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MADと中国建築科学研究院による、中国・重慶の「クンタン国際クルーズセンター」設計コンペの勝利案。地域の産業である産業輸送の“ガントリークレーン”にインスパイアされ、6つの独立した高架ビルからなる全長430mの複合施設を計画、2027年までの完成を目指す
MADと中国建築科学研究院による、中国・重慶の「クンタン国際クルーズセンター」設計コンペの勝利案。地域の産業である産業輸送の“ガントリークレーン”にインスパイアされ、6つの独立した高架ビルからなる全長430mの複合施設を計画、2027年までの完成を目指す image©MAD
MADと中国建築科学研究院による、中国・重慶の「クンタン国際クルーズセンター」設計コンペの勝利案。地域の産業である産業輸送の“ガントリークレーン”にインスパイアされ、6つの独立した高架ビルからなる全長430mの複合施設を計画、2027年までの完成を目指す image©MAD

MAD中国建築科学研究院による、中国・重慶の「クンタン国際クルーズセンター」設計コンペの勝利案です。地域の産業である産業輸送の“ガントリークレーン”にインスパイアされ、6つの独立した高架ビルからなる全長430mの複合施設を計画、2027年までの完成を目指します。

こちらはリリーステキストの翻訳

マー・ヤンソン率いるMADアーキテクツは、中国建築科学研究院(CASR)と共同で、中国・重慶にあるクンタン国際クルーズセンターの設計に関する国際コンペに勝利しました。

このプロジェクトは、重慶の両江新区に位置し、現在66,000m2の貨物ターミナルが建設されている場所です。敷地と関連するクルーズターミナルは、長江にアクセス可能な昆山港地域に位置しています。MADの計画では、敷地面積65,000m2の国際クルーズターミナルと複合都市を建設し、15,000m2のクルーズポートと50,000m2の商業スペースを提供する予定です。

「重慶には山もあれば水もある」と、マー・ヤンソンはこの計画の背後にあるヴィジョンを語っています。「しかし、長江は重慶にとって単なる自然景観ではなく、船舶交通や産業輸送などの人間活動によって、この山岳都市はエネルギーと動きに満ちているのです。私たちは、重慶のこのエネルギーを産業の痕跡から、想像力を刺激するエネルギーに変えたいと考えています。人々はここで都市の運動エネルギーを感じると同時に、未来の公共空間を想像することができるのです。」

「ガントリークレーン」-サイエンス・フィクション、そして歩く街へ

現地を訪れたMADチームは、貨物ターミナルを支配するオレンジ色の大きなガントリークレーンにインスピレーションを受けました。「このガントリークレーンは、生きたエイリアンのような存在で、シュールレアリズムを感じさせます」と、マは指摘します。「この新しい計画は、過去の工業色を反映させるだけでなく、このオリジナルのシュールレアリズムを尊重するものです。高架下の建物は、まるで未来的で自由に行き来できる都市のようにデザインしました。まるで別の場所からここに到着したようで、いつかまた別の場所を旅するのかもしれません。」

長江スカイウォークと名付けられたMADの計画は、ガントリークレーンをモチーフにした6つの独立した高架ビルからなる全長430mの複合施設です。遠くから見ると、建物は上昇と下降を繰り返し、形も色も産業貨物ターミナルのクレーンのリズムを再現しています。また、地上から高い位置にあるため、遮るものがなく開放的な川の景色を眺めることができます。このビルのアルミカーテンウォールは、敷地に超現実的な感覚を与え、パーラーやショップ、レストランなどのテナントが混在するこのビルに、現代的な新鮮さをもたらしています。

都市の公共空間 – 重なり合う都市性、そして景観の良い緑の軸線

“浮遊する”ビル群の下には、MADが設計した新しいクルーズ船景観公園とクルーズ船ホールがあり、クンタン・セントラル・ゴールデンアクシス桟橋(Cuntan Central Golden Axis Pier)を拡張・強化するために設計されています。この都市的介入は、隣接するピアパークとセンチュリークンタン公園との間に新たなリンクを形成し、中央金軸(Central Golden Axis)に自然に溶け込む10万m2の都市緑地を創出するものです。この新しい計画により、市民は敷地内の多様な用途を十分に体験し、通常は川船からしか見られない海上からの都市と長江の景観を楽しむことができます。

クルーズ船景観公園の下には、クルーズ・センター・ハブがあり、“浮遊する”複合施設と地上のランドスケープ・パークへのアクセスを提供しています。クルーズ・センターは、天窓を設けて内部空間の自然採光を高めるとともに、上部の建物を片持ち式にして直射日光の影響を受けないように設計されています。

完成すれば、クンタン国際クルーズセンターは、工業の記憶を完全な都市イメージの作品に変え、重慶のユニークな都市ランドマークを創り上げることでしょう。

杉山幸一郎の建築展「スイスのかたち、日本のかたち」が開催。ピーター・ズントー事務所出身でスイスを拠点とする建築家で、ドローイングやオブジェが公開される
杉山幸一郎の建築展「スイスのかたち、日本のかたち」が開催。ピーター・ズントー事務所出身でスイスを拠点とする建築家で、ドローイングやオブジェが公開されるTemple 02
杉山幸一郎の建築展「スイスのかたち、日本のかたち」が開催。ピーター・ズントー事務所出身でスイスを拠点とする建築家で、ドローイングやオブジェが公開されるFill 43

杉山幸一郎の建築展「スイスのかたち、日本のかたち」が、東京・本駒込のギャラリー ときの忘れもので開催されます。杉山は、ピーター・ズントー事務所出身でスイスを拠点とする建築家で、ドローイングやオブジェが公開されます。会期は2022年1月20日(木)~1月29日(土)11:00-19:00(※会期中無休)。会場の場所はこちら(Google Map)。杉山は、アーキテクチャーフォトでの連載エッセイ「For The Architectural Innocent」の執筆でも知られています。

