architecture archive

【ap job更新】 吉祥寺を拠点とし設立43周年を迎えた「タウ設計工房」が、設計スタッフ(正社員)を募集中
【ap job更新】 吉祥寺を拠点とし設立43周年を迎えた「タウ設計工房」が、設計スタッフ(正社員)を募集中
【ap job更新】 吉祥寺を拠点とし設立43周年を迎えた「タウ設計工房」が、設計スタッフ(正社員)を募集中

吉祥寺を拠点とし設立43周年を迎えた「タウ設計工房」の、設計スタッフ(正社員)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

タウ設計工房では、新規に2名の設計スタッフ(正社員)を募集しております。

私たちは、東京都武蔵野市吉祥寺にて、住宅の新築やリフォーム、共同住宅、さらに認可保育園等の福祉施設を中心とした建築設計、監理を行っている建築設計事務所です。設立43周年を迎えました。

「光」があふれて明るく、「風」通しが良く、周辺環境にも配慮し、「緑」や「空」など取り込みながら、伸び伸び開放的な住まいになるように工夫して、自然素材にもこだわった仕上げで、理屈抜きで心地よい良い家を目指しています。

一緒に心地よい建築を作り上げてみませんか。
ご応募お待ちしております。

近森穣 / 07BEACHによる、京都市の住宅「京都の家」
近森穣 / 07BEACHによる、京都市の住宅「京都の家」 photo©大竹央祐
近森穣 / 07BEACHによる、京都市の住宅「京都の家」 photo©大竹央祐
近森穣 / 07BEACHによる、京都市の住宅「京都の家」 photo©大竹央祐

近森穣 / 07BEACHが設計した、京都の住宅「京都の家」です。

京都市北区、閑静な住宅地に建つ夫婦と幼い子供3人の為の住宅。
北側道路以外の3面は隣家が間近に建つという敷地環境。
明快で開放的なプランを好まれ、また3人の子供達が絶えず動き回り目が離せない中で、吹き抜けのリビングを中心に家が一つの空間として繋がり、お互いに何をしてるかいつも感じられるような家の構成になった。

建築家によるテキストより

前面に駐車スペースを取り、内部の諸室を配置していくとわずかに残る敷地奥に十分な庭は取れず、また外周面は窓を開けても隣家の壁という状況に中庭を取るのが効果的と考えた。ただ間口の限られる中で中庭をガラスで囲い境界を作ると庭も生活空間も双方窮屈になるため、庭を室内に取り込んだような室内樹木の案へと変化していった。
これから子供達と身近に成長していく1本の木は、一人家族が増えたような存在として人と家の結び付きを強めてくれる存在になるのではと考えている。

建築家によるテキストより
成瀬・猪熊建築設計事務所による、岐阜・中津川市の、コスメ店舗・カフェ・サロン「meet tree NAKATSUGAWA」。地域活性と共にCLTと在来工法を組み合わせた“ひらかれた”構法も追求
成瀬・猪熊建築設計事務所による、岐阜・中津川市の、コスメ店舗・カフェ・サロン「meet tree NAKATSUGAWA」。地域活性と共にCLTと在来工法を組み合わせた“ひらかれた”構法も追求 photo©西川公朗
成瀬・猪熊建築設計事務所による、岐阜・中津川市の、コスメ店舗・カフェ・サロン「meet tree NAKATSUGAWA」。地域活性と共にCLTと在来工法を組み合わせた“ひらかれた”構法も追求 photo©西川公朗
成瀬・猪熊建築設計事務所による、岐阜・中津川市の、コスメ店舗・カフェ・サロン「meet tree NAKATSUGAWA」。地域活性と共にCLTと在来工法を組み合わせた“ひらかれた”構法も追求 photo©西川公朗

成瀬・猪熊建築設計事務所が設計した、岐阜・中津川市の、コスメ店舗・カフェ・サロン「meet tree NAKATSUGAWA」です。地域活性と共にCLTと在来工法を組み合わせた“ひらかれた”構法も追求しています。店舗の公式サイトはこちら

