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中村拓志&NAP建築設計事務所による、東京・台東区の「上野東照宮神符授与所 / 静心所」。社殿に至る奥参道と祈りの庭の計画。腐朽の為やむなく伐採された大樹の蘇生を意図し、シェル構造の屋根架構を考案して部材として活用。参拝者を包み込み瞑想を導く空間をつくる
中村拓志&NAP建築設計事務所による、東京・台東区の「上野東照宮神符授与所 / 静心所」。社殿に至る奥参道と祈りの庭の計画。腐朽の為やむなく伐採された大樹の蘇生を意図し、シェル構造の屋根架構を考案して部材として活用。参拝者を包み込み瞑想を導く空間をつくる「神符授与所」より、「祈りの庭」と御神木を見る。 photo©Koji Fujii / TOREAL
中村拓志&NAP建築設計事務所による、東京・台東区の「上野東照宮神符授与所 / 静心所」。社殿に至る奥参道と祈りの庭の計画。腐朽の為やむなく伐採された大樹の蘇生を意図し、シェル構造の屋根架構を考案して部材として活用。参拝者を包み込み瞑想を導く空間をつくる神符授与所を出て静心所を見る。 photo©Koji Fujii / TOREAL
中村拓志&NAP建築設計事務所による、東京・台東区の「上野東照宮神符授与所 / 静心所」。社殿に至る奥参道と祈りの庭の計画。腐朽の為やむなく伐採された大樹の蘇生を意図し、シェル構造の屋根架構を考案して部材として活用。参拝者を包み込み瞑想を導く空間をつくる静心所と樹齢600年超の御神木。 photo©Koji Fujii / TOREAL
中村拓志&NAP建築設計事務所による、東京・台東区の「上野東照宮神符授与所 / 静心所」。社殿に至る奥参道と祈りの庭の計画。腐朽の為やむなく伐採された大樹の蘇生を意図し、シェル構造の屋根架構を考案して部材として活用。参拝者を包み込み瞑想を導く空間をつくる静心所の屋根架構材には、防火樹として社殿を守ってきた大イチョウが活用されている。 photo©Koji Fujii / TOREAL

中村拓志&NAP建築設計事務所が設計した、東京・台東区の「上野東照宮神符授与所 / 静心所」です。
社殿に至る奥参道と祈りの庭の計画です。建築家は、腐朽の為やむなく伐採された大樹の蘇生を意図し、シェル構造の屋根架構を考案して部材として活用しました。そして、参拝者を包み込み瞑想を導く空間をつくる事を意図しました。施設の公式サイトはこちら

上野東照宮社殿に至る回廊型の奥参道と、樹齢600年超の御神木を中心とした祈りの庭の設計である。
参道に架けた二枚の片流れ屋根の建築の一つは、お守り等を授与する「神符授与所」、もう一つは拝観前に御神木と対面して心を清め落ち着かせる「静心所」である。

建築家によるテキストより

神符授与所は商業性を排し、拝殿の一つとして設計した。巫女の背景となる大きな窓からは、社殿を囲う二重菱格子の透塀と奥参道を臨むことができる。社殿で清められた神符が巫女によって運ばれ、ここで授与されるという儀式性を空間に込めている。屋根は透塀の結界性を踏襲して、その下が神聖な空間となるように意図したニ重菱格子構造である。垂木の一方の軸を社殿と日光東照宮を結ぶ真北方向に、もう一つの軸を久能山東照宮のある駿府に振っている。

建築家によるテキストより

静心所の屋根架構材は、この場所で長らく防火樹として社殿を守ってきた大イチョウである。
倒木のおそれがあるためにやむなく伐採されたものであるが、枝葉を広げたような屋根としてイチョウを蘇らせようと考えた。
ただし腐朽による空洞化が著しく長径材が量的に確保できないため、最小断面60mm角に乾燥した製材を用いて屋根を構成する必要があった。
そこでシェル構造によって剛性を高めた間口12m、長さ3mに軒を支点からはねだし、反対側をやじろべえのように引っ張ることで、御神木側に柱が一切落ちない空間とした。
座する一人ひとりの頭上を包み込むヴォールト屋根は、意識を自己へと向けさせ、社殿を敬うようにこうべを垂れる軒先は、瞑想時の半眼や祈りを導くだろう。振り返ると、壁のスリットから芽吹き始めた大イチョウの切り株が目に入る計画となっている。

建築家によるテキストより
坂田裕貴 / a.d.pと山田哲也 / ヤマダアトリエによる、東京の「世田谷 谷の家」。谷間の様な印象の建て込む旗竿地に計画。開放感と安心感の両立を目指し、周囲と呼応する“斜面の様な”量塊と“視線の抜けと止まり”を操作する開口を考案。意識から外部を消し穏やかに過ごせる空間を作る
坂田裕貴 / a.d.pと山田哲也 / ヤマダアトリエによる、東京の「世田谷 谷の家」。谷間の様な印象の建て込む旗竿地に計画。開放感と安心感の両立を目指し、周囲と呼応する“斜面の様な”量塊と“視線の抜けと止まり”を操作する開口を考案。意識から外部を消し穏やかに過ごせる空間を作る photo©Koji Fujii / TOREAL
坂田裕貴 / a.d.pと山田哲也 / ヤマダアトリエによる、東京の「世田谷 谷の家」。谷間の様な印象の建て込む旗竿地に計画。開放感と安心感の両立を目指し、周囲と呼応する“斜面の様な”量塊と“視線の抜けと止まり”を操作する開口を考案。意識から外部を消し穏やかに過ごせる空間を作る photo©Koji Fujii / TOREAL
坂田裕貴 / a.d.pと山田哲也 / ヤマダアトリエによる、東京の「世田谷 谷の家」。谷間の様な印象の建て込む旗竿地に計画。開放感と安心感の両立を目指し、周囲と呼応する“斜面の様な”量塊と“視線の抜けと止まり”を操作する開口を考案。意識から外部を消し穏やかに過ごせる空間を作る photo©Koji Fujii / TOREAL

