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BIGによる、スウェーデンの宿泊施設「Biosphere」。森林の中に“ツリーホテル”が運営するキャビンを作る計画。鳥類の生態系に貢献する事を目指し、ファサードに350の巣箱を持つ建築を考案。親密で没入感のある自然体験も提供
BIGによる、スウェーデンの宿泊施設「Biosphere」。森林の中に“ツリーホテル”が運営するキャビンを作る計画。鳥類の生態系に貢献する事を目指し、ファサードに350の巣箱を持つ建築を考案。親密で没入感のある自然体験も提供 photo courtesy of BIG
BIGによる、スウェーデンの宿泊施設「Biosphere」。森林の中に“ツリーホテル”が運営するキャビンを作る計画。鳥類の生態系に貢献する事を目指し、ファサードに350の巣箱を持つ建築を考案。親密で没入感のある自然体験も提供 photo courtesy of BIG
BIGによる、スウェーデンの宿泊施設「Biosphere」。森林の中に“ツリーホテル”が運営するキャビンを作る計画。鳥類の生態系に貢献する事を目指し、ファサードに350の巣箱を持つ建築を考案。親密で没入感のある自然体験も提供 photo courtesy of BIG

BIGが設計した、スウェーデンの宿泊施設「Biosphere」です。
ハラッズの森林の中に“ツリーホテル”が運営するキャビンを作る計画です。建築家は、鳥類の生態系に貢献する事を目指し、ファサードに350の巣箱を持つ建築を考案しました。また、宿泊者に親密で没入感のある自然体験も提供します。施設の公式サイトはこちら

こちらは建築家によるテキストの翻訳

北スウェーデンは、その美しい自然、広大な森林、独特の生物圏で知られています。四季を通じて気候の変化が激しいため、木や石といった地元の素材を用いた、耐性の高い建築が求められます。スウェーデンのラップランドにあるツリーホテルは、様々な種類のキャビンがあることで知られており、それぞれのキャビンは森と異なる反応を示す明確なアイデンティティを持っています。

ツリーホテルとスウェーデンの鳥類学者ウルフ・オーマンとの密接なコラボレーションにより、BIGが設計した新しいホテルルーム「Biosphere」は、この有名なホテルに350の巣箱を導入します。ハラデス松に吊るされたBIGの体験型デザインは、敷地内の8番目のホテルルームであり、周囲の生物圏を強化することを目的としています。

鳥の巣のファサードを持つこずえのホテルの部屋をデザインすることで、スウェーデンの森に生息する鳥の数の減少を抑え、代わりに生物圏と自然生息地を強化することが「Biosphere」の目的です。

ノルボッテン鳥類学会の会長であるウルフ・オーマンは言います。
「ノルボッテン県では、鳥類学者である私たちと県行政委員会の両方が調査を行い、様々な鳥の個体数が減少していることを明らかにしています。林業によって、繁殖用の鳥の巣となる木の穴の数が減っているのです。したがって、鳥の巣の設置は重要な対策となります。また、気候変動により昆虫の増加が起こる時期が早くなり、鳥の卵が孵化するころにはすでに増加が去っています。北スウェーデンに滞在し、冬に餌を必要とする鳥たちにとって、餌付けは重要なサポートメカニズムです。ツリーホテルだけでなく、人々が自分の家の近くに設置できるように、鳥の巣や餌の利用を実証することは貴重なことです。ツリーホテルが率先してこのような対策をとることで、宿泊客も同じように対策をとるようになるかもしれません」

山﨑健太郎デザインワークショップによる、静岡の「新富士のホスピス」。末期癌患者のケアを行い家族と過ごす為の施設。病院と在宅の間の役割を求めて、日常と地続きの“住まい”の様な在り方を構想。木々の中を散策する様な連続性のある廊下が“居場所”としても機能
山﨑健太郎デザインワークショップによる、静岡の「新富士のホスピス」。末期癌患者のケアを行い家族と過ごす為の施設。病院と在宅の間の役割を求めて、日常と地続きの“住まい”の様な在り方を構想。木々の中を散策する様な連続性のある廊下が“居場所”としても機能 photo©黒住直臣
山﨑健太郎デザインワークショップによる、静岡の「新富士のホスピス」。末期癌患者のケアを行い家族と過ごす為の施設。病院と在宅の間の役割を求めて、日常と地続きの“住まい”の様な在り方を構想。木々の中を散策する様な連続性のある廊下が“居場所”としても機能 photo©黒住直臣
山﨑健太郎デザインワークショップによる、静岡の「新富士のホスピス」。末期癌患者のケアを行い家族と過ごす為の施設。病院と在宅の間の役割を求めて、日常と地続きの“住まい”の様な在り方を構想。木々の中を散策する様な連続性のある廊下が“居場所”としても機能 photo©黒住直臣
山﨑健太郎デザインワークショップによる、静岡の「新富士のホスピス」。末期癌患者のケアを行い家族と過ごす為の施設。病院と在宅の間の役割を求めて、日常と地続きの“住まい”の様な在り方を構想。木々の中を散策する様な連続性のある廊下が“居場所”としても機能 photo©黒住直臣