スイス・クールに在住する若手建築家・杉山幸一郎(b. 1984)の初個展を開催します。杉山は建築設計をする傍ら、ドローイングやオブジェクトを制作しています。
日本大学、東京藝術大学大学院にて建築を学び、在学中に世界屈指の大学、スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ピーターメルクリ スタジオ)に留学。
2013年に若手建築家の登竜門と言われるUnder 30 Architects exhibitionに選出されて出展しました。2014年文化庁新進芸術家海外研修制度により、スイスの建築家ピーター・ズントーのアトリエで研修。2015年から2021年5月までアトリエ ピーター ズントーに勤務し、ワークショップチーフを経て、プロジェクトリーダーとして活躍。現在はスイスと日本でフリーランスの建築家として活動している。
本展では、建物の表層を抽象化して線や色の面に置き換えて表現しようと試みた水彩ドローイングシリーズ〈Line & Fill〉や、ドローイングを立体化したオブジェクト、また、小さな建築のようで家具としても使える作品群をご覧いただきます。

リリーステキストより
隈研吾による建築をミニチュアフィギュア化したカプセルトイが2022年1月下旬に発売。「浅草文化観光センター」など4作品がラインナップ
隈研吾による建築をミニチュアフィギュア化したカプセルトイが2022年1月下旬に発売。「浅草文化観光センター」など4作品がラインナップ全4種のラインナップ。
隈研吾による建築をミニチュアフィギュア化したカプセルトイが2022年1月下旬に発売。「浅草文化観光センター」など4作品がラインナップ

隈研吾による建築をミニチュアフィギュア化したカプセルトイが2022年1月下旬に発売されます。「浅草文化観光センター」など4作品がラインナップされています。発売は2022年1月下旬を予定。全4種をセットにしたものが予約受付中とのこと。

本コレクションのラインナップは、「高輪ゲートウェイ駅」「角川武蔵野ミュージアム」「Sunny Hills」「浅草文化観光センター」の全4種です。

浅草のシンボルともいえる「浅草文化観光センター」は、ガラスと木製のルーバーを組み合わせた斬新なデザインが特徴の複合施設。ガラスの透明感はクリアパーツで、木製のルーバーは「タンポ印刷」で表現しました。
さらに、最上階となる展望台の屋根にある日差しを取り入れる窓は、エンボス加工を用いて表現しています。屋根にグラデーション塗装を施すことで、日差しが建物の中へ抜けているようなイメージを表現しました。

本物の建造物は大きくて見上げることしかできませんが、ミニチュアフィギュアならば、上から全貌を見ることが可能。憧れの名建築を手にのせて、独り占めすることができるコレクションをお届けします。

リリーステキストより

フィギアのより詳細な写真は以下に掲載します。

【ap job更新】 建築空間を自然環境のオルタナティブとしてデザインする「久保都島建築設計事務所」が、設計スタッフ(新卒既卒・経験者)を募集中
【ap job更新】 建築空間を自然環境のオルタナティブとしてデザインする「久保都島建築設計事務所」が、設計スタッフ(新卒既卒・経験者)を募集中
【ap job更新】 建築空間を自然環境のオルタナティブとしてデザインする「久保都島建築設計事務所」が、設計スタッフ(新卒既卒・経験者)を募集中

「久保都島建築設計事務所」の、設計スタッフ(新卒既卒・経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

久保都島建築設計事務所で設計スタッフを募集します。

久保都島建築設計事務所は2011年に久保秀朗と都島有美によって設立された建築設計事務所です。住宅、ホテル、温浴施設、郵便局、オフィス、レストラン、チャペル、公衆トイレなどさまざまな用途の建築やインテリアを幅広く設計しています。

主な作品に「両国湯屋江戸遊」「HOTEL THE SCREEN Morning Dawn・Moon Phases」「まるほん旅館風呂小屋」「虹のチャペル」などがあり、若手建築家の登竜門であるAR Awards、ユネスコのヴェルサイユ賞などの海外での受賞の他、日本建築学会作品選集新人賞、優れた商業施設デザインに贈られるJCDデザインアワード金賞、日本インテリアデザイナー協会JID賞など数多くの受賞があります。

私たちは建築空間をもう一つの環境、自然環境のオルタナティブとしてデザインしています。光、音、熱、風といった自然環境の要素を人工的な操作を加えながら取り込み、様々な用途の建物も自然環境の一部を空間化したスペースと捉えることで、多くの発見的、実践的なアイデアを実現していきたいと考えています。

山村健+ナタリア サンツ・ラヴィーニャ / YSLA Architectsによる、東京・新宿区の集合住宅「Light House」。ホテルとしての建設中にコロナ禍の影響で居住施設へ変更された建築で、計画当初の非日常的な空間構成を逆手にとり、ポストコロナ時代に期待される新たな日常的空間の創出を目指す
山村健+ナタリア サンツ・ラヴィーニャ / YSLA Architectsによる、東京・新宿区の集合住宅「Light House」。ホテルとしての建設中にコロナ禍の影響で居住施設へ変更された建築で、計画当初の非日常的な空間構成を逆手にとり、ポストコロナ時代に期待される新たな日常的空間の創出を目指す photo©小野寺宗貴
山村健+ナタリア サンツ・ラヴィーニャ / YSLA Architectsによる、東京・新宿区の集合住宅「Light House」。ホテルとしての建設中にコロナ禍の影響で居住施設へ変更された建築で、計画当初の非日常的な空間構成を逆手にとり、ポストコロナ時代に期待される新たな日常的空間の創出を目指す photo©小野寺宗貴
山村健+ナタリア サンツ・ラヴィーニャ / YSLA Architectsによる、東京・新宿区の集合住宅「Light House」。ホテルとしての建設中にコロナ禍の影響で居住施設へ変更された建築で、計画当初の非日常的な空間構成を逆手にとり、ポストコロナ時代に期待される新たな日常的空間の創出を目指す photo©小野寺宗貴

山村健+ナタリア サンツ・ラヴィーニャ / YSLA Architectsが設計した、東京・新宿区の集合住宅「Light House」です。ホテルとしての建設中にコロナ禍の影響で居住施設へ変更された建築で、計画当初の非日常的な空間構成を逆手にとり、ポストコロナ時代に期待される新たな日常的空間の創出が目指されました。