坂田裕貴 / a.d.p山田哲也 / ヤマダアトリエが設計した、東京・世田谷区の「世田谷 谷の家」です。
谷間の様な印象の建て込む旗竿地に計画されました。建築家は、開放感と安心感の両立を目指し、周囲と呼応する“斜面の様な”量塊と“視線の抜けと止まり”を操作する開口を考案しました。そして、意識から外部を消し穏やかに過ごせる空間を作る事も意図しました。

家族5人のため、東京都の住宅地で旗竿地に建つ住宅。
四方を建物に囲まれた環境で、周辺への広がりを保ちながらも家族だけの場所として穏やかに過ごすことができる空間を目指した。

建築家によるテキストより

敷地は2つの用途地域にまたがっているため周辺建物に高低差があり、さながら山間部の谷間の地域に入ったような印象があった。そのイメージをもとに敷地東の高い建物がある側に寄せて配置し、谷の地形をなぞり南西に向けて下る斜面のようなボリュームとした。そのボリュームに対して、周辺の街並みにまで広がるような開放感とそれとは相反する囲まれた安心感を両立させる操作を行なった。

建築家によるテキストより

家族が集まるリビングの大空間は1階北側に配置し、各部屋はリビングを起点とした関係や距離感をもとに地形に沿うようレベル差をつけて設けている。
無柱の大空間はリビング南面のハイサイドライト上部から2階腰壁までを一体とした合成梁を直行する方持ち合成梁で補助する構造で実現しており、内外が連続したのびやかで解放的な空間を作り出している。

またリビングから中庭、その先の和室を通して南の庭へ視線が抜けるといったように空間のレイヤーで奥行きを感じさせる構成としている。開口部においては、敷地外の空や離れた街並みに抜けていく景色や、屋内外を通りぬけながらも敷地内で完結する景色など、開放感と安心感の両立のため視線の抜けと止まりを意識した計画とした。

建築家によるテキストより
伊藤雄太+伊藤遼太 / 伊藤建築都市設計事務所による、埼玉・川口市の住宅「The White House」。旗竿地に計画。家族が繋がりを感受しエネルギー消費を抑制する建築を目指し、吹抜に“家族生活の中心”と“環境装置”の役割を与える方策を考案。全体が一体空間となり全館空調も効率的に機能
伊藤雄太+伊藤遼太 / 伊藤建築都市設計事務所による、埼玉・川口市の住宅「The White House」。旗竿地に計画。家族が繋がりを感受しエネルギー消費を抑制する建築を目指し、吹抜に“家族生活の中心”と“環境装置”の役割を与える方策を考案。全体が一体空間となり全館空調も効率的に機能 photo©ToLoLo studio / 谷川ヒロシ
伊藤雄太+伊藤遼太 / 伊藤建築都市設計事務所による、埼玉・川口市の住宅「The White House」。旗竿地に計画。家族が繋がりを感受しエネルギー消費を抑制する建築を目指し、吹抜に“家族生活の中心”と“環境装置”の役割を与える方策を考案。全体が一体空間となり全館空調も効率的に機能 photo©ToLoLo studio / 谷川ヒロシ
伊藤雄太+伊藤遼太 / 伊藤建築都市設計事務所による、埼玉・川口市の住宅「The White House」。旗竿地に計画。家族が繋がりを感受しエネルギー消費を抑制する建築を目指し、吹抜に“家族生活の中心”と“環境装置”の役割を与える方策を考案。全体が一体空間となり全館空調も効率的に機能 photo©ToLoLo studio / 谷川ヒロシ

伊藤雄太+伊藤遼太 / 伊藤建築都市設計事務所が設計した、埼玉・川口市の住宅「The White House 旗竿敷地の環境住宅」です。
旗竿地に計画されました。建築家は、家族が繋がりを感受しエネルギー消費を抑制する建築を目指し、吹抜に“家族生活の中心”と“環境装置”の役割を与える方策を考案しました。それによって、全体が一体空間とし全館空調も効率的に機能させています。

敷地は南北と西側が住宅に囲まれた旗竿形状で、東側隣地が駐車場で開けている。
施主家族の要望は、家族全員が常にお互いの気配やつながりを感じられる居場所にしつつ、地球温暖化に配慮して生活のエネルギー消費を抑える住宅にしたいとのことであった。

建築家によるテキストより

そこで内部全体が上下階で立体的につながる「遊具」のような一室空間としながら、南東方向から積極的に光を取り込み、さらに夏冬に上下階のエアコンを一台ずつ切り替えて全館空調を行う高気密高断熱住宅とした。

建築家によるテキストより

この住宅のリビングと吹抜けは、「家族生活の中心」であり「環境装置」でもある。
一階はリビングから全てのスペース(キッチン・ダイニング、書斎、防音室) へとつながる中心型プランである。二階はリビング上部の吹抜け周りを夫婦寝室、収納、子供スペース、廊下とぐるりと周れる回遊型プランとしている。二階の南東にはガラス張りのサンルームを設け、階段室上部の大開口と併せて積極的に太陽光を住宅内部に取り入れる。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 不動産開発や企画運営の部門との連携で、新しい価値の提供を目指す「Project O 株式会社」が、設計スタッフ(経験者)・業務委託・事務と学生アルバイトを募集中
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不動産開発や企画運営の部門との連携で、新しい価値の提供を目指す「Project O 株式会社」の、設計スタッフ(経験者)・業務委託・事務と学生アルバイト募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

業務拡大に伴い設計監理の実務経験者、業務委託パートナー、事務アルバイト、設計アルバイトを募集いたします。

Project Oは建築の設計部門の他に、不動産開発や投資ファンド組成等を行う部門、企画・運営立案等を行う部門の3領域があり、プロジェクトに応じて連携し合うことでユニークなアイディアやアプローチを生み出し、新しい価値を世の中に提供することをヴィジョンとして設立いたしました。現在は各分野のエキスパートであるアドバイザーの5名の他、業務委託パートナーを含め9名が在籍しています。

案件によっては設計のみならず、プロジェクトが生まれるところから運営までを見届けることができるため、世の中が求めている建築に関する課題を読み解く眼、経営や事業性を判断する力など、これからの時代の設計者に望まれる能力を磨くことができます。