山﨑健太郎デザインワークショップが設計した、静岡の「新富士のホスピス」です。
末期癌患者のケアを行い家族と過ごす為の施設です。建築家は、病院と在宅の間の役割を求めて、日常と地続きの“住まい”の様な在り方を構想しました。そして木々の中を散策する様な連続性のある廊下が“居場所”としても機能する事を意図しました。

地域医療の拠点となる、末期がん患者とその家族のためのホスピスである。

建築家によるテキストより

この施設は、病院と在宅の中間のような役割を担うため、末期癌患者の緩和ケアに加えて、患者の家族や友人とゆっくり過ごすことができる住まいのようなホスピスを考えた。つまり病院特有の「孤立」ではなく、日常と地続きとなる終の住処である。

建築家によるテキストより

既存の病院に隣接した雑木林のような庭が計画地であった。
この環境に新しい建物が立ち上がるのではなく、昔からそこにあるような「雑木の庭にあるホスピス」にしようと設計をはじめた。

建物は既存樹木を避けるように配置し、与えられたプログラムは、コンパクトな病室、ナースステーションで、それらを結びつける「居場所」としての廊下は、雑木林を散策するようなシークエンシャルな雰囲気をもたせている。積極的な交流を促すのではなく、日常を感じることができるコモンのような雰囲気になるよう慎重にデザインした。

建築家によるテキストより
建築家の妹島和世が、東京都庭園美術館の館長に2022年7月に就任。西沢立衛と共にSANAAを主宰し、2010年にプリツカー賞を受賞、現在は横浜国立大学名誉教授
建築家の妹島和世が、東京都庭園美術館の館長に2022年7月に就任。西沢立衛と共にSANAAを主宰し、2010年にプリツカー賞を受賞、現在は横浜国立大学名誉教授建築家の妹島和世。 photo©architecturephoto

建築家の妹島和世が、東京都庭園美術館の館長に2022年7月1日に就任します。西沢立衛と共にSANAAを主宰し、2010年にプリツカー賞を受賞、現在は横浜国立大学名誉教授を努めます。

以下は、公式の略歴です。

1987年 妹島和世建築設計事務所設立
1995年 西沢立衛氏とSANAA設立
2001年 慶應義塾大学教授(~2011年)
2004年 ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展金獅子賞受賞
2005年 ロルフショック賞ビジュアル・アーツ部門受賞
2010年 プリツカー賞受賞
2010年 藝術文化勲章オフィシエ受章
2010年 第12回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展ディレクターを務める
2015年 ミラノ工科大学教授
2016年 紫綬褒章受章
2017年 横浜国立大学大学院Y-GSA教授(~2022年)
2021年 東京芸術文化評議会評議員
2022年 横浜国立大学名誉教授

リリーステキストより
重名秀紀 / studio junaによる、岡山市の住宅「江並の家」。新たに造成された分譲地に計画。他区画との良好な関係を目指して、区域の共通要素を再構成する事で風景に擬態し馴染みつつ“らしさ”が表れる建築を志向。平面でも“普通”である事を肯定的に扱う
重名秀紀 / studio junaによる、岡山市の住宅「江並の家」。新たに造成された分譲地に計画。他区画との良好な関係を目指して、区域の共通要素を再構成する事で風景に擬態し馴染みつつ“らしさ”が表れる建築を志向。平面でも“普通”である事を肯定的に扱う photo©しんめんもく 後藤健治
重名秀紀 / studio junaによる、岡山市の住宅「江並の家」。新たに造成された分譲地に計画。他区画との良好な関係を目指して、区域の共通要素を再構成する事で風景に擬態し馴染みつつ“らしさ”が表れる建築を志向。平面でも“普通”である事を肯定的に扱う photo©しんめんもく 後藤健治
重名秀紀 / studio junaによる、岡山市の住宅「江並の家」。新たに造成された分譲地に計画。他区画との良好な関係を目指して、区域の共通要素を再構成する事で風景に擬態し馴染みつつ“らしさ”が表れる建築を志向。平面でも“普通”である事を肯定的に扱う photo©しんめんもく 後藤健治

重名秀紀 / studio junaが設計した、岡山市の住宅「江並の家」です。
新たに造成された分譲地に計画されました。建築家は、他区画との良好な関係を目指して、区域の共通要素を再構成する事で風景に擬態し馴染みつつ“らしさ”が表れる建築を志向しました。また、平面でも“普通”である事を肯定的に扱う事を意図しました。

新しく造成された8区画からなる分譲地にたつ3人家族のための住宅である。
分譲地のために作られた袋小路状の道路を挟んで、北側に6区画、南側に2区画が計画されており、今回の敷地は北側の東から3番目、分譲地の中心に位置する敷地であった。初めて敷地を訪れた際、他の区画には全てハウスメーカーの住宅がたつことがわかった。

建築家によるテキストより

このような分譲地の中にあって、クライアントの要望を満たしつつ積極的に周囲との差をつけることは可能であったが、同時期に8家族が他の場所からやって来てこの地に住むことになる状況において、それが必要なことであるとは思えなかった。むしろこの分譲地の住宅に共通するであろう要素を積極的に取り入れ慎重に再構成することで、周囲の風景に擬態し馴染みつつもこの家らしさが浮かび上がってくるようなつくり方を目指した。

