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MVRDVによる、ドイツ・ベルリンの「アトリエ・ガーデンズ」。映画スタジオの段階的な再開発。文化財等に指定される建物等を活用して、エコロジーで持続可能な施設とする設計を志向。最初に改修した建築ではカーテンを用いてフレキシブルな空間を構築
MVRDVによる、ドイツ・ベルリンの「アトリエ・ガーデンズ」。映画スタジオの段階的な再開発。文化財等に指定される建物等を活用して、エコロジーで持続可能な施設とする設計を志向。最初に改修した建築ではカーテンを用いてフレキシブルな空間を構築CGパース image©MVRDV
MVRDVによる、ドイツ・ベルリンの「アトリエ・ガーデンズ」。映画スタジオの段階的な再開発。文化財等に指定される建物等を活用して、エコロジーで持続可能な施設とする設計を志向。最初に改修した建築ではカーテンを用いてフレキシブルな空間を構築CGパース image©MVRDV
MVRDVによる、ドイツ・ベルリンの「アトリエ・ガーデンズ」。映画スタジオの段階的な再開発。文化財等に指定される建物等を活用して、エコロジーで持続可能な施設とする設計を志向。最初に改修した建築ではカーテンを用いてフレキシブルな空間を構築最初に改修された建築 photo©Yasutaka Kojima
MVRDVによる、ドイツ・ベルリンの「アトリエ・ガーデンズ」。映画スタジオの段階的な再開発。文化財等に指定される建物等を活用して、エコロジーで持続可能な施設とする設計を志向。最初に改修した建築ではカーテンを用いてフレキシブルな空間を構築最初に改修された建築 photo©Yasutaka Kojima

MVRDVによる、ドイツ・ベルリンの「アトリエ・ガーデンズ」です。
映画スタジオの段階的な再開発のプロジェクトです。建築家は、文化財等に指定される建物等を活用して、エコロジーで持続可能な施設とする設計を志向しました。そして、最初に改修した建築ではカーテンを用いてフレキシブルな空間を構築しています。

こちらは建築家によるリリーステキストの翻訳

MVRDVがベルリンの映画スタジオを再考、サステナブルな素材で遺産を保存と改修を行う

MVRDVは、ベルリン・ユニオン・フィルム・アトリエ(BUFA)のキャンパスを持続的に変革する提案において、アトリエ・ガーデンズの最初の2棟の計画認可を取得しました。ベルリンのテンペルホーフ空港の南端に位置するBUFAは、100年以上前に最初の建物が建設されて以来、ベルリンの映画・テレビ産業の重要な一翼を担っています。現在、BUFAは映画製作者だけでなく、アクティビズムや社会正義に焦点を当てた組織や個人など、あらゆる形の「チェンジメーカー」を取り込み、利用者層を拡大しています。その触媒となったのは、物理的なスペースのアイデンティティーの変化でした。

5つの撮影スタジオと様々な付帯設備が密集したキャンパスを形成し、カリスマ性のある大きなレンガ造りの建物が細い路地やオープンプラザを形成しています。MVRDVのデザインは、この空間的多様性を維持・強化するものです。解体や再建ではなく、既存の構造を活かした一連の持続可能な変革により、建物をリフレッシュしながら、間の空間の可能性を最大化します。

キャンパスは、エコロジーに焦点を当てたランドスケープで様変わりします。広大な敷地の舗装を撤去します。車両を排除し、屋上庭園や緑の広場により、水の浸透性と生物多様性を高めます。その他のサステナビリティのための施策が組み込まれています。エコトイレ、雨水の収集と水のリサイクル、自然換気の改善などです。また、現在検討中の案では、老朽化した倉庫2棟を解体した際に出た鉄骨をそのまま敷地内で再利用し、新しいエントランスパヴィリオンを建設する予定です。

23,800m2のキャンパスのマスタープランでは、映画スタジオを新しくするために、段階的なアプローチをとっています。それは、一つ一つの建物の変化を前の建物への対応と考えているからです。これらの開発の第一弾として、正面玄関横の「ハウス1」と呼ばれる建物の改築と「スタジオ1」の改装が、このほど工事認可を取得しました。

100年近い歴史を持つスタジオ1は、現代の映画制作にはやや古く、近年はテレビ番組やコマーシャルに多く使用されています。また、この建物は文化財に指定されているため、既存の建物の特徴を大きく変えることなく、さまざまな用途に対応できる柔軟な空間を作り出すデザインが必要でした。設計では、キャンパスの歴史を尊重しつつ、サステイナブルな未来を確保するために建物の寿命を延ばすことが求められました。

MVRDVのデザインは、「ローテクの変革」によってこれを実現し、際立った特徴を1つ備えています。カーテンレールが隠されている多くの映画スタジオとは異なり、頭上の複雑なカーテンレールは、空間の焦点となります。このレールは、ラズベリーやハニーイエローなど、鮮やかな色彩のカーテンで空間を仕切ることができ、それぞれ異なる機能を持っています(遮音カーテンや透光カーテンなど)。このように、新たな付加物は、元の建物とは対照的です。固定式ではなくフレキシブルに、黒ではなくカラフルに。レンガの壁は見えるようにし、カーテンレールの上には建物の屋根に天窓を設け、より適正に異なる用途に対応できる空間としました。その他にも、内装を新しくしたり、より効率的な換気システムを導入したりと、建物を更新しています。

1997年に建てられたハウス1は、より抜本的な改革が行われました。この建物は室内環境が悪く、夏にはオーバーヒートし、壁の断熱性能も低い状態でした。また、木製のフレームと植栽で構成される「覆い」によって、最小限の材料で最大限の効果を発揮しています。このフレームは屋上まで伸びており、シェルター付きの庭園と屋上パビリオンを形成しています。建物自体からも、屋上へ直接つながるジグザグした階段からもアクセス可能です。建物内部には、フレキシブルなワークスペース、カフェバー、ミーティングスペースが設置され、同様にして最小限の新しい材料で最大の性能向上を達成することを目標としています。

MVRDVの設立パートナーであるヤコブ・ファン・ライスは言います。
「社会貢献活動に新たな焦点を当てることで、アトリエ・ガーデンズは、社会の異なるヴィジョンを定義し、そのヴィジョンに多くの人々が参加できるよう支援します」「ベルリンの映画史の重要な部分を変換することで、その寿命を延ばし、エキサイティングな過去と楽観的な未来をつなげます」

青木淳・皆川明・菊地敦己の鼎談の動画。2022年7月に青森県立美術館で行われたイベントを収録したもの

青木淳皆川明菊地敦己の鼎談の動画です。2022年7月16日に青森県立美術館で行われたイベントを収録したものです。「ミナ ペルホネン/皆川明つづく」の青森会場の開催に合わせて企画されたものです。

