
SHARE 妹島和世+西沢立衛 / SANAAの講演会「環境と建築」が、東京・千代田区の有楽町朝日ホールで開催。参加申し込みを受け付け中
- 日程
- 2021年12月10日(金)

妹島和世+西沢立衛 / SANAAの講演会「環境と建築」が、東京・千代田区の有楽町朝日ホールで開催されます。開催日は2021年12月10日(金)18:00~。要事前申し込み、参加費無料です。
妹島和世+西沢立衛 / SANAAの講演会「環境と建築」が、東京・千代田区の有楽町朝日ホールで開催されます。開催日は2021年12月10日(金)18:00~。要事前申し込み、参加費無料です。
宇野友明が設計した、愛知・名古屋市の住宅「高峯町の家」です。伝統工法による石積みの要望に、テナユカのピラミッドを参照することで不安と違和感を払拭し、その存在感に対し現場での変更含め最善の選択を行い完成した建築です。
今回の計画のミッションというべき最大のリクエストは野面積みという伝統工法による石積みだった。初めの頃は仕上げ材の一種程度にしか考えていなかった。しかし、その伝統的な工法や使われ方などを知るにつれ、その考えが甘かったことに徐々に気づき始め、一時途方に暮れた時期もあった。
元来、日本の石積みは、城郭の基盤や城郭の基盤や石垣などに使われてきた。決して建築の一部を担うものではなかった。南米にある遺跡とは、その目的も成り立ちも全く違うものであった。だから、過去の例を見ても参考になるものが全くなかった。おまけに日本の石積みは積み上げていくにしたがって、徐々に反り上がっていくのが常道であった。それは長い歴史の中でその用途に適した最も合理的な積み方なのだろう。この伝統的な日本の石積みを用途の違う建築の一部として使うことにかなりの不安と違和感を感じてしまった。伝統を冒涜しているような気持ち悪さをなかなか払拭できず、しばらく行き詰まったまま提案出来ずにかなりの時間が過ぎてしまった。
それを抜け出せたきっかけは、テナユカ(メキシコ)のピラミッドだった。それは建築とは言い難いが、日本の石積みに比べればかなり建築的な造形である。それを日本の伝統的な石積みで再現しようと思いついた瞬間に立ち込めていた霧が一瞬にして晴れて、そこからは順調に計画を進めることができた。
しかし、現場が始まってからこの石積みに再び悩まされる事態が発生した。それはこの石積みの圧倒的な存在感とリアリティーだった。もちろん織り込み済みの設計ではあったが、目の前の巨大な石を目の当たりにすると全てが貧弱なものに見えてしまった。予定していた銅のサッシは全てボリュームのある鉄に変えて素地の黒皮のままの仕様にした。床のテクスチャーや金物などの素材やディティールも一新した。
長坂常 / スキーマ建築計画が設計した、東京・小平市の「武蔵野美術大学16号館」。“半建築”として設計され、使い手自ら手を加え変化し続けることを促す建築を、実際に使われている様子を中心に紹介します。アーキテクチャーフォトでは、竣工時の様子をレポートしているのでこちらも併せてご覧ください。
これは半建築で武蔵野美術大学インテリア学科が利用する校舎です。
半建築とは未完成な建築のことをいい、使い手自ら手を加え変化し続ける建築のことをいう。
そもそも、美術大学の校舎はその場でデザインし、製作し、講評され、時に発表会までその場で行われるため、間仕切りや家具などがそのつど希望に応じて移動し利用される必要があり、それを可能にするシステムを設計した。また、真っ白の完璧なホワイトキューブで学生に汚す恐怖を与えるのではなく、創作意欲を掻き立てるためにも将来に想像の余地を残すような仕様で空間を統一した。
具体的には、規則的なグリットに穴のあいたレースウェイがあり、それが天井に吊られ、その穴にポールを立てポール同士をつなぎ壁を作れるようになっていたり、さらに、そのレースウェイに並走させる配線ダクト、そこに取り付けられ個別にオンオフ可能なスマートライト、そして移動可能なリールコンセントによって、簡単に部屋の増減がコントロールできるようになっていたり、その他、ポールシステムや、ハンドリフターで自由に動かせる棚とロッカー、自分の好きなように作り替えられる、スタッキング可能な作業台様々な仕組み、装置を施しました。
