
「ap編集長の建築探索」は、23年の歴史ある建築ウェブメディア「アーキテクチャーフォト」の編集長である後藤連平が、訪問した建築を紹介する連載シリーズです。論考のようなかっちりとした形式ではなく、現地で感じた雰囲気や空気感が伝わるような“ライブ感”のある文体で綴ります。読者の皆様も自身が建築を体験するように読んでいただければ幸いです。
竹内吉彦 / tデ「白い邸」
tデの竹内さんが設計した都内の住宅の内覧会に伺った。
住宅を初めて設計されたとのことだけど、「バレンシアガ 銀座」を手掛けたり、独立以前の青木淳建築計画事務所時代には「LOUIS VUITTON GINZA NAMIKI」も担当した実力者。
空間に身を置いてみて、非常に素晴らしかった。
幾何学的に整理されたシンプルな平面から、非常に複雑で豊かな体験を与える空間が生まれているのも、個人的に好みであった。
一階の柱や袖壁がないワンルーム空間は、その上部中央にあるフィーレンデール構造の巨大梁で成立しているとのこと。
このシンプルなワンルームの上に、ロフト階と二階が積層する構成なのだけれど、ロフトと二階の個室には、立体的な回遊動線が作られていて、行き止まりなく建物全体を回ることができる。これも、体感的な広さに大きく寄与していると思った。
もう少し詳しく説明すると、其々の個室に2つの出入り口があり(ひとつは、一般的な引き戸、もうひとつは、梯子でロフト階と接続)、個室が通過動線にもなり、行き止まり感がないのも心理的に効いている。




