中山英之が2021年9月11日に行った講演「,and then」の動画です。愛知淑徳大学での中山の展覧会に合わせて行われたものです。展覧会の会期は2021年9月19日まで。
日 時:2021年9月11日(土)
会 場:愛知淑徳大学 長久手キャンパス5号棟511教室
本講演会は「中山英之展 ,and then」愛知巡回展に際してご講演いただいた内容を収録したものです。
中山英之が2021年9月11日に行った講演「,and then」の動画です。愛知淑徳大学での中山の展覧会に合わせて行われたものです。展覧会の会期は2021年9月19日まで。
日 時:2021年9月11日(土)
会 場:愛知淑徳大学 長久手キャンパス5号棟511教室
本講演会は「中山英之展 ,and then」愛知巡回展に際してご講演いただいた内容を収録したものです。
ファラが設計した、ポルトガル・ポルトの、工場を転用した集合住宅「reasonable housing」です。既存の柱位置を起点とし、“規則”、“例外”、“アンバランスな対称性”によって平面に幾何学的な秩序をつくりだすことが意図されました。
ファラは、フィリップ・マガリャインシュ(filipe magalhães)、アナ・ルイサ・ソアレス(ana luisa soares)、アーメッド・ベルホジャ(ahmed belkhodja)の3人が主宰する建築設計事務所で2013年に設立されました。それぞれ、SANAA、伊東豊雄、アトリエ・ワンという日本の設計事務所に勤務やインターンした経験をもつことも特徴です。またフィリップとアナは、日本滞在中は中銀カプセルタワーに居住していました。
こちらは、建築家によるテキストの翻訳
バナキュラーな戸建て住宅が並ぶ静かな郊外の村の中で、家のように振る舞っていた工場が、実現しなかった工場のような集合住宅へと姿を変えました。この建物は、原型的な風刺の中で生きています。
3階建ての各階は2つのアパートメントで構成されており、非常に低予算であったため、建設の基準も非常に低いものとなりました。それにもかかわらず、提案されたオープンプランは、すべてのアパートメントに広々としたスペースと様々な方向性を与え、課せられた手段の少なさとある種の空間的な贅沢さの間に空間的な緊張感を生み出しています。
平面の幾何学性は、既存の柱の配置から始まっています。もともとこのスペースにあった機械の大きさが異なるため、中心から外れた軸がグリッドとなり、そこから幾何学的に全体を配置していきました。6つの正方形の部屋、そのうちの1つは2つの三角形のスペースに分かれており、1つのカーブ、そして小さなねじれがあります。秩序を得るために、規則、例外、アンバランスな対称性が課せられました。等間隔に配置された青いドアのシークエンスは、既存のコンクリートの柱やブルータルな梁と整列し、連続性を感じさせます。
ファサードはシンプルで秩序があり、平面で決められたルールに従っています。一見すると規則的に配置された同一の窓は、白いボリュームの純粋さを強調していますが、雨水用のパイプは華麗な配置がされており、構成のバランスを崩しています。フェイクのコーニス、白のテクスチャーの荒々しさ、同じ開口部の繰り返し、そしてこの建物の共通の入り口を示すドメスティックなブルーのドアは、遊び心のある抑制された建築言語を持っています。
SDレビュー2021の入選作品の展覧会レポート(後編)です(前編はこちらからどうぞ)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件の建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られています。本記事では展覧会の様子を前編・後編に分けて紹介します。会期は2021年9月18日~26日(土日祝日はPeatixでの事前予約が必要です)。SDレビュー2021の審査を務めたのは古谷誠章、赤松佳珠子、小西泰孝、原田真宏でした。
SDレビューとは
SDレビューは、実際に「建てる」という厳しい現実の中で、設計者がひとつの明確なコンセプトを導き出す思考の過程を、ドローイングと模型によって示そうというものです。
実現見込みのないイメージやアイデアではなく、実現作を募集します。
1982年、建築家・槇文彦氏の発案のもとに第1回目が開催され、以降毎年「建築・環境・インテリアのドローイングと模型」の展覧会とその誌上発表を行っております。
以下、入選作品を前編に続き展示順に掲載します。