この計画は、木材関係の事業を中心に、中津川で多角的なビジネスを行う丸山木材工業が、低迷する国内の林業木材業と地域をもりあげるために立ち上げた新規事業である。大きさは防火地域ということもあり100㎡未満だが、地元の桧をつかったコスメの店舗・地元食材を使ったスイーツの飲食店・ネイルサロンが複合した建築だ。

建築家によるテキストより

建築も、新たな取り組みをしようと、中津川地区そして丸山木材工業初のCLTの利用がコンセプトとなった。CLT利用となれば、できる限り多くの要素をCLTによって作ることを目指すのが定石だが、私たちは、今回の計画にふさわしいCLTの使い方を選択することで、オールCLTとは異なる建築に行き着いた。

建築家によるテキストより

結果的に、敷地の特性と内部の場作りのどちらにとっても、全ての構造をCLTで行う必要性はなく、在来木造の上にCLTを載せるという構造形式を採用することとなった。

この構造は、実は今回の規模程度であればCLTパネル工法に比べてはるかに確認申請が簡易な、4号建築とすることができる。ルート計算などを必要とせず、1級建築士でなくとも対応可能な建築だ。このことは、地方で木造住宅を中心に設計や施工を行っている建築士や工務店が、みな参加出来るフィールドを提供することになる。純粋なCLT構造ではなくなったかのように見えるこの工法は、まちに大きくひらいた建築を可能にし、CLTを建築・建設業界にひらくものでもあるのだ。

建築家によるテキストより
ヘルツォーグ&ド・ムーロンによる、サンフランシスコの20世紀初頭に完成した発電所を改修した複合施設「Power Station」。約12万㎡の湾岸地域の再開発計画の一部として計画
ヘルツォーグ&ド・ムーロンによる、サンフランシスコの20世紀初頭に完成した発電所を改修した複合施設「Power Station」。約12万㎡の湾岸地域の再開発計画の一部として計画 image©Herzog & de Meuron
ヘルツォーグ&ド・ムーロンによる、サンフランシスコの20世紀初頭に完成した発電所を改修した複合施設「Power Station」。約12万㎡の湾岸地域の再開発計画の一部として計画 image©Herzog & de Meuron

ヘルツォーグ&ド・ムーロンによる、アメリカ・サンフランシスコの20世紀初頭に完成した発電所を改修した複合施設「Power Station」が着工しました。サンフランシスコ湾沿いの工業用地を約12万㎡の再開発計画の一部として計画されているものです。

ヘルツォーグ&ド・ムーロンは、この地域を象徴する「ステーションA」と呼ばれる20世紀初頭に建てられたレンガ造りの発電所を改修し、集会ホールを含む複合施設に生まれ変わらせます。計画全体としては、165年程手つかずの地域だったこの場所に、約2,600戸の住居、公園、オープンスペース、旧蒸気機関の施設を利用したブティックホテル、コミュニティに貢献するレストラン、カフェ、ショップ、店舗などが、建設される予定だそう。また住居棟の設計にはフォスター&パートナーズも参画しています。プロジェクト全体の公式サイトはこちらに

こちらはヘルツォーグ&ド・ムーロンによるステートメントの翻訳

「Power Station」は、サンフランシスコ湾沿いの工業用地に、20世紀初頭に建てられたレンガ造りの発電所(通称「ステーションA」)を再利用しています。

タービンホールのスペースはほぼそのまま残されます。巨大なコンクリート製のタービンの基礎部分は、軽量鉄骨で作られた上階の新しい構造を支え、それ自体がプログラムされた空間となります。

また、かつて発電機を支えていたプラットフォームには、開放的なタービンホールを見渡せる集会スペースが設けられます。外壁の張り出し、自然換気システム、そして上部の単純で効率的な構造は 重工業の遺物を持続的に再利用するという目標を達成するためのものです。

