


重名秀紀 / studio junaが設計した、岡山市の住宅「江並の家」です。
新たに造成された分譲地に計画されました。建築家は、他区画との良好な関係を目指して、区域の共通要素を再構成する事で風景に擬態し馴染みつつ“らしさ”が表れる建築を志向しました。また、平面でも“普通”である事を肯定的に扱う事を意図しました。
新しく造成された8区画からなる分譲地にたつ3人家族のための住宅である。
分譲地のために作られた袋小路状の道路を挟んで、北側に6区画、南側に2区画が計画されており、今回の敷地は北側の東から3番目、分譲地の中心に位置する敷地であった。初めて敷地を訪れた際、他の区画には全てハウスメーカーの住宅がたつことがわかった。
このような分譲地の中にあって、クライアントの要望を満たしつつ積極的に周囲との差をつけることは可能であったが、同時期に8家族が他の場所からやって来てこの地に住むことになる状況において、それが必要なことであるとは思えなかった。むしろこの分譲地の住宅に共通するであろう要素を積極的に取り入れ慎重に再構成することで、周囲の風景に擬態し馴染みつつもこの家らしさが浮かび上がってくるようなつくり方を目指した。
敷地の北側に寄せて立ち上げた切妻のボリュームは妻入りの玄関部分を家型に凹ませ、ポーチと2階部分の庇を兼ねた。外壁は窯業系サイディング(周囲の家ではタイル調や木目調が使用されていた)の中でも模様のない無機質なものを選び、一部に無垢の杉板を張った。平入の住宅が並ぶ中、より「家」らしさが際立つファサードとなった。
















