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デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツが修復を手掛けた、ドイツ・ベルリンのミース設計の「新国立美術館」。新設部の明示された図面や修復中の写真など豊富な資料で紹介
デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツが修復を手掛けた、ドイツ・ベルリンのミース設計の「新国立美術館」。新設部の明示された図面や修復中の写真など豊富な資料で紹介 photo©Simon Menges
デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツが修復を手掛けた、ドイツ・ベルリンのミース設計の「新国立美術館」。新設部の明示された図面や修復中の写真など豊富な資料で紹介 photo©Simon Menges
デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツが修復を手掛けた、ドイツ・ベルリンのミース設計の「新国立美術館」。新設部の明示された図面や修復中の写真など豊富な資料で紹介 photo©Simon Menges
デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツが修復を手掛けた、ドイツ・ベルリンのミース設計の「新国立美術館」。新設部の明示された図面や修復中の写真など豊富な資料で紹介 photo©Simon Menges

デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツが修復を手掛けた、ドイツ・ベルリンのミース設計の「新国立美術館」です。新設部の明示された図面や修復中の写真など豊富な資料で紹介します。また、別の写真家による写真も2021年1月の工事完了時の記事で閲覧可能です。※2021年8月21日に新しい写真を4枚追加しました。最初の本記事の公開は2021年4月30日です。

こちらは、建築家によるテキストの翻訳

ベルリンの新国立美術館は、20世紀の建築の象徴です。1963年から1968年にかけて計画・建設された鉄とガラスでできたこの建物は、ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエがアメリカに移住した後、ヨーロッパで設計した唯一の建築物です。

約50年に渡って使用されてきたこの建物は、全面的な改修が必要でした。既存の建物は、オリジナルの外観を損なうことなく、現在の技術水準に合わせて改修・アップグレードされています。機能的・技術的なアップグレードには、空調設備、人工照明、セキュリティ、クロークやカフェ、ミュージアムショップなどの来場者用施設のほか、障がい者用アクセスや美術品の取り扱いの改善などが含まれます。

鉄筋コンクリートの骨組みを大規模に修復し、技術的な建物サービスを完全に更新する必要があったため、綿密な調査が必要となりました。骨組みの構造を明らかにするために、石材のクラッドやすべての室内備品など、約35,000のオリジナルの建物部品が解体されました。必要に応じて修正した後、元の位置に正確に取り付けられました。

このプロジェクトの複雑な計画プロセスの鍵となったのは、記念碑の保存と建物の現代的な博物館としての使用の適切なバランスを見つけることでした。このプロセスでは、オリジナルの組織への介入が避けられないため、オリジナルの物質をできる限り保存することと両立させなければなりませんでした。肝心の増築部分は、既存の建物のデザインには従属しているものの、現代的な要素として目立たないようになっています。この改修プロジェクトは、新しい解釈ではなく、インターナショナル・スタイルのこのランドマーク的な建物を尊重して修復しています。

乾久美子に、自身が設計した「宮島口旅客ターミナル」について聞いているインタビュー動画

乾久美子に、自身が設計した「宮島口旅客ターミナル」について聞いているインタビュー動画です。聞き手は、太田浩史です。

世界遺産宮島の玄関口,宮島口の旅客ターミナルが新しくなりました。設計者の乾久美子さんに建築計画についてのインタビューにお答えいただきました!

(出演者)
建築家 乾久美子 氏(乾久美子建築設計事務所主宰)
建築家 太田浩史 氏(株式会社ヌーヴ代表取締役):インタビュアー

続きの動画は以下に掲載します。

乾久美子が、自身の設計で2020年2月に完成した広島の「宮島口旅客ターミナル」を現地で解説している動画

乾久美子が、自身の設計で2020年2月に完成した広島の「宮島口旅客ターミナル」を現地で解説している動画です。※2021年8月21日にvol.2とvol.3の動画を追加しました。

世界遺産宮島の玄関口,宮島口の旅客ターミナルが新しくなりました。設計者の乾久美子さんよる現地ガイドでその魅力をお伝えします!

