


田付龍吉 / DesignTeam。が設計した、東京・目黒区の住戸改修「T邸リノベーション」です。
一般的な3LDKを単身の施主の為に改修する計画です。建築家は、必要面積の少なさから“緩く行き来”する空間を目指し、テラスを外部リビングとした二つの回遊動線を持つ平面を考案しました。また、場所毎に異なる意匠の建具で体験の豊かさも作る事も意図されました。
築40年のマンションの一室をリノベーションする依頼を受けた。
RC6階建ての5階に位置する大きめのテラスを持つ住居で、既存の間取りは、日本の多くの、このサイズのマンション同様、部屋数を確保することを最優先にしたような3LDKだった。
クライアントの今の生活では1LDKしか必要にならないことから、開放的で、家の中を緩く行き来できるような回遊性のある動線をつくることからデザインを始めた。
平面的にはLDKと寝室に面して大きなテラスがあり、テラスを外部リビングとして計画することで、テラスを介してLDK→テラス→寝室→LDKという回遊動線をつくった。それに加えて、寝室から玄関への動線を通すことで、もう一つの回遊動線(寝室→玄関→LDK→寝室)をつくり、LDKと寝室を共有する二つの回遊動線ができあがる。
家に回遊動線が2つもあることで、すべての空間を緩くつなぎ、好きなように行き来できる空間の連続としての住空間をつくりだしている。
また、建具の詳細を部屋や収納ごとに用途や場所に合わせてデザインし、大きさもあえて変えることとした。
伝統的な茶室の建具が、茶道口、給仕口、躙口、貴人口など異なる寸法や異なる意匠を持たせているように、建具は扉を開けるという特別な瞬間に立ち会う装置であり、小さな面積に様々な異なる空間を詰め込んだ茶室において、その空間ごとの表現を見事につくりだしていると言える。