仕上げは、必要最低限を目指し、それ以上は学生自ら求めに対して仕上げを施して行くことを想定して、PBのパテ仕上げやスチール錆止め仕上げなどで構成されています。そこに施されるサインも、ステンシルやハンコなどあとで上塗りされ消される想定のサインを施している。
こんな半建築にこそクリエイティビティが宿る。その考えを体現した空間は、我々からバトンを受け取ったこの校舎の担い手である、学生、先生によって、日々その表情を豊かに変えている。
今津康夫 / ninkipen!が設計した、長野・大町市の、本州で最も透明度の高い湖の畔に建つ別荘「湖荘」。施主が求める“都会の喧騒から解放された簡素な小屋”を、湖にひれ伏すような非対称な屋根によって、初めからあったような佇まいでつくろうとした建築です。
本州で一番透明度の高い湖の畔、胡桃の高木に抱かれた別荘の計画である。
湖面までわずか1m、湧き水で満たされた水盤の遠く向こうには北アルプスの稜線が重なる。
クライアントが求めたのは慌ただしい都会の喧騒から解放された簡素な小屋。
屋根は湖にひれ伏すように非対称とし、初めからそこにあったような佇まいを目指した。
間口は2間。土間はトンネル状に山と湖を繋ぎ、夏は濡れた水着のまま語らい、冬は汚れたブーツのまま薪ストーブで暖を取る。
生命力溢れるカラマツ貼りの居間は愚直に湖と向かい合い、移ろい行くさざなみをぼんやりと眺めることも、一歩濡縁に踏み出して湖へ飛び込むこともできる。
窓には、白みゆく朝靄の中で目覚めるように、暮れてからは家族の親密な時間を過ごせるように障子を嵌め、限られた広さの中に友人を招きたいと望んだロフトの窓際には、文机を設けてよりパーソナルな場所とした。
アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2021/10/18-10/24)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。
手塚貴晴と手塚由比が主宰する「株式会社手塚建築研究所」の、意匠設計スタッフ(新卒既卒・経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
【スタッフ募集】
意匠設計スタッフを募集いたします。
やる気だけは人一倍ある人
仲良く仕事ができる人
デザインが好きな人
英語ができるとなお良い
SDレビュー2021にも入選した「はりゅうウッドスタジオ」の、設計メンバー・広報総務スタッフ・有給インターン募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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業務多忙のため、新メンバーを募集します。
SD review 2021にも入選し、挑戦しがいのあるプロジェクトがあります。はりゅうウッドスタジオは、下記のようなことで経験を積むことのできる建築設計事務所です。
1)森から考える設計
主に木造の建物が多く、木の製材、歩留まり、を考えた設計を行なっています。森や製材所にも近く、木造の建物の一通りの流れに関する経験を積むことができます。
特に木造は、構造材が現しになることも多く、また設備などの収まりも余裕がありません。山から切り出す材料についても、設計の初期段階で材料出しをしたりとか、木造ならではの設計作業があります。
縦ログ構法などの構法開発も行なっています。2)BIMを使う
BIM(Archicad)を設計のCADとして使っています。3次元モデルで、メンバーと共有しながら設計をします。
BIMの経験を積んで南会津から離れてリモートで、作業を行うメンバーもいます。先日もGraphisoft Building Together Japan 2021で滑田が講演をしました。(https://www.event-site.info/building-together2021/)地方においてもしっかりBIMを使っている事務所です。BIMは初めての方も多いと思いますのでお教えします。3)空間のあり方を考える
はりゅうウッドスタジオでは、決まった作り方をしないようにしています。
毎回ゼロベースからどういった空間作りをするか、みんなで考えます。