(出演者)
建築家 乾久美子 氏(乾久美子建築設計事務所主宰)
建築家 太田浩史 氏(株式会社ヌーヴ代表取締役)
建築家 武蔵眞己 氏(乾久美子建築設計事務所)

スティーブン・シェンク+服部大祐 / Schenk Hattoriによる、東京・世田谷区の住宅「House in Fukasawa」。街と内部空間の連続性を意図し、都市部の間口が狭く奥行のある敷地における木造建築の可能性を探求
スティーブン・シェンク+服部大祐 / Schenk Hattoriによる、東京・世田谷区の住宅「House in Fukasawa」。街と内部空間の連続性を意図し、都市部の間口が狭く奥行のある敷地における木造建築の可能性を探求 photo©玉村広雅
スティーブン・シェンク+服部大祐 / Schenk Hattoriによる、東京・世田谷区の住宅「House in Fukasawa」。街と内部空間の連続性を意図し、都市部の間口が狭く奥行のある敷地における木造建築の可能性を探求 photo©玉村広雅
スティーブン・シェンク+服部大祐 / Schenk Hattoriによる、東京・世田谷区の住宅「House in Fukasawa」。街と内部空間の連続性を意図し、都市部の間口が狭く奥行のある敷地における木造建築の可能性を探求 photo©玉村広雅

スティーブン・シェンク+服部大祐 / Schenk Hattoriが設計した、東京・世田谷区の住宅「House in Fukasawa」です。街と内部空間の連続性を意図し、都市部の間口が狭く奥行のある敷地における木造建築の可能性が探求されました。

間口が狭く奥行のある敷地における新たな可能性を示す

起伏豊かな深沢の街。
敷地周辺は、都心でありながらも開発から取り残されたような昔ながらの商店街が広がり、間口が狭く奥行のある敷地に小さな建物が建ち並ぶ。

都市部でよく遭遇するこのような敷地に、最も単純な木造のボリュームを考えると、必然、細長いトンネル状の空間が生まれる。それは往々にして、内部が規定され、外部との関係性が限定的な、敷地条件がそのまま制約として現れたような空間である。

建築家によるテキストより

単純な木造を前提としながら、空間の在り方に多義性を与え、街と内部空間の連続性をもたらすような、同様の敷地における新たな可能性を示す建築を見つけたいと考えた。

建築家によるテキストより

エントランスから一段沈み込んだ下階は、最大4400mmの階高を持つ仄暗い空間となっている。空間を緩やかに仕切るトラス下方の耐力壁と、限定的に設けられた開口部による、光と暗がりの濃淡を持った場が連続する。
一方、外部アプローチからまっすぐ伸びる階段を進むと、街の起伏を思わせる段差を持った上階が現れる。等間隔の柱と不等間隔のトラス材の組み合わせや、空へと繋がる東西面の高窓による、軽快なリズムを持った光溢れる一室空間となっている。
ともすれば分裂し兼ねないほど対照的な二つの空間が、互いを貫く一つの架構形式によって繋ぎとめられる。

建築家によるテキストより
ファラによる、ポルトガル・ポルトの住宅「house with a curved wall」。抽象的な白い空間に、それと対照的な強い色をもつ様々な要素を配置することで空間を構築
ファラによる、ポルトガル・ポルトの住宅「house with a curved wall」。抽象的な白い空間に、それと対照的な強い色をもつ様々な要素を配置することで空間を構築 photo©ricardo loureiro
ファラによる、ポルトガル・ポルトの住宅「house with a curved wall」。抽象的な白い空間に、それと対照的な強い色をもつ様々な要素を配置することで空間を構築 photo©ricardo loureiro
ファラによる、ポルトガル・ポルトの住宅「house with a curved wall」。抽象的な白い空間に、それと対照的な強い色をもつ様々な要素を配置することで空間を構築 photo©ricardo loureiro

ファラが設計した、ポルトガル・ポルトの、住宅「house with a curved wall」です。抽象的な白い空間に、それと対照的な強い色をもつ様々な要素を配置することで空間を構築しています。

ファラは、フィリップ・マガリャインシュ(filipe magalhães)、アナ・ルイサ・ソアレス(ana luisa soares)、アーメッド・ベルホジャ(ahmed belkhodja)の3人が主宰する建築設計事務所で2013年に設立されました。それぞれ、SANAA、伊東豊雄、アトリエ・ワンという日本の設計事務所に勤務やインターンした経験をもつことも特徴です。またフィリップとアナは、日本滞在中は中銀カプセルタワーに居住していました。

こちらは、建築家によるテキストの翻訳

極めて低い予算で、老朽化した元の建物は、外周部の壁が構造的に存在しているだけの状態にリセットされました。

内側の空間は、新しい軽い屋根の下、パブリックプログラムとプライベートプログラムを分けるものとして、緩やかな曲線の壁を正確に配置することで解決されました。既存の外周壁、傾斜した天井、そして追加された曲線が交差することで、複雑な幾何学的形態が生まれました。様々な大きさや形の部屋が新しい壁の後ろに隠れており、広い窓は再発見された庭を縁取ります。