Light Houseは、東京都新宿区に建つレジデンスである(将来的に再度ホテルになることも視野に入れている)。当初はホテルとして計画されたが、新型コロナウィルスの影響により、工事途中に居住施設へと変更された稀なプロジェクトである。結果として、ホテルとしての非日常的な空間構成を逆手にとり、コロナ禍に求められる新たな日常的空間が創出されたデザインとなっている。

建築家によるテキストより

本建築は早稲田通りに面して建っている。浮遊したタイルファサードが内部と外部、パブリックとプライベートを緩やかにつなぐ役割を果たしている。交差点に向かって大きく穿たれた開口は、都市から戻る旅行者や居住者を迎え入れる。
地上階は本来ホテルのレセプション空間であったが、居住者のための空間としてコーワキングスペースへと転換した。コロナ禍において求められる在宅ワークに対応した空間としている。

建築家によるテキストより

正方形平面の中心に土間的な場所を設け、その周りにはさまざまなアクティビティが生まれるプラットフォームを用意した。その区切りには、ブラインドやカーテンを用いることで、閉じていても他所の気配を感じることができる緩やかな仕切りとした。さらに、各フロアには日照時間の異なるバルコニーを2つ設けた。朝や夕方では眺める景色を変えることで異なるバルコニーを自由に選択し、半屋外を楽しむ方法が非日常的で楽しくなるようにした。

建築家によるテキストより
玉田誠+脇本夏子 / 玉田脇本建築設計事務所による、神奈川・横浜市の住戸改修「MYORENJI HOUSE」。開口部の多さ等の既存住戸の魅力を最大限に生かす為、大きな一室空間として5つの窓を連続させ景色を関係させると共に、中央に上下2段の“ハコ”を配置することで様々な用途にも応える
玉田誠+脇本夏子 / 玉田脇本建築設計事務所による、神奈川・横浜市の住戸改修「MYORENJI HOUSE」。開口部の多さ等の既存住戸の魅力を最大限に生かす為、大きな一室空間として5つの窓を連続させ景色を関係させると共に、中央に上下2段の“ハコ”を配置することで様々な用途にも応える photo©大澤敏行
玉田誠+脇本夏子 / 玉田脇本建築設計事務所による、神奈川・横浜市の住戸改修「MYORENJI HOUSE」。開口部の多さ等の既存住戸の魅力を最大限に生かす為、大きな一室空間として5つの窓を連続させ景色を関係させると共に、中央に上下2段の“ハコ”を配置することで様々な用途にも応える photo©大澤敏行
玉田誠+脇本夏子 / 玉田脇本建築設計事務所による、神奈川・横浜市の住戸改修「MYORENJI HOUSE」。開口部の多さ等の既存住戸の魅力を最大限に生かす為、大きな一室空間として5つの窓を連続させ景色を関係させると共に、中央に上下2段の“ハコ”を配置することで様々な用途にも応える photo©大澤敏行

玉田誠+脇本夏子 / 玉田脇本建築設計事務所が設計した、神奈川・横浜市の住戸改修「MYORENJI HOUSE」です。開口部の多さ等の既存住戸の魅力を最大限に生かす為、大きな一室空間として5つの窓を連続させ景色を関係させると共に、中央に上下2段の“ハコ”を配置することで様々な用途にも応える計画です。

横浜市にある1980年代後半に建てられた集合住宅の、標準的な2SLDKの間取りの住宅のリノベーション計画である。

建築家によるテキストより

この室は高台の最上階で、南と西の2面に5つの開口部と2つのバルコニーを持ち、みなとみらいや富士山、丹沢連峰を一望することが出来る場所に位置している。この既存の環境と魅力を最大に生かすことを考えた。

建築家によるテキストより

まず、間仕切りを取り払い大きなワンルームとすることで、5つの窓と窓を連続させ、ぐるりと景色を関係させた。
そして中央に上下2段になっているハコを配置する。ハコは寝室であり、遊び場でもあり、将来的には2つの子供部屋にもなるような、多様な用途に対応できる空間になっている。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 ihrmkが、設計スタッフ(正社員)を募集中
【ap job更新】 ihrmkが、設計スタッフ(正社員)を募集中
【ap job更新】 ihrmkが、設計スタッフ(正社員)を募集中はつせ三田(集合住宅)

ihrmkの、設計スタッフ(正社員)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

株式会社ihrmk一級建築士事務所では新たなスタッフを募集しています。

クライアントとの対話を通して、クライアントの本当に希望している空間、更には社会への提案を持った空間を作ることを目指しています。現在進行中の主なプロジェクトとして、住宅・集合住宅・教育施設・事務所ビル等があります。

一緒に議論し、コミュニケーションをとりながら設計活動に関わっていける方のご応募お待ちしております。

TAB / 河合啓吾による、岐阜・各務原市の住宅「SLBH6」。設計者が継続的に取り組む低費用で大空間をつくる作品群として計画、住人も施工に関わる方式で総工費税別1600万で建設が可能になると共に、“建築の当事者”になることで“つくり上げる喜び”も生み出す
TAB / 河合啓吾による、岐阜・各務原市の住宅「SLBH6」。設計者が継続的に取り組む低費用で大空間をつくる作品群として計画、住人も施工に関わる方式で総工費税別1600万で建設が可能になると共に、“建築の当事者”になることで“つくり上げる喜び”も生み出す photo©新建築社
TAB / 河合啓吾による、岐阜・各務原市の住宅「SLBH6」。設計者が継続的に取り組む低費用で大空間をつくる作品群として計画、住人も施工に関わる方式で総工費税別1600万で建設が可能になると共に、“建築の当事者”になることで“つくり上げる喜び”も生み出す photo©新建築社
TAB / 河合啓吾による、岐阜・各務原市の住宅「SLBH6」。設計者が継続的に取り組む低費用で大空間をつくる作品群として計画、住人も施工に関わる方式で総工費税別1600万で建設が可能になると共に、“建築の当事者”になることで“つくり上げる喜び”も生み出す photo©新建築社

TAB / 河合啓吾が設計・施工した、岐阜・各務原市の住宅「SLBH6」です。設計者が継続的に取り組む低費用で大空間をつくる作品群として計画、住人も施工に関わる方式で総工費税別1600万で建設が可能になると共に、“建築の当事者”になることで“つくり上げる喜び”も生み出します。

