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藤森雅彦建築設計事務所による、広島市の住宅「House F」。平屋という要望と周辺との文脈づくりを両立する為、周辺と同等スケールのヴォリュームを設定し不要部を切取る手法で空間を設計、それにより大らかな気積と採光通風可能な空間が実現
藤森雅彦建築設計事務所による、広島市の住宅「House F」。平屋という要望と周辺との文脈づくりを両立する為、周辺と同等スケールのヴォリュームを設定し不要部を切取る手法で空間を設計、それにより大らかな気積と採光通風可能な空間が実現 photo©小川重雄
藤森雅彦建築設計事務所による、広島市の住宅「House F」。平屋という要望と周辺との文脈づくりを両立する為、周辺と同等スケールのヴォリュームを設定し不要部を切取る手法で空間を設計、それにより大らかな気積と採光通風可能な空間が実現 photo©小川重雄
藤森雅彦建築設計事務所による、広島市の住宅「House F」。平屋という要望と周辺との文脈づくりを両立する為、周辺と同等スケールのヴォリュームを設定し不要部を切取る手法で空間を設計、それにより大らかな気積と採光通風可能な空間が実現 photo©小川重雄

藤森雅彦建築設計事務所が設計した、広島市の住宅「House F」です。平屋という要望と周辺との文脈づくりを両立する為、周辺と同等スケールのヴォリュームを設定し不要部を切取る手法で空間を設計、それにより大らかな気積と採光通風可能な空間が実現されました。

この計画は、老後を過ごす夫婦2人の住まいであり、クライアントからの要望は、平屋建てであること、屋外に駐車場(3台分)と菜園スペースを設けたいということであった。

建築家によるテキストより

計画地は広島市の北部に位置し、敷地の周辺は2階建ての住宅が多く、時折中高層のマンションなども点在している。要望である“平屋”というボリュームは、周辺との関係性や文脈がつくりにくいのではないかと感じ、周囲のボリュームと同等スケールのボリュームを設定し、そこから不要な部分を切り取ることで、空間を生成していく手法を試みた。

建築家によるテキストより

気積を必要としない収納や廊下などのボリュームは切り取り、ボリュームに凹をつくりだしている。切り取った凹部は、光や風を取り込む環境装置、そして、大らかな気積を緩やかに区切る間仕切りとしても機能し、明るく風通しのよい空間を実現した。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 まちづくり事業を進めるために「9株式会社」が、建築設計スタッフを募集中
【ap job更新】 まちづくり事業を進めるために「9株式会社」が、建築設計スタッフを募集中
【ap job更新】 まちづくり事業を進めるために「9株式会社」が、建築設計スタッフを募集中大阪泉南 グランピング「アーバンキャンプホテル」/ トレーラーハウスによるグランピングはほぼ満室を続ける。淡路島西海岸、山形県蔵王にて新プロジェクトが進行中です。

まちづくり事業を進めるために「9株式会社」の、建築設計スタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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荒尾宗平 / SIDES COREによる、奈良・北葛城郡のヘアサロン「Laughter」。大開口と天井高に恵まれた状況を生かし、床レベルの差を起点に諸機能を配置しデザインすることで、道路からの視線を避け上部からの自然光を取り入れる
荒尾宗平 / SIDES COREによる、奈良・北葛城郡のヘアサロン「Laughter」。大開口と天井高に恵まれた状況を生かし、床レベルの差を起点に諸機能を配置しデザインすることで、道路からの視線を避け上部からの自然光を取り入れる photo©太田拓実
荒尾宗平 / SIDES COREによる、奈良・北葛城郡のヘアサロン「Laughter」。大開口と天井高に恵まれた状況を生かし、床レベルの差を起点に諸機能を配置しデザインすることで、道路からの視線を避け上部からの自然光を取り入れる photo©太田拓実
荒尾宗平 / SIDES COREによる、奈良・北葛城郡のヘアサロン「Laughter」。大開口と天井高に恵まれた状況を生かし、床レベルの差を起点に諸機能を配置しデザインすることで、道路からの視線を避け上部からの自然光を取り入れる photo©太田拓実

荒尾宗平 / SIDES COREが設計した、奈良・北葛城郡のヘアサロン「Laughter」です。大開口と天井高に恵まれた状況を生かし、床レベルの差を起点に諸機能を配置しデザインすることで、道路からの視線を避け上部からの自然光を取り入れる計画がなされました。店舗の公式サイトはこちら

幹線道路に面した北面エントランスは大きな開口と天井高に恵まれ、店内南側の+1580mmのスキップフロアの高窓からは切り取られた空が見える。南北へ抜けのある空間を生かしデザインした。

建築家によるテキストより

ファサードや店内には、スキップフロアと同じ高さ1580mmの壁がカッティングエリアを囲うようにあり、前面道路からの視線を避け、上部からは自然光を取り入れることができる。

建築家によるテキストより

フロア天井には長手方向にメッセンジャーワイヤーを張り、そこからミラーやパーティションを吊り下げる、変化に対応できる仕組みとした。東西の正対する壁面には補色のペールカラーを配色し、スタイリングミラーを覗くと色の変化からまるで水面を覗いているような印象的な体験を生み出す。