建築設計、デザインに関して、しっかりとした能力をベースとしつつも、新たな分野へ踏み込む勇気のある方、センシティブに世の中の幅広い動向にアンテナを張り巡らせ、自ら考え、領域に囚われずにアクションを起こしていきたいと考える事ができる視野をお持ちの方のご応募をお待ちしております。

■現在進行中のプロジェクト
ホテル、グランピング施設、集合住宅、個人住宅など

小嶋伸也+小嶋綾香 / 小大建築設計事務所による、中国の店舗「LIGHT MARK 蘇州」。新進ジュエリーブランドの為の内装計画。気軽に立ち寄れる空間を目指して、ケースへの商品陳列ではなく垂直のアクリル壁に展示する方法を考案。透明度と特別感のある閲覧状況を作り出す
小嶋伸也+小嶋綾香 / 小大建築設計事務所による、中国の店舗「LIGHT MARK 蘇州」。新進ジュエリーブランドの為の内装計画。気軽に立ち寄れる空間を目指して、ケースへの商品陳列ではなく垂直のアクリル壁に展示する方法を考案。透明度と特別感のある閲覧状況を作り出す photo©朱潤資
小嶋伸也+小嶋綾香 / 小大建築設計事務所による、中国の店舗「LIGHT MARK 蘇州」。新進ジュエリーブランドの為の内装計画。気軽に立ち寄れる空間を目指して、ケースへの商品陳列ではなく垂直のアクリル壁に展示する方法を考案。透明度と特別感のある閲覧状況を作り出す photo©朱潤資
小嶋伸也+小嶋綾香 / 小大建築設計事務所による、中国の店舗「LIGHT MARK 蘇州」。新進ジュエリーブランドの為の内装計画。気軽に立ち寄れる空間を目指して、ケースへの商品陳列ではなく垂直のアクリル壁に展示する方法を考案。透明度と特別感のある閲覧状況を作り出す photo©朱潤資

小嶋伸也+小嶋綾香 / 小大建築設計事務所が設計した、中国・蘇州市の店舗「LIGHT MARK 蘇州」です。
新進ジュエリーブランドの為の内装計画です。建築家は、気軽に立ち寄れる空間を目指して、ケースへの商品陳列ではなく垂直のアクリル壁に展示する方法を考案しました。それにより、透明度と特別感のある閲覧状況を作り出す事を意図しました。

中国のジュエリーブランド「LIGHT MARK」のショップのデザインを担当しました。

LIGHT MARKは、設立から年月がそう経ってはいない新興ブランドでした。商品のラインナップもウェディングジュエリーだけでなく、カジュアルなシリーズまで取り扱うため、window shoppingの際にフラッと立ち寄ってみたくなるようなショップのデザインが求められました。

建築家によるテキストより

普通のアパレルショップはある程度お店の外からも販売している商品を見ることができるのですが、小さなジュエリーの場合1つ1つのデザインを店舗の外から感じることは難しい。また、一般的なジュエリーショップは煌びやかな内装を施され、ガラスケース越しに対応するスタッフが配置されている印象でした。それは高級な宝石を購入したいというような目的がはっきりとした方には相応しいスタイルですが、気軽にジュエリーを覗きに行くにはいささか敷居が高いように感じていました。

建築家によるテキストより

私たちはこの従来のジュエリーショップの展示方法が、ガラスケースの中にあるジュエリーを覗き込む点に注目しました。
什器の中で平置きになっているジュエリーは、踏み込んで覗き込むまでは正確なデザインがわからない。この課題に対してできる限り透明度の高い状態で垂直に展示ができないかと考え、デザインを試みました。

建築家によるテキストより
吉村真基建築計画事務所|MYAOによる、愛知・名古屋市の「やまさと保育園増築棟」。職員の執務空間等の計画。敷地奥の園舎と擁壁に囲まれた場を建築地に選び、屋根を掛けた上に小屋が載る構成を考案。要求機能に加えて建物同士を繋ぐハブ空間の役割も与え園全体の動線を再編
吉村真基建築計画事務所|MYAOによる、愛知・名古屋市の「やまさと保育園増築棟」。職員の執務空間等の計画。敷地奥の園舎と擁壁に囲まれた場を建築地に選び、屋根を掛けた上に小屋が載る構成を考案。要求機能に加えて建物同士を繋ぐハブ空間の役割も与え園全体の動線を再編 photo©谷川ヒロシ / ToLoLo Studio
吉村真基建築計画事務所|MYAOによる、愛知・名古屋市の「やまさと保育園増築棟」。職員の執務空間等の計画。敷地奥の園舎と擁壁に囲まれた場を建築地に選び、屋根を掛けた上に小屋が載る構成を考案。要求機能に加えて建物同士を繋ぐハブ空間の役割も与え園全体の動線を再編 photo©谷川ヒロシ / ToLoLo Studio
吉村真基建築計画事務所|MYAOによる、愛知・名古屋市の「やまさと保育園増築棟」。職員の執務空間等の計画。敷地奥の園舎と擁壁に囲まれた場を建築地に選び、屋根を掛けた上に小屋が載る構成を考案。要求機能に加えて建物同士を繋ぐハブ空間の役割も与え園全体の動線を再編 photo©谷川ヒロシ / ToLoLo Studio

吉村真基建築計画事務所|MYAOが設計した、愛知・名古屋市の「やまさと保育園増築棟」です。
職員の執務空間等の計画です。建築家は、敷地奥の園舎と擁壁に囲まれた場を建築地に選び、屋根を掛けた上に小屋が載る構成を考案しました。そして、要求機能に加えて建物同士を繋ぐハブ空間の役割も与え園全体の動線を再編しました。

名古屋市内の保育園の小さな増築計画である。
シュタイナー教育で有名な園で、既存園舎は90年代初頭に建築家笠嶋淑恵氏により全面改修が行われている。
長年の運営の中で保育形態も変化し保育室が増えて、築40年を迎える既存園舎内には現在職員室がないという。そこで職員の執務スペースと面談室など多目的に使える小空間を作りたいということであった。敷地内のどこにつくるか、というところから検討を始めることとなった。

建築家によるテキストより

ほぼ平場のない敷地の中で、最終的に園舎と擁壁に囲まれたドン詰まり、一番奥の滝壺のような場所に増築を行うことにした。そこには先代の理事長先生が使っていた小屋が、今はあまり使われないまま残っていた。この小屋も特徴的な意匠の建物であったので、使えそうなものはなるべく再利用する計画とした。