メインスペースには、4つの青いドア、円形の開口部、さまざまな植物、そして謙虚な構築の最高点を象徴する細い金属製のポールがあり、家具がゆるやかに配置されています。選ばれたいくつかの要素は、部屋の全体的な抽象的な白さとは対照的な強い色で塗られています。

通りに面した壁はプロポーションのバランスをとるために延長され、入り口のドアは重厚なサーモンピンクに塗られ、緑青のゲートを閉めるとデコンストラクションな構成が完成します。薄い金属屋根の表面は、まるで紙でできているかのように、白いボリュームの上に広がっています。これは、この家のイメージと「家らしさ」を定義する、顕著な都市要素となっています。

内部は白さと緻密さで統一されていますが、外部は構成要素がゆるやかに並存しているような表現になっています。最終的に、この家はどちらかというとありふれた建物ですが、非常に生き生きとしています。

建築家の浅子佳英と、東京や現代社会の分野で著名なライター速水健朗のインタビュー対談「これからの都市と住まいを考える」が、LIXILのウェブサイトで期間限定で無料配信。今、建築を考える為の土台となる現代社会や都市などについて広範囲に語られる
建築家の浅子佳英と、東京や現代社会の分野で著名なライター速水健朗のインタビュー対談「これからの都市と住まいを考える」が、LIXILのウェブサイトで期間限定で無料配信。今、建築を考える為の土台となる現代社会や都市などについて広範囲に語られる

建築家の浅子佳英と、東京や現代社会の分野で著名なライター速水健朗のインタビュー対談「これからの都市と住まいを考える」が、LIXILのウェブサイトで期間限定で無料配信されています。今、建築を考える為の土台となる現代社会や都市などについて広範囲のトピックが語られています公開期間は2021年8月24日(火)まで。【ap・ad】

住まいやパブリック・スペースのあり方、働き方のさまざまな事例を通して社会と住まいの未来を考えるコラム「これからの社会、これからの住まい 2」。2021年は、監修者の浅子佳英氏(建築家、プリントアンドビルド)、中川エリカ氏(建築家、中川エリカ建築設計事務所)が、コラムと連動して交互にゲストを迎え、インタビューを企画していきます。第1回目は浅子佳英氏が速水健朗氏(ライター、編集者)をお迎えしたインタビューで、期間限定配信(無料)いたします。ぜひご登録のうえ、ご視聴ください。

コロナ禍を経て、住まいや働き方、そして公園や路上などさまざまなパブリック・スペースはますます変化していくと考えられます。
これまで当たり前であった24時間稼働する都市がコロナ禍を経てどう変化し、人々の路上でのふるまいはどう変わったのか、また商業施設とパブリックな公園を合わせた近年の事例「公園2.0」がなぜ成功しているのか。そして家族の構成人数が減少し、この先もリモートワークが続くであろう流動的な社会における、住まいや車の適正なサイズや、フードトラックという動的なパブリック・スペースの可能性について議論します。

インタビュー対談の中に登場するキーワード

ショッピングモール / キャナルシティ / ジョン・ジャーディ / タワーマンション / 都心集中 / 地方創生 / 農業 / 商店街 / 社会の仕組み / 成り立ちの背景 / コロナ禍 / 新型コロナウイルスのヨーロッパの引き受け方 / 日本と欧米の感覚の違い / リモートワーク / 郊外移住 / 都市の魅力 / コンビニ / ニューヨークでのアルコール離れ / 健康志向 / 夜遊びの衰退 / 健全な夜遊び / 路上のみ / 路上飲みはコロナ後も定着するのか? / ミヤシタパーク / 都心のショッピングモール / アウトモール / セキュリティ論 / 南池袋公園 / イケ・サンパーク / 住みたい街と公園 / セキュリティに優れている公園 / 安全な公園 / 渋谷がアッパーな街に / 新しい飲み会文化 / ルーフトップバー / 消費と政治選択 / フード左翼 / 地元好き / 地域のコミュニティ / 『東京どこに住む?』 / 住所格差と人生格差』 / 東京の東側 / 東京の西側 / 都市のアイデンティティ / 『第三の波』 / 集まって住むことのメリット / 弱いつながり / 強いつながり / サーバーエージェントの働き方 / 近くに住んで近くで遊ぶ / 一緒にいる事の強み / 会社に来るインセンティブ / アメリカのIT企業のオフィス / 現代の仕事と労働時間 / 法規制 / 住まいのサイズ / ウサギ小屋 / 核家族 / 世帯平均 / 日本の住宅が大きくなっている / 狭いところに集まって住むのはエコ / 住宅の適性サイズ / 車と街のスケールの不一致 / 車を小さくするのはエコ / 都市の引越回数 / マイクロ住宅 / 住宅供給 / 世界の中で東京の家賃は安い / 団地 / nLDK / リモート会議 / 都心回帰 / リモートワークと住宅サイズ / フードトラック / メタボリズム / モバイル / モバイルハウス / イーロン・マスク 等々