建築家によるテキストより
五十嵐敏恭 / STUDIO COCHI ARCHITECTSによる、沖縄・南城市の住宅兼工房「富里の家」。生活様式の変化への対応と開放的な住宅という要望に、増築計画を考慮し水廻り・広間・工房を配置、大屋根下のテラスが諸室を繋ぎ職住一体の暮らしの自由度も高める
五十嵐敏恭 / STUDIO COCHI ARCHITECTSによる、沖縄・南城市の住宅兼工房「富里の家」。生活様式の変化への対応と開放的な住宅という要望に、増築計画を考慮し水廻り・広間・工房を配置、大屋根下のテラスが諸室を繋ぎ職住一体の暮らしの自由度も高める photo©神宮巨樹
五十嵐敏恭 / STUDIO COCHI ARCHITECTSによる、沖縄・南城市の住宅兼工房「富里の家」。生活様式の変化への対応と開放的な住宅という要望に、増築計画を考慮し水廻り・広間・工房を配置、大屋根下のテラスが諸室を繋ぎ職住一体の暮らしの自由度も高める photo©神宮巨樹
五十嵐敏恭 / STUDIO COCHI ARCHITECTSによる、沖縄・南城市の住宅兼工房「富里の家」。生活様式の変化への対応と開放的な住宅という要望に、増築計画を考慮し水廻り・広間・工房を配置、大屋根下のテラスが諸室を繋ぎ職住一体の暮らしの自由度も高める photo©神宮巨樹
五十嵐敏恭 / STUDIO COCHI ARCHITECTSによる、沖縄・南城市の住宅兼工房「富里の家」。生活様式の変化への対応と開放的な住宅という要望に、増築計画を考慮し水廻り・広間・工房を配置、大屋根下のテラスが諸室を繋ぎ職住一体の暮らしの自由度も高める photo©神宮巨樹

五十嵐敏恭 / STUDIO COCHI ARCHITECTSが設計した、沖縄・南城市の住宅兼工房「富里の家」です。生活様式の変化への対応と開放的な住宅という要望に、増築計画を考慮し水廻り・広間・工房を配置、大屋根下のテラスが諸室を繋ぎ職住一体の暮らしの自由度も高める設計となっています。

夫婦と3人の子供のための住宅兼工房。

敷地は沖縄本島南部の南側に海を眺望する高台に位置している。

建主は将来、ライフスタイルの変化に合わせて、子供の遊び部屋や店舗、車庫などの増築を計画しており、今後の増築計画に柔軟に応答できるのびのびと開放的な住宅を望んでいた。また、一日の大半を工房で過ごすため、暮らしの一部に仕事があるような住まい方を希望されていた。

建築家によるテキストより

建物の配置と機能は今後増築予定の建物との動線や関係を基に計画し、住宅には水回りなどの必要最小限のスペースと生活の核となる開放的な広間、仕事場としての工房を設け、それらを繋ぐようにテラスを配置した。

建築家によるテキストより

住宅と仕事場を覆う大きな屋根は沖縄の強烈な陽射しから守られた深い影の空間を作り、適当な位置に設けられた可動する建具が、開放的な暮らしの実現と共に、創作と居住の場に可変性をもたらし職住一体の暮らしの自由度を高めている。

建築家によるテキストより
田中裕之建築設計事務所による、鹿児島・鹿屋市の飲食店「TAKE BAKERY AND CAFE」。コロナ禍による業態変更に伴う改修で、新たなファン獲得の為に施主の提案する“食のストーリー”を可視化すべく、吹抜の新設・動線計画の変更を中心とした設計を行う
田中裕之建築設計事務所による、鹿児島・鹿屋市の飲食店「TAKE BAKERY AND CAFE」。コロナ禍による業態変更に伴う改修で、新たなファン獲得の為に施主の提案する“食のストーリー”を可視化すべく、吹抜の新設・動線計画の変更を中心とした設計を行う photo©八代写真事務所
田中裕之建築設計事務所による、鹿児島・鹿屋市の飲食店「TAKE BAKERY AND CAFE」。コロナ禍による業態変更に伴う改修で、新たなファン獲得の為に施主の提案する“食のストーリー”を可視化すべく、吹抜の新設・動線計画の変更を中心とした設計を行う photo©八代写真事務所
田中裕之建築設計事務所による、鹿児島・鹿屋市の飲食店「TAKE BAKERY AND CAFE」。コロナ禍による業態変更に伴う改修で、新たなファン獲得の為に施主の提案する“食のストーリー”を可視化すべく、吹抜の新設・動線計画の変更を中心とした設計を行う photo©八代写真事務所

田中裕之建築設計事務所が設計した、鹿児島・鹿屋市の飲食店「TAKE BAKERY AND CAFE」です。コロナ禍による業態変更に伴う改修で、新たなファン獲得の為に施主の提案する“食のストーリー”を可視化すべく、吹抜の新設・動線計画の変更を中心とした設計が行われました。店舗の公式サイトはこちら

鹿児島県鹿屋市にある既存飲食店舗の改修プロジェクトである。
コロナ禍による業態変更に伴うリニューアルであり、クライアントの持つ飲食部門リソースを集約し、再構成した店舗である。

建築家によるテキストより

既存店からの地元ファンを引き継ぎ、リニューアル後は地元以外からも新たなファンを獲得すること。
ここでは「食のストーリー」を可視化するため、既存店よりオープンになった厨房内の生産、加工風景をライブ感も含めて楽しんでもらえるような大きな吹き抜けを作った。吹き抜けによって2階や螺旋階段からも厨房が見えるようになり、焼きたてパンの香りまで楽しめるようになった。