建築家によるテキストより

既に三方を構造物で囲まれた場所だったため、考える順番を変えて壁を建てるところからではなく、屋根をかけるところから始めることにした。まずは擁壁と既存園舎との間を取り持つ新たな面をかける。その上部に初めて外形を持った小屋を建てる。新たな面をかけることで、擁壁で寸断された園舎を擁壁がつなぐ園舎に変えるのである。

地上レベルは建物の外形を作らず、擁壁と園舎外壁に囲まれた場所をそのまま内部空間にして既存園舎と一体化した。ここから擁壁の上に建つ木造の事務棟を階段でつなげ、園庭に対しても開いた。この場所を介して園舎、園庭、事務棟、斜面がつながり、ドン詰まりが一転、ハブ空間に裏返った。

建築家によるテキストより
本岡一秀+伊藤祐紀 / 本岡伊藤アーキテクツによる、大阪の住宅「箕面の家」。交通量のある住宅街に計画。気積確保と内外の関係調整を意図し、緩衝帯となる吹抜と周囲を借景する絶妙な高さの大開口を考案。室内の造作家具に様々な役割を担わせ人と物の多様な居場所を構築
本岡一秀+伊藤祐紀 / 本岡伊藤アーキテクツによる、大阪の住宅「箕面の家」。交通量のある住宅街に計画。気積確保と内外の関係調整を意図し、緩衝帯となる吹抜と周囲を借景する絶妙な高さの大開口を考案。室内の造作家具に様々な役割を担わせ人と物の多様な居場所を構築 photo©大竹央祐
本岡一秀+伊藤祐紀 / 本岡伊藤アーキテクツによる、大阪の住宅「箕面の家」。交通量のある住宅街に計画。気積確保と内外の関係調整を意図し、緩衝帯となる吹抜と周囲を借景する絶妙な高さの大開口を考案。室内の造作家具に様々な役割を担わせ人と物の多様な居場所を構築 photo©大竹央祐
本岡一秀+伊藤祐紀 / 本岡伊藤アーキテクツによる、大阪の住宅「箕面の家」。交通量のある住宅街に計画。気積確保と内外の関係調整を意図し、緩衝帯となる吹抜と周囲を借景する絶妙な高さの大開口を考案。室内の造作家具に様々な役割を担わせ人と物の多様な居場所を構築 photo©大竹央祐

本岡一秀+伊藤祐紀 / 本岡伊藤アーキテクツが設計した、大阪の住宅「箕面の家」です。
交通量のある住宅街に計画です。建築家は、気積確保と内外の関係調整を意図し、緩衝帯となる吹抜と周囲を借景する絶妙な高さの大開口を考案しました。また、室内の造作家具に様々な役割を担わせ人と物の多様な居場所を構築しました。

20代夫婦のための住宅である。敷地は閑静な住宅街に位置する南北に細長い小さな土地で、東側の道路は大通りへの抜け道となっているため比較的交通量が多く、道路との距離を確保する必要があった。一方で東側の隣家には豊かな生垣が生い茂り、西側は庭と駐車場が連なり、池の土手まで視界が抜けるような環境であった(低層住宅地に見られる宅地面積制限により、ゆったりとした敷地が多く、南側に庭が連なっていく状況が広がる)。

建築家によるテキストより

そこで、建て主の要望である敷地いっぱいの気積を確保しつつも、周辺の生垣や庭を借景として取り込むように東側の少し高い位置に大きな開口を4つ設けた。腰窓にしては高く、2階の窓にしては低い位置に設けた大きな窓により、周辺に対しては平屋を拡大したようなスケール感をつくり、内部は明るく光に満ちた落ち着いた居場所をつくり出す。

建築家によるテキストより

建築より小さく、椅子やテーブルといった家具より大きいスケールの収納家具が、生活の中で使われるモノから人までを等価に収納し、一室空間の中にモノや人それぞれの居場所をつくる。家具としては大きなスケールとしながらも、建築との取り合い方や、身体が触れるディテール部分を家具らしく設えることを意識した。

建築家によるテキストより
ヤン・イェリム+片山豪 / 文生堂による、東京・豊島区の住戸改修「雑司が谷の豪邸」。設計者の自邸。既存要素を活かした計画を目指し、入口からルーフバルコニーまでを土間で接続し生活の中心とする構成を考案。“開放的な外部”を取り込んで“量”を目的に作られた空間を“質”を孕む場に変える
ヤン・イェリム+片山豪 / 文生堂による、東京・豊島区の住戸改修「雑司が谷の豪邸」。設計者の自邸。既存要素を活かした計画を目指し、入口からルーフバルコニーまでを土間で接続し生活の中心とする構成を考案。“開放的な外部”を取り込んで“量”を目的に作られた空間を“質”を孕む場に変える photo©楠瀬友将
ヤン・イェリム+片山豪 / 文生堂による、東京・豊島区の住戸改修「雑司が谷の豪邸」。設計者の自邸。既存要素を活かした計画を目指し、入口からルーフバルコニーまでを土間で接続し生活の中心とする構成を考案。“開放的な外部”を取り込んで“量”を目的に作られた空間を“質”を孕む場に変える photo©楠瀬友将
ヤン・イェリム+片山豪 / 文生堂による、東京・豊島区の住戸改修「雑司が谷の豪邸」。設計者の自邸。既存要素を活かした計画を目指し、入口からルーフバルコニーまでを土間で接続し生活の中心とする構成を考案。“開放的な外部”を取り込んで“量”を目的に作られた空間を“質”を孕む場に変える photo©楠瀬友将

ヤン・イェリム+片山豪 / 文生堂が設計した、東京・豊島区の住戸改修「雑司が谷の豪邸」です。
設計者の自邸です。建築家は、既存要素を活かした計画を目指し、入口からルーフバルコニーまでを土間で接続し生活の中心とする構成を考案しました。それにより、“開放的な外部”を取り込んで“量”を目的に作られた空間を“質”を孕む場に変える事を意図しました。