アーキテクチャーフォトが動画内から抜粋
野々山稔 / うのの建築事務所による、 大阪・吹田市の、設計者の事務所兼自邸「働きながら住む家」。建物内外に余白を設計し周辺環境の変化を緩やかに取り込むことで、住宅内部で過ごす時間の在り方を考慮
野々山稔 / うのの建築事務所による、 大阪・吹田市の、設計者の事務所兼自邸「働きながら住む家」。建物内外に余白を設計し周辺環境の変化を緩やかに取り込むことで、住宅内部で過ごす時間の在り方を考慮 photo©笹の倉舎 / 笹倉洋平 Sasakura Yohei
野々山稔 / うのの建築事務所による、 大阪・吹田市の、設計者の事務所兼自邸「働きながら住む家」。建物内外に余白を設計し周辺環境の変化を緩やかに取り込むことで、住宅内部で過ごす時間の在り方を考慮 photo©笹の倉舎 / 笹倉洋平 Sasakura Yohei
野々山稔 / うのの建築事務所による、 大阪・吹田市の、設計者の事務所兼自邸「働きながら住む家」。建物内外に余白を設計し周辺環境の変化を緩やかに取り込むことで、住宅内部で過ごす時間の在り方を考慮 photo©笹の倉舎 / 笹倉洋平 Sasakura Yohei

野々山稔 / うのの建築事務所が設計した 大阪・吹田市の、設計者の事務所兼自邸「働きながら住む家」です。建物内外に余白を設計し周辺環境の変化を緩やかに取り込むことで、住宅内部で過ごす時間の在り方を考慮した住宅となっています。

自身の事務所兼住宅の計画である。

敷地は吹田市内の中心市街地から徒歩圏の住宅地に位置する。最寄り駅は大阪市内へのアクセスがよく、住宅と仕事場のどちらにも便利な場所である。周辺一帯は比較的に狭小な住宅の密集地であり、周囲の住宅は2・3階建てで、塀などなく道路に直接面した住宅が多い。この場所で周囲の住宅との距離感を保ちつつ、周辺環境を取り込み生活できる住宅を考えた。

建築家によるテキストより

事務所兼住宅であるため、自然とほぼ一日中家にいることになる。そのような状況下では、環境の変化を緩やかに取り込み、住宅にいながらも周辺環境と優しくつながる住宅が求められる。そこで余白を介して周辺環境を取り入れることを考えた。

建築家によるテキストより

この住宅には事務所上部、2階南側テラス、1階中庭、洗面所外部のヤードと大小さまざまな余白があり、これらの余白に加え、前面道路上部や周辺建物の間や抜けも余白と捉え、それらの関係性を考えて周辺環境を取り込んだ。建物内外の余白を介して周辺環境を取り込むことで、周囲の住宅との距離感は適度に保たれ、周辺環境を十分に取り込んで生活できる住宅となった。

建築家によるテキストより
田根剛が会場構成を手掛けた、東京ミッドタウン・ホールでの展覧会「北斎づくし」の会場動画

田根剛が会場構成を手掛けた、東京ミッドタウン・ホールでの展覧会「北斎づくし」の会場動画です。こちらのページには写真が11枚掲載されています。会期は2021年9月17日まで。展覧会の公式サイトはこちら

以下は、展覧会公式の概要。

20歳で浮世絵師としてデビューしてから90歳で没するまでの70年間、常に挑戦を続けて森羅万象を描き抜こうとした画狂の絵師・葛飾北斎。
その生誕260年を記念し、代表作である『北斎漫画』、「冨嶽三十六景」、『富嶽百景』の全頁(ページ)・全点・全図が一堂に会する前代未聞の特別展が2021年7月、東京・六本木に出現します。