答えはありません。
泥臭いところもあり、一つ案をだして、壊して、何度もテストしながら、空間を考えるということをやっています。
建築設計だけでなく、NPO福島住まい・まちづくりネットワークと連携し、地域、運営のあり方、復興活動についても考え、提案します。設計者として、ひとつひとつの判断に責任を持つ姿勢があり、私たちと一緒に活動したいという方を、募集します。
設計者の卵の方もOKです。人生のある一定の時間を、私たちと一緒に過ごすので、プロジェクトに真摯に取り組んで、設計者として共に育ってもらいたいと願っています。
遠藤克彦建築研究所の、設計サポートスタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
遠藤克彦建築研究所は、新たに設計サポートスタッフを募集致します。
一般的な事務や広報・秘書業務の傍ら、設計チームと協働しての書類作成など、様々なサポートを担っていただきます。建築業界はもちろん、他の分野で培った知識や実務経験なども発揮できる環境です。また、多くの案件が竣工を迎えるにあたり、各方面へのメディア発信なども行っていただきます。建築やデザインが好きな方、上記のような設計サポートにご興味がある方は是非ご連絡ください。
また建築出身で現在は子育て中の方には、従事いただく時間なども保育園の送り迎えに合わせて調整することが可能です。竣工及び新たなプロジェクトが数多く始動する今、新しいチームのメンバーとして一緒に働いてくれる方のご応募をスタッフ一同お待ちしております。
【募集職種】
・設計サポートスタッフ(未経験・経験問わず)
書類作成、書類整理、電話対応等の一般的な事務業務に加え、事業の展開に向けて意欲的に取り組むことができる方。設計図書以外の書類作成等、弊社設計スタッフのサポートを担える方。
対外的な広報活動や広報プランに沿って、プレスリリース作成、取材対応、イベントの運営などのPR作業を担える方。また、広報資料の画像編集(Illustrator, Photoshopなど)や国内外のアワードへの応募、弊社ウェブサイトやSNSの管理や運営、資料のクリッピング、報道内容の収集と整理、クライアント様及びメディアとのやり取りなど、事務全般に対応できる方。
白井晟一(1905~1983)の、渋谷区立松濤美術館での建築展「白井晟一 入門 第1部/白井晟一クロニクル」をフォトレポートします。1980年に完成した白井建築を会場に行われ、無名時代から晩年の作品までを豊富な図面と資料で紹介する展示となっています。会期は2021年10月23日~12月12日(※土・日曜日、祝日および最終週の観覧は事前予約制)。展覧会の公式ページはこちら。
白井晟一(1905~1983)は京都で生まれ、京都高等工芸学校(現京都工芸繊維大学)図案科卒業後、ドイツで哲学を学ぶなど異色の経歴をもつ建築家です。林芙美子などと交流した滞欧期を経て帰国後、義兄の画家・近藤浩一路の自邸の設計を手掛けたことを契機に独学で建築家への道に進みました。
その後「歓帰荘」「秋ノ宮村役場」といった初期の木造の個人住宅・公共建築から、「親和銀行本店」「ノアビル」「渋谷区立松濤美術館」など後期の記念碑的建築まで、多くの記憶に残る作品を残しました。そのユニークなスタイルから哲学の建築家などとも評されてきました。
一方で、建築以外の分野でも才能を発揮し、多くの装丁デザインを手がけ、そのなかには「中公新書」の書籍装丁など現在まで使用されているものもあります。また著作や、書家としての活動など、建築の枠組みを超え、形や空間に対する思索を続けました。
本展は、初期から晩年までの白井建築や、その多彩な活動の全体像にふれる、いわば白井晟一入門編として構成するものです。
第1部では白井晟一の設計した展示室でオリジナル図面、建築模型、装丁デザイン画、書などを、白井晟一研究所のアーカイヴを中心に展示し、その活動をたどります。第2部では、晩年の代表的建築のひとつである松濤美術館そのものに焦点をあてます。長年、展示向けに壁面等が設置されている展示室を、白井がイメージした当初の姿に近づけ公開します。