豊島区雑司が谷に建つ、ルーフバルコニー付き集合住宅一室の改修計画。

建築家によるテキストより

本計画の特徴として、ルーフバルコニーの存在があり、エントランスから「土間」で繋がれている。
下足のままでも行き来できる自由度の高い場所であり、ルーフバルコニーがあるからこその生活が展開される。また、この土間の取り巻くように様々な質量の素材を散りばめることで、陽や風といった環境の一挙手一投足により、それぞれが違う様相で空間を彩るデザインとした。

建築家によるテキストより

ルーフバルコニーという「開放的な外部環境」を取り込むことで、単一的であった「量」の空間は、「質」を孕んだ複合的な空間へ昇華させることができる。その可能性を、本計画で示せればと思う。

建築家によるテキストより
神谷幸治 / Qukan空間工作所による、北海道・札幌市の住宅改修「伏古の屋根裏」。仕事場兼住居の二階屋を改修。生活変化で持て余した床面積を減らし暮らしの場を一階とする為に、上階を減築して勾配屋根を架ける方策を考案。梁を現しとし気積の大きな“屋根裏”の様な空間を作る
神谷幸治 / Qukan空間工作所による、北海道・札幌市の住宅改修「伏古の屋根裏」。仕事場兼住居の二階屋を改修。生活変化で持て余した床面積を減らし暮らしの場を一階とする為に、上階を減築して勾配屋根を架ける方策を考案。梁を現しとし気積の大きな“屋根裏”の様な空間を作る photo©吉田昴平
神谷幸治 / Qukan空間工作所による、北海道・札幌市の住宅改修「伏古の屋根裏」。仕事場兼住居の二階屋を改修。生活変化で持て余した床面積を減らし暮らしの場を一階とする為に、上階を減築して勾配屋根を架ける方策を考案。梁を現しとし気積の大きな“屋根裏”の様な空間を作る photo©吉田昴平
神谷幸治 / Qukan空間工作所による、北海道・札幌市の住宅改修「伏古の屋根裏」。仕事場兼住居の二階屋を改修。生活変化で持て余した床面積を減らし暮らしの場を一階とする為に、上階を減築して勾配屋根を架ける方策を考案。梁を現しとし気積の大きな“屋根裏”の様な空間を作る photo©吉田昴平

神谷幸治 / Qukan空間工作所が設計した、北海道・札幌市の住宅改修「伏古の屋根裏」です。
仕事場兼住居の二階屋を改修する計画です。建築家は、生活変化で持て余した床面積を減らし暮らしの場を一階とする為に、上階を減築して勾配屋根を架ける方策を考案しました。そして、梁を現しとし気積の大きな“屋根裏”の様な空間を作りました。

札幌市に50年前に新築されたこの住宅は35年程前に一度改修され、それまで一部二階建ての建物から総二階建へと増築されている。
この住宅に住むクライアントはシルクスクリーン印刷業を生業としており総二階となってからは隣地と近接している為、南側でも日の当たりづらい1階全てをシルクスクリーンの作業場として使い2階を主な生活空間としていた。
母子の二人暮しになり60坪程ある床面積は生活においても仕事においても広さ的に持て余してきたこと、年齢的な部分もあり二階での生活が不安視されたことからの改修工事である。

建築家によるテキストより

計画に於いて1階の生活での明るさをどの様に担保するか、また広すぎる面積をどの様に削るかが焦点となる。残された図面を精査すると当時としては立派な大きさの梁を使用していた事からこれらを活用したい事、また調査時に既存の屋根を確認したところ再利用の場合でも下地からやり直す必要があった事、これらの要因も含め勘案し2階以上を減築し新たに勾配屋根を構築するという結論と至った。

建築家によるテキストより

既存の住宅は中心部まで光が入りづらく屋根からの光が計画上求められた。平面計画上アトリエスペースと住居スペースを分け、その分断する壁を棟としそれぞれの勾配屋根の頂点をずらしできた棟の北側にハイサイドライトを設置した。改めて1階に設置されることになったLDKは大きな気積の一体空間とし、既存の柱や梁は新しい屋根束の補強を除きそのままの姿で表しの形で残している。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 北海道を拠点に、公共的な建築を手掛けて多くの評価を得る「株式会社アトリエブンク」が、建築および設備の設計スタッフ(経験者)を募集中
【ap job更新】 北海道を拠点に、公共的な建築を手掛けて多くの評価を得る「株式会社アトリエブンク」が、建築および設備の設計スタッフ(経験者)を募集中
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北海道を拠点に、公共的な建築を手掛けて多くの評価を得る「株式会社アトリエブンク」の、建築および設備の設計スタッフ(経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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アトリエブンクでは設計スタッフを募集しています。

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アトリエブンクは1970年に札幌で創設以来、北海道を中心に建築設計の活動を続けてきました。
事務所開設当初は住宅やインテリアの仕事が中心でしたが、1980年代以降、徐々に公共的な建築を手がける機会を増やし現在に至ります。

アトリエブンクの主な活動の場である北海道は、大部分が亜寒帯地域に属しており冬季間は雪が多く寒さが厳しいことが何よりも大きな特徴です。
一方、世界の亜寒帯地域の中でも低緯度に位置していることから、比較的自然光に恵まれ四季の変化が感じられる場所でもあります。
このことから、雪や寒さに対する堅牢性と、注意深く外に開く開放性、この相反する二つの性格を併せ持つ建築手法を長年積み重ねてきました。
そして、この考えは現在でも多くのプロジェクトで受け継がれています。

手がけた作品は様々な評価を与えられてきました。
日本建築学会作品選奨4作品、日本建築学会作品選集23作品、公共建築賞優秀賞11作品、JIA環境建築賞などがあり、また地域の賞としては北海道建築賞/ 奨励賞を10作品、北海道赤レンガ建築賞/ 奨励賞を9作品受賞しています。