SDレビュー2021の入選作品の展覧会レポート(前編)です。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件の建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られています。本記事では展覧会の様子を前編・後編に分けて紹介します(後編はこちらからどうぞ)。会期は2021年9月18日~26日(土日祝日はPeatixでの事前予約が必要です)。SDレビュー2021の審査を務めたのは古谷誠章、赤松佳珠子、小西泰孝、原田真宏でした。
SDレビューとは
SDレビューは、実際に「建てる」という厳しい現実の中で、設計者がひとつの明確なコンセプトを導き出す思考の過程を、ドローイングと模型によって示そうというものです。
実現見込みのないイメージやアイデアではなく、実現作を募集します。
1982年、建築家・槇文彦氏の発案のもとに第1回目が開催され、以降毎年「建築・環境・インテリアのドローイングと模型」の展覧会とその誌上発表を行っております。
以下、入選作品を展示順に掲載します。
小さな家具から大規模な医療・福祉施設まで手掛ける「株式会社AIDAHO」の、設計スタッフ(正社員・アルバイト・パート)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
株式会社AIDAHOは、設計スタッフ(業務委託・パートタイム・正社員)を募集いたします。
※今回の募集は実務経験者に限ります
株式会社AIDAHOは創業から9年目の建築事務所です。
現在、代表2名を合わせて9名のスタッフが働いています。事務所の規模は、一般的にアトリエ事務所といわれる規模の会社だと思いますが、昔ながらのアトリエ事務所のようなトップダウンの体制ではなく、年齢や経験に関係なく自由に意見を言い合いながら一つのプロジェクトを進めてゆく共同体制の事務所です。
トップが独自の経験や持論から生み出した法則や世界観を軸にするよりも、環境や、条件、要望から、最適なものとは何かをチームで議論し、形とするための検証を積み重ね、プロジェクトの軸としてゆく共同体制の方が、個人の限界を超えた新しいものを生み出すことができると考えています。
■建築事務所という仕事について
私達は、建築を計画するということは、その土地の歴史や、培われてきた文化、環境との関係や、この先の未来について、見つめ直すことができる貴重な機会だと考えています。
この機会を最大限に活かし、建築だけでなく、その土地をより豊かな場所に変えることが私達のような建築事務所の社会的な役割だと考えています。■進行中のプロジェクトについて
現在は、マンション住戸のリノベーション、新築の個人住宅、クリニック、大型の医療、福祉施設等、多数プロジェクトが進行中です。
小さなカフェから大きい施設まで、手掛ける案件の業種や規模の幅が広いのも特徴だと思います。
サイン等のグラフィックデザインや、ライティングデザイン、ランドスケープデザイン、家具デザイン、構造設計、設備設計など、魅力的な専門のデザイナーや設計者と協力して進めているプロジェクトもあり、望めば意匠以外のことも学ぶことができると思いますし、それらの職能を持つ人には是非活かしていただきたいと思っています。
太田健裕 / 太田設計舎と窪田建設が設計した、長野・伊那市の医療施設「このはなクリニック」です。木造トラスで構成された光天井は、内部に様相の変化を取り込むことで施設の医療理念を反映すると共に、構法と部材寸法の設計によって施工性も考慮されています。
長野県伊那市における高度生殖医療拠点の計画である。
自然に体内周期を整えることを基盤とする医療理念に基づき、陽の出から陽の入りまで木造トラスで構成された光天井は自然の摂理に従って刹那に様相が変化する。
一体を覆う木造トラスは、自由なプランニングを形成するため内部空間にほとんど柱を落とさず、中心の長スパン部分のトラスせい最大H=1700を基点とし、各スパンに応じて徐々に減少する。気積が変化する天井懐は、季節や天候あるいは時間帯により変化する光だまりの空間となり、天井面にある半透明のレイヤーが光の反射と拡散を促している。
伊那市面積の8割が森林であり、市が積極的に取組んでいる木材利用の推進には地場産材を活用することに留まらず、地元職人で作れる工法と入手可能な材をとするため、ほとんどを流通している規格製材とし、極力特殊加工の集成材を使用しない方式とした。巾90mmの製材を半割りし、90mm角の束材をサンドイッチすることで木造トラスを形成し、最小限のボルト締込みと、ドリフトピンのシンプルな構造形式とした。