建築家によるテキストより

クライアントの保有するチーズファクトリーやホテルが隣接してあり、これまでバラバラな計画として建てられていたが、エントランス位置を変えることで人の流れが変わり、ひとまとまりのエリアとその動線計画が新たに生まれた。
また外部からの動線の延長で店内カウンターに並ぶパンやチーズ、デリ、ドリンクなど様々な商品に対し、決済や動線を捌きつつ、螺旋階段をぐるぐると登って2階の飲食スペースにスムーズに流れる動線とすることとした。動線を可視化するためのデザインとして大きな吹き抜けに挿入された曲線、曲面が全体を柔らかく包むような空間となった。

建築家によるテキストより
野中あつみ+三谷裕樹 / ナノメートルアーキテクチャーによる、愛知・名古屋市の、元スナックを改修した設計者自身の事務所。勤務中多くの時間を机の前で過ごす状況に、事務所に求められる様々な用途を叶える“何にでもなれる机”で応答、加えてエリアの歴史を引き継ぐため“何色にも変化する照明”も導入
野中あつみ+三谷裕樹 / ナノメートルアーキテクチャーによる、愛知・名古屋市の、元スナックを改修した設計者自身の事務所。勤務中多くの時間を机の前で過ごす状況に、事務所に求められる様々な用途を叶える“何にでもなれる机”で応答、加えてエリアの歴史を引き継ぐため“何色にも変化する照明”も導入 photo©ToLoLo studio
野中あつみ+三谷裕樹 / ナノメートルアーキテクチャーによる、愛知・名古屋市の、元スナックを改修した設計者自身の事務所。勤務中多くの時間を机の前で過ごす状況に、事務所に求められる様々な用途を叶える“何にでもなれる机”で応答、加えてエリアの歴史を引き継ぐため“何色にも変化する照明”も導入 photo©ToLoLo studio
野中あつみ+三谷裕樹 / ナノメートルアーキテクチャーによる、愛知・名古屋市の、元スナックを改修した設計者自身の事務所。勤務中多くの時間を机の前で過ごす状況に、事務所に求められる様々な用途を叶える“何にでもなれる机”で応答、加えてエリアの歴史を引き継ぐため“何色にも変化する照明”も導入 photo©ToLoLo studio

野中あつみ+三谷裕樹 / ナノメートルアーキテクチャーによる、愛知・名古屋市の、元スナックを改修した設計者自身の事務所「ナノメートルアーキテクチャーオフィス」です。勤務中多くの時間を机の前で過ごす状況に、事務所に求められる様々な用途を叶える“何にでもなれる机”で応答、加えてエリアの歴史を引き継ぐため“何色にも変化する照明”も導入されました。

名古屋の繁華街、栄の商業ビル内にある20数年空いていた元スナックを改修したオフィス。
長いカウンター、ミラーボール、ボックス席など当時の煌びやかな痕跡が残っていた。

建築家によるテキストより

私たちは事務所にいるとき、ほとんどの時間机の前に居る。図面を描いたり、打ち合わせ、食事、休憩など全てを行う。私たちにとって机は、個人で使用する「デスク」のようでもあり、大勢で使用する「テーブル」のようでもあり、それ自体が「室」のようなものでもある。そんな何にでもなれる机のあるオフィスをつくった。

建築家によるテキストより

オフィスのあるエリアは夜の街が色濃い場所だったが、徐々にビルの建て替えやテナントの入れ替えが進み、高層マンションも多くでき始めている。当時の独特な色使い、華やかさの痕跡を残し、この地の繁栄の歴史を刻みたいと思い、この机は何色にも変化する照明の仕掛けを用意した。作業机でもあり、長テーブルでもあり、ギャラリーやショップのようでもある、程よく何にでもなれそうな加減を有している。

建築家によるテキストより
デジタルデザインの文脈で近年再評価が進む建築家 葉祥栄の、シドニーでの建築展「Revisiting Shoei Yoh」の会場写真など。同時開催のVR展覧会では、葉作品“内住コミュニティセンター”のデジタルツインがつくられ、資料や模型が展示される
デジタルデザインの文脈で近年再評価が進む建築家 葉祥栄の、シドニーでの建築展「Revisiting Shoei Yoh」の会場写真など。同時開催のVR展覧会では、葉作品“内住コミュニティセンター”のデジタルツインがつくられ、資料や模型が展示される展覧会の様子。 photo©Reece McMillan
デジタルデザインの文脈で近年再評価が進む建築家 葉祥栄の、シドニーでの建築展「Revisiting Shoei Yoh」の会場写真など。同時開催のVR展覧会では、葉作品“内住コミュニティセンター”のデジタルツインがつくられ、資料や模型が展示される今回の展覧会のために新たに作成した建築模型。アーカイブ資料に基づき3Dデータを作成し、高性能3Dプリンターで出力している。 photo©Reece McMillan
デジタルデザインの文脈で近年再評価が進む建築家 葉祥栄の、シドニーでの建築展「Revisiting Shoei Yoh」の会場写真など。同時開催のVR展覧会では、葉作品“内住コミュニティセンター”のデジタルツインがつくられ、資料や模型が展示されるデジタルツインとして制作された「内住コミュニティセンター」の外観。実際の建築は1994年竣工。 許可を得てスクリーンショットを掲載
デジタルデザインの文脈で近年再評価が進む建築家 葉祥栄の、シドニーでの建築展「Revisiting Shoei Yoh」の会場写真など。同時開催のVR展覧会では、葉作品“内住コミュニティセンター”のデジタルツインがつくられ、資料や模型が展示されるVR展覧会の会場全体を見返す。 許可を得てスクリーンショットを掲載