田中裕之建築設計事務所による、東京・大田区の、既存建物を改修したリコーの実践型研究所「3L」。元体育館をミーティング等の空間に転用し、そこから各個室が一望できる設計とする事により社内活動の活発化を意図
田中裕之建築設計事務所による、東京・大田区の、既存建物を改修したリコーの実践型研究所「3L」。元体育館をミーティング等の空間に転用し、そこから各個室が一望できる設計とする事により社内活動の活発化を意図 photo©長谷川健太
田中裕之建築設計事務所による、東京・大田区の、既存建物を改修したリコーの実践型研究所「3L」。元体育館をミーティング等の空間に転用し、そこから各個室が一望できる設計とする事により社内活動の活発化を意図 photo©長谷川健太
田中裕之建築設計事務所による、東京・大田区の、既存建物を改修したリコーの実践型研究所「3L」。元体育館をミーティング等の空間に転用し、そこから各個室が一望できる設計とする事により社内活動の活発化を意図 photo©長谷川健太
田中裕之建築設計事務所による、東京・大田区の、既存建物を改修したリコーの実践型研究所「3L」。元体育館をミーティング等の空間に転用し、そこから各個室が一望できる設計とする事により社内活動の活発化を意図 photo©長谷川健太

田中裕之建築設計事務所が設計した、東京・大田区の、既存建物を改修したリコーの実践型研究所「3L」です。元体育館をミーティング等の空間に転用し、そこから各個室が一望できる設計とする事により社内活動の活発化が意図されました。施設の公式サイトはこちら

株式会社リコーの実践型研究所「3L」である。

新規プロジェクトなど新しい取り組みにリコー社員が没頭でき、社内外のコラボレーションを促進できる雰囲気を持った空間が求められた。創業の地でもある東京都大田区にはリコー本社があり、現在はリコー創業者が設立した「市村清新技術財団」が置かれている創業者の邸宅も隣接してあるなど、古くからリコーはこの地域からスタートしてグローバル企業として飛躍をしていったと言える。

建築家によるテキストより

もともと48条ただし書を受けた建物であり、住宅地に建っている。
そのためにリノベーションをした新しい建物として、劇的に変化したという外観を持つことはせず、住宅地ということを踏まえた外構や植栽の充実と、新しい内部プランに対応するような開口部プロポーションの整理、アプローチの変更に伴うエントランスの変更をするにとどめ、慎ましやかさや控えめな佇まいを残したものにすることを目指した。

建築家によるテキストより

一方、建物内部での活動を支える空間については、社員が自由に、そして活発に活動できることを目指した。
さらにいうと、個々の活動が活発になるだけでなく、それらが連続して社員間で繋がっていき、拡がっていくということの重要性がコンペ段階から指摘されていた。

既存建物の特徴として、体育館(以下、BOX)として使われている大きな空間があることもあり、上記の重要性に対する回答として、まずここに活動が一望できる新たな内部化した立面を作ることを提案した。そのことによって別棟のBOX側立面に個室のプロジェクトルームを配置し、そこでの活動がBOXから一望できるようになった。

建築家によるテキストより
中村竜治による、資生堂ギャラリーでのインスタレーション「関係」。資生堂の収蔵品から三輪美津子と内藤礼の作品を選び、既存のギャラリー壁に“擬態”する壁を設計し展示することで、鑑賞者に様々な想像や見立てを促す
中村竜治による、資生堂ギャラリーでのインスタレーション「関係」。資生堂の収蔵品から三輪美津子と内藤礼の作品を選び、既存のギャラリー壁に“擬態”する壁を設計し展示することで、鑑賞者に様々な想像や見立てを促す photo©中村竜治
中村竜治による、資生堂ギャラリーでのインスタレーション「関係」。資生堂の収蔵品から三輪美津子と内藤礼の作品を選び、既存のギャラリー壁に“擬態”する壁を設計し展示することで、鑑賞者に様々な想像や見立てを促す photo©中村竜治
中村竜治による、資生堂ギャラリーでのインスタレーション「関係」。資生堂の収蔵品から三輪美津子と内藤礼の作品を選び、既存のギャラリー壁に“擬態”する壁を設計し展示することで、鑑賞者に様々な想像や見立てを促す photo©中村竜治

中村竜治による、資生堂ギャラリーでのインスタレーション「関係」。資生堂の収蔵品から三輪美津子と内藤礼の作品を選び、既存のギャラリー壁に“擬態”する壁を設計し展示することで、鑑賞者に様々な想像や見立てを促す作品となっています。中村の作品も出展されている「資生堂 第八次椿会 このあたらしい世界 『触発』」の会期は、2021年6月5日〜8月29日(休館:月曜、8/16〜23)。展覧会の公式ページはこちら