建築家によるテキストより

敷地の北側に寄せて立ち上げた切妻のボリュームは妻入りの玄関部分を家型に凹ませ、ポーチと2階部分の庇を兼ねた。外壁は窯業系サイディング(周囲の家ではタイル調や木目調が使用されていた)の中でも模様のない無機質なものを選び、一部に無垢の杉板を張った。平入の住宅が並ぶ中、より「家」らしさが際立つファサードとなった。

建築家によるテキストより
隈研吾が校長を務める「高知県立林業大学校」が、2022年度のオープンキャンパスの申込を受付中。CLTを活用した木造校舎や林業機械の本格的な実演などが見学可能
隈研吾が校長を務める「高知県立林業大学校」が、2022年度のオープンキャンパスの申込を受付中。CLTを活用した木造校舎や林業機械の本格的な実演などが見学可能

隈研吾が校長を務める「高知県立林業大学校」が、2022年度のオープンキャンパスの申込を受付中です。
CLTを活用した木造校舎や、林業機械の本格的な実演などが見学可能なイベントです。定員は各回25名(先着順)で計4回の開催。2022年7月23日(土)・7月24日(日)の午前・午後の計4回の開催で、定員は各回25名(先着順)です。こちらのページからの事前申込制で7月19日(火)必着となっています。また事前にご連絡すれば、いつでも見学・説明OKな「エブリデイオープンキャンパス(要予約)」も実施中。【ap・ad】

校長を務める世界的な建築家 隈研吾氏からのメッセージ

「木の時代」をリードする志ある人材を育成

森林が県土の84%を占め、林業の中心地とも言える高知県で学ぶということは、非常に意味のあることだと思っています。周囲の森と一体になったこの素晴らしい環境に立地する本校は、高知県が林業・木材産業をいかに重要視しているかの象徴です。私が校長就任時に掲げた「林業を再生し、活性化するプラットフォーム」というビジョンは、すでに形になりつつあります。木に関する多様な領域を合わせるプラットフォームは、世界から見ても非常に貴重な存在であり、本校から巣立った人材は、高知県のみならず、日本全国、そして世界の「木の産業」にとって、重要な人材となります。21世紀は木の世紀・木の時代が来ると、私は予測してきました。本校で学ぶ人は木の時代のリーダーになれる人だと思っています。木の時代を担っていく人材という自覚を持って、互いに切磋琢磨していただきたい。志を持った皆さん、日本一の高知県の森で、共に学び、成長していきましょう

詳細は以下でどうぞ。

牛島隆敬建築設計事務所による、滋賀の、デザインセンター「長浜カイコー」。公設民営の施設。住民や利用者に応える場を目指して、行政や運営者を含むチームを作り“モニターワーク”等で様々な声を集め機能や空間を構想。地域の川を想起させる高低差のあるテーブルで繋がりを表現
牛島隆敬建築設計事務所による、滋賀の、デザインセンター「長浜カイコー」。公設民営の施設。住民や利用者に応える場を目指して、行政や運営者を含むチームを作り“モニターワーク”等で様々な声を集め機能や空間を構想。地域の川を想起させる高低差のあるテーブルで繋がりを表現 photo©Yosuke Ohtake
牛島隆敬建築設計事務所による、滋賀の、デザインセンター「長浜カイコー」。公設民営の施設。住民や利用者に応える場を目指して、行政や運営者を含むチームを作り“モニターワーク”等で様々な声を集め機能や空間を構想。地域の川を想起させる高低差のあるテーブルで繋がりを表現 photo©Yosuke Ohtake
牛島隆敬建築設計事務所による、滋賀の、デザインセンター「長浜カイコー」。公設民営の施設。住民や利用者に応える場を目指して、行政や運営者を含むチームを作り“モニターワーク”等で様々な声を集め機能や空間を構想。地域の川を想起させる高低差のあるテーブルで繋がりを表現 photo©Yosuke Ohtake

牛島隆敬建築設計事務所が設計した、滋賀の、デザインセンター「長浜カイコー」です。
公設民営の施設として計画されました。建築家は、住民や利用者に応える場を目指して、行政や運営者を含むチームを作り“モニターワーク”等で様々な声を集め機能や空間を構想しました。そして、地域の川を想起させる高低差のあるテーブルで繋がりを表現する事も意図しました。施設の公式サイトはこちら

長浜カイコーは正式名称「長浜デザインセンター」として2022年度より公設民営として開設を目指した施設である。
長浜市を拠点に活動する中山郁英氏と石井挙之氏の企画書を長浜市がバックアップする形でプロジェクトがスタートした。

建築家によるテキストより

施設自体は予算も曖昧で具体的な機能もない上、運営者も未定のまま設計を進めなくてはならなかった。
場所は長浜駅前の第三セクターが営む、元カフェであったテナントが長い間空いており、そこを改修して使用する。まずは行政とその場所を管理する第三セクターと上記の二者と我々でチームを作ることから始まった。建築家主導ではなく、五者が対等な関係を目指し、Co-design(協働)という形を心がけた。

