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髙田浩一 / KOICHI TAKADA ARCHITECTSが、王立英国建築家協会の主催で、2021年1月に行った講演の動画

髙田浩一 / KOICHI TAKADA ARCHITECTSが、王立英国建築家協会の主催で、2021年1月27日に行った講演の動画です。髙田は、オーストラリア・シドニーを拠点とする建築家で、ジャン・ヌーベル設計のカタール国立博物館内のショップなども手掛けています髙田の日本語でのインタビュー記事はこちらに。

最も注目を集めたトピックス [期間:2021/2/8-2/14]
最も注目を集めたトピックス [期間:2021/2/8-2/14]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2021/2/8-2/14)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 佐々木君吉+バンバタカユキによる、宮城・仙台市の、住宅兼ギャラリー「House O」
  2. 松島潤平建築設計事務所による、東京の、集合住宅の一住戸の内装デザイン「Float」
  3. 河部圭佑建築設計事務所による、いくつものゆるやかなアイデアを融合する方法論を試行した「名古屋みなとのアトリエ住居」 / 辻琢磨による本作品の論考「納まりの海に浮かべられた色彩と幾何学」
  4. 二俣公一 / ケース・リアルによる、北海道・倶知安町の別荘「CHALET W」
  5. 日本工業大学吉村研究室+田中正洋による、建築設計課題の導入として企画された、シークエンス模型ワークショップ「ビー玉ビルディング」
  6. 八島正年+八島夕子 / 八島建築設計事務所による、千葉・流山市の住宅「おおたかの森の家」
  7. スノヘッタによる、東京・原宿の店舗「Tokyo Burnside」
  8. y+M design office・成安造形大学YOHAKUプロジェクトチーム・澤村による、滋賀・大津市の「成安造形大学アパートメント YOHAKU」
  9. 八島正年+八島夕子 / 八島建築設計事務所による、東京・武蔵野市の住宅「吉祥寺南の家」
  10. 中川エリカと西沢大良が「30代でつくるべきもの」をテーマに対談している動画。ギャラリー・間での個展に合わせて企画されたもの
  11. 井原正揮+井原佳代 / ihrmkによる、愛知・日進市の住宅「バイパスの湾処」
  12. 興津俊宏による、大阪市の住宅「みんか2020」
  13. 創造系不動産の高橋寿太郎が、神奈川大学の教授に。2022年4月就任予定とのこと
  14. 長沼和宏+澤田淳 / AIDAHOによる、埼玉・深谷市の住宅「FUKAYA house 02」
  15. 石上純也建築設計事務所による「神奈川工科大学KAIT広場」の3DVR写真
  16. 二俣公一 / ケース・リアルによる、東京・北青山の多目的スペース「地域交流拠点 まちあい」
  17. MADの設計で建設が進められる、中国・海口市の図書館「Wormhole Library」の構造体が完成。2021年春の竣工を予定
  18. 中山英之へのインタビューと、大学入学以前に再現したリートフェルトの椅子の写真
  19. 三井嶺建築設計事務所による、東京・世田谷区の商業施設「柳小路南角」
  20. 石上純也建築設計事務所による、神奈川・厚木市の「神奈川工科大学KAIT広場」

安藤忠雄がゲストエディターを務めるドムス2021年2月号の社説。「大都市の宝石箱」というタイトルで既存の都市機構に批判的声明を出す必要性を説く

安藤忠雄がゲストエディターを務めるドムス2021年2月号の社説が公開されています。「大都市の宝石箱」というタイトルで既存の都市機構に批判的声明を出す必要性を説く内容です。2021年2月号の概要はこちらで閲覧できます。ハンス・ホラインのレッティ蠟燭店が表紙。