御手洗龍建築設計事務所による、ウインドウディスプレイ「HERMÈS IN MOTION 伊勢丹新宿店メンズ館ウィンドウ GROUND CAVE」。エルメスの“躍動”を馬の走り方を空間化することで表現
御手洗龍建築設計事務所による、ウインドウディスプレイ「HERMÈS IN MOTION 伊勢丹新宿店メンズ館ウィンドウ GROUND CAVE」。エルメスの“躍動”を馬の走り方を空間化することで表現 © Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Hermès Japon
御手洗龍建築設計事務所による、ウインドウディスプレイ「HERMÈS IN MOTION 伊勢丹新宿店メンズ館ウィンドウ GROUND CAVE」。エルメスの“躍動”を馬の走り方を空間化することで表現 © Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Hermès Japon

御手洗龍建築設計事務所が設計した、ウインドウディスプレイ「HERMÈS IN MOTION 伊勢丹新宿店メンズ館ウィンドウ GROUND CAVE」です。この作品は2021年8月31日まで閲覧可能です。

エルメス・テンポラリーストア「HERMÈS IN MOTION」が伊勢丹新宿店にてオープン致しました。エルメスの絶え間ない「躍動」を、馬の特徴的な走り方(WALK、TROT、CANTER、GALLOP)を元にそれぞれ空間化しています。全4店舗のうちまずは2店舗がオープンとなり、メンズ館ではウィンドウもデザインしております。

建築家によるテキストより

このウィンドウでは4つの店舗と同様に、馬の脚の動きを空間化することで、動的且つ発見的な場を立ち上げ、そこにNarrative (物語)を編み込もうと考えました。

建築家によるテキストより

馬の脚の動きから抽出した二つの図形同士を直線で繋いでいくと、立体的なサーフェースが立ち上がります。こうして生まれた洞窟のような空間は、視点が変わる度に内部の見え方がダイナミックに変化していきます。また3Dデータを用いて削り出される硬質発泡ウレタンフォームの表面に、筋状に風化した岩肌の表情を重ねていくことで、さらに奥行きの感じられるものを目指しました。

建築家によるテキストより
アラキ+ササキアーキテクツによる、神奈川・川崎市の「くすのきほいくえん」。この敷地環境における保育園のあり方に丁寧に向き合い設計
アラキ+ササキアーキテクツによる、神奈川・川崎市の「くすのきほいくえん」。この敷地環境における保育園のあり方に丁寧に向き合い設計 photo©高橋菜生
アラキ+ササキアーキテクツによる、神奈川・川崎市の「くすのきほいくえん」。この敷地環境における保育園のあり方に丁寧に向き合い設計 photo©高橋菜生
アラキ+ササキアーキテクツによる、神奈川・川崎市の「くすのきほいくえん」。この敷地環境における保育園のあり方に丁寧に向き合い設計 photo©高橋菜生

アラキ+ササキアーキテクツが設計した、神奈川・川崎市の「くすのきほいくえん」です。この敷地環境における保育園のあり方に丁寧に向き合い設計された建築です。

保育園が迷惑施設扱いされるようになって久しい。近隣住民の反対により計画が頓挫することも珍しくない。
残念なことであるが、社会問題として捉える前に、一設計者としてこの保育園のあり方に向き合うこととし、同じ子どもの声でも、騒音ではなく、愛くるしいものに感じられるような建物を目指した。

建築家によるテキストより

当敷地は、数件の戸建住宅が並ぶ私道に接道する。向かいには5階建のマンションが建っている。

木造3階建の当建物は、周辺の住宅群から突出した印象にならないように、3階より上の外壁は屋根材で仕上げる。また、耐火構造の仕様規定により壁や柱に強化石膏ボード21mm両面2枚張りが必要となるが、重々しい印象にならないように、外壁サイディングの正面と側面で色を変え、薄いパネルをパタパタと組み立てて作ったような軽い見え方となるようにした。