敷地は比較的古く(1960~70年代)からある住宅地。使える敷地面積は140m2程度とこの辺りでは少し小さい。

母屋・既存庭との関係、北側の隣家への配慮、周囲からのプライバシーの確保、内部への陽光から、建物は母屋に対して23度振って配置した。建物へのアクセスは母屋の東側(3m程度)を通り、少し振られた入り口の土間が来訪者を迎え入れる。

建築家によるテキストより

構造・構成は1間グリット(規則性)を基本とし、21本の通し柱のうち外周の柱はグリットからズラし、中央の柱を45度振り、同じ階高(2,005mm)の3層を積み上げた。

1層目はGLと地続きの土間をもち、洗濯干しや登山道具などの倉庫、また庭の延長として、周辺環境やコミュニティとのインターフェースとして働く半屋内外空間を配置した。2層目は窓をもたず、周囲と物理的距離を取り、安心感のある生活の場である。3層目は360度の開口をもち、風景・光・風を取り込むバッファーとし、仮設的な床をのせ容易に生活の場を拡張することができる。

建築家によるテキストより

職人、私、住人が施工する場合、それぞれの質が変わらないように施工方法を設計している。DIYの前提は、価格を抑えるため、思い出づくりのために行うのではなく、家づくりの当事者になるために行っている。3者(職人・私・住人)に合わせて施工方法を設計することで、職人よりも住人の方が上手くつくることができる部分も出てくる。

現在は職人ゆえに制作可能な高度なパーツも、将来的にはデジタルファブリケーションに置き換えられ、プレカット+デジファブと施工方法の設計、各要素の分離によって多くの部分をDIYでつくることができるのではないかと考えている。

建築家によるテキストより
佐藤研吾 / In-Field Studioによる、東京・足立区の、演劇の文化拠点「北千住BUoY」。職人の仕事ぶりが想起される既存躯体の表情に応えるべく、設備工事以降を設計者が請け負い現場に常駐し職人の横でデザイン、設計施工の間を“溶け合わせ”て具体的な形をつくりだす
佐藤研吾 / In-Field Studioによる、東京・足立区の、演劇の文化拠点「北千住BUoY」。職人の仕事ぶりが想起される既存躯体の表情に応えるべく、設備工事以降を設計者が請け負い現場に常駐し職人の横でデザイン、設計施工の間を“溶け合わせ”て具体的な形をつくりだす photo©comuramai
佐藤研吾 / In-Field Studioによる、東京・足立区の、演劇の文化拠点「北千住BUoY」。職人の仕事ぶりが想起される既存躯体の表情に応えるべく、設備工事以降を設計者が請け負い現場に常駐し職人の横でデザイン、設計施工の間を“溶け合わせ”て具体的な形をつくりだす photo©comuramai
佐藤研吾 / In-Field Studioによる、東京・足立区の、演劇の文化拠点「北千住BUoY」。職人の仕事ぶりが想起される既存躯体の表情に応えるべく、設備工事以降を設計者が請け負い現場に常駐し職人の横でデザイン、設計施工の間を“溶け合わせ”て具体的な形をつくりだす photo©comuramai

佐藤研吾 / In-Field Studioによる、東京・足立区の、演劇の文化拠点「北千住BUoY」です。職人の仕事ぶりが想起される既存躯体の表情に応えるべく、設備工事以降を設計者が請け負い現場に常駐し職人の横でデザイン、設計施工の間を“溶け合わせ”て具体的な形をつくりだすことが試みられました。現在In-Field Studioは、一般社団法人コロガロウ / 佐藤研吾建築設計事務所に改組されています。施設の公式サイトはこちら

かつての東京オリンピックの年である1964年に、日本住宅公団によって建てられた団地の低層部分を、演劇やパフォーマンスなどのイベントスペースおよびカフェ、ギャラリー、稽古場、そして美術作家による共同スタジオとした改修プロジェクトである。

建築家によるテキストより

計画が始まった当初から既に床壁天井のほとんどの内装と設備配管は撤去されており、半世紀が経過した無骨極まりないコンクリートの躯体が露わになっていた。よく眺めてみると、表面はスギ板の型枠による成形だと分かるし、梁は応力に基づいて造形され、天井下地の二次部材の一部が躯体に埋め込まれている。当時の職人の手つき、現場の人々の仕事振りの幻景へと想像を拡げることも、この躯体の中に身を投げ入れてみれば決して困難ではない。

建築家によるテキストより

そんな密実な、過去のヒトの気配漂う中に、演劇というヒトの生身が折り重なる新たな文化拠点が生まれた。改修工事では、躯体の表情を覆い隠すのではなく、むしろいかにしてその表情の傍らで新たなモノ・ヒトが応答するか、複数のモノモノ・ヒトビト・モノヒトの混在のさせ方が重要となった。

建築家によるテキストより
平瀬有人+平瀬祐子 / yHa architectsによる、福岡の公園施設「天神中央公園 ハレノガーデン」。Park-PFIでの再整備計画として園内の3棟を設計、既存の重要文化財を引き立てる風景となる事を意図し、地形と建築が連続しヴォリューム感を低減する“地形的建築”で一体感ある風景の創出を目指す
平瀬有人+平瀬祐子 / yHa architectsによる、福岡の公園施設「天神中央公園 ハレノガーデン」。Park-PFIでの再整備計画として園内の3棟を設計、既存の重要文化財を引き立てる風景となる事を意図し、地形と建築が連続しヴォリューム感を低減する“地形的建築”で一体感ある風景の創出を目指す photo©yHa architects
平瀬有人+平瀬祐子 / yHa architectsによる、福岡の公園施設「天神中央公園 ハレノガーデン」。Park-PFIでの再整備計画として園内の3棟を設計、既存の重要文化財を引き立てる風景となる事を意図し、地形と建築が連続しヴォリューム感を低減する“地形的建築”で一体感ある風景の創出を目指す photo©針金洋介
平瀬有人+平瀬祐子 / yHa architectsによる、福岡の公園施設「天神中央公園 ハレノガーデン」。Park-PFIでの再整備計画として園内の3棟を設計、既存の重要文化財を引き立てる風景となる事を意図し、地形と建築が連続しヴォリューム感を低減する“地形的建築”で一体感ある風景の創出を目指す photo©yHa architects
平瀬有人+平瀬祐子 / yHa architectsによる、福岡の公園施設「天神中央公園 ハレノガーデン」。Park-PFIでの再整備計画として園内の3棟を設計、既存の重要文化財を引き立てる風景となる事を意図し、地形と建築が連続しヴォリューム感を低減する“地形的建築”で一体感ある風景の創出を目指す photo©yHa architects