「特別な日常服」をコンセプトにものづくりを続け、青森県立美術館のユニフォームも手掛けるミナ ペルホネンの創作の秘密に迫る過去最大規模の展覧会「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」。その初日に開催された、ミナ ペルホネンの創設者/デザイナーの皆川明と、青森県立美術館の設計者である建築家・青木淳、同館V.I.を手がけたアートディレクター・菊地敦己によるスペシャル鼎談です。

OMAとポテトヘッドによる、シンガポールでの建築展「N*thing is Possible」。地元で飲食等を手掛ける企業が発起して開催。ホスピタリティ分野における持続可能性と廃棄ゼロをテーマに、廃棄物等を用いたランドスケープやリサーチ成果を展示。未来に繋がる方法の紹介や問題提起も行う
OMAとポテトヘッドによる、シンガポールでの建築展「N*thing is Possible」。地元で飲食等を手掛ける企業が発起して開催。ホスピタリティ分野における持続可能性と廃棄ゼロをテーマに、廃棄物等を用いたランドスケープやリサーチ成果を展示。未来に繋がる方法の紹介や問題提起も行う photo©Studio Periphery, courtesy of Potato Head and OMA
OMAとポテトヘッドによる、シンガポールでの建築展「N*thing is Possible」。地元で飲食等を手掛ける企業が発起して開催。ホスピタリティ分野における持続可能性と廃棄ゼロをテーマに、廃棄物等を用いたランドスケープやリサーチ成果を展示。未来に繋がる方法の紹介や問題提起も行う photo©Studio Periphery, courtesy of Potato Head and OMA
OMAとポテトヘッドによる、シンガポールでの建築展「N*thing is Possible」。地元で飲食等を手掛ける企業が発起して開催。ホスピタリティ分野における持続可能性と廃棄ゼロをテーマに、廃棄物等を用いたランドスケープやリサーチ成果を展示。未来に繋がる方法の紹介や問題提起も行う photo©Studio Periphery, courtesy of Potato Head and OMA

OMAポテトヘッドによる、シンガポールでの建築展「N*thing is Possible」です。
地元で飲食等を手掛ける企業が発起して開催されました。建築家は、ホスピタリティ分野における持続可能性と廃棄ゼロをテーマに、廃棄物等を用いたランドスケープやリサーチ成果を展示しました。そして、未来に繋がる方法の紹介や問題提起も行っています。会期は、2022年12月25日まで。展覧会の公式サイトはこちら

こちらはリリーステキストの翻訳

ポテトヘッドとOMA、シンガポール国立デザインセンターの展覧会でホスピタリティにおけるゼロ・ウェイストを探求

ホスピタリティブランドのポテトヘッドが発起人となり、OMA / デイヴィッド・ジャーノッテンとシンジ・タカギが共同キュレーションを手掛けた展覧会「N*thing is Possible」が、シンガポール・デザイン・ウィーク期間中に国立デザインセンターで開幕しました。3カ月間にわたるこの展覧会は、廃棄物の可能性を探り、分野横断的なコラボレーションを通じて、ホスピタリティにおける廃棄物ゼロの達成に向けた新たな可能性を見いだすものです。

N*thing is Possibleの核となるステートメントは以下の通りです。「廃棄物ゼロと快適さや楽しさの体験は互いに相容れないものではなく、分野を超えた創造的な努力によって、ライフサイクルの『終わり』にある素材を資源の貯蔵庫に変えることができます」。サステナビリティには単一のグローバルスタンダードが存在するわけではありません。サステナビリティとは、利用可能な地域資源と知識の共有に基づいて、新しい創造と生活の方法を探求し続けることです。

ポテトヘッドの創業者であるロナルド・アキリは、言います。
「ホスピタリティは長い間、多くの廃棄物や破壊の原因となってきました。しかし、より良いものを作ることにコミットし、その過程で多くの失敗をしてきた結果、環境や地域社会にとって良い力になり得ることを発見しました。よりサステナブルな明日を築くという使命を共有する先見者たちとのコラボレーションを通じて、私たちはそれぞれの問題を、美しいものを作るチャンスとして捉えることができます。私たちの旅が、この業界をサステナブルなものにするための変化を促し、インスピレーションを与えることができればと願っています」

OMAのマネージングパートナーで建築家のデイヴィッド・ジャーノッテンは言います。
「従来のホスピタリティのモデルは、すぐに快適に過ごせることを推奨していました。使い捨ての製品が広く使用される中、ホスピタリティにおいて廃棄物ゼロを達成する可能性はあるのでしょうか?OMAとポテトヘッドは、2012年から一緒に仕事をしています。私たちは、クリエイティブなホスピタリティ・マネジメント、分野横断的なコラボレーション、地域社会とのかかわりを通して、埋立処分される廃棄物を減らす方法を試行錯誤してきました。N*thing is Possibleでは、ホスピタリティにおけるサステナビリティの意味とその実現方法について、私たちが現在行っている調査を共有しています」

1,000m2に及ぶ展示は、まず、私たちの日常生活から生み出される圧倒的な量のゴミを捉えた写真と映像で始まります。メインアトリウムでは、竹、木材、プラスチック、繊維、ガラス、発泡スチロール、食用油、カキ殻など、自然素材と廃棄物がランドスケープを形成しています。上方には、ポテトヘッドのコラボレーターがデザインしたランドスケープ素材を使ったオブジェが展示されています。この廃棄物のランドスケープは、実験と知識の共有によって、廃棄物が価値ある美しいアイテムに生まれ変わることを明らかにします。展示の中心となるのは、廃棄されたシャッターで作られた円形のインスタレーションです。年表では、2010年から環境に配慮したホスピタリティビジネスを展開してきたポテトヘッドの歩みが紹介され、2017年からはバリ島での廃棄物ゼロの取り組みにスポットが当てられています。

展示は、バリ島のリゾート、デサ・ポテトヘッドで進行中の廃棄物管理プログラムの青写真へと続きます。これは、オープンソース情報として紹介されています。2017年、ポテトヘッドは、バリ島の環境エンジニアリングコンサルタント会社エコ・マントラと共同で、デサでの廃棄物ゼロを実現するために、政府とは独立した一連の取り組みを開始しました。それ以来、エコ・マントラがゴミの埋立量を測定したところ、ゼロに近づいていることがわかりました。ポテトヘッドのバリ島でのゼロ・ウェイスト活動のドキュメントは、エコ・マントラ、シンガポール国立大学、OMAが行ったバリ島とシンガポールの国全体の廃棄物問題に関するマクロ規模の研究とともに展示されています。調査対象は、政府主導のトップダウン方式のゼロ・ウェイストインセンティブ、国民の反応と意識、埋立容量などです。重要なのは、一般市民の廃棄物管理に関する根本的な変化は、政府レベルの方向性だけでなく、民間セクターの小規模ながら長期的な効果が期待できる対策を開始することが可能にするということです。

展示出口は、円形のギフトショップになっています。廃棄物ゼロのライフスタイルを提案する商品が、廃プラスチックのリサイクル素材を編んだパネルで作られたインスタレーションに展示されています。出口は展覧会の一部となり、廃棄物問題に対する批判的な反応を促します。廃棄物問題に対する最良の解決策はリサイクルなのか?そもそも、どうすればゴミを減らすことができるのでしょうか?