建築家によるテキストより

機能だけではなくデザインについても意見を求め、最終的に「川」のようなテーブルのあるデザインとなった。もっとも「面白そう」や「長浜らしい」という意見が聞かれ、採用することにした。これは付近を流れる「米川」をイメージしたものである。米川は長浜の中心地を流れる川であり、今でも人々の生活が溢れだす場となっているが、そのことが意識されることも少ないと思われる。しかし米川の話をすると、みんなが好きな場所であるということも感じられた。また、川のように高低差のあるテーブルを設けることで、テーブルの高さやカウンターの高さなど自分の好みに合わせた高さで作業や少人数でのディスカッションをすることが出来る。別々の活動が川のようにつながっていることで、一つの繋がりとして表現される。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス [期間:2022/6/20-6/26]
最も注目を集めたトピックス [期間:2022/6/20-6/26]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2022/6/20-6/26)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 【特別寄稿】湯浅良介によるエッセイ「HOUSEPLAYING───これまでのオープンハウスと異なる、建築の複数の語り方とその可能性」
  2. 溝部礼士建築設計事務所による、東京・目黒区の住宅「Fの貸家」。施主宅の隣に計画。将来は自らが住むとの要望を意識する中で、“賃貸住宅”と“専用住宅”の両者の感覚を撞着した状態での建築化を志向。ひとつの状態に結実しない事から生まれる豊かさを求める
  3. 長谷川豪による、椅子「Seatless Chair」と照明「Lamp Cable Lamp」。ベルギーのMANIERAの為にデザイン。デザイナーズチェアの脚、照明のケーブルが、デザインの対象として軽視されている事への疑問から構想が始められたプロダクト。身の回りにある慣習的な要素に再考を促す
  4. ツバメアーキテクツによる、長野・塩尻市の宿泊施設「上原屋 BYAKU Narai」。古い街並みが残る“奈良井宿”の町屋改修。地域の建築保存のロールモデルを目指して、参照可能な施策を積み重ねる設計を志向。追加要素を空間の主題に昇華する“金継ぎ”の態度を実践
  5. 宇野享 / CAnによる、愛知・名古屋市の「HASE-BLDG.3」。市街地に建つテナントビル。店子の交流を生み良い雰囲気でお客を引き込む事を目指し、各階共用部に多目的な場を備えた立体的な路地空間を構築。内部はフロアの組合せで幅広い賃貸面積の選択肢を提供
  6. 太田雄太郎による、東京の住戸改修「C/Steel」。隅田川沿いの集合住宅にある設計者の自邸。川への想いと入浴への拘りの具現化を目指して、風呂から川を眺められる水廻りコアの配置を考案。風景を眺めるものでなく暮らしの一部として取り込む
  7. ザハ・ハディド事務所による、中国の「精河新城文化芸術センター」。科学技術ハブとして発展する都市に計画。地域の蛇行する渓谷を想起させる形態を考案。街を繕うように異なる用途の地区を結び付け人々を集める
  8. フォルム・木村浩一建築研究所による、滋賀・大津市の「丘の上の家」。丘上の眺望の良い敷地に計画。“日常を非日常に感じる”建築を目指して、内外の構成と光の操作で静寂と流動を併せ持つ空間を構築。山々に向かい中庭を開き環境も活かす
  9. 笠井太雅+鄭愛香 / KACHによる、群馬の住宅「House in Yanakacho」。新興住宅地の一角に計画。穏やかに賑わう周辺環境と家との関係を模索して、遮蔽と連続を両立し家の輪郭となる“宙に浮く囲い”を考案。混ざり合う境界によって生き生きとした建築をつくる
  10. 鹿内健+渡辺裕貴 / Sデザインファームによる、沖縄の週末住宅「Waterfall Villa」。海や空を一望できる傾斜地に計画。海側の建物を“目隠し”しつつ“眺望”を得たいとの要望に、テラスのプールと連続して水の演出も行う“斜壁”を考案。海との連続感を作りリアルだからこその体験を提供
  11. 元木大輔 / DDAAによる、東京・港区の、オフィス改修「KOMORI GINZA OFFICE」。老舗ブランドの家具使用の要望から計画。“高級”に留まらない多義的な状態を求めて、手に触れる部分を丁寧に作り触れない部分はラフに仕上げる方法を考案。名作に新しい視点や価値を見出す事も目指す
  12. 田中健一郎+山下優子 / 三省設計事務所による、長崎・対馬市の「神話の里トイレ」。近年観光客が増加する国定公園内に計画。敷地に“建築が溶け込む”事を目指して、山々の傾斜に沿う屋根と木々の色と調和する外壁を考案。外壁上部に抜けを作り自然換気や快適性と防犯性にも配慮
  13. 北村拓也 / CORRED DESIGN OFFICEによる、滋賀・栗東市の「畝の家」。昔からの農地と住宅が混在する地域に計画。風土を取り入れた建築を目指して、畑の“畝”に腰掛ける様子から着想した家具を空間に配置。家族の繋がりを育み街並みとの連続性も意図
  14. 香取慎吾と小嶋伸也・小嶋綾香 (kooo architects)のコラボレーションによるインスタレーション「庵柔 An ju」
  15. 神谷修平 / カミヤアーキテクツによる、愛知・名古屋市の店舗「ohagi3」。商業施設内の和菓子店の旗艦カフェ。食での持続可能性を追求するブランド姿勢に従い、徹底的なサステナブルを追求して厨房以外を解体移動可能なユニットで作る空間を考案。日本の高度な職人芸の表現も意図
  16. ピーター ・ズントーの家具コレクション展をフォトレポート。半世紀に渡り自らの建築の為にデザインした家具が製品化され公開。綿密なやり取りを行い、日本の素材と技術を取り入れTime & Styleが制作。実物に加えインタビューや製造工程の動画等も展示
  17. 桐山啓一 / Airhouseによる、岐阜の住宅「関ヶ原の家」。木々が生茂る自然豊かな環境に計画。恵まれた自然を取り入れる生活を求め、居住空間の周りに余白となるテラスを設けて全体を大屋根で覆う構成を考案。内部は掘り下げる事で周りの視線も制御
  18. 大嶋励+小阿瀬直+山田優 / SNARK Inc.による、大阪市の「天満橋の家」。都心の高層集合住宅での計画。開けた眺望と充分な採光が得られる環境に、手触りや光の質感を意識して天然素材を採用し設計。家具や小物の選定も担う事で細部まで意志が届いた空間をつくる
  19. スノヘッタによる、ノルウェーの水中レストラン「アンダー」の現在の写真。竣工3年で建築が自然に包まれた様子を撮影。海中の様子を眺望できる窓を備えた全長34mのコンクリートの建築物。時間と共に環境に溶け込むよう意図して設計
  20. 篠原一男による「から傘の家」が、ドイツ ヴァイル・アム・ラインの「ヴィトラ キャンパス」に移築完了。1961年に完成した日本の木造住宅を、スイスの家具メーカー“ヴィトラ”が継承。バックミンスター・フラーとジャン・プルーヴェの作品に続いて同敷地内に移設された歴史的建築物

