場所”を備えた空間を考案。新たな交流を受入れ混ざり合う“舞台”を作る左:テラス、右:ライブラリー photo©中山保寛

柿木佑介+廣岡周平 / PERSIMMON HILLS architectsが設計した、福島・双葉郡の「楢葉町地域活動拠点施設『まざらっせ』」です。
元保育所の公民館を更に改修した施設です。建築家は、避難解除後の住民と移住者が共に活動する場として、新設建具がもたらす“開放性”と家具類がつくる多様な“居場所”を備えた空間を考案しました。そして、新たな交流を受入れ混ざり合う“舞台”を作る事も意図されました。施設の場所はこちら(Google Map)

楢葉町地域活動拠点施設「まざらっせ」は、今までの公民館を改修した施設です。
もともとこの建物は保育所として使われていました。RCラーメン造の建築で、南側の園庭に対して、半透明の軒下空間を持った明るい建物でした。

しかし町の人口が減る中で児童数も減り、この保育所が閉鎖され、震災前の2010年に公民館として用途変更が行われました。その後東日本大震災により、楢葉町が原発事故の影響で警戒区域に指定され、その間は人が立ち入れず、2015年に避難解除されるに至りました。

建築家によるテキストより

この施設のプロポーザルが行われるまでにも、ならはCANVAS、笑みふる商店街、災害公営住宅など、避難していた方が戻ってくるための拠点が整備されていき、現段階ではさらなる移住者を受け入れるフェーズです。その中で地域住民と移住者がともに活動していく拠点としてこの公民館の改修のプロポーザルが行われました。

建築家によるテキストより

この計画は建築確認を要しない範囲の工事で対応できる改修を前提としました。
RCラーメンの開放的な空間に大らかな木天井を設え、開口部を広くし、内部の建具を大きな引戸とし、居場所を作る様々な家具を提案しました。外からも活動が見えるようになり、外部から内部まで様々な居場所のグラデーションが生まれています。

木天井は県産材の杉を斜めに貼り、照明と同じサイズの杉ルーバーで陰影をつけ、内外にまたがりながら建築全体を大らかに包んでいます。家具は内外にまたがるような小上がりや、テーブル、本棚、木のカウンターボックスを設け、それぞれに質感の異なる居場所としました。外部空間も、もともとあった大階段を延長したり、芝生をつけたり、デッキを設えたりと、庇の有無・内外の境界だけでなく、様々な質の違いを持つことで活動の違いを受け入れていく計画です。

建築家によるテキストより

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