建築家によるテキストより

内部は子どもの居場所の集積として設計している。
北海道下川町のトドマツを使った柔らかい下見板の腰壁で囲まれた各階の保育スペースには、収納を兼ねた「小さな居場所」をつくる。また、階段室には本棚と座れる窓台を設け、子どもたちが階段や窓辺に座って本を読んだり聞いたりできる「集まる居場所」をつくっている。

小さな居場所と集まる居場所を複数箇所設けることで、子どもたちがそれぞれに好む過ごし方を選択することができる。

建築家によるテキストより
ズントー事務所でプロジェクトリーダーを務める杉山幸一郎による連載エッセイの最新回「描くツール」

ピーター・ズントー事務所でプロジェクトリーダーを務める杉山幸一郎による連載エッセイの最新回「描くツール」 が公開されています。

最も注目を集めたトピックス [期間:2021/6/7-6/13]
最も注目を集めたトピックス [期間:2021/6/7-6/13]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2021/6/7-6/13)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. Atelier Tsuyoshi Tane Architectsによる、東京の住宅「Todoroki House in Valley」
  2. 小山光+KEY OPERATION INC. / ARCHITECTSによる、神奈川・横浜市の「関内の集合住宅(ZOOM Yokohama Kannai)」
  3. 宮城島崇人による、富山・南砺市の、ゲストハウス使用も視野に入れた既存住宅の改修「民家と城端」。周辺環境を鼓舞する建築を意図しそれを伝える‟環境写真”も紹介
  4. 木村日出夫+木村淳子 / STUDIO RAKKORA ARCHITECTSによる、京都の住宅「長岡京の家」
  5. Atelier Tsuyoshi Tane Architects+NTTファシリティーズ+スターツCAMによる、青森の「弘前れんが倉庫美術館」
  6. 黒川紀章の「中銀カプセルタワービル」の解体予定を受けクラウドファンディングが開催中。カプセルユニットを移動閲覧できる形式で保存する為の資金を募る
  7. 服部大祐による連載エッセイ“Territory of Imagination” 第2回「メンドリジオでの学びとSchenk Hattoriでの近作」
  8. 堤庸策 / arbolによる、兵庫・姫路市の、食品店舗のファサード「co hareruya」
  9. 青木淳と品川雅俊のASと昭和設計による、長野の「松本平広域公園陸上競技場」の基本設計概要を、設計者が解説している動画
  10. ザハ・ハディド・アーキテクツが、ハイパーループ・イタリアと提携し、未来の交通手段をデザイン
  11. 杉山幸一郎による連載エッセイ “For The Architectural Innocent” 第10回「石の編みもの / 浮かび上がるカタチ」
  12. 岸和郎の、進行中のプロジェクトまでを含む回顧展「時間の真実」が、京都で開催。現代のモダニストとして京都と向き合い建築を作り続けた約40年を振り返る
  13. 小山光+KEY OPERATION INC. / ARCHITECTSによる、和歌山・紀美野町の、樹木葬墓所「GOSHIKIDAI FOREST CEMETERY」
  14. 二俣公一 / ケース・リアルによる、佐賀市の、空港ターミナルビル内の土産店「sagair」
  15. 南アフリカのカウンタースペースが完成させた、2021年のサーペンタイン・パヴィリオン。ロンドンにおける過去のコミュニティ空間を参照し問題を顕在化させつつ新たな集いの場となるパヴィリオンを構築
  16. 河部圭佑建築設計事務所による「くしゃくしゃ構造の『洞窟』」
  17. 大西麻貴+百田有希 / o+hが、島根県・邑南町の「道の駅瑞穂」設計プロポーザルで第一候補者に選定
  18. 奥田晃輔+堀井達也 / OHArchitectureによる、兵庫・淡路島の「淡路のBBQテラス」
  19. 牛田英作+キャサリン・フィンドレイが1993年に完成させた町田の住宅「TRUSS WALL HOUSE」が約6千万円で販売中
  20. Atelier Tsuyoshi Tane Architectsによる、フランス・パリの「レストラン・メゾン」