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2014年から2022年の主な18作品を掲載した作品集『Atelier BNK 2014-2022』が発売中です。
また今夏、弊社では設計、建設中及び近年竣工した作品を中心とした展覧会を開催します。

an architectsとfuturetank architectsによる、群馬の、保養所の改修「草津の板間」。建物の一部に手を入れて人が集まる場所とする計画。二室を一体化して土間と板間とする要望に、“既存間仕切りを90度回転”と見立て新しい空間を設計。改変行為を伝聞し易くする事で記憶の継承を促す
an architectsとfuturetank architectsによる、群馬の、保養所の改修「草津の板間」。建物の一部に手を入れて人が集まる場所とする計画。二室を一体化して土間と板間とする要望に、“既存間仕切りを90度回転”と見立て新しい空間を設計。改変行為を伝聞し易くする事で記憶の継承を促す photo©小川重雄
an architectsとfuturetank architectsによる、群馬の、保養所の改修「草津の板間」。建物の一部に手を入れて人が集まる場所とする計画。二室を一体化して土間と板間とする要望に、“既存間仕切りを90度回転”と見立て新しい空間を設計。改変行為を伝聞し易くする事で記憶の継承を促す photo©小川重雄
an architectsとfuturetank architectsによる、群馬の、保養所の改修「草津の板間」。建物の一部に手を入れて人が集まる場所とする計画。二室を一体化して土間と板間とする要望に、“既存間仕切りを90度回転”と見立て新しい空間を設計。改変行為を伝聞し易くする事で記憶の継承を促す photo©小川重雄

荒木洋+長澤浩二 / an architects鴻野吉宏 / futuretank architectsが設計した、群馬・草津町の、保養所の改修「草津の板間」です。
建物の一部に手を入れて人が集まる場所とする計画です。建築家は、二室を一体化して土間と板間とする要望に、“既存間仕切りを90度回転”と見立て新しい空間を設計しました。改変行為を伝聞し易くする事で記憶の継承を促す事も意図しました。

草津に建つ築40年の保養所の一部を大人数で集まる板間に改装する計画です。

クライアントの要望は、南北方向に間仕切られた8畳間と6畳間の2室からなる一般的な木造住宅の間取りを、土間と板間の一体空間にして大人数で利用したいということでした。

建築家によるテキストより

この要望を実現するために、南北方向の間仕切り壁を90度回転し、開閉可能な雪見障子として配置することを提案しました。

建築家によるテキストより

「間仕切りを90度回転する」という、頭の中で描き易い図式上簡単な操作で改修することを施主と共有することで施主から来訪者へこの空間の変遷を伝えやすいよう配慮しました。そのイメージの共有によって、集まった人々は空間に刻まれた記憶の層の積み重ねについて想いを馳せる時間を持つ機会になるのではないかと考えています。

建築家によるテキストより
佐藤可士和 / SAMURAIによる、東京・港区のオフィス「LIVNEX」。住環境をデザインする企業の事務所。作業の為でなく意思疎通とプレゼンの場と捉え、アイデアの創造や思考の深化と拡大に寄与する空間を志向。明るく眺望の良い“コミュニケーションスペース”を中心に据える
佐藤可士和 / SAMURAIによる、東京・港区のオフィス「LIVNEX」。住環境をデザインする企業の事務所。作業の為でなく意思疎通とプレゼンの場と捉え、アイデアの創造や思考の深化と拡大に寄与する空間を志向。明るく眺望の良い“コミュニケーションスペース”を中心に据える photo©太田拓実
佐藤可士和 / SAMURAIによる、東京・港区のオフィス「LIVNEX」。住環境をデザインする企業の事務所。作業の為でなく意思疎通とプレゼンの場と捉え、アイデアの創造や思考の深化と拡大に寄与する空間を志向。明るく眺望の良い“コミュニケーションスペース”を中心に据える photo©太田拓実
佐藤可士和 / SAMURAIによる、東京・港区のオフィス「LIVNEX」。住環境をデザインする企業の事務所。作業の為でなく意思疎通とプレゼンの場と捉え、アイデアの創造や思考の深化と拡大に寄与する空間を志向。明るく眺望の良い“コミュニケーションスペース”を中心に据える photo©太田拓実

佐藤可士和 / SAMURAIによる、東京・港区のオフィス「LIVNEX」です。
住環境をデザインする企業の事務所です。建築家は、作業の為でなく意思疎通とプレゼンの場と捉え、アイデアの創造や思考の深化と拡大に寄与する空間を志向しました。そして、明るく眺望の良い“コミュニケーションスペース”を中心に据えています。施主企業の公式サイトはこちら

住環境をトータルでデザインするLIVNEXグループの青山オフィスのインテリアデザインを担当。

建築家によるテキストより

従来からリモートワークやフレックスタイム制度など、新しい働き方を支援してきた同グループのオフィスとして、コロナ禍によってさらに多様化したワークスタイルに対応する新しい時代のオフィスの在り方を提示した。

建築家によるテキストより

リモートワークやサテライトオフィスが普及したことにより、オフィスは作業をする場ではなく、コミュニケーションとプレゼンテーションの場であるというコンセプトを設定。ワーカーや打ち合わせで訪れる人々が、斬新なアイディアを創造し、思考をさらに深化、拡張、発展させていくことに寄与できるような空間を目指した。

建築家によるテキストより
石嶋寿和 / 石嶋設計室による、東京・台東区の、認可保育所「立華学苑」。既存施設の建替計画。子どもたちの発達を促す空間を目指し、“育てる庭”や“食べる庭”等の異なる特徴を持つ4段の屋上庭園を考案。打放壁を背景としたカラフルな出窓や和の内装でも園舎の特徴的な顔をつくる
石嶋寿和 / 石嶋設計室による、東京・台東区の、認可保育所「立華学苑」。既存施設の建替計画。子どもたちの発達を促す空間を目指し、“育てる庭”や“食べる庭”等の異なる特徴を持つ4段の屋上庭園を考案。打放壁を背景としたカラフルな出窓や和の内装でも園舎の特徴的な顔をつくる photo©黒住直臣
石嶋寿和 / 石嶋設計室による、東京・台東区の、認可保育所「立華学苑」。既存施設の建替計画。子どもたちの発達を促す空間を目指し、“育てる庭”や“食べる庭”等の異なる特徴を持つ4段の屋上庭園を考案。打放壁を背景としたカラフルな出窓や和の内装でも園舎の特徴的な顔をつくる photo©黒住直臣
石嶋寿和 / 石嶋設計室による、東京・台東区の、認可保育所「立華学苑」。既存施設の建替計画。子どもたちの発達を促す空間を目指し、“育てる庭”や“食べる庭”等の異なる特徴を持つ4段の屋上庭園を考案。打放壁を背景としたカラフルな出窓や和の内装でも園舎の特徴的な顔をつくる photo©黒住直臣