平瀬有人+平瀬祐子 / yHa architectsが設計した、福岡の公園施設「天神中央公園 ハレノガーデン」です。Park-PFIでの再整備計画として園内の3棟を設計、既存の重要文化財を引き立てる風景となる事を意図し、地形と建築が連続しヴォリューム感を低減する“地形的建築”で一体感ある風景の創出を目指しました。天神中央公園は県の公園で、施設の公式サイトはこちら

福岡・天神の東端・西中洲エリアに建つ木造2階建てのフレンチルネサンス様式の洋風建築である旧福岡県公会堂貴賓館(設計:三條栄三郎/1910年)は、1956年以降県教育委員会庁舎として使われていたが、1981年の県庁移転に伴って1984年に国指定重要文化財に指定されている。1989年に旧県庁跡地は天神中央公園となったが、30年近く経過して多くの樹木が生い繁り、北側道路や那珂川対岸から公園内への見通しを遮っている状態であった。

建築家によるテキストより

本計画は、福岡県による歴史的景観・水辺景観・公園の緑の景観の再整備に併せ、Park-PFI事業(2017年の都市公園法改正の施行により創設)によって民間事業者が飲食機能を有した便益施設(公園施設/EAST・WEST)2棟を整備運営するとともに、収益の一部を活用して公園利用者のための休養施設(特定公園施設/boat house)整備を行うスキームの国内2事例目である。

建築家によるテキストより

北側道路から旧貴賓館を引き立てる風景となるよう、カフェ・レストランの入るEASTは地形が連続しつつボリューム感を低減するような造形とすることで、ランドスケープとの調和を図った。那珂川沿いには水辺を楽しめるデッキテラスを設けるとともに、軒先を一部跳ね上げることでより開放的な眺望を望める空間としている。

軒先を休養施設(水上バス事務所)のboat houseと連続させることで、2つの建築の間に旧貴賓館がフレーミングされるような、対岸から一体感を感じる印象的な風景をつくっている。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 デザイン・価格・施工性が三位一体となった建築として評価される「設計事務所バリカン」が、経験者スタッフ(正社員)を募集中
【ap job更新】 デザイン・価格・施工性が三位一体となった建築として評価される「設計事務所バリカン」が、経験者スタッフ(正社員)を募集中
【ap job更新】 デザイン・価格・施工性が三位一体となった建築として評価される「設計事務所バリカン」が、経験者スタッフ(正社員)を募集中泉岳寺の集合住宅

デザイン・価格・施工性が三位一体となった建築として評価される「設計事務所バリカン」の、経験者スタッフ(正社員)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

東京の中野坂上にある設計事務所バリカンの中川と申します。
この度、事務所体制強化のため経験者スタッフ(正社員)を募集することとなりました。

(※即働ける方優遇。意欲ある方なら新卒、実務未経験者もお待ちしてます!)

「すべての人によりよい居場所を」をモットーに、主に新築個人住宅、新築賃貸マンション、オフィスの内装などを手掛けてきました。
2021年12周年を迎えました。

中でも現在は新築賃貸マンションのご依頼が多く、全体の8割を超えるまでになりました。

私自身は佐藤光彦建築設計事務所で4年間設計・監理を学び、その後工務店で5年間、施工と積算を学んできました。アトリエ建築設計事務と建設会社という二つの性格の異なる会社で建築に関わり、様々な経験を積みスキルを身に着けました。

その経験もあり、独立開業後デザインと価格と施工性が三位一体となった設計事務所として評価いただくに至り、現在デザイナーズマンション等を設計する事務所として複数のデベロッパー様より厚い信頼を頂き継続的にご依頼をいただいています。

賃貸マンションだけで50棟以上設計・監理してきた実績と経験を活かし、工事金額の見積をデータベース化し精度の高い概算見積もりを提出したり、ポイントをおさえた現場監理方法など他の設計事務所ではあまり得られない経験ができます。それは、設計者としての人生を考えた時に必ず自身を助けてくれるスキルになると思っています。

仕事内容は、プロジェクトの担当者として基本設計から現場監理まで通して携わることができます。物件の規模的に設計から竣工まで1年半以内なので、丸ごと物件を見られる上に、数年で複数件担当することもできます。実務経験を積むという上でも良い環境だと自負しています。

もちろん、お施主さんとの打合せに参加したり、メーカーとのやり取りを通じて自ら検討し提案できるスキルも必要となりますが、分からない部分はアドヴァイスも行いますし、真摯にプロジェクトに向き合うことで、経験しながら身に着けられるでしょう。

これまで培ったスキルを存分に活かしたい方、弊社で今までとは違った建築設計の経験を積みたい方、とにかく建築が好きな方、ご応募お待ちしております。※即働ける方歓迎!

ツバメアーキテクツによる、神奈川・川崎市の「マイクロバスケットコート ONE_THROW」。カフェ運営者の施主の“地域でバスケをプレイできる場所”という想いに、住宅地での球技に最適な床材や気積を計画、加えて事業計画外の経済活動を呼び込み地域のコモンスペースとなることも構想
ツバメアーキテクツによる、神奈川・川崎市の「マイクロバスケットコート ONE_THROW」。カフェ運営者の施主の“地域でバスケをプレイできる場所”という想いに、住宅地での球技に最適な床材や気積を計画、加えて事業計画外の経済活動を呼び込み地域のコモンスペースとなることも構想 photo©楠瀬友将
ツバメアーキテクツによる、神奈川・川崎市の「マイクロバスケットコート ONE_THROW」。カフェ運営者の施主の“地域でバスケをプレイできる場所”という想いに、住宅地での球技に最適な床材や気積を計画、加えて事業計画外の経済活動を呼び込み地域のコモンスペースとなることも構想 photo©楠瀬友将
ツバメアーキテクツによる、神奈川・川崎市の「マイクロバスケットコート ONE_THROW」。カフェ運営者の施主の“地域でバスケをプレイできる場所”という想いに、住宅地での球技に最適な床材や気積を計画、加えて事業計画外の経済活動を呼び込み地域のコモンスペースとなることも構想 photo©楠瀬友将

