BEYOND ARCHITECTURE / 加藤孝司

来場者が自ら作るDESIGNING?展のガイドブック
年に一度ゴールデンウィークの時期に開催されるデザインエキシビション「DESIGNING?」展を見に福岡に出かけてきた。
福岡を訪れるのは一年前の同じ時期、やはり「DESIGNING?」展を見に訪れて以来二度目。昨年のDESIGNING?展には、その年の冬に広島で出会った建築家・谷尻誠さんの展覧会「拾う建築のデザイン」が、メイン会場であるIMSにあるギャラリースペース三菱地所アルティアムで開催され、多くの観客を集めていた。
福岡は友人も多く食べる物も旨いので楽しみのつきない街だ。街の規模としては、個人的には名古屋市に近い印象をもっている。名古屋と違う点は、福岡では繁華街の比較的近くまでそれと同じ規模で街と混じるように住宅地が広がっており、商業エリアと住宅エリアの境が際立って曖昧な印象がある。
その感覚は東京のそれに近いのかもしれない。名古屋や広島は、商業エリアと住宅エリアとの境に川や公園、大きな通りなどが、代え難い地形の特徴として横たわっているのに対し、福岡市では市街地から郊外まで、あくまでのっぺりとした、あまり起伏のない地形が広がっていっているような感じだ。今回タクシーで福岡市街中心から郊外に出てみたのだが、東京と同じように、市街地がどこまでも同じ密度で広がっていた。郊外に向かうタクシーの窓の外に広がる風景は、東京の246沿いの風景に近しいものがあった。地方都市としての福岡の印象は、ある意味他のどの地方都市と比べても極めて都市的である。