石嶋寿和 / 石嶋設計室が設計した、東京・台東区の、認可保育所「立華学苑(たちばながくえん) 子どもたちの発達を促す4段の屋上園庭」です。
既存施設の建替計画です。建築家は、子どもたちの発達を促す空間を目指し、“育てる庭”や“食べる庭”等の異なる特徴を持つ4段の屋上庭園を考案しました。また、打放壁を背景としたカラフルな出窓や和の内装でも園舎の特徴的な顔をつくる事が意図されました。

この保育園のコンセプトは以下の3つである。

一つ目は、コンクリート打放しと出窓で構成した外観。
無機質なグレーの壁にカラフルな出窓をランダムに加えることで、優しさと賑やかさが強調された外観をつくりだした。さらに、出窓がつくる影は、壁面に変化を与えるとともに、時間や季節の移り変わりを子どもたちに教えてくれる、もうひとりの保育士の役目も担っている。

建築家によるテキストより

二つ目は、「和の趣」をもった内装。
寺院が多数立地する谷中地区に建てられることから、自然と和の趣をもつ内装が導き出された。
玄関は、木の縦格子を四周巡らして木質感溢れる空間とした。さらに壁面を照らす間接照明を仕込むことで、ほっとする優しい雰囲気をつくり出し、園舎の顔として相応しいデザインとした。

建築家によるテキストより

三つ目は、充実した園庭の確保。
隣接して広大な防災公園があるため、走り回る活動はそちらで行うことと考え、3歳以上児が主に使用する屋上園庭は、約1mずつ高さを変えた4段の庭で構成し、子どもたちの発達を促す園庭とした。
1段目の園庭は「食べる庭」。天気の良い日は調理室から給食を持ち出して青空の下でランチができる庭とした。

建築家によるテキストより
パナソニックの業界最薄の、ワイヤレス連動型“住宅用火災警報器”に、新色の「BLACK」が追加。従来の“ホワイト”や“和室色”の製品とは異なるイメージで、様々なデザインの空間に調和。抽選でサンプルボードが当たる企画も実施中
パナソニックの業界最薄の、ワイヤレス連動型“住宅用火災警報器”に、新色の「BLACK」が追加。従来の“ホワイト”や“和室色”の製品とは異なるイメージで、様々なデザインの空間に調和。抽選でサンプルボードが当たる企画も実施中
パナソニックの業界最薄の、ワイヤレス連動型“住宅用火災警報器”に、新色の「BLACK」が追加。従来の“ホワイト”や“和室色”の製品とは異なるイメージで、様々なデザインの空間に調和。抽選でサンプルボードが当たる企画も実施中

パナソニックの業界最薄の、ワイヤレス連動型“住宅用火災警報器”に、新色の「BLACK」が追加されました。
従来の“ホワイト”や“和室色”の製品とは異なるイメージで、様々なデザインの空間に調和することが意図されています。また、パナソニックが展開する「SO-STYLE」のスイッチプレート等と同一色に合わせた設計で、トータルに使われることも想定されています。また、サンプルボードが当たる企画も実施中です。【ap・ad】
※市販の住宅用火災警報器(電池式無線式連動型)日本消防検定協会検定合格品において。2022年1月、パナソニック調べ

クールで頼もしいBLACKの住宅用火災警報器

住警器の最も重要な役割である「火災の早期発見」に加えて、さらにデザイン性にも優れた、おうちのクールなボディガード「BLACKの住宅用火災警報器」。

家族を守るための機能と合わせて、インテリアにこだわりのあるお施主様にぜひご提案ください。

業界最薄の25mm(無線式連動型において最薄)

※市販の住宅用火災警報器(電池式無線式連動型)日本消防検定協会検定合格品において。2022年1月、パナソニック調べ。
照明による影も軽減でき、インテリアにもなじみやすい薄型フラットデザインです。