ヘルツォーグ&ド・ムーロンが設計した、韓国・ソウルの、社屋とアートスペースの複合施設「ST International HQ and SONGEUN Art Space」。敷地法規に沿って彫刻的な形態の可能性を追求し、周辺環境との関係性と訪問者の体験が重視された、アートと市民を結び付ける建築が構想されました。アート施設の公式サイトはこちら。
こちらは建築家によるテキストの翻訳です
STインターナショナル本社とSONGEUNアートスペース(ST International HQ and SONGEUN Art Space)
韓国、ソウル
プロジェクト 2016 – 2018、実現 2018 – 2021
SONGEUNとソウル市民のための新しい家
新しいST SONGEUNビルには、1989年に設立された非営利団体であるSONGEUN芸術文化財団のアートスペースと、STインターナショナルの本社オフィスが入っています。現代美術館を設計してきた私たちの経験は、いかにしてアートと人々を結びつけるかということに焦点を当てています。どうすれば、アートとアーティスト、キュレーターと一般市民のための空間を作ることができるでしょうか?2016年にヘルツォーグ&ド・ムーロンが新しいSONGEUNアートスペースの設計を依頼されたとき、その野望は明確でした。それは、一般の人々を招待し、韓国アーティストの国際的な現代アートシーンへの露出を広げる文化的なアンカーを作ることでした。このプロジェクトは、ソウルで最も商業的なエリアのひとつに非商業的なアートスペースを提供することで、SONGEUNの存在感を強め、都市の文化的な地形と多様性に大きく貢献することを目的としています。
チョンダムドンの中心に位置する精密な幾何学模様
敷地は、国際的な旗艦店やレストラン、バーで有名なソウル南部のチョンダムドンにある大通り、トサンデロの最高地点に位置しています。この地域は低層の建物が中心ですが、大通りに向かって密度を高めることができる区域になっています。この地域の急速な変化と高密度化に刺激され、様々な区画規制に対応した無数のヴォリューム戦略がストリートフロントに沿って配置されています。
ST SONGEUNビルの特徴は、シャープな三角形のボリュームです。このビルの統一された形態は、区画法の彫刻的な可能性を追求しながら、割り当てられた床面積を最大化しています。正面の高いファサードは大通りに面しており、建物の核となっています。一方、背面の低いファサードは庭に面しており、より親密なスケールで周囲の環境を定義しています。地上11階、地下5階、総面積8,000m2以上のビルが完成しました。
都市に開かれた文化の拠点
この建物は、通り側が密閉されているにもかかわらず、いや、むしろそれだからこそ、違いと開放感を表現しています。基壇部のカットアウトは、通りからメインロビーと親密な庭園へと来訪者を誘い、いつでも一般公開されています。エントランスでは、継ぎ目のないLEDスクリーンに包まれた柱が、開催中のショーを知らせる魅力的なランタンとして、また芸術的なコンテンツを発表する場として機能しています。
建物の西側では、カーランプが彫刻的なボリュームとして扱われています。傾斜路のカーブは、地下の展示スペースの天井に開口部を作り、この沈み込んだギャラリーをストリートレベルの活動、音、光と結びつけています。コンクリートの壁で覆われた洞窟のような空間は、スロープの内側や駐車場の下に敷かれた銀箔の反射仕上げと対照的です。傾斜路は3層の高さのヴォイドの周りに螺旋状に配置され、大階段の形状を決定しています。大階段は敷居であると同時に、上映会や講演会のためのオーディトリアムスペースとしても機能し、2階のギャラリーにつながっています。アートスペース、オフィス、パブリックエリアなど、実験的で意外性のある組み合わせが地上と地下で展開され、ソウルの現代アートに一般の人々を招待する新しい都市複合体を作り出しています。
妹島和世+西沢立衛 / SANAAによる、TOTOギャラリー・間での建築展「環境と建築」をレポートします。進行中のプロジェクト模型中心に構成され、展示物の組み合わせや配置を現場で徹底的に検証調整することで、会場構成による体験自体も建築として捉えられるような展覧会になっています。展覧会期は2021年10月22日~2022年3月20日まで(※事前予約制)。展覧会の公式サイトはこちら。