杉山幸一郎による連載エッセイ “For The Architectural Innocent” 第10回「石の編みもの / 浮かび上がるカタチ」
杉山幸一郎による連載エッセイ “For The Architectural Innocent” 第10回「石の編みもの / 浮かび上がるカタチ」

 
※このエッセイは、杉山幸一郎個人の見解を記すもので、ピーター・ズントー事務所のオフィシャルブログという位置づけではありません。

 


 
石の編みもの / 浮かび上がるカタチ

 

text:杉山幸一郎

 
 
約2年間続いたこの連載も、今回の第10回で最終回になります。

第1回はノルウェーの最北端に位置する«魔女裁判で犠牲になった人たちの記念館»から始まりました。あの建築はアクセスが容易ではなく、オスロから飛行機で、そして空港から更に250kmドライブしてようやくたどり着いた建築でした。

ズントー建築の中でも最も興味をそそる建築であると同時に、最もアクセスしづらい建築と言えるかもしれません。写真で見たことはあっても、実際にどんな感じなのかわからない。という人が多かったのではないでしょうか。

その後ノルウェー、ドイツ、オーストリアにスイスと、ズントー建築とそのエッセンスを、できるだけ明快な言い回しで解説してきたつもりです。。が、どうでしたでしょうか?
全ての回を楽しみに読んでくださった方、今回たまたま見かけて読んでくださっている方、2年間の連載、どうもありがとうございました。

この後、秋からは別のテーマで、新しく連載を始める予定でいます。

以下の写真はクリックで拡大します

杉山幸一郎による連載エッセイ “For The Architectural Innocent” 第10回「石の編みもの / 浮かび上がるカタチ」 引用:『PETER ZUMTHOR 1985–2013 Bauten Und Projekte Band 2』, p24

今回は最終回に相応しく、«テルメヴァルス(Therme Vals) »について綴ろうと思います。
ズントーが設計したプロジェクトのなかでもとりわけ広く知られ、建築・デザイン関係者に限らず、多くの人がこの温泉施設を訪れています。

誰でも入ることができるし(とはいえゲスト入館料がCHF80.-、約1万円と高価なのですが)、隣接したホテルで宿泊もできます。安藤忠雄さんや隈研吾さんのデザインした宿泊室もあるため、建築旅行の目的地にはぴったりです。アルプスも、スイス建築も愉しめる場所。

ヴァルス(Vals)はチューリッヒから約2時間半のところに位置しています。綺麗な川が流れている谷間の村で、ミネラルウォーターの“VALSER”の産地としても有名です。
村の規模は小さいながらも(人口約1000人)、30度の源泉があり、また近くのツェルヴライラ(Zervreila)という村の跡にダムが建てられたため、水力発電によって裕福になりました。

そんな背景もあって、この村に温泉施設が建てられるようになったというわけです(後に同村出身の実業家が買い取り、7132としてリニューアルします。7132はこの村の郵便番号です)。

チューリッヒからクール(Chur)を経由して、イランツ(Ilanz)まで電車で行き、そこからバスに乗り換えてさらに向かいます。

都会から十分に離れた谷間にある小さな村。
ここにヴァルスの温泉施設が建てられたのは1996年。

スイスへ来る前には、ピーター・ズントーと聞けばテルメヴァルス、アトモスフィア、そして素材といったキーワードが頭に浮かんでいました。この建築はズントーが設計した中でも、とても明確に彼の建築、空間への考え方が反映されています。前回(第9回の記事)で紹介した老人ホームでの考え方が、さらにシャープに深く発展されたプロジェクトだと僕は思っています。そして後にコロンバ美術館(第3回の記事)へと展開されていくのです。

【ap job更新】 末光弘和+末光陽子/SUEP.が、設計スタッフ・広報スタッフを募集中
【ap job更新】 末光弘和+末光陽子/SUEP.が、設計スタッフ・広報スタッフを募集中
【ap job更新】 末光弘和+末光陽子/SUEP.が、設計スタッフ・広報スタッフを募集中ミドリノオカテラス