デジタルデザインの文脈で近年再評価が進む建築家 葉祥栄の、シドニーでの建築展「Revisiting Shoei Yoh」の会場写真と、同時に立ち上げられたVR展覧会の様子を紹介します。展覧会は2022年1月25日までオーストラリアン・デザイン・センターで開催されます。
展覧会の開催と同時に、「SHOEI YOH ARCHIVE 葉祥栄再訪」というウェブサイトが開設されており、こちらでは葉の代表作品「内住コミュニティセンター」(1994年竣工)のデジタルツインを作成し、その中でVR展覧会が開催されています。その他にも、図面・CG・写真がまとめられているデジタルアーカイブ、作品の3Dスキャンによる点群データなども公開されています。
また、オンラインで読める記事としては、日本建築学会の建築討論が2019年8月の特集で「葉祥栄《小国ドーム》── 現代木造とコンピュテーショナル・デザインの源流を探る」が公開されています。

葉祥栄 略歴

1940年、熊本県に生まれる。1962年、慶應義塾大学経済学部卒業後、渡米し、ウィッテンバーグ大学(オハイオ州)で美術と応用美術を学ぶ。1964年に日本帰国し、インターナショナル・デザイン・アソシエイツ(東京)、NIC(福岡)のデザイナーを経て、1970年、葉デザイン事務所を福岡に設立。以来、福岡を拠点として、建築・インテリア・プロダクトと多岐にわたるデザイン活動に取り組む。

日本初のガラス4辺構造シール接合を採用した「インゴット」(1977年)や日本で初めてFRP成形パネルを外壁に用いた「木下クリニック」(1979年)など、新しい技術と詩的な空間が融合した作品群を発表。また、「光格子の家」(1981年)などの光をテーマとした一連の作品によって国内外で高い評価を得る。
1984年、松井源吾らと協働して木造立体トラス構造の設計に着手。南阿蘇の「ミュージックアトリエ」(1986年)にはじまり、小国町の「小国町交通センター」(1986年)や日本初の3千m2を超える木造建築「小国町民体育館(小国ドーム)」(1988年)を完成させる。地場の杉材を用いて建設された一連の木造立体トラス建築は、現代日本における木造復興の先駆けとなる。

1990年代に入ると、葉祥栄は「自然現象としての建築」を追求し、「ギャラクシー富山」(1992年)、「内住コミュニティセンター」(1994年)などの作品を発表。コンピュータによる構造解析を積極的に設計に取り入れたこれらの作品はデジタルデザインの先駆的な作品と目されており、カナダ建築センターにおける展覧会「Archaeology of the Digital」(グレッグ・リン, 2013)で展示されるなど、 海外で高く評価されている。

日本インテリアデザイナー協会賞(1979年)、日本建築協会賞(「光格子の家」1980年)、毎日デザイン賞(1983年)、日本建築学会賞(「小国町における一連の木造建築」1989年)、IAKS賞ゴールドメダル(1993年)など、受賞多数。2007年、ウィッテンバーグ大学より名誉芸術博士号を授与される。

1992年に、コロンビア大学大学院客員教授。1996年~2005年、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授。


現在、葉祥栄および葉デザイン事務所が制作した図面、模型、プロダクト、資料などの大規模なコレクションは、九州大学芸術工学研究院環境設計グローバル・ハブ内の葉祥栄アーカイブに保管されている。また、FRACセンター(フランス・オルレアン)、カナダ建築センター(カナダ・モントリオール)、国立国際美術館(日本・大阪)にも、小規模ながら一部の資料が所蔵されている。

(岩元真明)