子ども教育施設を主軸に、住宅・店舗など幅広く手掛ける「ユニップデザイン株式会社」の、設計スタッフ(経験者・正社員)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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ユニップデザイン株式会社一級建築士事務所が設計スタッフ(経験者・正社員)を募集します。
保育所をはじめとした子ども教育施設を主軸に、住宅、店舗、宿泊施設など、幅広く設計活動を行っています。建物単体のデザインにとどまらず、建物をとりまく外構や造園、インテリアや家具・備品などに至るまで、 建物をとりまく「環境」を一貫してデザインすることをこころがけています。 http://unip.jp/ 弊社の手がけた案件は3年連続グッドデザイン賞を獲得しました。
現在、保育所や認定こども園、住宅等を複数計画中であり、来年度以降は新規案件として、高齢者向け施設も視野に入れて、設計スタッフを募集します。これから基本設計から現場監理まで一連の設計プロセスが経験できる良い時期でもあります。
コミュニケーション能力があり、柔軟な発想で精力的に設計に参加してくださる方、大歓迎です。
応募のご連絡を心よりお待ちしております。
海法圭建築設計事務所が空間設計に加え運用にも参画した、秋田での展覧会「200年をたがやす」の会場写真です。保存運動が起こった建築を舞台に、地域における新たな公共文化施設の在り方の態度表明を展覧会のかたちを借りて模索する試みが行われました。会場となる秋田市文化創造館(旧秋田県立美術館)は、日建設計の前身である日建設計工務の設計で1966年竣工の建築です。会期後半「みせる」の会期は2021年7月1日~9月26日。会期前半「つくる」は既に終了しています。展覧会の公式サイトはこちら。
2021年3月にオープンした秋田市文化創造館で開催される「生活と表現が交わる広場としての展覧会『200年をたがやす』」に建築家として参画し、空間設計及び「パブリック・リニューアル・ラボ」の立上げとその運用を実践したプロジェクトである。
展覧会の舞台となる建築は、2013年に秋田県立美術館としての役目を終えた後、市民を中心とした保存運動の末に解体を免れ、秋田市文化創造館として生まれ変わった公共文化施設である。柿落としとなる「200年をたがやす」は、秋田市文化創造館の目指す未来に呼応すべく計画された展覧会である。
「かつて美術館だった」という歴史をどのように受け取り、地域における新たな公共文化施設としてどのような態度を表明すべきかを展覧会というかたちを借りて模索する試みであった。
この展覧会の大きな特徴に、「つくる」と「みせる」の二会期による構成がある。
「つくる」は、試行錯誤する制作過程を公開し共有する場だ。作品・資料の保存収集や管理と展示公開が主要な活動となる美術館や博物館とは異なり、人々が活動をつくる現場である文化創造館では「つくる」をひらくことにこそ意義がある。つくる現場なので非決定や未解決に溢れる日々で、この期間の全体像は見えづらかったと思う。しかし、つくる環境としてのこの場所の可能性を探求するうえで意義ある日々であった。
そして「みせる」では、「生活と表現が交わる広場としての展覧会」という側面を強く打ち出した。他者と議論を交わすアゴラ、友人とお茶をのみピクニックを楽しむ公園、または酒を交わし対話を重ねるパブ、ときには俗世の雑事から逃れるアジールなど、ヘテロトピアと言えるような様々な人が自由に居られる広場のような展覧会。
今津康夫 / ninkipen!が設計した、大阪・高槻市の二世帯住宅「㐂の家」です。施工者自身の住宅であり、その哲学に共振した設計者は構造材に天然乾燥の吉野杉を用い、加工は全て手刻みで行われました。
2世帯7人家族が暮らす大工の家である。住まい手自らが棟梁となり叩いた。
線路沿いに拡幅された道路によって台形に切り取られた敷地は住宅街の入口に位置し、弥生時代の遺跡が眠る豊かな公園へと続いている。
特徴的な敷地の折れ点に棟木を合わせて屋根を架け大きく気積を取り、南側の角に下屋を出して1階の床をわずかに拡げた。外壁は1階をモルタル掻き落とし、2階を赤身の吉野杉押縁張の2トーンとして全体のヴォリュームを和らげている。
大工の哲学に共振して構造材は天然乾燥の吉野杉を用い、加工は全て手刻みとした。時間をかけてじっくりと熟成したそれらは深い赤色を帯び、油分を多く含んだ表面は艶やかに光る。
プレカットに頼らない軸組みは寸分狂わず立ち上がり、改めて熟達した職人の技に舌を巻いた。