国立西洋美術館の主催で行われたレクチャー「ル・コルビュジエと国立西洋美術館」の動画

国立西洋美術館の主催で行われたレクチャー「ル・コルビュジエと国立西洋美術館」の動画です。3部構成で、1、2部では国立文化財機構 東京文化財研究所文化遺産国際協力センターの西和彦のレクチャー、3部では西和彦と松隈洋が出演し「ル・コルビュジエと3人の日本人建築家」のテーマで対談が行われています。2025年1月31日までの期間限定公開。

乾・RING・フジワラボ・o+h・吉村設計共同体が手掛ける「京芸銅駝移転プロジェクト」について、設計や機運醸成に関わるメンバーが解説を行う動画

乾・RING・フジワラボ・o+h・吉村設計共同体が設計を手掛ける「京芸銅駝移転プロジェクト」について、設計や機運醸成に関わるメンバーが解説を行っている動画です。2020年に公開された実施設計概要はこちら(PDF)

2023年度に予定している京都芸大と銅駝美術工芸高校の京都駅東部エリアへの移転整備工事において,設計を担当している関係者からなる「京芸JV,リサーチ・機運醸成チーム」の皆さまによる講義です。設計等を担当したご本人達に,設計コンセプト等についてお話しいただきました。(2022年6月公開)

・テーマ:「メンバーが語る、京芸銅駝移転プロジェクト」
・講師:京芸JV,リサーチ・機運醸成チーム(移転整備工事設計者等)

大嶋励+小阿瀬直+山田優 / SNARK Inc.による、大阪市の「天満橋の家」。都心の高層集合住宅での計画。開けた眺望と充分な採光が得られる環境に、手触りや光の質感を意識して天然素材を採用し設計。家具や小物の選定も担う事で細部まで意志が届いた空間をつくる
大嶋励+小阿瀬直+山田優 / SNARK Inc.による、大阪市の「天満橋の家」。都心の高層集合住宅での計画。開けた眺望と充分な採光が得られる環境に、手触りや光の質感を意識して天然素材を採用し設計。家具や小物の選定も担う事で細部まで意志が届いた空間をつくる photo©志摩大輔
大嶋励+小阿瀬直+山田優 / SNARK Inc.による、大阪市の「天満橋の家」。都心の高層集合住宅での計画。開けた眺望と充分な採光が得られる環境に、手触りや光の質感を意識して天然素材を採用し設計。家具や小物の選定も担う事で細部まで意志が届いた空間をつくる photo©志摩大輔
大嶋励+小阿瀬直+山田優 / SNARK Inc.による、大阪市の「天満橋の家」。都心の高層集合住宅での計画。開けた眺望と充分な採光が得られる環境に、手触りや光の質感を意識して天然素材を採用し設計。家具や小物の選定も担う事で細部まで意志が届いた空間をつくる photo©志摩大輔

大嶋励+小阿瀬直+山田優 / SNARK Inc.が設計した、大阪市の住戸改修「天満橋の家」です。
都心の高層集合住宅での計画です。建築家は、開けた眺望と充分な採光が得られる環境に、手触りや光の質感を意識して天然素材を採用し設計しました。また、家具や小物の選定も担う事で細部まで意志が届いた空間をつくる事も意図しました。

大阪天満橋に建つ高層マンションのリノベーションプロジェクトである。

建築家によるテキストより

旧淀川沿いに開けた眺望と気持ちの良い光が入ることを確認し、天然素材を多く使いながら手の触れる部分や光の質感を丁寧にデザインした。サクラの木をベースに壁の左官、天板の石、床のウールとの相性や色の検討を重ね、グレートーンの落ち着いた雰囲気とした。