トラフ建築設計事務所による、東京・港区の「NJH SHOWROOM/ACTIVITY/STUDIO」。商品展示・運動・もてなしの為の3つの空間を備えたスポーツ企業の施設。ブランドを体現し様々な使い方を叶える場の要望に、其々の目的に合わせ多様な素材を用いてデザイン。新しい発見と特別な時間を提供する場所を作る
トラフ建築設計事務所による、東京・港区の「NJH SHOWROOM/ACTIVITY/STUDIO」。商品展示・運動・もてなしの為の3つの空間を備えたスポーツ企業の施設。ブランドを体現し様々な使い方を叶える場の要望に、其々の目的に合わせ多様な素材を用いてデザイン。新しい発見と特別な時間を提供する場所を作るショールーム、エキスパンドメタルを使用した弓型の什器は、イベント等に合わせてレイアウトを可変できる。 photo©阿野太一
トラフ建築設計事務所による、東京・港区の「NJH SHOWROOM/ACTIVITY/STUDIO」。商品展示・運動・もてなしの為の3つの空間を備えたスポーツ企業の施設。ブランドを体現し様々な使い方を叶える場の要望に、其々の目的に合わせ多様な素材を用いてデザイン。新しい発見と特別な時間を提供する場所を作るアクティビティスペース、ヨガやダンスを行う空間で、窓からの眺めを背景にのびのびと活動できる開放感ある空間。 photo©阿野太一
トラフ建築設計事務所による、東京・港区の「NJH SHOWROOM/ACTIVITY/STUDIO」。商品展示・運動・もてなしの為の3つの空間を備えたスポーツ企業の施設。ブランドを体現し様々な使い方を叶える場の要望に、其々の目的に合わせ多様な素材を用いてデザイン。新しい発見と特別な時間を提供する場所を作るスタジオ、漆喰調の壁面側には、フィッティングルームや工作スペース、ポッドキャストの収録ブース photo©阿野太一

トラフ建築設計事務所が設計した、東京・港区の「NJH SHOWROOM/ACTIVITY/STUDIO」です。
商品展示・運動・もてなしの為の3つの空間を備えたスポーツ企業の施設です。建築家は、ブランドを体現し様々な使い方を叶える場の要望に、其々の目的に合わせ多様な素材を用いてデザインしました。そして、新しい発見と特別な時間を提供する場所を作る事を意図しました。

六本木の東京ミッドタウンに移転するスポーツブランドの施設のための内装計画。

建築家によるテキストより

2017年に手掛けた既存のヘッドオフィスの10Fに、メディア向けのショールームやインフルエンサーなどゲストをもてなすスタジオ機能といった都内の別ロケーションに分散していた機能を集約させ、多目的なアクティビティスペースも加えた3つの施設を新設する。執務に特化したオフィスビル内に、同社のブランドを体現しつつ、様々な使い方と変化を受け入れる空間が求められた。

建築家によるテキストより

オフィスビルという環境にありながら、ゲストにとって訪れるたびに新しい発見があり、特別な滞在時間を過ごせるような場所を目指した。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 株式会社 團紀彦建築設計事務所が、建築設計スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)を募集中
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株式会社 團紀彦建築設計事務所の、建築設計スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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現代美術作家の田村友一郎と建築家の藤原徹平と中山英之が審査する、日本ペイント主催の国際学生コンペ「AYDA2022」が開催。テーマは「空間のイマジナリーライン」。最優秀賞はアジア学生サミットへの招待と賞金30万円が贈呈
現代美術作家の田村友一郎と建築家の藤原徹平と中山英之が審査する、日本ペイント主催の国際学生コンペ「AYDA2022」が開催。テーマは「空間のイマジナリーライン」。最優秀賞はアジア学生サミットへの招待と賞金30万円が贈呈

現代美術作家の田村友一郎と建築家の藤原徹平と中山英之が審査する、日本ペイント主催の国際学生コンペ「AYDA2022」が開催されます。テーマは「空間のイマジナリーライン」です。最優秀賞はアジア学生サミットへの招待と賞金30万円が贈呈登録締切は、2022年11月2日(水)提出期限は、2022年11月9日(水)です。【ap・ad】

※登録締切が、2022年11月16日(水)提出期限は、2022年11月23日(水)に延期されました

テーマ:空間のイマジナリーライン

映画の世界に、イマジナリーラインという言葉があります。

たとえばスクリーンいっぱいに2人の顔のアップが、交互に映し出されたとします。すると、ふたりを同時に撮ったシーンがなくても、誰もが見つめ合うふたりを思い浮かべるでしょう。この、観る側の頭の中にある視線の運動が、イマジナリーラインです。映画を観ることとは、断片的な映像を想像力で結び合わせることで、それぞれが頭の中に物語世界を立ち上げていくこと、と言えるのかもしれません。

色覚の世界にも、似たような作用があります。たとえば、ふたつの異なる色を同時に見たとき、実際にはそこにない色が頭の中に浮かぶことや、その色の組み合わせが持つ意味が、脳裏にイメージとして立ち上がってくることは、きっと想像しやすいでしょう。

そこに存在するものを使って、存在していないものまで生み出すこと。この課題では、そういった事柄をまとめて、「空間のイマジナリーライン」と呼んでみたいと思います。

イマジナリーラインは、頭の中に広がる世界です。だから、現実世界の境界線の制約を受けません。敷地境界線だけでなく、過去や未来を、国境や性別を、生や死を、ミクロとマクロを超えて、広がっていく可能性を秘めています。それは、小さな部屋で宇宙の蠢きを聴くことかもしれません。立ちはだかる障壁を越えて、誰かと手を取り合うようなことかもしれません。

現実世界のどこかに、かたちある設計物を計画することで、そこに存在しない「空間のイマジナリーライン」が浮かび上がる。そんな可能性、関係性を想像し、提案してください。

賞金

●アジア学生サミットでの最優秀賞(1名)
賞金 10,000 USドル
ハーバード大学での6週間のサマースクールへの招待(旅費滞在費を含む)

