



篠原一男が設計した「上原曲り道の住宅」(1978年) をレポートします。
篠原が掲げた四つの様式のうち、“第三の様式”の作品のひとつとして知られています。篠原が重要視した“ずれ”を強調する、鉄筋コンクリートの柱が広間にそびえる建築です。また、詩人の鈴木志郎康とその家族の住まいでもありました。
※キャプション内の室名は「」で囲んだものは篠原の図面上の表記を参考にしています
篠原一男が設計した「上原曲り道の住宅」が公開されているという情報を得て、関係者に連絡を取り取材での訪問が叶った。
本記事では、当日撮影した写真を中心として、本建築をレポートしていく。
この建築は、篠原の設計で1978年に東京都内で竣工した鉄筋コンクリート造の住宅である。建築の規模は、地下1階・地上3階、延床面積215.06㎡*1。地下1階に書斎と映写室など、1階にリビングダイニングとキッチンなど、2階に子ども部屋と水廻りなど、3階に夫婦の寝室という構成となっている。(※図面上の表記ではなく一般的な室名として記載。また、実際には家族の成長と共に各部屋の使われ方が変わったようだ)
*1、JA『93, KAZUO SHINOHARA』(新建築社)、p.142
また、篠原建築としての位置付けとしては「第三の様式」に属する作品である。ご存知の通り、篠原は自身の作品を第一の様式から第四の様式に分類し、それぞれ異なる主題を定めて設計に取り組んでいた建築家だ。この第三の様式に属する最初の作品には、詩人の谷川俊太郎の別荘「谷川さんの住宅」(1974年)がある。この建築は、土のままの「広間」に木の架構が直立する姿が印象的で、その写真は建築を学ぶなかで、誰もが一度は見たことがあるのではないだろうか。