末光弘和+末光陽子/SUEP.の、設計スタッフ・広報スタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

末光弘和+末光陽子/SUEP.では、新規に若干名の設計スタッフを募集しております。

現在、SUEP.では、国内外で様々なプロジェクトが進行しており、国内では、学校、宿泊施設、図書館、オフィス、集合住宅、個人住宅、ツリーハウスなど、海外では、こども園や、オフィスなどのプロジェクトが進行しております。

また、来年には国内外で、展覧会や出版などを控えており、昨今の地球環境への意識の高まりとともに、我々の取り組みに対する社会の中で理解や期待を強く感じています。

このような私たちの考え方に共感し、一緒に建築を楽しんで設計していくスタッフを募集しています。チーム性でフラットな議論を進めるのもSUEP.の特徴になります。興味のある方は、是非ご連絡ください。

フランク・ゲーリー、ビャルケ・インゲルス、レンゾ・ピアノら10人の世界的建築家が、21世紀の建築家の役割についてアドバイスする動画「共感は建築のスーパーパワー」

フランク・ゲーリー、ビャルケ・インゲルス、レンゾ・ピアノら10人の世界的建築家が、21世紀の建築家の役割についてアドバイスする動画「共感は建築のスーパーパワー(Empathy is a superpower in architecture)」が公開されています。制作はルイジアナ美術館です。
登場建築家を改めて紹介すると、レンゾ・ピアノタチアナ・ビルバオフランク・ゲーリー隈研吾アンナ・ヘリンガーノーマン・フォスタービャルケ・インゲルスアレハンドロ・アラヴェナアン・ラカトンアヌパマ・クンドゥー、レンゾ・ピアノの10名です。

陶芸と建築のコラボをテーマとした、スペース大原での「松永圭太×橋本健史 展」の会場写真。403architecture [dajiba]の橋本と陶芸家の松永が協働で作品を制作
陶芸と建築のコラボをテーマとした、スペース大原での「松永圭太×橋本健史 展」の会場写真。403architecture [dajiba]の橋本と陶芸家の松永が協働で作品を制作板の間部分の展示全景。 photo courtesy of スペース大原
陶芸と建築のコラボをテーマとした、スペース大原での「松永圭太×橋本健史 展」の会場写真。403architecture [dajiba]の橋本と陶芸家の松永が協働で作品を制作松永によるオブジェは、図面を焼き付けられることによってより建築的な雰囲気を帯びる。図面は1/20というスケールが保たれているが、同時に1/1としても成立していることに不思議な感覚を覚える。 photo courtesy of スペース大原
陶芸と建築のコラボをテーマとした、スペース大原での「松永圭太×橋本健史 展」の会場写真。403architecture [dajiba]の橋本と陶芸家の松永が協働で作品を制作松永がふだん制作しているタイプの作品に「頭陀寺の壁」の図面を焼き付けたもの。 photo courtesy of スペース大原

陶芸と建築のコラボレーションをテーマとした、スペース大原での「松永圭太×橋本健史 展」の会場写真です。403architecture [dajiba]の橋本と陶芸家の松永が協働で作品を制作しています。スペース大原は、岐阜県多治見市のギャラリーで、この展覧会の会期は2021年6月20日まで。また2021年6月13日からは作品がオンラインでも販売されます。

松永圭太によるコメントの一部

今回の橋本さんとの企画は約2年前に決まり、他分野ながらお互いのものづくりの方法を理解することから始まりました。

・建築は小さく書いた図面が大きな建物となって立ち上がる。やきものは焼くと小さくなる。
・建築は地面にしっかり張り付いた形が安心する。やきものは重力に逆らった形を目指しいるものが多い。