●日本地区最優秀賞(1名)
賞金 30万円
アジア学生サミットへの招待(旅費滞在費含む)
日本地区審査員とのインターンシップツアーへの招待

●日本地区インテリア部門優秀賞(2名)
賞金 各5万円
日本地区審査員とのインターンシップツアーへの招待

●日本地区建築・ランドスケープ部門優秀賞(2名)
賞金 各5万円
日本地区審査員とのインターンシップツアーへの招待

【引用元サイト名】

募集概要等は以下からどうぞ。

岡田一樹+岡田絢子 / R.E.A.D. & Architectsによる、東京の住戸改修「簾戸の家」。強い日差しが入る南東向き住戸での計画。日射の緩和とモダンな和の意匠という要望に、“簾戸”を現代化した建具を考案して陽光を遮る性能を持つ特殊素材で制作。大幅な間取り変更でなく光と素材の選択で空間をつくる
岡田一樹+岡田絢子 / R.E.A.D. & Architectsによる、東京の住戸改修「簾戸の家」。強い日差しが入る南東向き住戸での計画。日射の緩和とモダンな和の意匠という要望に、“簾戸”を現代化した建具を考案して陽光を遮る性能を持つ特殊素材で制作。大幅な間取り変更でなく光と素材の選択で空間をつくる photo©Nao Takahashi
岡田一樹+岡田絢子 / R.E.A.D. & Architectsによる、東京の住戸改修「簾戸の家」。強い日差しが入る南東向き住戸での計画。日射の緩和とモダンな和の意匠という要望に、“簾戸”を現代化した建具を考案して陽光を遮る性能を持つ特殊素材で制作。大幅な間取り変更でなく光と素材の選択で空間をつくる photo©Nao Takahashi
岡田一樹+岡田絢子 / R.E.A.D. & Architectsによる、東京の住戸改修「簾戸の家」。強い日差しが入る南東向き住戸での計画。日射の緩和とモダンな和の意匠という要望に、“簾戸”を現代化した建具を考案して陽光を遮る性能を持つ特殊素材で制作。大幅な間取り変更でなく光と素材の選択で空間をつくる photo©Nao Takahashi

岡田一樹+岡田絢子 / R.E.A.D. & Architectsが設計した、東京の住戸改修「簾戸の家」です。
強い日差しが入る南東向き住戸での計画です。建築家は、日射の緩和とモダンな和の意匠という要望に、“簾戸”を現代化した建具を考案して陽光を遮る性能を持つ特殊素材で制作しました。そして、大幅な間取り変更でなく光と素材の選択で空間をつくる事も意図されました。

対象住戸は都内の閑静な邸宅街の小規模マンション中層階の南東向きの一角にある。
夏が過ぎた9月、調査でこの住戸を初めて訪れた時、南東向きの大きな単板ガラスの開口から、強すぎる直射日光が室内に差し込んでいた。「この暑さを何とかしてほしい」。これが依頼主の最初の要望だった。

建築家によるテキストより

プランニングとしては、マンションの構造が壁式鉄筋コンクリート造で間仕切りの多くが構造壁であったため、大幅な間取り変更は行わず、南東のLDKのワンルーム空間、中央の水回りのコア、北西の個室群を、廊下で繋ぐシンプルな構成とした。

建築家によるテキストより

課題であった南東からの直射日光の緩和と、モダンな中の和の意匠という条件を考えたとき、日本の伝統的な建具である「簾戸」を現代化した建具を作って、強い直射日光を透過・拡散させ柔らかい和の光に変換することで、それらの両方をクリアできないかと考えた。

簾戸には直射日光を遮る性能を有する特殊なファブリックを太鼓張りし、格子をシルエット状に浮かび上がらせた。室内は漆喰で仕上げ、簾戸を通した柔らかい光によって、壁と天井のグラデーショナルで滑らかな質感を表現した。また、廊下の壁はホワイトセメントを掻き落とした現代的な土壁のような表情とし、アーティストの作品をかけた。

建築家によるテキストより
ネリ&フーによる、中国・上海のオフィス「Nomadland RED PLUS Studio」。古い工場のフロアをファッション企業のオフィスに改修。フレキシブルな労働環境の要望に、“遊牧民”をコンセプトに掲げて可変性を持つ什器類を考案。経年変化する素材の選択で空間自体で流動性も表現
ネリ&フーによる、中国・上海のオフィス「Nomadland RED PLUS Studio」。古い工場のフロアをファッション企業のオフィスに改修。フレキシブルな労働環境の要望に、“遊牧民”をコンセプトに掲げて可変性を持つ什器類を考案。経年変化する素材の選択で空間自体で流動性も表現 photo©Zhu Runzi
ネリ&フーによる、中国・上海のオフィス「Nomadland RED PLUS Studio」。古い工場のフロアをファッション企業のオフィスに改修。フレキシブルな労働環境の要望に、“遊牧民”をコンセプトに掲げて可変性を持つ什器類を考案。経年変化する素材の選択で空間自体で流動性も表現 photo©Zhu Runzi
ネリ&フーによる、中国・上海のオフィス「Nomadland RED PLUS Studio」。古い工場のフロアをファッション企業のオフィスに改修。フレキシブルな労働環境の要望に、“遊牧民”をコンセプトに掲げて可変性を持つ什器類を考案。経年変化する素材の選択で空間自体で流動性も表現 photo©Zhu Runzi
ネリ&フーによる、中国・上海のオフィス「Nomadland RED PLUS Studio」。古い工場のフロアをファッション企業のオフィスに改修。フレキシブルな労働環境の要望に、“遊牧民”をコンセプトに掲げて可変性を持つ什器類を考案。経年変化する素材の選択で空間自体で流動性も表現 photo©Zhu Runzi

ネリ&フーが設計した、中国・上海のオフィス「Nomadland RED PLUS Studio」です。
古い工場のフロアをファッション企業のオフィスに改修しました。建築家は、フレキシブルな労働環境の要望に、“遊牧民”をコンセプトに掲げて可変性を持つ什器類を考案しました。また、経年変化する素材の選択で空間自体で流動性も表現しています。施主企業の公式サイトはこちら

こちらは建築家によるテキストの翻訳

「ある場所から別の場所へ向かう途中では、いつもより少し客観的に自分の人生を見つめることができたようだ。彼が最も明確に考え、止まっているときには到達できないような決断を下すのは、しばしば旅行中であった」
– ポール・ボウルズ『シェルタリング・スカイ』

上海市静安区の旧工業地帯に位置するこのプロジェクトの概要は、古い工場の上層階を再利用するというものです。ネリ&フーは、このようなプロジェクトは、都市のありふれたものを祝うためのエキサイティングな機会だと考えています。歴史的価値のない建物にも大きな可能性があり、敬意をもって扱われるべきなのです。何十年にもわたる改修で蓄積されたレイヤーを剥がすと、元の建物の個性の核となるエッセンスが見えてきます。コンクリート構造の骨組みが主要な空間を形成し、既存の一連の天窓が自然光の重要な光源として残されています。

装備の全体的なデザインコンセプトは「遊牧民」、つまり固定性を欠くという考えに触発されています。クライアントのRED PLUSはファッションやメディアを扱う企業であるため、デザインの概要としてフレキシブルなワークスペースが求められました。都市間を移動しながら専門的なサービスを提供する旅人のように、この機関で働く人々もまた、さまざまなシナリオに応じて空間を変化させる必要がありました。2つの窓にある作業面は、折りたたむと追加のデスクとして使うことができます、会議室は、用途に応じて透明・不透明にできるガラスを採用、壁のパネルは、スライドさせてプライバシーや照明の設定を変えることができます、中央のスペースは、投影面を下げると試写室として利用できます。