ツバメアーキテクツが設計した、神奈川・川崎市の「マイクロバスケットコート ONE_THROW」です。カフェ運営者の施主の“地域でバスケをプレイできる場所”という想いに、住宅地での球技に最適な床材や気積を計画、加えて事業計画外の経済活動を呼び込み地域のコモンスペースとなることも構想されました。施設の公式サイトはこちら

施主は住宅地にマイホームではなく、地域の人が使えるマイクロバスケットコートを作ることを選択した。住宅と自動車の関係を、そのままに、住宅サイズのバスケットコートのフレームとフードトラックに置き換えた。

建築家によるテキストより

所属に関係なく地域でバスケをプレイできる場所を作りたい、という施主の強い想いからこのプロジェクトはスタートした。というのも部活やサークルというまとまりは学校を卒業するとメンバーが散り散りになってしまったり、それを乗り越えるために社会人チームを作っても家庭ができたりするとなかなか参加が難しくなってしまうというからだという。そういう話を聞いているうちにこのプロジェクトが持つ住宅地におけるコモンスペースとしての可能性を想像するようになった。

建築家によるテキストより

地域のコモンスペース作りにおいては、事業計画の外側ともいうべき経済活動をいかに生み出せるかということもポイントにある。上に書いたように、一旦バスケをするという目的で場所のクオリティを最大化したことで、二手目、三手目のコンテンツをも引っ張ってくることになる。具体的に言うと、ボクシングエクササイズ、ダンスなどの他のスポーツにも活動が展開している。
またスポーツ以外にもダルマの絵付け、カレーコラボなど、つくる前にはこちらも予想できなかったコンテンツをも呼び寄せている。まさに事業計画や設計を取り囲む想定の外側の要素が混ざることで、むしろこの場所が発酵し始めているように感じる。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス [期間:2022/1/3-/1/9]
最も注目を集めたトピックス [期間:2022/1/3-/1/9]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2022/1/3-/1/9)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 佐藤研吾 / In-Field Studioによる、東京・墨田区の「喫茶野ざらし」。自身の文化経済圏を築くアートプロジェクトとして構想された店舗で、福島と東京を往来する設計者が施工者・運営者としても関わり、現代都市における“野っ原”をつくることを目指す
  2. 2021年にアーキテクチャーフォトで注目された作品トップ10
  3. 大江匡さんが亡くなりました
  4. 田村直己 / ttt architectsによる、東京の、築約50年民家をテナントとした「清澄白河の改修」。構造や性能が不束な既存建物を、大きな意匠方針を立てず“機能性” “コスト” “施工性” “商業性”の小さな判断の集積で改修し、限られた条件下でこそ生まれる空間の良さを追求
  5. スノヘッタとECADIによる、中国の、2022年末に完成を予定する「北京副都心図書館」。未来の図書館デザインの新基準を目指し計画、中心に設けた読書空間が人々の交流と知識交換を促進すると共に、各所の体験型空間との関係で開放と閉鎖や公と私を同時に感じさせる建築
  6. 小山光+KEY OPERATION INC. / ARCHITECTSによる、東京・杉並区の、アニメーション制作会社のスタジオ「MAPPAスタジオ分室」。職場環境の向上も意識しデスク素材の選定やラウンジ空間を重視
  7. 藤本壮介による、ハンガリー・ブダペストの「ハンガリー音楽の家」が完成。国内最大規模の公園を敷地として建設、自然と建築の環境の境界をなくす事を意図し、音の振動を視覚的に表現した“波”から着想を得て設計された施設
  8. MVRDVによる、ドイツ・ミュンヘンの、既存ビル改修とタワー新築「Candid-Tor」。上部が結合する2つのタワーが地域のランドマークとなるべく構想、外観と量塊は既存建物を参照し関連を持たせ、塊がずれる事でタワー利用者が使用できる共有の屋上も生み出す
  9. ファラが2018年に完成させた、ポルトガル・ポルトの、自身のアトリエと住居「house and atelier」。既存のファサードを色彩と要素の付加により再構築、内部の各階は異なる空間論理を示唆しつつ、同じ言語・同じ素材感・同じありふれた要素の集合を共有し構築
  10. 2021年にアーキテクチャーフォトで注目された記事トップ100
  11. 丹下健三の、国立近現代建築資料館で行われている建築展「戦前からオリンピック・万博まで 1938-1970」をフォトレポート。卒業生設計から代々木競技場までの図面と模型等を紹介する展覧会を100枚以上の写真で紹介
  12. OMAがコンペで勝利した、中国・成都市の、未来科学技術都市のエリアマスタープランと建築デザイン。広大な敷地に自然形状に沿った建物等を設計
  13. 神谷勇机+石川翔一 / 1-1 Architectsによる、愛知・刈谷市の集合住宅「Apartment MK」
  14. 石上純也建築設計事務所による、神奈川・厚木市の「神奈川工科大学KAIT広場」
  15. 古谷誠章+NASCAによる、北海道・沼田町の、高齢者福祉施設「沼田町 暮らしの安心センター」
  16. 平瀬有人+平瀬祐子 / yHa architectsによる、福岡市の、住宅兼オフィス「TETUSIN DESIGN RE-USE OFFICE」。歴史的建築の保存活用に関わる施主の危惧を出発点とし、洋館の部材を譲りうけファサード等を“生け捕り”して新築建物に選択的転用と再構築を実践、歴史的価値を引き継ぎ記憶の継承を試みる
  17. 黒川智之建築設計事務所による、東京の「大岡山の集合住宅」
  18. 竹中工務店の設計・施工による、兵庫・神戸市の「竹中工務店深江竹友寮」
  19. OMA / 重松象平による、福岡の複合オフィスビル「天神ビジネスセンター」が完成。OMAの日本初のオフィスビルで、交差する二つの通りに面する建物ヴォリュームの角をピクセル化して削ることで都市活動の融合を明確にし、入口広場に公共の活動を呼び込む
  20. OMAの研究機関AMOがデザインを手掛けた、パリの、ファッションブランドOff-Whiteの旗艦店。パリの建築要素を再解釈し店内に都市を持ち込むことを意図