建築家によるテキストより

カーテンやソファ、椅子の張地選択からインテリア小物の選定まで行うことで、空間の細部までアイデアを落とし込むことが可能となった。

建築家によるテキストより
笠井太雅+鄭愛香 / KACHによる、群馬の住宅「House in Yanakacho」。新興住宅地の一角に計画。穏やかに賑わう周辺環境と家との関係を模索して、遮蔽と連続を両立し家の輪郭となる“宙に浮く囲い”を考案。混ざり合う境界によって生き生きとした建築をつくる
笠井太雅+鄭愛香 / KACHによる、群馬の住宅「House in Yanakacho」。新興住宅地の一角に計画。穏やかに賑わう周辺環境と家との関係を模索して、遮蔽と連続を両立し家の輪郭となる“宙に浮く囲い”を考案。混ざり合う境界によって生き生きとした建築をつくる photo©Atelier Vincent Hecht
笠井太雅+鄭愛香 / KACHによる、群馬の住宅「House in Yanakacho」。新興住宅地の一角に計画。穏やかに賑わう周辺環境と家との関係を模索して、遮蔽と連続を両立し家の輪郭となる“宙に浮く囲い”を考案。混ざり合う境界によって生き生きとした建築をつくる photo©Atelier Vincent Hecht
笠井太雅+鄭愛香 / KACHによる、群馬の住宅「House in Yanakacho」。新興住宅地の一角に計画。穏やかに賑わう周辺環境と家との関係を模索して、遮蔽と連続を両立し家の輪郭となる“宙に浮く囲い”を考案。混ざり合う境界によって生き生きとした建築をつくる photo©Atelier Vincent Hecht
笠井太雅+鄭愛香 / KACHによる、群馬の住宅「House in Yanakacho」。新興住宅地の一角に計画。穏やかに賑わう周辺環境と家との関係を模索して、遮蔽と連続を両立し家の輪郭となる“宙に浮く囲い”を考案。混ざり合う境界によって生き生きとした建築をつくる photo©Atelier Vincent Hecht

笠井太雅+鄭愛香 / KACHが設計した、群馬の住宅「House in Yanakacho」です。
新興住宅地の一角に計画されました。建築家は、穏やかに賑わう周辺環境と家との関係を模索して、遮蔽と連続を両立し家の輪郭となる“宙に浮く囲い”を考案しました。そして、混ざり合う境界によって生き生きとした建築をつくる事も意図しました。写真の撮影はビンセント・エシテです。

敷地は中心市街地から外れた平坦な新興住宅地で、車通りのある大通りから街区の内側に入った静かな一角にある。
隣接する2本の通りは近隣住民が利用するバイパスや学校の通学路になっていて、人の行き交いや子供たちの笑い声で穏やかな賑わいをつくっていた。限られた整形の四角い敷地にプライバシーを守りながら、そういった周辺環境に緩やかに広がっていくような家の境界を模索した。

建築家によるテキストより

敷地に沿って周辺と仕切る囲いを立てて、それを宙に浮かせることで大らかな家の輪郭をつくった。
宙に浮いた囲いは仕切られたプライベートな場所をつくるが、宙に浮くことで周辺環境とは地続きになる。囲いの内側では上に登れば外からは姿を隠し、下に降りれば外との連続の中に身を現す。

建築家によるテキストより

均質な敷地に場所の性質をつくり、内部と外部を連続的にとらえながらその輪郭の中に住宅としての機能を散りばめている。それぞれの機能がプライバシーに応じてレベル差をつけながら仕切りなく緩やかに繋がり、家のどこにいても住人の気配や外の空気を感じ取ることができるような構成を考えた。

建築家によるテキストより
北村拓也 / CORRED DESIGN OFFICEによる、滋賀・栗東市の「畝の家」。昔からの農地と住宅が混在する地域に計画。風土を取り入れた建築を目指して、畑の“畝”に腰掛ける様子から着想した家具を空間に配置。家族の繋がりを育み街並みとの連続性も意図
北村拓也 / CORRED DESIGN OFFICEによる、滋賀・栗東市の「畝の家」。昔からの農地と住宅が混在する地域に計画。風土を取り入れた建築を目指して、畑の“畝”に腰掛ける様子から着想した家具を空間に配置。家族の繋がりを育み街並みとの連続性も意図 photo©髙橋菜生
北村拓也 / CORRED DESIGN OFFICEによる、滋賀・栗東市の「畝の家」。昔からの農地と住宅が混在する地域に計画。風土を取り入れた建築を目指して、畑の“畝”に腰掛ける様子から着想した家具を空間に配置。家族の繋がりを育み街並みとの連続性も意図 photo©髙橋菜生
北村拓也 / CORRED DESIGN OFFICEによる、滋賀・栗東市の「畝の家」。昔からの農地と住宅が混在する地域に計画。風土を取り入れた建築を目指して、畑の“畝”に腰掛ける様子から着想した家具を空間に配置。家族の繋がりを育み街並みとの連続性も意図 photo©髙橋菜生

北村拓也 / CORRED DESIGN OFFICEが設計した、滋賀・栗東市の「畝の家」です。
昔からの農地と住宅が混在する地域に計画されました。建築家は、風土を取り入れた建築を目指して、畑の“畝”に腰掛ける様子から着想した家具を空間に配置しました。それにより、家族の繋がりを育み街並みとの連続性も意図しました。