建物のオリジナルの強さを明らかにし、過去と現在の境界線上にある空間と共存できるよう、慎重にレイヤーを重ねています。多くのパネルが操作可能であるだけでなく、素材そのものが流動的であることを示唆しています。ブラッシュドステンレススチールとフロストガラスは、常に変化する周囲の環境を映し出し、極めて優美な存在感を放ちます。亜鉛メッキ鋼板やメッシュは、時間の経過とともに徐々に腐食し、色が変化していくという不安定な性質を利用して、意図的に使用されています。また、デスク、タスクチェア、ランプなど、多くの家具のカスタムデザインもネリ&フーが担当し、デザインを完成させました。

白石卓央 / 愛媛建築研究所による、愛媛の「DIG STUDIO」。ダンススタジオと学習室とカフェが入る建築。子供の利用が多い状況に対し、レッスン時間外の受け皿となり待合にも使える諸空間を併設。“学校とも一般的な学習塾とも異なる新たな居場所”をつくる
白石卓央 / 愛媛建築研究所による、愛媛の「DIG STUDIO」。ダンススタジオと学習室とカフェが入る建築。子供の利用が多い状況に対し、レッスン時間外の受け皿となり待合にも使える諸空間を併設。“学校とも一般的な学習塾とも異なる新たな居場所”をつくる photo©ACプロ / 船田一徹
白石卓央 / 愛媛建築研究所による、愛媛の「DIG STUDIO」。ダンススタジオと学習室とカフェが入る建築。子供の利用が多い状況に対し、レッスン時間外の受け皿となり待合にも使える諸空間を併設。“学校とも一般的な学習塾とも異なる新たな居場所”をつくる2階、ダンススタジオ photo©ACプロ / 船田一徹
白石卓央 / 愛媛建築研究所による、愛媛の「DIG STUDIO」。ダンススタジオと学習室とカフェが入る建築。子供の利用が多い状況に対し、レッスン時間外の受け皿となり待合にも使える諸空間を併設。“学校とも一般的な学習塾とも異なる新たな居場所”をつくる1階、スタディスペース1、スタディスペース2 photo©ACプロ / 船田一徹

白石卓央 / 愛媛建築研究所が設計した、愛媛・東温市の「DIG STUDIO」です。
ダンススタジオと学習室とカフェが入る建築です。建築家は、子供の利用が多い状況に対し、レッスン時間外の受け皿となり待合にも使える諸空間を併設しました。そして、“学校とも一般的な学習塾とも異なる新たな居場所”をつくる事を意図しました。施設の公式サイトはこちら

ストリートダンスやヨガを中心に利用される、開放的なスタジオを中心とした2階建てのダンススクールである。

建築家によるテキストより

松山市に隣接する東温市の街道沿いに建ち、2階のスタジオは、主に午前中はヨガスタジオとして、主に午後から夜にかけてはストリートダンスを中心としたダンススクールとして利用される。子どもの利用が多く、1階には学習のできるスタディスペースを設け、併設されたカフェは保護者の待合にも利用できる。スタジオを2階に設け、1階はスタジオ利用者の受け皿となる構成である。

建築家によるテキストより

2階のスタジオは、遠くに石鎚山脈の山並みを望み、眼下には田園の風景が広がる。床は乾式二重床として下階への衝撃音の低減を図り、切妻屋根の勾配から導いた段状の天井は、経済性を鑑みて軽量鉄骨(LGS)下地現しとし、ベースライトなどとともにスタディを重ねて計画した。その表現は日本建築で例えるなら折上格天井であり、その現代的な解釈といってもよい。折上格天井がそうであるように、LGSも躯体の構造からは自由であり、天井高の変化が空間の高揚感を演出する。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 賃貸集合住宅を中心に取り組み、代表が著書も執筆する「添田建築アトリエ」が、設計スタッフ(新卒既卒・中途)とアルバイトを募集中
【ap job更新】 賃貸集合住宅を中心に取り組み、代表が著書も執筆する「添田建築アトリエ」が、設計スタッフ(新卒既卒・中途)とアルバイトを募集中
【ap job更新】 賃貸集合住宅を中心に取り組み、代表が著書も執筆する「添田建築アトリエ」が、設計スタッフ(新卒既卒・中途)とアルバイトを募集中

賃貸集合住宅を中心に取り組み、代表が著書も執筆する「添田建築アトリエ」の、設計スタッフ(新卒既卒・中途)とアルバイト募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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業務増大により、設計スタッフを募集しております。

私たちは賃貸集合住宅を中心に住宅、店舗、医院など幅広く設計監理を行なっております。
現在は賃貸集合住宅の設計が大半で、企画の段階から取り組むことも多く、収支計算から設計監理、リーシング会社、賃貸管理会社とのやり取りまで一通りの流れを習得出来ます。

建築主の事業に対する考え方、立地条件、周辺環境などを丁寧に読み取り、深く考えながら設計を進めていきます。
設計アシスタントであっても企画から建物竣工まで一連の流れを通しで担当して頂きます。効率良く設計スキルを向上させることが出来ます。

代表の添田は著書『デザイナーと投資家のための集合住宅企画[術] 彰国社』も執筆しています。

積極的に設計デザインに取り組んで、コミュニケーション出来る方を募集致します。

片田友樹 / micelleによる、神奈川の住宅「SZK」。谷地形で車が入れない道に接する敷地。搬入等の制限下で“広がりと複雑さ”を求め、無機質な家形の中で1間の軸組等が“リズミカル”に振舞う構成を考案。平面計画では室内外の風圧差も意図して多湿に適した室内を作る
片田友樹 / micelleによる、神奈川の住宅「SZK」。谷地形で車が入れない道に接する敷地。搬入等の制限下で“広がりと複雑さ”を求め、無機質な家形の中で1間の軸組等が“リズミカル”に振舞う構成を考案。平面計画では室内外の風圧差も意図して多湿に適した室内を作る photo©Lemmart
片田友樹 / micelleによる、神奈川の住宅「SZK」。谷地形で車が入れない道に接する敷地。搬入等の制限下で“広がりと複雑さ”を求め、無機質な家形の中で1間の軸組等が“リズミカル”に振舞う構成を考案。平面計画では室内外の風圧差も意図して多湿に適した室内を作る photo©Lemmart
片田友樹 / micelleによる、神奈川の住宅「SZK」。谷地形で車が入れない道に接する敷地。搬入等の制限下で“広がりと複雑さ”を求め、無機質な家形の中で1間の軸組等が“リズミカル”に振舞う構成を考案。平面計画では室内外の風圧差も意図して多湿に適した室内を作る photo©Lemmart