資生堂ギャラリーでのグループ展「第八次椿会 この新しい世界」でのインスタレーション。
「椿会」は1947年から始まり、複数のアーティストが選ばれ、同じメンバーで数年にわたりグループ展を行うというもので、資生堂はその展示作品を収蔵し続けている(銀座に資生堂ギャラリー、静岡県掛川に資生堂アートハウスを擁する)。

建築家によるテキストより

1年目のテーマは「触発」である。今回は特に、メンバーが過去の椿会の収蔵作品から「あたらしい世界」を触発される作品を選び取り、それに対する応えを自身の作品や方法で提示し、収蔵作品に新たな視点を加えつつ未来へとつなげるという今までの椿会にはない試みがなされている。

私は、膨大な量の収蔵作品の中で「関係」が意識されるような作家や作品に興味を持ち、三輪美津子の女性の顔を描いた連作「EBBA-No.9」、「EBBA-No.4」、「四つ目の池I〜IV」と内藤礼の木彫りの「ひと」を選んだ。

建築家によるテキストより

普段物自体に焦点を当て過ぎてしまいがちだが、少し焦点をずらし、物と物との間の関係に注目することで、新しい思考ができるようになるのではないか、と二人の作品は教えてくれていると思う。三輪美津子の作品、内藤礼の作品、壁の3つは、それぞれ自立していて無関係なもののようにあるが、訪れた人がそれらの間に様々な関係を見出すことで、自分なりの風景や感覚が立ち上がるような展示になれば、二人の作品の魅力が伝えられるのではないかと考えた。

建築家によるテキストより
トラフ建築設計事務所による、角川武蔵野ミュージアムでの展覧会の会場構成「俵万智 展 #たったひとつの「いいね」 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで」
トラフ建築設計事務所による、角川武蔵野ミュージアムでの展覧会の会場構成「俵万智 展 #たったひとつの「いいね」 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで」 photo©小川真輝
トラフ建築設計事務所による、角川武蔵野ミュージアムでの展覧会の会場構成「俵万智 展 #たったひとつの「いいね」 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで」 photo©小川真輝
トラフ建築設計事務所による、角川武蔵野ミュージアムでの展覧会の会場構成「俵万智 展 #たったひとつの「いいね」 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで」 photo©小川真輝

トラフ建築設計事務所が設計した、角川武蔵野ミュージアム エディットアンドギャラリーでの展覧会の会場構成「俵万智 展 #たったひとつの「いいね」 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで」です。展覧会の会期は2021年11月7日まで。公式ページはこちら

現代日本を代表する歌人、俵万智氏の初の本格個展「俵万智 展 #たったひとつの「いいね」 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで」の会場構成を手掛けた。

建築家によるテキストより

35年にわたる歌業から厳選された約300首の短歌を、『サラダ記念日』、回廊、『未来のサイズ』の3つのエリアに分けて展示し、来館者は普段は目にすることのないスケールで展示される俵氏の言葉と世界観を楽しめる。ベストセラー『サラダ記念日』のエリアではピンクをテーマカラーとし、恋愛歌20首が施された大きなハートの什器や、学生時代に家族に寄せたはがきや手紙が巨大サイズに引き伸ばされて展示されている。

建築家によるテキストより

会場内に展開する俵氏の言葉の中を歩くことで、膨大な資料とともに歌の世界を体験し、新たに言葉や歌と出会える空間を目指した。

建築家によるテキストより
原田圭 / DO.DO.による、長崎・波佐見町の飲食店舗「COYANE SAIKAITOKI」。トンネル内壁用に開発された波佐見焼のタイルを採用し、建築外装・内装・家具に至るまで使用
原田圭 / DO.DO.による、長崎・波佐見町の飲食店舗「COYANE SAIKAITOKI」。トンネル内壁用に開発された波佐見焼のタイルを採用し、建築外装・内装・家具に至るまで使用 photo©太田拓実
原田圭 / DO.DO.による、長崎・波佐見町の飲食店舗「COYANE SAIKAITOKI」。トンネル内壁用に開発された波佐見焼のタイルを採用し、建築外装・内装・家具に至るまで使用 photo©太田拓実
原田圭 / DO.DO.による、長崎・波佐見町の飲食店舗「COYANE SAIKAITOKI」。トンネル内壁用に開発された波佐見焼のタイルを採用し、建築外装・内装・家具に至るまで使用 photo©太田拓実

原田圭 / DO.DO.が設計した、長崎・波佐見町の飲食店舗「COYANE SAIKAITOKI」です。トンネル内壁用に開発された波佐見焼のタイルを採用し、建築外装・内装・家具に至るまで使用したことも特徴となっています。
店舗の公式サイトはこちら