2021年のプリツカー賞を受賞した、ラカトン&ヴァッサルの受賞セレモニー動画が2021年9月14日に公開されました。彼らの代表作を紹介すると共に、世界各地から審査員の建築家らや、フランス大統領までがコメントを寄せています。通常時は世界各地の歴史的な建築物が授賞式の会場に選ばれ行われますが、今回は2回目の映像セレモニーとなったとの事。
アーキテクチャーフォトでは、彼らの受賞発表時に代表作品をまとめて紹介しています。
こちらは動画の公開にあたってのリリーステキストの翻訳です
プリツカー建築賞は、2021年の受賞者であるアンヌ・ラカトン氏とジャン・フィリップ・ヴァッサル氏を称える特別な授賞式ビデオを発表します。このビデオは、2021年9月14日(火)午前10時(日本時間)に公開され、ウェブサイトpritzkerprize.comやソーシャルメディアチャンネルで視聴することができます。
プリツカー賞を受賞したヴァッサル氏は述べています。
「私たちは、建築の歴史の中で、居住することの問題が本質的なテーマとなる時期にいます。私たちは、気候との積極的でオープンな関係の中で、空間を通して自由な条件を構築し、何も取り壊さずに既存のものから始めることでこれを実現します。これが私たちの仕事の本質です。」
ラカトン氏は続けます。
「解体は短期的な解決策であり、簡単な決断であり、都市生成の方法でもあります。リサイクルの手段にもなっています。しかし、解体は不可逆的なものであります。あらゆる解体は、膨大な量の情報、知識、層、素材、記憶を破壊します。人生は確立し、成長するのに長い時間を要します。」
アンデス山脈からロッキー山脈まで、都市から海まで、アジア、ヨーロッパ、南北アメリカのプライベートな空間からパブリックな空間まで、世界中の場所から遠隔操作で撮影された式典の講演者たち。鑑賞者は、ラカトンとヴァッサルの建築作品の中から、「決して取り壊さない」という建築家のこだわりを示している、現代アートのためのギャラリーや公共のインスタレーション、地域プログラムを備えたウォーターフロントビル「Frac Grand Large-Hauts-de-France(フランス・ダンケルク)」の屋上や、2012年に機能性を最大限に高め、既存のものを再利用した建築家による改装により、ヨーロッパ最大の現代アートの中心地となった「ペレ・ド・トーキョー(フランス・パリ)」などを訪れます。
この賞を後援するハイアット財団の会長であるトム・プリツカー氏は述べています。
「彼らの建築作品の多くは、私たちが生きている時代に警鐘を鳴らしています。私たちが奉仕するように求められているのは、周辺部や限界部への奉仕です。ラカトン氏とヴァッサル氏が、私たちの最も優れたガイドの一人であることは間違いありません。彼らは何十年にもわたって、思いやりと美意識をもって、住宅を提供する人々の福祉と心の豊かさに貢献してきました。」
審査委員長のアレハンドロ・アラヴェナ氏は述べます。
「このような気取らない建築言語が、彼らの建物があらかじめ定義された機能ではなく、予想外の機能を促す理由なのかもしれません」
「謙虚であることは恥ずかしがり屋であることを意味しません。繊細な操作には、むしろ大胆で自信に満ちた性格が必要です。これこそが、ラカトン氏とヴァッサル氏の建築が達成できた最も繊細なバランスのひとつであり、建築環境に対する慎重かつ率直なアプローチなのかもしれません。」
東京と宮崎を拠点に様々なタイプの建築を手掛ける「山田伸彦建築設計事務所」の、【募集職種】募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
東京と九州の宮崎の2カ所に事務所があり、それぞれの地域で仕事を行っております.
東京では住宅、ホテル・旅館、子供の空間(こども園など)、公共施設、宮崎では外部空間のたっぷりあるような住宅や併用住宅、店舗などが多いです.
仕事に偏りがなく様々なタイプの建築をすることで、それぞれの良さをお互いに取り込みながら建築を考えております. また地方と都市、新築と改修(リノベーション)、住宅と商業空間や子供の空間などという違った建築タイプを経験できるのは面白いと思います.また、クライアントと共にプログラムや採算などの事業を考えながら設計することも多くなってきており、設計だけでなく最近では宮崎でキャンプ場の運営の協力もしています.
私たちはひとりひとりのスキルを向上させながら、楽しんで建築を考えられる人が来てもらえると嬉しいです.
実績は弊社HP(http://yamada-architects.com/)をご覧ください.
