


元木大輔 / DDAAが設計した、東京・千代田区の、期間限定ショールーム「WABARA LABORATORY TOKYO」です。
滋賀が拠点のバラ園の為に計画されました。建築家は、バラの存在の“ドレスダウン”と新たな面の提示を目指して、工業製品を極力“無加工”で組み合わせた什器による空間を考案しました。また、コスト面や会期後の移動や再利用も考慮されました。※既に会期は終了しています
滋賀は琵琶湖畔のばら園「WABARA」のためのショールームを設計した。
解体直前の古いビルの一室が店舗兼展示スペースとなっている。当初の依頼は、このスペースに設置する什器を購入したいというものだった。
しかし、WABARAが自ら探し当てた取り壊し予定のビルと、バラという対象の組み合わせの妙に惹かれ、厚かましくも展示空間そのものの設計を申し出た。
考えたのは、バラというコンサバティブな対象をいかにドレスダウンするかということだった。花のなかでもバラはとりわけ派手な存在だ。その存在感はそのままに、バラの多面性というか、新たな面を見せられるようなショールームにしたいと考えた。
なるべく建材を無加工で使用するという工夫は、コスト面でも有利だし、プロジェクト上の合理性にも基づいている。今回のショールームは期間限定なので、什器はいずれ次の店舗に移動する必要がある。その際、建材の組み合わせで簡易的につくった什器であればそのまま移動できるし、ばらせば建材として再利用もできる。ゴミもほとんど出ないし、工業製品をなるべく加工しないという素っ気ないアプローチによってバラをドレスダウンしている。