こちらはアーキテクチャーフォトによるレポート
SANAAの展覧会がTOTOギャラリー・間で始まる。本来はオリンピックの開催期間に、訪日する外国の方々に日本を代表する建築家の展覧会を見てもらおうと企画されたものであるが、コロナ禍によりそれはかなわず、一年を越える延期の末開催にこぎつけたのが本展である。SANAAとしてのギャラリー間での展覧会は2003年に続き2回目である(妹島単独での展示は1993年に開催されている)。
まず今回の展覧会の特徴のひとつは進行中のプロジェクトの模型を中心に展示されていることだろう。妹島と西沢の解説によれば、実際に事務所で使用されているスタディ模型や、それを展示の為に制作しなおしたもので構成されているのだという。また、西沢はギャラリー間の特徴となっている中庭を挟んで、上下のフロアに展示スペースが分かれていることの難しさにも言及していた。
本展では、下階のギャラリーでは、それぞれの建築がたつ敷地と、その敷地の状況を読み込み設計された建築の関係性を伝える事が意図されたのだという。その為、多くの模型はフロア付近に配置されており、閲覧者は上から眺める形で、模型を観覧することになる。
中庭を挟み、上階のギャラリーに上がると、よりヴォリュームの大きな模型群を目にすることになる。最も大きなスケールは1:1でつくられている「ニューサウスウェールズ州立美術館 シドニーモダンプロジェクト」の模型である、屋根部分と床部分が精密に作られておりガラスの入り方が検討されている。その他にも「新香川県立体育館」に関しては、3つのスケールの模型が展示されており様々な段階で建築が実現されるための検討が行われていることがよく分かる。上下階を何度か行き来していると、建築のおける検討のフェーズを追体験することができる感覚を覚えるし、建築家がアイデアを構想するための抽象的な思考と、実際に建てるための具象的な思考を行き来していることが実感できる展示となっている。
ザハ・ハディド・アーキテクツの設計で建設が進められている、チェコ・プラハの複合ビル「マサリチカ」。低層部の店舗と高層部のオフィスからなり、プラハ旧市街の都市計画と対話する外観を持ち、地域の交通の利便性を向上させる建築となっています。2023年の竣工を予定。
こちらはリリーステキストの翻訳です
プラハのマサリチカビルの建設は続き、1階と2階の店舗部分の構造が完成しました。高層階では、テラス付きのルーフガーデンを備えた片持ち梁のオフィスの建設が始まっています。2023年のオープンを予定している28,000㎡のマサーチカビルは、東側の部分が7階建てで、西側の端は9階建てになっています。
マサリチカのデザインは、都市の主要な交通拠点の中にある新しい市民スペースへのアクセスを可能にする、敷地内の循環ルートによって定義された、統一された建築的応答です。
歴史的なマサリク駅をチェコ鉄道が再建し、線路の上に部分的に新しい公共公園を作るのに合わせて、マサリチカのデザインは、北のナ・フロレンツィ通りと南のヒベルンスカー大通りの間に新しい歩行者ルートを提供し、さらに下の鉄道プラットフォームへのアクセスを向上させます。
鉄道駅に隣接し、数十年間放置されていた廃墟のような場所で、マサリチカは、ハヴリーチコヴァ大通りの既存の駐車場を、市内の地下鉄網への入り口を含む新しい公共広場に置き換えます。この新しい広場は、郊外や国内の鉄道サービス、そしてプラハのヴァーツラフ・ハヴェル国際空港に計画されている空港鉄道リンクを利用する人々にとって、街への歓迎のゲートウェイとなるでしょう。
「100本の尖塔の街」として知られるプラハ旧市街の都市計画との対話を確立するために、マサリチカのファサードの外部フィンは、ナ・フロレンツィ通りに沿ったプロジェクトの水平な構成は、旧市街の尖塔に面した西端においては垂直の構成へと変化しています。
古森弘一建築設計事務所が設計した、福岡・北九州市の住宅「方眼の間」です。構想をもった施主家族と設計者が議論しながら設計する為に、共通ルールとして三尺方眼を天井に可視化し、在来工法の延長に成立させる事で将来的な増改築も考慮されました。
「いくつかの案を考えてみました。」
最初の打ち合わせで建主夫妻から方眼紙に描かれたいくつかの平面図を受け取りこのプロジェクトは始まった。