片田友樹 / micelleが設計した、神奈川の住宅「SZK」です。
谷地形で車が入れない道に接する敷地です。建築家は、搬入等の制限下で“広がりと複雑さ”を求め、無機質な家形の中で1間の軸組等が“リズミカル”に振舞う構成を考案しました。また、平面計画では室内外の風圧差も意図して多湿に適した室内を作る事が試みられました。

敷地は旧都郊外の自然豊かで静かな地域にあるが、小川に沿った車を乗り入れられない道に面するため、搬入や作業上の厳しい制限を計画当初から想定する必要があった。そこで、使用素材を小さく軽く、少ない種類にしつつも、広がりと複雑さを生むことを考えた。

建築家によるテキストより

構造材の大きさを制限するため、1間の非常に抑制された単調な軸組とし、その軸組に波板、アルミサッシのシンプルでこちらもまた単調な覆いを被せた。無機質な家型の覆いの中に、格子状の柱梁が見え隠れする。柱やサッシ、家具が重なり合い、斜めに繋がる平面、断面も相まって、屋内外の広がりを生み、複雑でリズミカルな柔らかい佇まいを得ることができた。

建築家によるテキストより

また、敷地が谷にあるため、非常に落ち着いた光を得られる1Fと、眺望、日当りが良い2Fというそれぞれの光を活かした室内空間を作った。4方から落ち着いた光の入る1Fのテラスと、細長く光の強弱が変化する2Fのテラスを作り、それらを立体的に繋がるテラスとした。結果、半外部空間が諸室や庭をつなぐ寝殿造りを立体的にしたような構成となり、端正な格子状の軸組の中に様々な場とそれをつなぐストーリーある空間ができあがった。

建築家によるテキストより
平岡翔太による、大阪・堺市の住宅「H邸」。南北で接道する敷地に計画。プライバシーを確保しつつ街と人の関りを生む建築を目指し、居室の配置と断面構成で公と私の距離感を調整。部屋として閉じない共用部は一体感と共に多様な居場所を提供
平岡翔太による、大阪・堺市の住宅「H邸」。南北で接道する敷地に計画。プライバシーを確保しつつ街と人の関りを生む建築を目指し、居室の配置と断面構成で公と私の距離感を調整。部屋として閉じない共用部は一体感と共に多様な居場所を提供外観南面 photo©エスエス大阪支店 秋田広樹
平岡翔太による、大阪・堺市の住宅「H邸」。南北で接道する敷地に計画。プライバシーを確保しつつ街と人の関りを生む建築を目指し、居室の配置と断面構成で公と私の距離感を調整。部屋として閉じない共用部は一体感と共に多様な居場所を提供1階ダイニング photo©エスエス大阪支店 秋田広樹
平岡翔太による、大阪・堺市の住宅「H邸」。南北で接道する敷地に計画。プライバシーを確保しつつ街と人の関りを生む建築を目指し、居室の配置と断面構成で公と私の距離感を調整。部屋として閉じない共用部は一体感と共に多様な居場所を提供吹抜け photo©エスエス大阪支店 秋田広樹

平岡翔太が設計した、大阪・堺市の住宅「H邸」です。
南北で接道する敷地に計画です。建築家は、プライバシーを確保しつつ街と人の関りを生む建築を目指し、居室の配置と断面構成で公と私の距離感を調整しました。また、部屋として閉じない共用部は一体感と共に多様な居場所を提供します。

間口6m奥行き17mの小ぶりで平凡な敷地だが、南側のメイン道路に加え北側にも細い道路があり双方に開放的で明るい印象だった。

建築家によるテキストより

南側は”新興住宅地”の広い道路に面し、家々のクラスターで公共性が高い、一方北側はかつての密集市街地の街並みが残る”マチの生活道路”で人通りが多く親密性が高い。敷地から割り出される建物間口2間半の小さな器に対して、南北多様な周辺環境の中でプライバシーを確保しながらもマチとヒト、ヒトとヒトが関わりを持てるイエを目指した。

建築家によるテキストより

居室はプライバシーの観点から南・北向きに配置しマチに対する設えを考えた。リビングや和室を設けた南は開放的にすることでマチとつながり、DKや寝室を設けた北は周辺住宅よりも半階視線をずらすことでマチに対して適度な距離感を保った。

建築家によるテキストより
Atelier Tsuyoshi Tane Architectsによる、イタリアのパヴィリオン「Sound of Marble」。採石で著名な“カッラーラ”の石を用いた建築。素材が持つ“内包力”と“記憶”に焦点をあて、伝統的技法で切り出した円弧状の石を組合せ領域を形成。視覚でなく“音”を通して地球の生命を感じる空間を作る
Atelier Tsuyoshi Tane Architectsによる、イタリアのパヴィリオン「Sound of Marble」。採石で著名な“カッラーラ”の石を用いた建築。素材が持つ“内包力”と“記憶”に焦点をあて、伝統的技法で切り出した円弧状の石を組合せ領域を形成。視覚でなく“音”を通して地球の生命を感じる空間を作る photo©Davide Galli
Atelier Tsuyoshi Tane Architectsによる、イタリアのパヴィリオン「Sound of Marble」。採石で著名な“カッラーラ”の石を用いた建築。素材が持つ“内包力”と“記憶”に焦点をあて、伝統的技法で切り出した円弧状の石を組合せ領域を形成。視覚でなく“音”を通して地球の生命を感じる空間を作る photo©Davide Galli
Atelier Tsuyoshi Tane Architectsによる、イタリアのパヴィリオン「Sound of Marble」。採石で著名な“カッラーラ”の石を用いた建築。素材が持つ“内包力”と“記憶”に焦点をあて、伝統的技法で切り出した円弧状の石を組合せ領域を形成。視覚でなく“音”を通して地球の生命を感じる空間を作る photo©Davide Galli

Atelier Tsuyoshi Tane Architectsが設計した、イタリアのパヴィリオン「Sound of Marble」です。
採石で著名な“カッラーラ”の石を用いた建築です。建築家は、素材が持つ“内包力”と“記憶”に焦点をあて、伝統的技法で切り出した円弧状の石を組合せ領域を形成しました。そして、視覚でなく“音”を通して地球の生命を感じる空間を作る事を意図しました。

Sound of Marbleは,2019年のイタリア・ベローナで行われる石材見本市Marmomacにて、イタリアの石材メーカーであるピバマルミ社から発表されました。その後、約2年近くを掛けて常設に適した場所を探し求めて、なだらかな丘陵地が続く北イタリアのカンティーナ・カ・デル・ボスコの公園内に恒久的に設置されることが決まりました。

建築家によるテキストより

古代から素材として使われ始めた石は、場所の標べとして、または環状列石、ストーンサークル、祠や磐座など、時に石を重力に反して立てたりし、古代人は祈りや信仰の場として、目には見えないものを信じて、自然の大地に記憶してきました。