ギゴン / ゴヤーによる、スイス・チューリッヒの、高層オフィスビル「Andreasturm」。線路に挟まれた三角形の敷地に建設され、金属素材の使用と片持ち梁で建物が中央部と頭頂部に分けられた外観デザインにより、見る角度や天候や光の加減により異なる表情を見せる
ギゴン / ゴヤーによる、スイス・チューリッヒの、高層オフィスビル「Andreasturm」。線路に挟まれた三角形の敷地に建設され、金属素材の使用と片持ち梁で建物が中央部と頭頂部に分けられた外観デザインにより、見る角度や天候や光の加減により異なる表情を見せる photo©Roman Keller
ギゴン / ゴヤーによる、スイス・チューリッヒの、高層オフィスビル「Andreasturm」。線路に挟まれた三角形の敷地に建設され、金属素材の使用と片持ち梁で建物が中央部と頭頂部に分けられた外観デザインにより、見る角度や天候や光の加減により異なる表情を見せる photo©Roman Keller
ギゴン / ゴヤーによる、スイス・チューリッヒの、高層オフィスビル「Andreasturm」。線路に挟まれた三角形の敷地に建設され、金属素材の使用と片持ち梁で建物が中央部と頭頂部に分けられた外観デザインにより、見る角度や天候や光の加減により異なる表情を見せる photo©Roman Keller
ギゴン / ゴヤーによる、スイス・チューリッヒの、高層オフィスビル「Andreasturm」。線路に挟まれた三角形の敷地に建設され、金属素材の使用と片持ち梁で建物が中央部と頭頂部に分けられた外観デザインにより、見る角度や天候や光の加減により異なる表情を見せる photo©Roman Keller

ギゴン / ゴヤーが設計した、スイス・チューリッヒの、高層オフィスビル「Andreasturm」です。線路に挟まれた三角形の敷地に建設され、金属素材の使用と片持ち梁で建物が中央部と頭頂部に分けられた外観デザインにより、見る角度や天候や光の加減により異なる表情を見せる建築となっています。

こちらは建築家によるテキストの翻訳

オフィスビル「Andreasturm」は、エルリコン駅の線路に挟まれた三角形の土地に建設されたものです。スイス連邦鉄道が所有するこの五角形の塔は、高さ80m、地上22階、地下4階建てです。

13階に設置された正確なキャンティレバーは、建物を中央部と頭頂部に分け、遠くから見ると細長く見えたり、平たく見えたりするようになっています。

また、広大な基壇部は周囲に固定され、3層にわたって開放されています。公共施設のあるメインエントランスと小さな新しい広場は、交通量の少ないアンドレアス通りに面しています。アンカーテナントのAmstein + Walthertの敷地には、高い位置にある鉄道プラットフォームから直接アクセスでき、搬入口は後方の低い位置にある道路に面しています。

2層吹き抜けの洗練されたロビーがテナントや来客を迎え、エレベーターで上階へ上がります。1階にはオープンな階段があり、メインテナントの受付があります。テナントのパブリックスペースは、会議室やギャラリー、スタッフレストランを備えた「ピアノ・ノビーレ(※主主階の意味。ルネサンスの建築に用いられる用語)」を中心に配置され、基壇部の突出した部分にあります。

高層ビルのスケルトンは鉄筋コンクリートで、ファサードはダブルシェルエレメントとなっています。コアとファサードのプレハブコンクリート支柱の間には、最大で9.30mのフラットスラブが架けられています。無柱空間は柔軟なレイアウトを可能にし、自然光を取り入れたワークプレイスを実現します。ダブルシェルのファサードは、個別に開閉可能な細長い窓を持つ内層と、水平のパラペットバンドを持つ外層からなり、銅と金の色の象嵌が積層され、ファサードの角度に合わせ、その色調が変化しています。

天候や光の加減によって、塔の外観は変化します。あるときは反射する平面のように見え、またあるときは内部のフィリグリーな垂直構造を見ることができます。

ギゴン / ゴヤーによる、スイス・チューリッヒのオフィスビル。配置等により既存街区に統合されるよう考慮、階高の犠牲なしに階数を増やすため構造設備を最適化、人造石と金属による立面はグリッドの拡大強調によりビル内の公共的なフロアを明示
ギゴン / ゴヤーによる、スイス・チューリッヒのオフィスビル。配置等により既存街区に統合されるよう考慮、階高の犠牲なしに階数を増やすため構造設備を最適化、人造石と金属による立面はグリッドの拡大強調によりビル内の公共的なフロアを明示 photo©Roman Keller
ギゴン / ゴヤーによる、スイス・チューリッヒのオフィスビル。配置等により既存街区に統合されるよう考慮、階高の犠牲なしに階数を増やすため構造設備を最適化、人造石と金属による立面はグリッドの拡大強調によりビル内の公共的なフロアを明示 photo©Roman Keller
ギゴン / ゴヤーによる、スイス・チューリッヒのオフィスビル。配置等により既存街区に統合されるよう考慮、階高の犠牲なしに階数を増やすため構造設備を最適化、人造石と金属による立面はグリッドの拡大強調によりビル内の公共的なフロアを明示 photo©Roman Keller

ギゴン / ゴヤーによる、スイス・チューリッヒのオフィスビル「Office Building Claridenstrasse 35, Zurich, Switzerland」です。配置等により既存街区に統合されるよう考慮され、階高の犠牲なしに階数を増やすため構造設備を最適化し、人造石と金属による立面はグリッドの拡大強調によりビル内の公共的なフロアを明示しています。