創造系不動産の高橋寿太郎が、神奈川大学の教授に。2022年4月就任予定とのこと

創造系不動産の高橋寿太郎が、神奈川大学の教授になるそうです。2022年4月就任予定とのこと。まち再生コースの中の不動産デザイン研究室を受け持つようです。

矢萩智 / SYA+kamikamiによる、東京・世田谷区の、二子玉川 蔦屋家電内に設置された商品展示の為のパヴィリオン「ツリーポン」
矢萩智 / SYA+kamikamiによる、東京・世田谷区の、二子玉川 蔦屋家電内に設置された商品展示の為のパヴィリオン「ツリーポン」 photo©Tsuabsa K
矢萩智 / SYA+kamikamiによる、東京・世田谷区の、二子玉川 蔦屋家電内に設置された商品展示の為のパヴィリオン「ツリーポン」 photo©Tsuabsa K

矢萩智 / SYA+kamikamiが設計した、東京・世田谷区の、二子玉川 蔦屋家電内に設置された商品展示の為のパヴィリオン「ツリーポン」です。なお、こちらの設置はすでに終了しています。
矢萩は隈研吾建築都市設計事務所出身の建築家です。

東京の二子玉川 蔦屋家電に、ソーラーパネルを使用したプロダクトを展示するために製作したパヴィリオン。

ツリーの形をした什器を日本の伝統的な相欠き(アイガキ)を用いて設計することを試みた。
高さ225mm、厚さ15mmの合板を相欠きで組み上げ、自重を受け入れながら安定していく方法を模索した。基本ピースの高さを225mmとすることで、組み合わせ方次第で、椅子にもカウンターにもなるように設計した。

安価に手に入るラワン材を使用し、積み上げることで、標準的なエレメントを使用して、大きな一本の木を作ろうと考えた。相欠きは30~50mmとし、高くなるにつれて深くすることで、全体の安定性を目指した。建築の構造体の形式を模索することで、高層化や建築スケールに応用できることを目的に計画した。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 末光弘和+末光陽子/SUEP.が、福岡アトリエと東京アトリエでの設計スタッフを募集中
【ap job更新】 末光弘和+末光陽子/SUEP.が、福岡アトリエと東京アトリエでの設計スタッフを募集中
【ap job更新】 末光弘和+末光陽子/SUEP.が、福岡アトリエと東京アトリエでの設計スタッフを募集中ミドリノオカテラス

末光弘和+末光陽子/SUEP.の、【募集職種】募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

末光弘和+末光陽子/SUEP.では、新規に2名の設計スタッフを募集しております。

現在、SUEP.では、国内外で様々なプロジェクトが進行しており、国内では、ホテル、オフィス、文化施設、集合住宅、個人住宅、ツリーハウスなど、海外では、こども園や、オフィスなどのプロジェクトが進行しております。特に最近は、地球環境を大切にし、自然と共生する建築デザインをつくるという私たちの思想に共感していただく方から、国内外問わず依頼が増えてきており、我々の取り組みに対する社会の中での需要の高まりを強く感じます。

このような私たちの考え方に共感し、一緒に建築を楽しんで設計していくスタッフを募集しています。チーム性でフラットな議論を進めるのもSUEP.の特徴になります。興味のある方は、是非ご連絡ください。

吉阪隆正の、東京都現代美術館での建築展の新たなスケジュールが発表。新型コロナで2020年11月開催予定が延期

吉阪隆正の、東京都現代美術館での建築展の新たなスケジュールが発表されています。新しい会期は2022年3月19日~2022年6月19日です。
2020年1月の情報発表時には、2020年11月に行われる予定でしたが、新型コロナウイルス感染症により延期されていました。

同時代の社会や世界的な動向を踏まえ、館独自の調査研究で現代美術の多様な側面をクローズアップする活動のひとつとして、建築家・吉阪隆正(1917-1980)の回顧展を開催します。ル・コルビュジェの弟子の一人として、日本に近代建築の思想を普及させた功績で知られる吉阪は、建築の枠にとどまらず、教育者・登山家・冒険家・文明批評家としても多くの表現者に影響を与えてきました。本展覧会ではデッサン・図面・模型・写真・映像に加え、吉阪のことばを紹介し、半世紀前に着想されたものとは思えぬ新しさに満ちた一連の思想に触れ、新たな未来を築くための契機とします。