素材となるカラカッタ石はイタリア・カッラーラのアプアン山脈にある採石場から産出されたもので、極度の熱と圧力により生成された色彩と斑紋があります。外見的な石の重く硬い強固さよりも、柔らかく大らかな内包力に注目し、数千万年前に生成された石の記憶に耳を傾けたいと考えたのです。

建築家によるテキストより

一人または複数の人々が、石による5つの円弧がひとつに連なり、外部と隔てられることで、光や大気の変化が全体へ柔らかに広がり、時間に動きを与えます。各円弧の壁面の端部は次の円弧と連なり、中央の大きな円の円周上に配置され、その内側はそれぞれの位置で互いに見え隠れし、石の壁により音が反響することで、ひとりまたは複数人の声や音が共鳴し合います。

建築家によるテキストより
MVRDVによる、オランダの複合ビル「Valley」。オフィス街の居住・労働・商業の為の施設。地域に緑と人間の次元を取り戻す事を目指し、低層部に多様な植栽を配置した公共的空間を配置。専用デジタルツールを開発し採光眺望や割付等の決定等を合理的に進める
MVRDVによる、オランダの複合ビル「Valley」。オフィス街の居住・労働・商業の為の施設。地域に緑と人間の次元を取り戻す事を目指し、低層部に多様な植栽を配置した公共的空間を配置。専用デジタルツールを開発し採光眺望や割付等の決定等を合理的に進める photo©Ossip van Duivenbode
MVRDVによる、オランダの複合ビル「Valley」。オフィス街の居住・労働・商業の為の施設。地域に緑と人間の次元を取り戻す事を目指し、低層部に多様な植栽を配置した公共的空間を配置。専用デジタルツールを開発し採光眺望や割付等の決定等を合理的に進める photo©Ossip van Duivenbode
MVRDVによる、オランダの複合ビル「Valley」。オフィス街の居住・労働・商業の為の施設。地域に緑と人間の次元を取り戻す事を目指し、低層部に多様な植栽を配置した公共的空間を配置。専用デジタルツールを開発し採光眺望や割付等の決定等を合理的に進める photo©Ossip van Duivenbode
MVRDVによる、オランダの複合ビル「Valley」。オフィス街の居住・労働・商業の為の施設。地域に緑と人間の次元を取り戻す事を目指し、低層部に多様な植栽を配置した公共的空間を配置。専用デジタルツールを開発し採光眺望や割付等の決定等を合理的に進める photo©Ossip van Duivenbode

MVRDVが設計した、オランダ・アムステルダムの複合ビル「Valley」です。
オフィス街の居住・労働・商業の為の施設です。建築家は、地域に緑と人間の次元を取り戻す事を目指し、低層部に多様な植栽を配置した公共的空間を配置しました。また、専用デジタルツールを開発し採光眺望や割付等の決定等を合理的に進めました。

こちらはリリーステキストの翻訳です

「夢のイメージを建築化できる」MVRDVのアムステルダム「Valley」がオープン

MVRDVがデベロッパーEdgeのために設計した、地質学にヒントを得た植物で覆われたドラマチックな高層ビル「Valley」が、金曜日に正式にオープンしました。最近、Emporis Awardsで世界最高の新しい超高層ビルに認定された75,000㎡のビルは、67m、81m、100mの3つのタワーと壮大な片持ち梁のアパートメントでアムステルダムのZuidas地区で際立っています。このビルの特徴はいくつかあります。1つ目は、オフィス、ショップ、ケータリング、文化施設、アパートメントを1つの建物にまとめていること、2つ目は、他のズイダスの閉鎖的な建物と異なり、4階と5階のタワーの間を流れる緑の谷に、2つの外部石階段で誰でもアクセスできるようになっていることです。造園家ピエト・ウードルフの設計による広大な植栽には、約13,500本の若い植物、低木、樹木が植えられています。今後、これらの成熟が進めば、バレーはますます緑豊かな外観を持つようになり、このビルはより環境に優しい街のマニフェストとなることでしょう。

Valleyは、アムステルダム・ズィーダスの荒涼たるオフィス環境に、緑と人間の次元を取り戻そうとする試みです。この建物は、複数の顔を持っています。建物の外周には、ビジネス街の文脈に合った滑らかな鏡面ガラスのシェルがあります。このシェルの中においては、ガラスブロックが崩れ落ち、ごつごつした岩肌に自然石や緑が映し出されたかのような、まったく異なる魅力的な自然景観を実現しています。

3つのタワーからなる複合施設には、息を呑むような街の景色を楽しめる場所がいくつもあります。- マンションはもちろんのこと、特に、一番高いタワーの最上階にあるスカイバーは、1階にあるモルテーニのフラッグシップストアからアクセスすることができます。建物のレイアウトは、地下3階建ての駐車場の上に、低層7フロアをオフィス、9階以上をマンションとし、居住者、労働者、来訪者が混在するようになっています。建物の多くは一般に公開されています。街路から中央の渓谷までジグザグに伸びる公共的な歩道から、2階にある屋根付きの通りを形成するアトリウム「グロット」、そして間もなくオープンする若い科学者の育成の場「サピエンス・ラボ」まで、建物の多くが公開されています。グロットは2つの大きな天窓で外部とつながっており、その天窓は上の谷のレベルにある浅い水たまりを兼ねています。天然石の床、壁、天井は、谷やタワーの表面と同じ石を使っており、建物のすべてのパブリックエリアが同じ地層の一部と見なされていることを明確に示しています。

Valleyの設計と建設は、何百人ものデザイナー、エンジニア、建設業者、コンサルタント、そしてもちろんクライアントが持続的に関与することを必要とする、完全なオーダーメイドです。極めて複雑な形状は、細部のディテールにも特別なこだわりを求め、それはデザインコンセプトをより一層高めています。MVRDVのテクノロジー・エキスパートは、建物を完璧に仕上げるために、一連のカスタム・デジタル・ツールを作成しました。それは、すべてのアパートメントに十分な採光と眺望を確保するツールから、建物のファサードを飾る大小4万枚以上の石のタイルの一見ランダムなパターンを可能にするプログラムまでに及びます。198戸のアパートメントは、ハイリガー・アーキテクツが手がけたインテリアデザインによって、それぞれがユニークな間取りとなっています。また、タワーの奇抜なキャンティレバーは、コンクリートの建物にボルトで固定された11本の鋼鉄製の「スペシャル」を含む革新的なエンジニアリングによって可能となっており、全体の外観を次のレベルに引き上げています。

造園家ピエト・ウードルフは、風、日照、温度、メンテナンスなどの要素を考慮し、建物のそれぞれの場所に適した植物を選択するためのマトリックスを開発しました。例えば、低層階には主に樹木が、最上階には主に小さな植物が植えられています。合計で、271本以上の若い木や低木、約13,500本の小さな植物が自然石のプランターを占めており、220種類の植物が植えられています。今後数年で、緑が増え続け、設計チームが思い描いた緑豊かな外観に成熟していくことでしょう。このランドスケープの生物多様性は、バードボックスやバットボックス、様々なハチや昆虫のホテルによってさらにサポートされています。自動灌漑システムと「ファサードガーデナー」によって管理されるテラスの木々や植物は、ヴァレーに住む人々や働く人々の健康に良い影響を与えることでしょう。