その平面図を詳しく説明してもらうと家族4人で議論を重ねた楽しそうな痕跡が散見されたため、極力その想いを実現したいと考えた。
かつて住宅の間取りは建主と大工が三尺のモジュールをルールに作り上げてきたと聞く。しかし、現代の住宅では畳がなくなりその寸法体系がなくなったため、施主と専門家がやりとりしながら設計する共通のルールがなくなった。
設計の議論を進めやすくするために、三尺の方眼を天井に可視化することを提案した。その方眼上に自由に柱や壁を配置すれば、どんな平面でも可能であることを伝えた。その天井の方眼を構成する格子梁は特殊な技術や金物を用いることなく、在来工法の延長に成立させている。分かりやすい構法を確立することで、将来増改築の際に一般的な大工さんでも改修を可能にしている。
三桶士文 / mioke designが設計した、東京・港区の「青山のレンタルオフィス」です。既存柱梁の存在感を意匠的要素として捉え、面を揃え家具類を一体化しフレームをつくることで、“一見違和感のある疑似的なスケルトン空間”を生み出しています。
東京都港区に建つビンテージマンションの一室を賃貸オフィスへコンバージョンしたプロジェクト。
賃貸マンションの用途上、家具は入居者の持込みとなるため、必要最低限の水廻り以外スケルトンの空間が求められた。
空間のスケールに対して、柱・梁の躯体は建物の部屋割のスパンから算出され、必然的に存在感が大きいため、躯体そのものの形状を意匠的な要素としてとらえるように考えた。
柱、梁をモルタルでふかし、面を揃えることで、端正な空間とするとともに、棚やベンチ・カウンターなどを梁と同様のスケールで追加することで、柱・梁と一体化したフレームを作ることで、一見違和感のある疑似的なスケルトン空間を創出することを心掛けた。
中原崇志が会場構成を手掛けた、長野県立美術館での展覧会「10 Mame Kurogouchi」です。ファッションデザイナー黒河内真衣子の単独展で、10のキーワードからブランドの思想に触れることができる、出身地長野の風景をヒントにした空間が構想されました。展覧会の公式サイトはこちら(会期は終了しています)。
長野県立美術館にて、2021年6月から約2ヶ月開催された展覧会の会場構成。
日本を代表するファッションブランドである Mame Kurogouchi (マメ クロゴウチ)の美術館では初となる単独での展覧会。
これまで発表されたコレクションに共通する10のキーワードが、デザイナー自身のダイアリー、着想源となった品々や写真、テキスト、オリジナルのテキスタイル、コレクションのアーカイブなどを用いて多面的に可視化され、ブランドの思想の根底に触れるかのような空間を作り出しました。
10のキーワードは、明確にエリアを規定する事なく緩やかな繋がりのある配置とし、透明感あるショーケースに入った衣装やエレメント達が重なりあって、全体としてブランドの持つコンセプトが重層的に見えてくる空間となっています。
奥田晃輔+堀井達也+吉田裕樹 / OHArchitectureが設計した、大阪市の商業施設内の「阿倍野のカフェ」です。外で飲むコーヒーの美味しさを想起し、外壁仕上を内部のリース内に取り込み外部化することで、開放的な空間となることが意図されました。店舗の公式サイトはこちら。
外部でコーヒーを飲むとなぜあんなに美味しく感じるのだろうか。
1階の外部に面した区画。建物のレンガの外壁を内部のリースラインまで後退させることで、区画内を外部化された空間に変える。その外壁のようなレンガ壁を抜けると全体が外部のような開放的な空間が広がる。
ここでは、外部で使用される山石ボックスと蛇籠テーブルを用いることで緩やかに空間を分け、天井にギザギザの型枠用木毛セメント板、床に平板ブロックを敷き詰めることでどこか洞窟のような外感を生み出している。
また、外壁のようなレンガ壁は厚みを持たせて、その中に個室や諸室・厨房を入れることで、空間にバリエーションをつけ、多様性を付与している。また、共用部側の壁面ラインをリースラインから後退させ、カウンターやベンチを共用部に飛びだしたような意匠にすることで、人々を引き込む構えを作っている。
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