このように、お互いものづくりの始まりには何かきっかけが必要で、建築とやきものの共通点、相違点を探しました。

陶芸家の私からすると、橋本さんが膨らまそうとするやきものの着眼点は新鮮で、たまにそれは私が見たくないところだったりもしました。
例えば、やきものはどうしても焼成で歪んでしまったり、想像しえないアクシデントが起こる点などです。
もちろん、やきものはそのような現象を土味や景色と捉え、作品の価値を高めたりもしますが、橋本さんは私にわざとアクシデントを起こすような制作方法を要求しているように感じることもありました。

松永圭太によるテキストより

橋本健史によるコメントの一部

松永さんとは今回のプロジェクトのために、長い時間をかけて対話をする機会を得ました。松永さんは建築を学ばれてから陶芸の道に進まれたこともあって、やりとりする言葉の多くを驚くほどスムーズに共有することができましたが、そのなかで度々気になったのは「造形」という言葉に独特の重みのようなものを感じたことです。その理由が多少なりとも腑に落ちたのは、陶器は焼成時に90%ほどに縮むということを知ったときです。つまり、松永さんは焼く前の土に触れているときは、「原寸よりも拡大した世界」で考え続けているわけです。何分の一かに縮小したものに触れ続けているのでは絶対にわからない、私からすれば縮尺のむこう側とでもいう領域に常に触れているからこそ、そこにしかない精度があり、ゆえに「造形」に独特なニュアンスが含まれるのではないかと。

橋本健史によるテキストより
堤庸策 / arbolによる、兵庫・姫路市の、食品店舗のファサード「co hareruya」
堤庸策 / arbolによる、兵庫・姫路市の、食品店舗のファサード「co hareruya」 photo©下村康典
堤庸策 / arbolによる、兵庫・姫路市の、食品店舗のファサード「co hareruya」 photo©下村康典
堤庸策 / arbolによる、兵庫・姫路市の、食品店舗のファサード「co hareruya」 photo©下村康典

堤庸策 / arbolが設計した、兵庫・姫路市の、食品店舗のファサード「co hareruya」です。店舗の公式サイトはこちら

姫路城近くの閑静な住宅地に、オープン4年目の移転先となる店舗のファサードデザインをしました。
店舗では定番商品「糀スムージー」をはじめ糀を使った食品などを主に手作り製造・販売(完全予約制)。

建築家によるテキストより

遥か昔より日本の歴史と共にある発酵文化。人類は、温度と湿度が一定した洞窟で保存食を口にしながら暮らしを営んでいた。どっしりとした洞窟の中で、さまざまなカタチの銅のキューブは菌が浮遊を連想する、この世に存在する目には見えない微生物たちが持つ大きなエネルギーをイメージした。

建築家によるテキストより

床・壁・天井のモルタルで覆われた空間に光り輝く銅板キューブが宙に浮いている様は、真っ暗な洞窟と洞窟から放たれる光の塊を彷彿させる。

洞窟と捉える空間の開口比率が1:2の近似値だった為、日本の伝統建築に見られるモデュール構成を採用。壁は縦横共に7分割し、どこか懐かしい日本の古き良き建築物の中で感じる佇まいをひっそりと表現した。
またモデュール毎に目地を入れた壁の一部は、バックヤードへの隠し扉になるよう配慮した。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 ブランドと建築・空間のトータルデザインを提供する「STAR/エスティエイアール」が、アソシエイトとアシスタントスタッフを募集中
【ap job更新】 ブランドと建築・空間のトータルデザインを提供する「STAR/エスティエイアール」が、アソシエイトとアシスタントスタッフを募集中
【ap job更新】 ブランドと建築・空間のトータルデザインを提供する「STAR/エスティエイアール」が、アソシエイトとアシスタントスタッフを募集中「MGY BASE」(東京・神宮前)。国際的なデザインアワードAPIDA2020でゴールドと審査員賞をダブル受賞。

ブランドと建築・空間のトータルデザインを提供する「STAR/エスティエイアール」の、アソシエイトとアシスタントスタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