陶磁器の産地である長崎県波佐見町にある陶磁器メーカー西海陶器のプロジェクト。
2016年弊社で設計し竣工した「ŌYANE(オーヤネ)」に隣接する位置に建てたレストラン。

ショップに訪れる人にもっとゆっくり滞在してほしいというオーナーの思いの元、同じ敷地内にあるイベントスペース用の大屋根を小さくした形状で外部に対して開かれた空間を計画した。

建築家によるテキストより

メインマテリアルとして使用したタイルは、かつてトンネルの内壁用に開発された波佐見焼のタイルで、暗いトンネルの中で視認性を高めるため、通常の白より「白い」のが特徴で美しいものでした。そこで、建築外装、内装、家具に至るまで使用する事を決めました。

建築家によるテキストより

側面のガラス引戸は6枚が引き込まれ、オーヤネとオープンに繋がるデザインに。また北側の大きな窓も外壁側に引き込まれ、フレームレスで風にたなびく田園風景を望めるように計画した。

建築家によるテキストより
堤庸策 / arbolによる、奈良・生駒郡の住宅「平群の家」。諸機能を兼ねる空間によって“量より質”を追求する設計を意図
堤庸策 / arbolによる、奈良・生駒郡の住宅「平群の家」。諸機能を兼ねる空間によって“量より質”を追求する設計を意図 photo©下村康典
堤庸策 / arbolによる、奈良・生駒郡の住宅「平群の家」。諸機能を兼ねる空間によって“量より質”を追求する設計を意図 photo©下村康典
堤庸策 / arbolによる、奈良・生駒郡の住宅「平群の家」。諸機能を兼ねる空間によって“量より質”を追求する設計を意図 photo©下村康典

堤庸策 / arbolが設計した、奈良・生駒郡の住宅「平群の家」です。諸機能を兼ねる空間によって“量より質”を追求する設計が意図されました。

家の設計の始まり。それは、施工主のご家族が増えたことがきっかけであった。
「一軒家に暮らしたい」という要望と、「好きな物に囲まれて過ごしたい」というライフスタイルから始まった。シンプルな住まいでありながら、かつ、そこに住む人間によって見える景色や彩りが変わるような住居を希望していた。また、法的な床面積も一般的な広さより小さくなることを前提に家づくりにとりかかった。

建築家によるテキストより

最も特徴的な要素は、何と言っても敷地の両端まである塀。
ここでの目的は、限られたコスト内でいかにプライバシー感のある空間をどう創るかであった。ただ、それでいて、時には周囲と溶け込みながら、閉塞感を緩和させるためにはどうするか?という観点にも配慮した。その結果、『プライバシー感のある空間』と『閉塞感がない空間』の双方を満たせるような堀を設計した。