最も注目を集めたトピックス [期間:2021/11/29-12/5]
最も注目を集めたトピックス [期間:2021/11/29-12/5]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2021/11/29-12/5)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 【シリーズ・建築思索360°】第4回 長坂常が語る“武蔵野美術大学16号館”と“建築思索”
  2. キノシタヒロシ建築設計事務所による、鳥取の「小さな図書館のある家」。蔵書を多く持つ施主からの依頼に、私設図書館として街に開くこともできる住空間を提案、防火建築帯特有のスケール感を生かし“施主の描く新しい共同体の形成の器”となることも意図
  3. ムトカ建築事務所が完成させた、東京・馬喰町の、スタジオ・ラボラトリー“WOTA bldg.”のレビュー「リノベーション建築の作法がスケールの壁を越えた時に生まれるもの」
  4. GROUPによる、神奈川の「海老名のアトリエ付きシェアハウス」。メーカーが建設した集合住宅の改修の依頼に、設計者が実際にそこに住み“生活の痕跡”を見つけ“形”に再構築することで、その新しい関係性により建築が更に変化する発端となることを構想
  5. 照内創+SO&CO.による、東京・葛飾区の住宅「金町の増築」。既存建物の輪郭を手がかりに外壁等を残しつつ増築、新設部に外的な性質を持たせ“内外の存在と物質としての新旧が混ざり合う建築”を目指し、増築を契機に検査済証も取得
  6. 吉岡徳仁がユニクロの為にデザインした「エアリズム 3D マスク」。製造工程からデザインされ、インナーウェアの製造技術から着想を得た縫い目のないマスクで、約1年の時間をかけ100パターン以上の試作検証を行い完成
  7. SN Design Architects / 佐野剛史による、静岡・藤枝市の住宅「瀬戸新屋の家」。緑豊かな庭と繋がる開放的な住まいという要望を、アプローチや駐車スペースを全て庭の一部として扱い、前後二つの庭をつなぐ“通り土間”を建物内に設けることで実現
  8. 五十嵐敏恭 / STUDIO COCHI ARCHITECTSによる、沖縄・南城市の住宅「玉城の家」。沖縄の住宅の均質化を実感する設計者は、内外が連続し開放的で風の抜ける影の空間をつくることで、地域の伝統と精神性を現代的に解釈し再構築した“沖縄の現代建築”を目指す
  9. 胡実建築設計事務所による、東京・町田市の住宅「丹沢山を眺める家」。木の塊から作品を作り出す施主への敬意を込め、外装に節材を使い様々なスケールで豊かな素材感を与える、木から削り出したようなヴォリュームの建築
  10. ヴァージル・アブロー氏が亡くなりました
  11. 近森穣 / 07BEACHによる、京都市の、呉服店のショールーム兼写真スタジオ「京都の町家リノベーション」。伝統を守り集客にも繋がるという要望に、既存外壁を取り除きガラスの多面体への置き換えにより、町家が魅力的に見えると共に“ユーモアや工夫のある美しさ”が加わることを目指す
  12. 宮川清志 / SESNによる、東京・中央区の「MOONRAKERS 東京日本橋ショールーム」。ショールーム特有の商品数を大量確保する要件を、“可動ラック兼ストック”の考案によって解決、更に空の状態でもブランドコンセプトを体現すべく素材の組み合わせも考慮
  13. 森恵吾+ジャン・ジエ / ATELIER MOZHによる、中国・西安市の、ギャラリーと絵画教室「Liu painting studio」。設計検討の中で“森の礼拝堂での体験”を回顧した設計者は、天井に完璧な正円を描くことで、集まる生徒と先生の行為を支える背景としての空間を構想
  14. MVRDVによる、中国・深センの、既存工場ビルを改修したオフィス「アイデア・ファクトリー」。建物の歴史的痕跡を示すコンクリートフレームの外観を特徴とし、地上階から屋上に繋がる公共階段を設置することで、屋上を活動空間として地域にも開放
  15. 馬場正尊+加藤優一 / OpenAとOSTRによる、佐賀市の、旧校舎を改修した宿泊等の複合施設「SAGA FURUYU CAMP」。設計と運営をセットにしたプロポで選定され、既存詳細を生かし面影を残しつつ地域産木材の積極的活用により、建物自体でエリア価値も表現する
  16. 森下修 / 森下建築総研による、大阪・東大阪市の店舗兼住宅「藤田珈琲 / naked Spiral around Functions」。珈琲焙煎等の生産空間をコアに据え、そこに客席にもなるスロープが螺旋状にまとわりつき上昇する構成により、渦巻き飛翔する“フローの建築”を構想
  17. 青木淳研究室による展覧会「鳥は泳ぎつづける」のレビュー。展覧会の制作プロセスを見せるという“在り方”から考えられた展示は、訪問者に関係性の視点を意識させると共に、建築の伝え方の未来までも想起させる
  18. 川嶋洋平建築設計事務所による、東京の、集合住宅の一住戸の改修「渋谷のリノベーション」。東西に開口を持ち明暗が時間で反転する空間を、強い光沢のある素材群を選定することにより、床天井が光の変化を反映し部屋全体の空気感を変化させる
  19. ムトカ建築事務所による、神奈川・鎌倉市の、住宅リノベーション「家と庭と代」。再建築不可という条件に、10㎡以下の“代”を増築することで、すべての風景を肯定できる環境に変える / 山本瑠以による論考「代わるための代」
  20. ザハ・ハディドの展覧会「ZAHA HADID DESIGN 展」が、東京・港区のKarimoku Commons Tokyoで開催。ザハのデザイン作品に注目し過去のアーカイブから紹介すると共に、建築モデルも紹介される

乾久美子が、自身が手掛けた「延岡駅周辺整備プロジェクト」について語っている動画。カナダ建築センターが制作したもので、検討模型や建築の様子も紹介

乾久美子が、自身が手掛けた「延岡駅周辺整備プロジェクト」について語っている動画です。カナダ建築センターが制作したもので、検討模型や建築の様子も紹介されている約10分の動画です。

宮川清志 / SESNによる、東京・中央区の「MOONRAKERS 東京日本橋ショールーム」。ショールーム特有の商品数を大量確保する要件を、“可動ラック兼ストック”の考案によって解決、更に空の状態でもブランドコンセプトを体現すべく素材の組み合わせも考慮
宮川清志 / SESNによる、東京・中央区の「MOONRAKERS 東京日本橋ショールーム」。ショールーム特有の商品数を大量確保する要件を、“可動ラック兼ストック”の考案によって解決、更に空の状態でもブランドコンセプトを体現すべく素材の組み合わせも考慮 photo©長谷川健太
宮川清志 / SESNによる、東京・中央区の「MOONRAKERS 東京日本橋ショールーム」。ショールーム特有の商品数を大量確保する要件を、“可動ラック兼ストック”の考案によって解決、更に空の状態でもブランドコンセプトを体現すべく素材の組み合わせも考慮 photo©長谷川健太
宮川清志 / SESNによる、東京・中央区の「MOONRAKERS 東京日本橋ショールーム」。ショールーム特有の商品数を大量確保する要件を、“可動ラック兼ストック”の考案によって解決、更に空の状態でもブランドコンセプトを体現すべく素材の組み合わせも考慮 photo©長谷川健太