STAR(エスティエイアール)は、ブランドと建築・空間のトータルデザインを提供するクライアントファーストのデザインファームです。

私たちはこれまで、クライアントの課題解決にフォーカスしたコンサルティングとデザイン提案を行うことで、ビジネスの成長、豊かなライフスタイルの実現をお手伝いしてきました。今日の複雑で不安定な世界において、建築家には自らの専門分野だけでなく、幅広い領域への知見と高度な課題解決能力が求められていると感じます。

今回、業務拡大にあたり、アソシエイトとアシスタントスタッフを募集します。
デザインが大好きで、人が好き、という方と一緒に、さらなるチャレンジをしていきたいと考えています。私たちの事務所では、teamSTARとして、建築やインテリアに限らず多様なプロフェッショナルたちと仕事を進める機会も多く、学びながら幅広い感性を育てることができるでしょう。

常にクライアントファーストの視座に立ち、「美しさ」と「豊かさ」の実現を目指すエスティエイアールで、一緒に冒険をしていこう!という方からのご応募、お待ちしています。

 
[ STAR代表、佐竹からのメッセージ ]

私たちは、建築、空間、ブランドという三つの分野のデザインを垣根なく手掛けています。
また、新しいワークスタイルの実践として本格始動したteamSTARの一員として、ホテルデザイナー、建築賞受賞建築家、ブランドデザイナーと多様なプロフェッショナルたちと仕事を進める機会が多くあるので、学びながら感性を育てられることも大きな特徴です。

建築設計という専門性はもちろん大切にしていますが、自由な発想のために立ち上げた新しいワークスタイルを楽しみ、様々なクリエイターとの協働に価値を見出せる人や、将来、領域を横断するようなデザインを手掛けたい人を期待しています。

採用においては、デザインが大好きな人、がシンプルですが最も大切なポイントだと考えています。

デザインはよく誤解されていますが、本当のデザインとはスタイリングではなく内面から見た目まで総合的に設計されていることが必要です。私たちがビジネスの設計図をひくところからクライアントと併走するのはそのためです。自由な発想を経験の種類だけでなく、インド、中国、台湾といった国際色豊かなメンバーと戦わせ、デザインの力でクライアントの課題解決ができる喜びを感じて欲しいとおもいます。

また、私たちはHUMAN CENTERD DESIGN、つまり人にフォーカスしてデザインを考えていくので、人が好きな人をお待ちしています。

これからの建築家・デザイナーに求められる経験を私たちと一緒に取り組んでいきましょう。

カウンタースペースが設計した2021年のサーペンタイン・パヴィリオンについて、設計者のスマイヤ・ヴァリーとディレクターのハンス・ウルリッヒ・​オブリストが対話している動画

カウンタースペースが設計した2021年のサーペンタイン・パヴィリオンについて、設計者のスマイヤ・ヴァリーと、サーペンタイン・パヴィリオンのディレクターのハンス・ウルリッヒ・​オブリストが対話している動画です。

カウンタースペースのスマイヤ・ヴァリーへのインタビュー動画。2021年のサーペンタイン・パヴィリオンの設計を手掛けたヨハネスブルグを拠点とする女性建築家

カウンタースペースのスマイヤ・ヴァリーへのインタビュー動画です。2021年のサーペンタイン・パヴィリオンの設計を手掛けた南アフリカのヨハネスブルグを拠点とする女性建築家です。動画はサーペンタイン・ギャラリーが制作して公開したものです。
カウンタースペースによるサーペンタイン・パヴィリオンは、アーキテクチャーフォトでも特集記事として紹介しています。

Subscribe and Follow

公式アカウントをフォローして、
見逃せない建築情報を受け取ろう。

「建築と社会の関係を視覚化する」メディア、アーキテクチャーフォトの公式アカウントです。
様々な切り口による複眼的視点で建築に関する情報を最速でお届けします。

  • 情報募集建築・デザイン・アートの情報を随時募集しています。
  • メールマガジン メールマガジンで最新の情報を配信しています。