建築家によるテキストより

お客様はコンパクトでありながらも、「質」を重視していた。昨今の世の中では、『情報過多』かつ『物質過多』の中、ミニマリズムが見直されつつある。
そのために工夫した例の一つ。それは、“玄関ポーチ 兼 アウトドアリビング”だ。ここは玄関ポーチでありながらも、ちょっとしたアウトドアも実施できる空間となっている。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス [期間:2021/8/9-8/15]
最も注目を集めたトピックス [期間:2021/8/9-8/15]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2021/8/9-8/15)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計
  2. 小松隼人建築設計事務所による、広島市の、設計者の自邸「江波の家」。遠景の緑に“接庭”と定義した植栽で満たされた半外の場を重ねることで、建築・周辺環境・庭が渾然一体と繋がる関係を設計
  3. GROUPによる、東京・新宿区のアートスペース「新宿ホワイトハウスの庭」。様々な変遷を経た磯崎新による初めての建築物の外部空間をバー・カフェ・アートスペースのための庭に作り直す
  4. 川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市のテナントビル「M_building」。深い梁のような構造体が分散配置された建物を繋ぎつつ、中庭に光と影を落とし時間の変化を取り込む
  5. 水谷隼人による、ドイツ・ネブラの「森と空のパヴィリオン」
  6. 乾久美子のウェブサイトがリニューアル。作品写真だけでなく事務所全体の活動が包括的に伝えるつくり方が特徴的
  7. 奥田晃輔+堀井達也+吉田裕樹 / OHArchitectureによる、京都市の「大阪町の店舗」。敷地を囲む町家のトタン壁の輪郭をオフセットした躯体を設計することで空間の履歴を継承しつつ、密集した旧市街地で豊かな空間の実現を意図
  8. ファラによる、ポルトガル・ポルトの、6住戸の集合住宅「six houses and a garden」。部屋を構成する床・壁・天井等の素材感と開口部等の幾何学の組み合わせによって慣習に捉われないリビングルームを実現
  9. 桐圭佑 / KIRI ARCHITECTSによる、東京・西東京市の住宅「明るい階段室」。空間全体の3分の1を占める大きな階段室が様々な視点や風景を生み出すと共に、環境に対する緩衝空間としても機能
  10. アンサンブル・スタジオによる講演会「Architecture of The Earth」の動画が期間限定で公開(日本語字幕付)
  11. 乾久美子が、自身の設計で2020年2月に完成した広島の「宮島口旅客ターミナル」を現地で解説している動画
  12. ファラによる、ポルトガル・ポルトの住宅「house with four columns」。建築的な装置として考案された天井と切り離された柱によって住まい方を示唆
  13. 杉山幸一郎による連載エッセイの最新回「メルクリのペイント」
  14. BIGとへザウィック・スタジオによる、アメリカ・カリフォルニアの、グーグル社新社屋の新しい現場写真
  15. 後藤周平建築設計事務所による、静岡・浜松市の「成田商店本社屋 工場」。地域の産業の在り方を模索し事業を拡大する施主企業の為に、地域の風景を継承しつつ未来につないでいく建築を意図
  16. nendoがデザインを手掛けた「Tokyo2020 聖火台」の動画
  17. MADの設計で近く着工する、中国・海口市の「海南科学技術博物館」。自然と対話する雲のような形の建物内部は螺旋状の展示空間となり、屋外は自然を楽しむための空間として構想
  18. nendoによる、東京の住宅「階段の家」
  19. 竹中工務店の設計・施工による、兵庫・神戸市の「竹中工務店深江竹友寮」
  20. 中村拓志 & NAP建築設計事務所と竹中工務店の設計で、千葉市にZOZO社の新社屋が完成

BIGとへザウィック・スタジオによる、アメリカ・カリフォルニアの、グーグル社新社屋の新しい現場写真

BIGへザウィック・スタジオが設計して建設が進められている、アメリカ・カリフォルニアの、グーグル社新社屋の新しい現場写真がinstagramに投稿されていました。2019年9月には屋根部分の完成した写真がレポートされていました。

【ap job更新】 KIAS イシダアーキテクツスタジオが、業務拡大のため建築設計監理の実務経験のある設計スタッフを募集中
【ap job更新】 KIAS イシダアーキテクツスタジオが、業務拡大のため建築設計監理の実務経験のある設計スタッフを募集中
【ap job更新】 KIAS イシダアーキテクツスタジオが、業務拡大のため建築設計監理の実務経験のある設計スタッフを募集中FOUR LEAVES

KIAS イシダアーキテクツスタジオの、業務拡大のため建築設計監理の実務経験のある設計スタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

【イシダアーキテクツスタジオが業務拡大のため、建築設計監理の実務経験のある設計スタッフを募集】

KIAS イシダアーキテクツスタジオで建築設計スタッフを募集します。

イシダアーキテクツスタジオ(KIAS)は、建築家石田建太朗の主宰する建築設計事務所です。これまでに那須の森に建つ美術館N’s YARDをはじめ日本橋の三越コンテンポラリーギャラリーなど数多くの美術空間のデザインに携わってきました。2020年には軽井沢の別荘「積葉の家」がイギリスの建築誌Architectural Review が主催するAR House Award 2020を受賞するなど海外メディアからも高い評価を受けています。

現在、ヴィラタイプのホテルのほか美術館や都内の文化複合施設などのクオリティの高いプロジェクトが進行中です。スタッフ全員がRhinocerosなどの3Dソフトを使用してデザインスタディを進めていくので、CG制作などのスキルを習得しながら設計業務に取り組むことができます。

新しいものを一緒に創造していく熱意のある方、建築設計から監理まで責任を持って誠実に取り組んでいける方、明るくコミュニケーション能力に長けている方のご応募をお待ちしております。

応募希望者の事務所の見学も可能ですので、お気軽にご連絡ください。

【掲載記事】
Four Leaves Villa – AR House Award 2020
Four Leaves in Karuizawa by Kentaro Ishida Architects Studio – Architectural Review (architectural-review.com)

石田建太朗 / AGC Glass Plazaインタビュー Vol.21
Vol.21 完全ではないものがもたらす空間のおおらかさ |新しい建築のおおらかさを求めて|AGC Glass Plaza (asahiglassplaza.net)

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