宮川清志 / SESNが設計した、東京・中央区の「MOONRAKERS 東京日本橋ショールーム」です。ショールーム特有の商品数を大量確保する要件を、“可動ラック兼ストック”の考案によって解決、更に空の状態でもブランドコンセプトを体現すべく素材の組み合わせも考慮されました。施設の公式サイトはこちら

中央区日本橋にあるアパレルブランド、MOONRAKERSのショールームデザイン。

ショールーム特有のサイズやカラーバリエーションなど在庫を含めた商品数を大量に確保するという、通常の商品陳列とストックで分けるアパレルショップとは異なる要件からスタートした。

建築家によるテキストより

大量の商品数を確保するために旗竿の敷地を左右に分け、半分を可動ラック兼ストックとし、半分を商品陳列と動線空間とすることで奥行きを生かした計画とした。可動ラックをストック兼用とすることで大量の商品数を確保することが可能になり、ラックを引き出せば商品のサイズやカラーバリエーションが確認できるように収納とショールームに求められる必要な機能を実現した。


建築家によるテキストより

ショールームがクローズしているときは可動ラックを引き出しておくことでラック自体がショップのウィンドウディスプレイの役割を果たすように計画。同時にエンプティな状態でもブランドコンセプトである「Technology & Craftmanship」を体現できるように素材には既製のスチールラックと籐、側溝蓋と真鍮、左官と無機質な照明など、質感も背景も異なるものを組み合わせ、単なる対比ではない、調和をもたせることでこれまでにない使い方や、発見と気付きをもたせている。

建築家によるテキストより
SN Design Architects / 佐野剛史による、静岡・藤枝市の住宅「瀬戸新屋の家」。緑豊かな庭と繋がる開放的な住まいという要望を、アプローチや駐車スペースを全て庭の一部として扱い、前後二つの庭をつなぐ“通り土間”を建物内に設けることで実現
SN Design Architects / 佐野剛史による、静岡・藤枝市の住宅「瀬戸新屋の家」。緑豊かな庭と繋がる開放的な住まいという要望を、アプローチや駐車スペースを全て庭の一部として扱い、前後二つの庭をつなぐ“通り土間”を建物内に設けることで実現 photo©中川敦玲
SN Design Architects / 佐野剛史による、静岡・藤枝市の住宅「瀬戸新屋の家」。緑豊かな庭と繋がる開放的な住まいという要望を、アプローチや駐車スペースを全て庭の一部として扱い、前後二つの庭をつなぐ“通り土間”を建物内に設けることで実現 photo©中川敦玲
SN Design Architects / 佐野剛史による、静岡・藤枝市の住宅「瀬戸新屋の家」。緑豊かな庭と繋がる開放的な住まいという要望を、アプローチや駐車スペースを全て庭の一部として扱い、前後二つの庭をつなぐ“通り土間”を建物内に設けることで実現 photo©中川敦玲

SN Design Architects / 佐野剛史が設計した、静岡・藤枝市の住宅「瀬戸新屋の家」です。緑豊かな庭と繋がる開放的な住まいという要望を、アプローチや駐車スペースを全て庭の一部として扱い、前後二つの庭をつなぐ“通り土間”を建物内に設けることで実現しています。

本計画は、静岡県藤枝市内の閑静な住宅地に計画した夫婦二人の住まいである。

建築主の希望は、緑豊かな庭と開放的な繋がりを持つ住宅であった。

建築家によるテキストより

敷地は、南側道路面よりも約1.3m程度小高い地盤面となっており横並びの隣接地も同様の状況となっていた。近隣住宅は、土留め壁を設け道路レベルへ駐車スペースを確保し、一段上がった地盤面へ住居を建てて幾分の庭を設けるという形になっており、基壇の性質上街とは切り離されていてある意味閉鎖的な印象を受けた。

建築家によるテキストより

近隣と同様に駐車スペースと基壇擁壁、アプローチ及び建物をそれぞれ単体としてレイアウトしてしまうと、建築主の希望を意味する開放的な繋がりを確保することが難しいと感じた。そこで、アプローチや駐車スペースは全て庭の一部と捉え、土留め壁の様な基壇構造はあえて設けず地盤を開放したかのような緩やかな傾斜とすることで、街との接続を試みた。

建築家によるテキストより
【シリーズ・建築思索360°】第4回 長坂常が語る“武蔵野美術大学16号館”と“建築思索”
【シリーズ・建築思索360°】第4回 長坂常が語る“武蔵野美術大学16号館”と“建築思索”

「建築思索360°」は「360度カメラ RICOH THETA(リコーシータ)」と建築ウェブメディア「architecturephoto®」のコラボレーションによる特別連載企画です。現代社会のなかで、建築家として様々な試行錯誤を行い印象的な作品をつくる4組の建築家に、その作品と背景にある思索についてインタビューを行い、同時に建築・建設業界で新しいツールとして注目されているRICOH THETA活用の可能性についてもお聞きしました。さらに建築作品をRICOH THETA を用いた360度空間のバーチャルツアー「RICOH360 Tours」でもご紹介します。


建築家・デザイナーの長坂常率いるスキーマ建築計画が内装設計を担当した「武蔵野美術大学16号館」は、利用者である学生自身が作業スペースをつくり出す、長坂曰く「自走する建築」。その空間は、プラスターボードや足場用単管など剥き出しの素材が特徴的であり、学生たちが自然とものをつくりたくなる創作意欲を引き出す空間だ。この作品と、出世作ともいえる「Sayama Flat」を中心に紹介しつつ、長坂が考えるデザインと言葉の重要な関係についても語ってもらった。