最も注目を集めたトピックス[期間:2022/9/12-9/18]
最も注目を集めたトピックス[期間:2022/9/12-9/18]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2022/9/12-9/18)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る
  2. SDレビュー2022の入選作品の展覧会レポート(前編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる
  3. 山田伸彦建築設計事務所による、東京・文京区の住戸改修「大塚の家」。約200㎡の空間での計画。広さに起因する単調さの回避と豊かさの付与を目指し、視覚に加え触覚にも訴える“肌理”に注目して多様な素材を組合せる建築を志向。畳や障子等も採用し“日本的な美”の要素も導入して設計
  4. SDレビュー2022の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件の建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる
  5. 妹島和世+西沢立衛 / SANAAが、2022年の「高松宮殿下記念世界文化賞(建築部門)」を受賞。公式のインタビュー動画も公開
  6. 鍵山昌信 / ア・ティエスと斉藤智士 / SAI工房による、広島・呉市の「KOKAGEビル」。駅前の“医療モール”。街への情報発信と休息や交流を促す施設を目指し、地域文化から着想した“誰もが自由に出入可能な街路空間”を立体的に織り込む構成を考案。身体的活動の低迷に歯止めをかける環境作りも意図
  7. 齋藤秀行 / Design8°による、熊本市の「清水新地の家」。住宅街に計画。プライバシー配慮と開放性の両立を目指し、低く抑えた軒と軒下テラスが外部の視線を遮ると共に内外を緩やかに繋ぐ構成を考案。人の根源的感覚に応え風土の中の普遍性に寄り添う建築を作る
  8. 亀田潤+佐々木洸奈 / STUDIO ALUCによる、東京・世田谷区の住戸改修「K-HOUSE」。デザイナーの自邸。限られた面積の中で最大限の広さを感じる構成を求めて、長手方向への視線の抜けと間接照明で空間の繋がりと奥行きを強調。水墨画に見立てた“モルタル壁”と“床板”で芸術的な感性を喚起
  9. ファラによる、ポルトガル・ポルトの住居「very tiny palazzo」。狭いながらも緑豊かな庭の中に計画。人の高さでは透明で、“宝石で飾られた”王冠を持つ建築を考案。緑を強調する為フロアの一部を沈め、機能諸室はキャビネットの背後に配置
  10. 大村聡一朗+中村園香 / OHMURA NAKAMURA ATELIERによる、東京・多摩市の「連光寺の家 改修 / 二つの十字と四畳半」。若い家族の為に木造家屋を改修。居室と廊下が分かれた既存平面を刷新し、“十字壁”の配置で等価な“四畳半”空間が連続する構成を考案。生活変化も受け入れる緩やかな“分断”と“接続”の状態を作る
  11. 田中洋人建築設計室による、新潟・長岡市の住宅「高畑町の家」。屋根雪対策が条例化する地域に計画。勾配と素材で雪を落とす“落雪式”の規定を肯定的に捉えて、地域環境に寄り添う建築を志向。屋根傾斜を活かして“開放感”と“落ち着き”の両者を備えた内部空間を作る
  12. 武富恭美 / ディーディーティーによる、兵庫・神戸市の住宅改修「岡本の家」。斜面地に建つRC住宅の改修。解体新築で予算が超過する想定に対し、調査の上で既存の1階部分を残して2階部分を木造で増築する計画を考案。軽量化での耐震性向上と工期短縮に加えて元の建物にない空間性も実現
  13. 篠元貴之 / rhymedesignによる、愛知の、歯科医院運営の相談室「Garnish / パセリの役割」。交差点に面する区画の内装。敷地特徴の活用と要求機能の適切な配置を目指し、都市空間の“付け合せ”と言える“植栽帯”を参照した空間を志向。外を内に取り込む事で場の高揚感を導入し用途間の関係性も整理
  14. 金山大+小泉宙生 / SWINGによる、大阪・箕面市の「トヨタカローラ新大阪小野原店」。国道沿いの自動車街の店舗改修。単に目立つのでなく“さりげなく”印象に残る存在を目指し、申請不要の構造体を増築して“杉ルーバー”を付加する外観を考案。コストを抑えと工期を短縮し店舗運営への影響を軽減
  15. 吉岡徳仁による、東京ミッドタウン八重洲での作品「STAR」。東京駅前の商業施設の出入口に計画。平和への願いを込めて構想し、2000を超えるテンレスミラーのロッドを集結させて制作。太陽光・夕日・夜景を反射し多様に輝きが変化
  16. 西島光輔 / インレ・スタジオによる、ベトナムの「The Kaleidoscope」。工場敷地内の労働と居住の為の建築。熱帯気候からの保護と美しい自然の享受を目指し、影を生む地域の帽子に似た“大屋根”と全方位に通風と眺望を叶える開放的平面を考案。気積の大きな執務室と小さな住居な対比的な空間を同居
  17. フランシス・ケレの2022年のプリツカー賞授賞式の動画。ロンドンで行われたセレモニーの様子を紹介。アラヴェナや妹島和世らがコメントを寄せる
  18. 今津康夫 / ninkipen!による、和歌山・白浜町の住宅「崖荘」。国立公園に指定されるエリアの崖地に計画。自然の豊かさを享受し巨大な岩盤と呼応する存在を目指し、型枠で繊細な木目を転写したRC造の建築を考案。外部に風呂とバルコニーを設け“ダイレクト”に海に開く
  19. 小林裕志 / フォーアイズによる、東京・世田谷区の住宅「静かな光の家」。住宅街の地盤面が道より高い街区に計画。世代を超え生き続けて街並みにも寄与する建築を目指し、様々な生活場面に応えつつ道側の高さを抑え風と光が抜ける構成を考案。周辺関係を読み解き開放性とプライバシーも両立
  20. ネリ&フーによる、中国・上海の、国際家具見本市でのパヴィリオン「The Structural Field」。家具ブランドの為の仮設展示空間。イベント文脈の中での“展示デザイン再考”を目指し、“1000本以上”の竹のグリッドの中に通路や体験空間が展開する構成を考案。他会場に持ち込めるように工法や詳細も設計

同済大学建築設計研究院若本建築工作室の設計で開館した、中国・河南省の「唐大運河文化博物館」の動画(英語字幕)。3万3千m2の巨大施設の様子や設計者のインタビューを紹介

同済大学建築設計研究院若本建築工作室の設計で開館した、中国・河南省の「唐大運河文化博物館」の動画(英語字幕)。3万3千m2の巨大施設の様子や設計者のインタビューを紹介しています。動画の制作は一条です。こちらのページに写真等が掲載されています。

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