寺田尚樹+平手健一 / 寺田平手設計が設計した、東京の、設計者の自邸「TERADA HOUSE」です。1960年代頃の家具類等を空間と一体となるよう扱うことで、設計者が魅了される“来るはずだったけど来なかった未来”の世界観を現代に提示する作品となっています。寺田平手設計は、紙の模型ブランド「テラダモケイ」などを手がけるテラダデザインが改称、組織変更した設計事務所です。
「Memory of Future」あるいは「Yesterday’s Tomorrow」という言葉がある。
「来るはずだったけど来なかった未来」といった意味合いだ。『鉄腕アトム』で描かれた水滴型のエアカーが飛び回る未来都市や『2001年宇宙の旅』に登場する宇宙ステーションのロビー。1960年代は米ソの宇宙競争に続くアポロの月面着陸が象徴するように宇宙=未来が明るく輝いていたころ。その時代の家具やプロダクトは新素材のプラスチックが取り入れられ、スペーシーな曲線を用いたフォルムとビビッドな色使いは輝く未来を体現していた。そんな過ぎ去った未来を寺田は今も信じている。
東京都杉並区、高井戸駅近くの住宅街の中に 、コンクリートの基壇の上に黒い家型が乗るように存在する建物は、3世代の5人家族のための住宅である。
道路からアプローチの階段を降り、屋根の頂点に向かって建物を貫く斜めの壁を左手に見ながらエントランスを抜ける。正面には2階へと延びる黒い階段があり、左手には建物を貫く斜め壁と同じ角度の黄色い引き戸と通路がある。この引き戸の向こうは、1階のリビングダイニングルーム、ベッドルームそしてアトリエへと繋がっている。
川嶋洋平建築設計事務所が設計した、沖縄・宮古島市の集合住宅「O_apartment」です。積み上げられた住戸ヴォリュームのズレから生まれた隙間が、空だけが見える専用のテラスをつくり、時の移り変わりを顕著に感じさせることが意図されました。
沖縄県宮古島市に設計した全7戸の集合住宅の計画です。
敷地としては住宅街に位置し、隣地にも今後建物が計画されることとなっていました。そんな中で、まだ見ぬ隣地の建物とどのように接し、どのように各住戸の環境を設計するか検討しました。
計画としては7つの住戸を7つのマッシヴなボリュームとし、そのボリュームを積み上げるように全体を計画しています。各ボリュームは箱として外に閉じていますが積み上げられたボリュームのズレから生まれる隙間から空と接するようにしています。その結果、全ての住戸が外部の視線を切りながらコートハウスのようなプライバシーの高いテラスを有する住戸となるように計画しています。
吉岡徳仁のデザインで完成した、京都市のイッセイミヤケの店舗「A-POC ABLE ISSEY MIYAKE / KYOTO」。町屋内部に配置された一体成型のアルミニウム什器によってブランドの制作プロセスを表現することが意図されました。店舗の公式ページはこちら。
古都の町屋に誕生する未来的な空間。
A-POCの衣服が生み出されるプロセスをイメージした空間は、特殊な技術で一体成型されたアルミニウムの什器によって構成されている。
テクノロジーと手仕事を融合させるイッセイミヤケのものづくりのように、この空間には歴史と未来のコントラストが表現されている。
オーストラリアの建築家のグレン・マーカットが、2021年の高松宮殿下記念世界文化賞を受賞しています。建築部門での受賞です。過去の建築部門の受賞者のリストはこちらに掲載されています。
藤原慎太郎+室喜夫 / 藤原・室 建築設計事務所が設計した、大阪市の住宅「上本町の家」です。機能や採光のグラデーションを実現することで、この住まいの理想の距離感を生み出すことが意図されました。
大阪の都市部で、間口が狭く奥に長い敷地に建つ住宅。
建築主は共働きのご夫婦で、家で仕事をすることも多いとのこと。
仕事をしているときは、家族との距離はとりつつも、繋がりがある状況にはしておきたいという希望であった。
部屋を仕切るか?一体にしてつなぐか?その間はないか?そういった検討を幾つかしていった中で、空間の機能や採光のグラデーションを実現することが、この住まいの理想の距離感を実現できそうだと考えた。
2階の共有スペースは、リビング、キッチン、ダイニング、ワークスペース、和室を壁で区切りつつ、壁の中央に中から外まで、見通しの利く開口部を設けた。そうすることで、お互いの気配や向こうにある広がりを感じながら、閉じつつも繋がる空間構成となっている。家族それぞれが過ごす場所と関係性の組み合わせで、同じ空間でも使い方が変化するので、一旦設計としては使い方を想定しているが、都度居心地の良い空間を探しながら、過ごしてもらえればと考えている。
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