※このインタビューは感染症予防の対策に配慮しながら実施・収録されました。


「自走する建築」=「武蔵野美術大学16号館」

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【シリーズ・建築思索360°】第4回 長坂常が語る“武蔵野美術大学16号館”と“建築思索”「武蔵野美術大学16号館」(設計:長坂常/スキーマ建築計画、2020年)外観。素地のサイディングにクリア塗装している。 photo©長谷川健太


360度カメラRICOH THETA Z1で撮影・現像した画像データを埋め込み表示した、RICOH360 Toursの「武蔵野美術大学16号館」バーチャルツアー。画像内の矢印をタップすることで、空間を移動することができます。

──2021年3月に竣工した「武蔵野美術大学16号館」(以下「ムサビ16号館」)のコンセプトイメージについて長坂さんは「半建築」、「自走する建築」と説明されています。改めてこの建築について紹介していただけますでしょうか。

長坂:「ムサビ16号館」は、武蔵野美術大学の工芸工業デザイン学科と大学院造形構想研究科の学生の一部が、木材や金属を加工する作業場やデジタル作業を行う工房としてつくられた校舎です。

そもそもは将来のキャンパス計画までのつなぎとして使われる、言うなれば仮校舎の計画です。ただこれまでも仮校舎が20年ぐらい使われることがよくあったらしく、ならばローコストながらきちんとつくろうということで、プレハブメーカーの大和リースが建築本体を設計施工し、我われは内装設計とサインなどのデザイン監修を担当しました。

【シリーズ・建築思索360°】第4回 長坂常が語る“武蔵野美術大学16号館”と“建築思索”建築家の長坂常。 photo©大原宗

長坂:設計にあたって、まず既存の校舎を訪れ、雑然とした中で自分のアジトをつくっている様子が面白く印象に残りました。そこから自分の学生時代を思い出しました。当時うわべのデザインはいいから自分のつくったものが一番かっこよく見える、そしてつくりやすい場所を欲していたんです。そこで、学生たちが自分でつくる校舎という意味で「半建築」、「自走する建築」というイメージに辿り着きました。

具体的には、平面に設定したグリッド上に天井から穴のあいたレースウェイを吊り、その穴に先端を差し込んで立てる、足場用単管を転用したポールを用意しました。ポール同士の間にDIYで合板のパネルをはめれば壁になります。

レースウェイには配線ダクトを併走させ、個別にオンオフ可能なスマートライトや移動可能なリールコンセントを取り付けることによって、目的にあった空間の増減が簡単にできます。

他にもハンドリフターで移動できる棚やロッカー、つくり替えと積み重ねが可能な作業台など、学生たちが主体的に作業スペースをつくれる仕組みを用意しました。

これらのアイデアは、よく行っていたパリで見た光景がもとになっています。
というのも、パリが歴史的な建物に一切触れずに都市に豊かなアクティビティを生んでいるのが不思議で、観察したことがあるんです。すると、ベンチをハンドリフターで自由に動かしたり、マルシェのテント用ポールを立てる穴をあらかじめ地面に開けたりしていることに気付きました。

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中村拓志による、住宅作品を中心とした講演「祈りの庭と建築」の動画。JIAの主催で2021年11年に開催されたもの

中村拓志による、住宅作品を中心とした講演「祈りの庭と建築」の動画です。JIAの主催で2021年11年に開催されたもの。

講師:中村拓志(なかむらひろし)/建築家・NAP 建築設計事務所代表

プロフィール:
1974 年東京生まれ。鎌倉と金沢で少年時代を過ごす。1999 年明治大学大学院建築学修士を修めた後、隈研吾建築都市設計事務所を経て 2002 年 NAP 建築設計事務所設立。自然現象や人々のふるまい、心の動きに寄りそう「微視的設計」による、「建築・自然・身体」の有機的関係の構築を信条としている。そしてそれらが地域の歴史や文化、産業、素材等に基づいた「そこにしかない建築」と協奏することを目指している。

五十嵐敏恭 / STUDIO COCHI ARCHITECTSによる、沖縄・南城市の住宅「玉城の家」。沖縄の住宅の均質化を実感する設計者は、内外が連続し開放的で風の抜ける影の空間をつくることで、地域の伝統と精神性を現代的に解釈し再構築した“沖縄の現代建築”を目指す
五十嵐敏恭 / STUDIO COCHI ARCHITECTSによる、沖縄・南城市の住宅「玉城の家」。沖縄の住宅の均質化を実感する設計者は、内外が連続し開放的で風の抜ける影の空間をつくることで、地域の伝統と精神性を現代的に解釈し再構築した“沖縄の現代建築”を目指す photo©神宮巨樹
五十嵐敏恭 / STUDIO COCHI ARCHITECTSによる、沖縄・南城市の住宅「玉城の家」。沖縄の住宅の均質化を実感する設計者は、内外が連続し開放的で風の抜ける影の空間をつくることで、地域の伝統と精神性を現代的に解釈し再構築した“沖縄の現代建築”を目指す photo©神宮巨樹
五十嵐敏恭 / STUDIO COCHI ARCHITECTSによる、沖縄・南城市の住宅「玉城の家」。沖縄の住宅の均質化を実感する設計者は、内外が連続し開放的で風の抜ける影の空間をつくることで、地域の伝統と精神性を現代的に解釈し再構築した“沖縄の現代建築”を目指す photo©神宮巨樹
五十嵐敏恭 / STUDIO COCHI ARCHITECTSによる、沖縄・南城市の住宅「玉城の家」。沖縄の住宅の均質化を実感する設計者は、内外が連続し開放的で風の抜ける影の空間をつくることで、地域の伝統と精神性を現代的に解釈し再構築した“沖縄の現代建築”を目指す photo©神宮巨樹