滋賀県栗東市の住宅である。

栗東市は農耕を中心に発展した都市であり、計画地の周辺環境は昔からの田畑と住宅とが混在する地域であった。栗東の歴史をまとめた書籍『民誌・綣の歴史と文化』を読むと、栗東の原風景として人々が田畑の畝(うね)に腰掛け、横並びで会話する風景が残っている。このような土地の風土、畝の魅力を取り入れた住宅を設計しようと考えた。

建築家によるテキストより

敷地は歪んだ三角形をしており、道路に広く面する角地である。そっと正方形のボリュームを配置して、三角形敷地と建築の間にできる余白を庭や駐車場として有効活用しながら、田畑が残りゆとりが感じられる町並みと調和する計画とした。

建築家によるテキストより

内部空間は庭に面して大きな吹き抜け空間をつくり、畝のような伸びゆく家具を配置した。畝は畑の野菜を育てるちょっとした高低差であるが、自然と人々を定着させ、境界をつくり、一体感をつくる。そのような家具は家族のつながりを育て、守り、これからの可能性を拓いていくだろう。畝の家具は窓と絡めて都市に向けて伸びゆき、軸の先の地域の小川や山、町へのつながりも感じさせる。

建築家によるテキストより
神谷修平 / カミヤアーキテクツによる、愛知・名古屋市の店舗「ohagi3」。商業施設内の和菓子店の旗艦カフェ。食での持続可能性を追求するブランド姿勢に従い、徹底的なサステナブルを追求して厨房以外を解体移動可能なユニットで作る空間を考案。日本の高度な職人芸の表現も意図
神谷修平 / カミヤアーキテクツによる、愛知・名古屋市の店舗「ohagi3」。商業施設内の和菓子店の旗艦カフェ。食での持続可能性を追求するブランド姿勢に従い、徹底的なサステナブルを追求して厨房以外を解体移動可能なユニットで作る空間を考案。日本の高度な職人芸の表現も意図 photo©太田拓実
神谷修平 / カミヤアーキテクツによる、愛知・名古屋市の店舗「ohagi3」。商業施設内の和菓子店の旗艦カフェ。食での持続可能性を追求するブランド姿勢に従い、徹底的なサステナブルを追求して厨房以外を解体移動可能なユニットで作る空間を考案。日本の高度な職人芸の表現も意図 photo©太田拓実
神谷修平 / カミヤアーキテクツによる、愛知・名古屋市の店舗「ohagi3」。商業施設内の和菓子店の旗艦カフェ。食での持続可能性を追求するブランド姿勢に従い、徹底的なサステナブルを追求して厨房以外を解体移動可能なユニットで作る空間を考案。日本の高度な職人芸の表現も意図 photo©太田拓実

神谷修平 / カミヤアーキテクツが設計した、愛知・名古屋市の店舗「ohagi3」です。
商業施設内の和菓子店の旗艦カフェです。建築家は、食での持続可能性を追求するブランド姿勢に従い、徹底的なサステナブルを追求して厨房以外を解体移動可能なユニットで作る空間を考案しました。また、日本の高度な職人芸の表現も意図しました。店舗の公式サイトはこちら

新築の商業施設の1階島区画にあるおはぎ専門店ohagi3初の旗艦店カフェの計画です。
クライアントから求められたのは、「世界に和菓子を発信できる、アイコニックな和菓子店」。ロゴやパッケージのリブランディングにおけるクリエイティブディレクションを含めた空間設計を担当しました。

建築家によるテキストより

ohagi3の商品は無添加・有機食材活用など食での持続可能性を追求しています。
店舗デザインもこれに従い、機能性や意匠性を超えて「これからの食空間は徹底的にサステナブルであるべき」というテーマのもとデザインを検討しました。

建築家によるテキストより

そこで採用したのは、法的に壁が必要な厨房を除き、全て解体・移動可能なユニットにより空間をつくるというアイデアです。おはぎをモチーフとした円形の木製パネルを300枚程度用意し、壁(おはぎWALL)照明(おはぎLIGHT)ガラステーブルなど多用途に展開。

それぞれが接着剤や金物を使用していないため、いつでも再利用できます。環境的な意味だけではなく、島区画の商業施設内において、変わり続ける周辺店舗状況に対応して高さや開口率を変えられる「スキン」としてのパーティションの可変性・フレキシビリティは事業的にも重要です。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 建築系スタートアップ「VUILD」が、自社サービス“EMARF”の法人向け設計者(兼業も可)を募集中
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建築系スタートアップ「VUILD」の、自社サービス“EMARF”の法人向け設計者(兼業も可)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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VUILD株式会社は、デジタルテクノロジーによって建築産業の変革を目指す設計支援者集団です。
すべての人を「設計者にする」をミッションに、家具や小物など身近なプロダクトから住居まで自ら作りたい人をサポートする事業を展開しています。

新たにメンバー募集するEMARF事業部では、木製ものづくりのデザインからパーツ加工までをオンライン完結できるクラウドプレカットサービス「EMARF」と、デジタルテクノロジーを用いたデザイン思考・手法を学び、実践できるサブスクリプション型オンラインプラットフォームサービス「EMARF CONNECT」の2つのサービスを運営しています。

