佐治卓+藤木俊大+佐屋香織 / ピークスタジオが設計した、さいたま市の学習塾「浦和美園の学習ラウンジ」です。
高校生向けに映像教材を作る会社が新たに学習塾を始めることになった。
従来の集団授業と個人学習の二択には限界があり、オンライン学習が普及してきているという。オンライン学習の利点のひとつは、一人で勉強していてもネットワークを介して他の利用者や指導者等との繋がりを感じられるところだろう。
このオンライン学習専用の新しい塾では、集団と個人の間をデザインすることが重要と考えた。
適度に緊張し適度にリラックスできる、ひとりで集中できて仲間をつくることもできる、勉強している姿がカッコよく見える、塾というよりラウンジやサロンのような場所、などの要点がまとめられた。
そして行雲流水のような形のない、流れるような空間コンセプトに至った。
プログラムを廊下兼用の「スタディ・スペース」とそれを補助する「サポート・スペース」に分けた。前者を外から直接入れる連続空間とし、後者をその周囲に分散配置した。スタディ・スペースを曲面のタイル壁で囲うことで、中央の賑わいと周縁の落ち着きのメリハリをつけるとともに、人口密度の高い空間でも閉塞感や横並び感を感じさせないことを意図している。