五十嵐敏恭 / STUDIO COCHI ARCHITECTSが設計した、沖縄・南城市の住宅「玉城の家」です。沖縄の住宅の均質化を実感する設計者は、内外が連続し開放的で風の抜ける影の空間をつくることで、地域の伝統と精神性を現代的に解釈し再構築した“沖縄の現代建築”を目指しました。本記事では竣工写真に加え2021年夏の生活の様子が分かる写真も掲載します。

近年、沖縄も住宅の均質化が進み、何処の地方都市とも変わらない街並みが増え、辛うじて地域性を残しているのは植物と空、海くらいのように感じられる。住宅は、内地仕様の省エネ、高気密高断熱の価値観に流され、深い影と、風の通る開放的な空間は無くなり、住宅の周りをコンクリートで固め、小さい窓を閉じ、空調の効いた快適な室内空間の住宅に変わってきている。

建築家によるテキストより

省エネ、高気密高断熱も良いが、夏の盛り、外にいても風の抜ける庭の木陰は心地よく、この住宅でもそんな人間的な快適さを感じる空間を作りたいと考えた。

建築家によるテキストより

敷地は沖縄県本島南部の集落の外れにあり、山から続く傾斜地で、南側に海を一望できる周辺を緑に囲まれた場所にある。北側に山を削り造られた道路が通り、山から続く敷地は、道路より少し高くなっておりプライバシーの確保と山の記憶を残すため、土地の形状にはなるべく手を加えないよう配置計画を行なった。

建築家によるテキストより
ムトカ建築事務所が完成させた、東京・馬喰町の、スタジオ・ラボラトリー“WOTA office project”のレビュー「リノベーション建築の作法がスケールの壁を越えた時に生まれるもの」
ムトカ建築事務所が完成させた、東京・馬喰町の、スタジオ・ラボラトリー“WOTA office project”のレビュー「リノベーション建築の作法がスケールの壁を越えた時に生まれるもの」1950年頃に銀行として使われていた面影を残すファサード。 photo©architecturephoto
ムトカ建築事務所が完成させた、東京・馬喰町の、スタジオ・ラボラトリー“WOTA office project”のレビュー「リノベーション建築の作法がスケールの壁を越えた時に生まれるもの」1階フロアの様子。中央の階段は既存に手を加えたもの。 photo©architecturephoto
ムトカ建築事務所が完成させた、東京・馬喰町の、スタジオ・ラボラトリー“WOTA office project”のレビュー「リノベーション建築の作法がスケールの壁を越えた時に生まれるもの」2階フロアの様子。上部の銀色の素材は断熱材。外気に面する部分を覆うと共に意匠性も兼ねる。 photo©architecturephoto
ムトカ建築事務所が完成させた、東京・馬喰町の、スタジオ・ラボラトリー“WOTA office project”のレビュー「リノベーション建築の作法がスケールの壁を越えた時に生まれるもの」3階フロアのカフェの様子。 photo©architecturephoto

村山徹+加藤亜矢子 / ムトカ建築事務所が設計した、東京・馬喰町の、スタジオ・ラボラトリー「WOTA office project」をレビューします。本作品は、リノベーション建築の作法がスケールの壁を越えた時に生まれるものを意識させる建築となっています。2010年代のリノベーションが建築作品となった時代を振り返りつつ本建築の意味を考え執筆しました。

以下、実際に訪問したアーキテクチャーフォトによるレビューです

ムトカ建築事務所が設計した、東京・馬喰町のスタジオ・ラボラトリー「WOTA office project」を訪れた。
小規模分散型水循環システムの研究開発・事業展開を行うWOTA株式会社の施設であり、旧銀行であった建物の一棟全てを改修した建築である。改修と書いたが本施設の延床面積は約1600㎡であり、フロアも3つある。つまり、改修として規模がかなり大きいのも特徴のひとつだ。

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ムトカ建築事務所が完成させた、東京・馬喰町の、スタジオ・ラボラトリー“WOTA office project”のレビュー「リノベーション建築の作法がスケールの壁を越えた時に生まれるもの」1950年頃に銀行として使われていた面影を残すファサード。 photo©architecturephoto
ムトカ建築事務所が完成させた、東京・馬喰町の、スタジオ・ラボラトリー“WOTA office project”のレビュー「リノベーション建築の作法がスケールの壁を越えた時に生まれるもの」ファサードを見上げる。 photo©architecturephoto
ムトカ建築事務所が完成させた、東京・馬喰町の、スタジオ・ラボラトリー“WOTA office project”のレビュー「リノベーション建築の作法がスケールの壁を越えた時に生まれるもの」エントランスを見る。 photo©architecturephoto

建物外観は、旧銀行の面影の多くを残しているのが印象に残った(開口部の新しいサッシはA工事で設置されたもので、ここはC工事を手掛けたムトカの設計によるものではないとの事だった)。内部に足を踏み入れると、広くガランとした空間であることが分かる。これはもちろん家具類が搬入される前の状態で見学したことによるところもあるのだが、その床面積の広さと天井高の高さによるところも大きいだろう。かなりの気積の空間なのだ。

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