配線スイッチ「SO-STYLE」と同一色

パナソニックの配線器具「SO-STYLE」シリーズのBLACKに質感や色味を合わせています。

より多くの画像や資料を下記に掲載します。

最も注目を集めたトピックス[期間:2022/8/15-8/21]
最も注目を集めたトピックス[期間:2022/8/15-8/21]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2022/8/15-8/21)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 伊原洋光+伊原みどり / hm+architectsによる、愛知の「豊橋の住宅」。緑豊かな公園に面する場に計画。環境を活かした庭と共にある生活の要望に、南側に設けた庭を“への字”型の建築で囲い込んで“濡縁”で内外を繋ぐ構成を考案。空間の連続性や陰影により多様な場面を作る
  2. 吉田桂子 / Archipatchによる、茨城・水戸市の結婚式場「Between the greens」。県庁等がある郊外に計画。緑の中の式場を目指し、建物を分節して庭園の周りに配置する事で回遊性と内外の一体感を構築。其々から延びる深い庇が“変化する自然の美しさ”を室内に導入
  3. 坂口舞+井佐子恵也 / 設計機構ワークスによる、長崎・波佐見町の店舗「花西海」。生花店の建替え計画。働き易く地域に愛される職人技術を活かした建築の要望に、地元産の“茅・土・石”を用いた手仕事が断面方向に重なる空間を考案。伝統の更新と未来への接続も意図
  4. 北野慶 / KKAAと八木貴伸 / YTAAによる、三重・志摩市の「合歓の家」。国立公園指定のエリアに建つ週末住宅。様々な捉え方や周辺環境を許容する建築を求め、普遍的形態と既視感ある材料を意図的に選択した設計を志向。柔軟性と包容力を生み出し自然と街並みの融和を促す
  5. 山下竜二建築設計事務所による、北海道・上ノ国町の住宅「子と子と子と子と」。夫婦と子供4人の為の住まい。其々に個室を作る要望と家族の繋がりの両立を求め、“プレイルーム”を中心とした各部屋の配置と両者を接続する開口を考案。ガラス床等の発想でも“繋がり”を促進
  6. イランイランによる、東京・豊島区の住戸改修「J house」。タワーマンションでのプロジェクト。音楽の様に感情に訴える空間を目指して、建築の各部分を曲の其々の要素と捉えて設計。環境の特徴を活かした平面計画と光や季節の移ろいを感じられる素材選択を行う
  7. 尾崎泰永 / 尾崎建築事務所による、東京・中野区の「Room E」。都市部で典型の細長い住戸の改修。形状を活かす設計を追求し、角度を微細に調整できる“屏風壁”を考案して施主の価値観に沿った様々な居場所を構築。内部に表と裏を作る事で回遊性と奥行も生み出す
  8. 青木淳・平田晃久・隈研吾・SANAA・藤森照信・谷口吉生が、自身が設計した美術館について解説している動画「建築家が自作を語る美術館」
  9. MVRDVによる、中国・南京の「オアシス・タワーズ」。金融街に計画された基壇部の商業と高層部の住居からなる複合施設。地層状のバルコニーは緑化され敷地の中央の緑豊かな環境を強化。建物外周には周辺ビルと呼応するグリッドファサードを採用
  10. 熊谷・石上純也・IAO竹田・アクト環境・ピーエス三菱・野村建設JVによる「徳島文化芸術ホール(仮称)」の基本設計概要が公開。花弁を想起させるテラスの連なりが特徴的な建築。テラスからの新しい鑑賞体験や壁面を活用した映像発信も計画。“ホールの新たなあり方”や街に開き人を引き込む事も追求
  11. 二俣公一 / ケース・リアルによる、愛知の店舗「イソップ名古屋栄店」。二つの開口面のある区画に計画。自然の延長に文化がある事を提示する建築を目指し、空間構成の素材として“土”を選択し壁面等に使用。平面形状の特徴を活かし性質の異なるエリアを並存
  12. 奥田晃輔+堀井達也+吉田裕樹 / OHArchitectureによる、兵庫の住宅改修「西宮の邸宅」。何度も手が入った住宅の改修。家と庭の関係性向上を目指し、既存樹木を据えた“パティオ”と外部的リビングを繋げて建築に中間領域を付与。元の面影を残し質を上げ“新しくて懐かしい”雰囲気を紡ぐ
  13. 若手建築家を対象とした、大阪・関西万博の休憩所等設計コンペの結果が発表
  14. 中村創+中村弘美 / DAN設計室による、長崎の「島原のオフィス」。海と山を望む港の前に計画。景色への眺望と外部からの視線軽減の両立を目指し、道路に対し斜めに振った外壁とランダム配置の開口を考案。斜め壁は建築に陰影も与え時間と共に表情を変化させる
  15. 仙田満の環境デザイン研究所が、新石川県立図書館設計プロポで、設計候補者に選定
  16. 大嶋励+小阿瀬直+山田優 / SNARK Inc.による、愛知の、ショールーム「CREATORE with PLUS 名古屋」。オフィスの構築全般を業務とする企業の施設。現代の多様な働き方に応える展示空間を目指し、異なる特徴を持つエリアが連なり風景となる構成を考案。施主の工場の廃材を利用する等サステイナブルも意識
  17. nendoによる、長野・御代田町の「土管のゲストハウス」。宿泊機能を備えた芸術作品等を収蔵する保管庫。インフラに用いられる“ボックス・カルバート”の考え方を応用し、土管を井桁状に積み重ねた様な建築を考案。保管物の増加に伴い“土管”の追加も想定
  18. MADアーキテクツによる、イタリア・ミラノの複合施設「MoLo」。イノベーション地区に計画され駐車場と店舗等を内包。車を置いて街の革新的交通技術を体験する為の入口となり教育の役割も担う施設。立面の植栽は周囲の緑豊かな景観とも呼応
  19. Schenk HattoriとSUGIBERRYによる、ベルギー・アントワープの「Exhibition Pavilion in deSingel」。展覧会の為に考案された仮設建築。図面等の展示でなく今回の“場所”と“時間”だからこその可能性を求め、施設の中庭に廃材を用いたパヴィリオンを計画。微地形を読み取り“場所に強く根ざした”建築をつくる
  20. 川原達也+エレン・クリスティナ・クラウゼ / KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTSによる、フランスの住宅「Maison L」。築約200年の伝統石造家屋を改修。外壁等を“あるべき”状態へ戻す修復や、内を外に拡張する“ポーチ”の増築を実施。45度振ったグリッドを基礎として計画する事で、既存と新設を“一枚の織物”の様に再構成

安藤忠雄へのインタビュー「安藤忠雄 自作を語りおろす」の動画。建築家を志すエピソードから代表作までを語る内容

安藤忠雄へのインタビュー「安藤忠雄 自作を語りおろす」の動画です。建築家を志すエピソードから代表作までを語る内容となっています。GAORA SPORTSが制作して2021年12月に公開されたものです。

日本を代表する建築家、安藤忠雄が自身の作品についてひたすらしゃべり倒す。
トークドキュメント番組。
着想のもととなった事柄や、設計や工事中の苦労話なども含めて、それぞれの作品の全貌を、自分自身の口で初めて語りおろす。また、これまで歩んできた波乱万丈の建築家人生を通して、建築家とは何者なのか、建築するとはどういうことなのか赤裸々に。

安藤 忠雄
1941年大阪生まれ。独学で建築を学び、1969年安藤忠雄建築研究所設立。代表作に「光の教会」「ピューリッツァー美術館」「地中美術館」など。1979年「住吉の長屋」で日本建築学会賞、1993年日本芸術院賞、1995年プリツカー賞、2003年文化功労者、2005年国際建築家連合(UIA) ゴールドメダル、2010年ジョン・F・ケネディーセンター芸術金賞、後藤新平賞、文化勲章、2013年フランス芸術文化勲章(コマンドゥール)、2015年イタリア共和国功労勲章グランデ・ウフィチャ―レ章、2016年イサム・ノグチ賞など受賞多数。1991年ニューヨーク近代美術館、1993年パリのポンピドー・センターにて個展開催。イェール、コロンビア、ハーバード大学の客員教授歴任。1997年から東京大学教授、現在、名誉教授。

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