


重名秀紀 / studio junaが設計した、岡山市の飲食店「parc」です。
バラ園に隣接する“浦辺鎮太郎”の建物を改修する計画です。建築家は、原設計への回帰と敬意を込めた意匠を目指し、以前の痕跡を撤去して様々な浦辺建築の要素を“サンプリング”した設計を志向しました。また、新旧の時間差を超えた一体感を作る事が意図されました。店舗の公式サイトはこちら。
RSKバラ園は岡山市北区にあるラジオ送信所の用地を利用した施設で、有料のバラ園に隣接する出入り自由な芝生広場には浦辺鎮太郎の設計により1974年に竣工した「RSKバラ園レストハウス」がある。
そういえばバラ園におもしろい建物があったなという記憶はあったが、それが浦辺の設計であると知ったのは2019年に倉敷アイビースクエアで行われた展覧会「建築家 浦辺鎮太郎の仕事」を見に行ったときであった。図録巻末の作品年表に小さな文字で「RSKバラ園レストハウス」の記載を見つけた。
2022年1月、フレンチレストラン「ポンヌフ」から「RSKバラ園レストハウス」でカフェを開きたいという相談を受け、改めて現地を訪れた。丘のような形状の建物は屋根の傾斜がそのまま内部空間にあらわれ、広場に向かってハの字型に開いた壁が天井の高低差を強調していた。その壁に沿って伸びる階段と、縦長の窓から差し込む光は美しく、煉瓦色の床タイルや木材の使い方からは浦辺らしさが感じ取れた。
とても魅力的な空間であったが、竣工から約50年の間に何度か改修が行われているようであった。蕎麦屋や食堂としても使われていたことから、入口には和風の庇や格子がつけられていたり、ファミレスのようなボックス席が作られていたりと、浦辺の建物とちぐはぐな部分も見られた。
「なるべく何もせず、オリジナルの状態(オリジナルであろう状態)に戻す」ということを一番に目指した。カフェの機能として新しく計画する部分は「sampling」をテーマに計画した。サンプリングとはhiphopなどの音楽ジャンルで用いられる、既存の曲や音源の一部を採取し、再構築して新たな楽曲を製作する技法である。浦辺鎮太郎の意匠や周辺環境から要素をサンプリングし、リスペクトを込めて「RSKバラ園レストハウス」をリミックスすることでこの計画へのアンサーとした。















