


MVRDVによる、オランダ・ロッテルダムのHet Nieuwe Instituutでの建築展「MVRDVHNI: The Living Archive」の会場写真。ファームの30年の歴史を“human” “green” “dream”の視点で表し、1993年に設立されたデジタル生まれの企業として、デジタルアーカイブを探索できるソフトウエアも開発されました。会期は2022年9月4日までとのこと。
以下は、リリーステキストの翻訳です
「MVRDVHNI: The Living Archive」では、MVRDVのヒューマンでグリーンな夢の創造の舞台裏を見ることができます。
現在、Het Nieuwe Instituutで開催中の「MVRDVHNI: The Living Archive」展では、MVRDVのデザイン哲学のルーツに迫ります。HNIの最上階で行われており、隣にあるMVRDVの最新作である「デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲン」を圧倒的な眺望で見ることができます。「The Living Archive」展は、30年間の仕事を多層的に検証するものです。この展覧会では、MVRDVのプロジェクトとその背後にある進化したアイデアを紹介するとともに、作品の背後にあるデザインプロセスや、そうしたマテリアルを後世に残すための課題についても洞察しています。
展示されているプロジェクトは、ダーウィニズムの進化の年表に沿って並び、3つのテーマに分かれています。MVRDVの社会的な意識や人間を中心としたデザインを表す「human」、持続可能な目標を表す「green」、ユーザーに驚きを与えるような大胆で注目すべきプロジェクトを目指すMVRDVの野心を表す「dream」です。
「MVRDVHNI」の展覧会は、アーカイブを公開することを目的としているため、完成したデザインそのものだけでなく、デザインプロセスを示す資料にも焦点が当てられています。模型や写真だけでなく、スケッチや図面、素材のサンプル、クライアントに渡すプレゼンテーション用の冊子、エンジニアやコントラクターとのやりとりまで、さまざまな資料が展示されています。アナログカメラで撮影された写真は印刷されてテーブルの上に置かれ、デジタル写真は会場内に設置された多くのコンピュータ画面で見ることができるなど、可能な限りオリジナルのフォーマットで展示されています。
今回の展覧会では、まさにこのアナログとデジタルの境界線を意識した展示が行われています。MVRDVは1993年に設立された「デジタル生まれ」の企業で、ほとんどがデジタルのアーカイブを作成した最初の世代の企業のひとつです。2015年にアーカイブの最初の400プロジェクトをHet Nieuwe Instituutに寄贈したとき、この規模のデジタルアーカイブは同機関が取得した初めてのものでした。この膨大なファイルのコレクションにアクセスできるようにする従来の方法は失敗したため、アーカイブをさらに明らかにするための革新的なツールが作られました。MVRDV NEXTスタジオが特別に開発したデジタルソフトウェア「ProjectScape」は、訪問者が自分の調査ラインに沿ってプロジェクトを探索することを可能にします。Namelok社のソフトウェアは、MVRDVが撮影した画像に写っている人物を分析し、Giacomo Nanni & Francesca Morini社の検索エンジンは、MVRDVが送受信した何十万通ものメールの中から「サステイナビリティ」という言葉がいつ出てきたのかを確認することができます。