■仕事内容
法人企業向けの設計メンバーを募集します。
自社サービス「EMARF」は、デジタルデザインやデジタルファブリケーションを活用した空間デザインを展開したい設計事務所・建設会社等の法人企業へ、プロダクトの制作や施工に落とし込むための設計のサポートや技術研修を提供しております。
今回募集する職種は、社内外と密に連携を取りながら、プロダクトのデザインを考えるところから納品まで、製品づくりのすべての工程に一気通貫して携わっていただきます。その他、ものづくりを支援するための工房でのワークショップの企画運営、ノウハウや情報の発信なども行っていただきます。

ツバメアーキテクツによる、長野・塩尻市の宿泊施設「上原屋 BYAKU Narai」。古い街並みが残る“奈良井宿”の町屋改修。地域の建築保存のロールモデルを目指して、参照可能な施策を積み重ねる設計を志向。追加要素を空間の主題に昇華する“金継ぎ”の態度を実践
ツバメアーキテクツによる、長野・塩尻市の宿泊施設「上原屋 BYAKU Narai」。古い街並みが残る“奈良井宿”の町屋改修。地域の建築保存のロールモデルを目指して、参照可能な施策を積み重ねる設計を志向。追加要素を空間の主題に昇華する“金継ぎ”の態度を実践 photo©中村絵
ツバメアーキテクツによる、長野・塩尻市の宿泊施設「上原屋 BYAKU Narai」。古い街並みが残る“奈良井宿”の町屋改修。地域の建築保存のロールモデルを目指して、参照可能な施策を積み重ねる設計を志向。追加要素を空間の主題に昇華する“金継ぎ”の態度を実践 photo©中村絵
ツバメアーキテクツによる、長野・塩尻市の宿泊施設「上原屋 BYAKU Narai」。古い街並みが残る“奈良井宿”の町屋改修。地域の建築保存のロールモデルを目指して、参照可能な施策を積み重ねる設計を志向。追加要素を空間の主題に昇華する“金継ぎ”の態度を実践 photo©中村絵
ツバメアーキテクツによる、長野・塩尻市の宿泊施設「上原屋 BYAKU Narai」。古い街並みが残る“奈良井宿”の町屋改修。地域の建築保存のロールモデルを目指して、参照可能な施策を積み重ねる設計を志向。追加要素を空間の主題に昇華する“金継ぎ”の態度を実践 photo©中村絵

ツバメアーキテクツが設計した、長野・塩尻市の宿泊施設「上原屋 BYAKU Narai」です。
古い街並みが残る“奈良井宿”の町屋改修計画です。建築家は、地域の建築保存のロールモデルを目指して、参照可能な施策を積み重ねる設計を志向しました。それは、追加要素を空間の主題に昇華する“金継ぎ”の態度の実践を意図したものです。本作品は以前掲載した、竹中工務店による「歳吉屋 BYAKU Narai」の別館です。施設の公式サイトはこちら

奈良井宿は重要伝統的建造物群保存地区として圧倒的な成功を見せている。
しかし取り組みは主に街並み保存に対応するもので、個別の改修について構造・断熱補強の指針や用途変更・活用のtipsはない。街並み保存に軸足を置いた考え方が、あまりお金を落とさずに素通りする観光地の姿を定着させてしまったし、町全体で建物の性能の維持がどれほどなされているかには疑問を持たざるを得ない。

建築家によるテキストより

上原屋は、唯一無二の有名な寺社仏閣のようなサラブレッド古建築というよりは、200年の間、場当たり的に増築や改修がなされた構法や内装のスタイルが混在する民衆によるハイブリッド古建築であった。
民衆の町家を相手にするなら、観光地の目玉として成功すればいいのではなく、地域住民が改修時に参照できるようなロールモデルにするのが集落や町家のようなコモンズに関わる時の作法だと考えた。

建築家によるテキストより

既存架構を生かし、必要十分な追加要素が空間の主題に昇華する金継ぎとしての態度である。

トップライトから差し込む光が金色のパンチングメタル耐力壁を照らす、という関係はそれを分かりやすく伝えている。
振り返れば宿泊施設に特化した設計はしていないかもしれない。ただ、この集落における、ある種の未来の日常を予感・体験できるならば、町家を活用した宿泊施設として十分に機能するのではないだろうか。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 小堀哲夫建築設計事務所が、業務拡大のため設計スタッフ(新卒既卒・経験者)と秘書を募集中
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【ap job更新】 小堀哲夫建築設計事務所が、業務拡大のため設計スタッフ(新卒既卒・経験者)と秘書を募集中大和ハウスグループ みらい価値共創センター ©Shinkenchiku-sha

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私たちは、人と自然と建築が融合し、機能的でありながらも心から感動する建築を創り出してきました。

その土地の価値や歴史、人間の営みや感性を最大化することで、時代を超える建築を作りたいと考えています。教育施設、研究所、オフィス、住宅、都市デザインなど、日本のみならず、世界の建築プロジェクトで都市を訪れ、人々を見つめ研究し、学び続けています。

未知なる建築へ挑戦するために、新しい仲間を募集します。

■受賞暦
日本建築学会賞(ROGIC)、日本建築大賞(ROGIC、NIC)、BCS賞(ROGIC、NIC)、建築学会選奨(ROGIC、NIC)、Dedalo Minosse International Prize(Italia)、The Architecture Master Prize(USA) Leaf Award(ABB)

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