こちらは建築家によるテキストの翻訳

バルザン財団の新しいオフィスビルは、チューリッヒの中心部、パラデ広場の近くに位置しています。1960年代に建てられた以前のオフィスビルと同様、単独で建っていますが、その配置とサイズによって既存の街区に統合されています。ファサードは、人造石の水平材と金属の垂直材で構成され、コンクリート床スラブとスチール複合柱からなる内部の耐力構造と呼応しています。公共的にアクセス可能な1階、4階、最上階は、ファサード構成の中で拡大されたグリッドによって強調されています。街並みに面した2層のエントランスホールが来訪者を迎えます。創業者を偲ぶテラゾー床と豪華な照明器具が、広々としたエントランスにイタリアの「グランデッツァ(壮大さ)」を与えています。

テナントである監査・コンサルティング会社のための内装工事は、コア・アンド・シェルの建設と同時に構想・制作されました。パーティションのレイアウト、備品、特注のLED照明などは、建築と一体化したものです。

建物の構造およびエネルギーのコンセプトは、指定された建物の高さの範囲内で、部屋の高さを犠牲にすることなく、もう一階を追加するために最適化されました。耐荷重とブレースコア、適度なスパンと柱間距離により、吸音材やサーモアクティブコンポーネントシステムのパイプが見えないように埋め込まれているにもかかわらず、スリムな天井を実現しています。分散型ファサードユニットとセントラルエクストラクションによる換気により、最小限の厚みで階高を高くすることができます。冷暖房には、湖水を利用したアネルギーグリッドを採用し、コンパクトな建築容積を実現しています。屋上には太陽光発電システムが設置されています。

外観は、床スラブの縁を覆うプレファブリケーションのファサードエレメントが、室内のテラゾー面を思わせるような磨き上げられたコンクリートであるのに対し、アルミニウムの垂直プロファイルが、耐力柱と個別に操作可能な細い換気フラップを隠しています。プロファイルには長方形と円形、閉じたものと穴のあいたものがあり、柱であると同時に「新鮮な空気のダクト」としても機能します。

駐車場だった場所には、道路沿いに広々とした前庭が設けられています。割栗石を敷き詰め、砂利を敷き詰め、樹木や低木を植え、かつての住宅地の前庭を彷彿とさせます。

平瀬有人+平瀬祐子 / yHa architectsによる、福岡市の、住宅兼オフィス「TETUSIN DESIGN RE-USE OFFICE」。歴史的建築の保存活用に関わる施主の危惧を出発点とし、洋館の部材を譲りうけファサード等を“生け捕り”して新築建物に選択的転用と再構築を実践、歴史的価値を引き継ぎ記憶の継承を試みる
平瀬有人+平瀬祐子 / yHa architectsによる、福岡市の、住宅兼オフィス「TETUSIN DESIGN RE-USE OFFICE」。歴史的建築の保存活用に関わる施主の危惧を出発点とし、洋館の部材を譲りうけファサード等を“生け捕り”して新築建物に選択的転用と再構築を実践、歴史的価値を引き継ぎ記憶の継承を試みる photo©針金洋介
平瀬有人+平瀬祐子 / yHa architectsによる、福岡市の、住宅兼オフィス「TETUSIN DESIGN RE-USE OFFICE」。歴史的建築の保存活用に関わる施主の危惧を出発点とし、洋館の部材を譲りうけファサード等を“生け捕り”して新築建物に選択的転用と再構築を実践、歴史的価値を引き継ぎ記憶の継承を試みる photo©針金洋介
平瀬有人+平瀬祐子 / yHa architectsによる、福岡市の、住宅兼オフィス「TETUSIN DESIGN RE-USE OFFICE」。歴史的建築の保存活用に関わる施主の危惧を出発点とし、洋館の部材を譲りうけファサード等を“生け捕り”して新築建物に選択的転用と再構築を実践、歴史的価値を引き継ぎ記憶の継承を試みる photo©針金洋介
平瀬有人+平瀬祐子 / yHa architectsによる、福岡市の、住宅兼オフィス「TETUSIN DESIGN RE-USE OFFICE」。歴史的建築の保存活用に関わる施主の危惧を出発点とし、洋館の部材を譲りうけファサード等を“生け捕り”して新築建物に選択的転用と再構築を実践、歴史的価値を引き継ぎ記憶の継承を試みる photo©針金洋介

平瀬有人+平瀬祐子 / yHa architectsが設計した、福岡・福岡市の、住宅兼オフィス「TETUSIN DESIGN RE-USE OFFICE」です。歴史的建築の保存活用に関わる施主の危惧を出発点とし、洋館の部材を譲りうけファサード等を“生け捕り”して新築建物に選択的転用と再構築を実践、歴史的価値を引き継ぎ記憶の継承が試みられました。

福岡・筥崎宮参道に面して建つ住宅併用のオフィスである。
九州大学箱崎キャンパス跡地で解体直前であった洋館建築「九州大学松浜厚生施設」(1928年竣工)の部材を大学より譲り受けることになり、取り壊し直前の限られた時間と予算の中で象徴的なファサードと室内の建具・階段を生け捕りし、別の新しい敷地で部材再構築を行った。

長らくキャンパス跡地の歴史的建築物の保存活用に取り組むクライアントが,取り壊しによって人びとからこの箱崎の地に九州大学の記憶が失われることを危惧していたことが、プロジェクトの契機となった。

建築家によるテキストより

いわゆる文化財保存のように、痕跡を元にした厳密な修理を行うのではなく、歴史的要素の選択的転用により歴史的価値を新しい建築に繋ぎ合わせる「スポリア」的な記憶の継承である(スポリアとは西洋建築において彫刻や円柱などの要素を別の建物に転用し再利用する行為)。新しい建材の横に古い建具枠が配置されるなど時間差が並置・重層されることで、重層的な意味を獲得する。ものを介した記憶の継承の試みである。

建築家によるテキストより

元の敷地から約800m離れた新しい敷地への部材再構築にあたって、周辺環境への調和や準防火地域などの敷地条件に適応しつつ、重要な3つの記憶の継承が必要だと考えた。まちの風景の一部となっている外観の象徴的なファサードの〈都市的記憶〉の継承、気積が大きく荘厳さを伝える階段室の〈空間的記憶〉の継承、特徴的なファサードの色や力強い建具枠といった建築の持つ〈物質的記憶〉の継承である。

建築家によるテキストより

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