※開催内容は、都合により変更になる場合がございます。予めご了承ください。

八島正年+八島夕子 / 八島建築設計事務所による、東京・武蔵野市の住宅「吉祥寺南の家」
八島正年+八島夕子 / 八島建築設計事務所による、東京・武蔵野市の住宅「吉祥寺南の家」 photo©川辺明伸
八島正年+八島夕子 / 八島建築設計事務所による、東京・武蔵野市の住宅「吉祥寺南の家」 photo©川辺明伸
八島正年+八島夕子 / 八島建築設計事務所による、東京・武蔵野市の住宅「吉祥寺南の家」 photo©川辺明伸

八島正年+八島夕子 / 八島建築設計事務所が設計した、東京・武蔵野市の住宅「吉祥寺南の家」です。本記事末尾には、2021年に発売された八島正年と八島夕子による書籍『10の住まいの物語』の概要も掲載します。

隣家がせまる都市部の住宅地に建つコートハウス型の住宅の計画である。
建主からは夫婦と二匹の猫が暮らすプライバシーの保たれた家を設計してほしいと依頼された。

RC造のコートハウスを希望されていたが、限られた敷地面積の中で庭に十分な面積を割かずに壁を高く立ち上げてしまうと光や風が届かず植物がうまく育たなくなり、逆に壁を低くし過ぎてしまうと隣家からの視線を遮ることができなくなる。
都市部ならではの厳しい建築制限の中、庭を囲む建物の一部分を半屋外のテラスとして、中庭と上部空間でつなぎ広げることで植物に対しても良好な生育環境になるよう計画した。

建築家によるテキストより

敷地は東西に延びる矩形をしており、東側接道のため東側に駐車スペース、中央に建物、西側へ中庭を配置するかたちとなった。
一階は中庭に面した寝室と北西側に張り出すかたちで洗面浴室、東側玄関近くにゲストルームを設けている。

二階は吹き抜けのあるリビングを中心としたワンルームのLDKで、東側の窓から望む街並みと西側の窓からのプライベートな中庭に挟まれた天井の高い開放的なリビング空間に対して、ダイニングは板貼りの天井によって高さを抑え落ち着いた印象の空間とした。またダイニングの上部には畳敷きの小屋裏を設け、開放的なリビングダイニングとは印象の異なる部屋に設えた。

建築家によるテキストより
二俣公一 / ケース・リアルによる、北海道・倶知安町の別荘「CHALET W」
二俣公一 / ケース・リアルによる、北海道・倶知安町の別荘「CHALET W」 photo©志摩大輔
二俣公一 / ケース・リアルによる、北海道・倶知安町の別荘「CHALET W」 photo©志摩大輔
二俣公一 / ケース・リアルによる、北海道・倶知安町の別荘「CHALET W」 photo©志摩大輔

二俣公一 / ケース・リアルが設計した、北海道・倶知安町の別荘「CHALET W」です。

施主は、海外から毎年日本に短期滞在しているスノーボードの愛好家。
彼が滞在中に家族と過ごすための場所であり、さらにはゲストとリラックスして交流できるようなシャレーを計画することとなった。

敷地はスキーリゾートとして有名なニセコエリアの一画で、周囲を白樺に囲まれた雑木林の中にある。
施主からの希望は、敷地に対して可能な限り床面積を確保すること、ゲストが訪れた際にくつろげる座敷があること、そしてこの土地のシンボル的な存在でもある羊蹄山を眺められる窓と開放的なリビングダイニングであった。

建築家によるテキストより
スノヘッタによる、東京・原宿の店舗「Tokyo Burnside」
スノヘッタによる、東京・原宿の店舗「Tokyo Burnside」 photo©Keishin Horikoshi /SS
スノヘッタによる、東京・原宿の店舗「Tokyo Burnside」 photo©Keishin Horikoshi /SS
スノヘッタによる、東京・原宿の店舗「Tokyo Burnside」 photo©Keishin Horikoshi /SS

スノヘッタが設計した、東京・原宿の店舗「Tokyo Burnside」です。スノヘッタ初の東京のプロジェクトで、ローカルアーキテクトを小嶋伸也+小嶋綾香 / 小大建築設計事務所が担っています。

以下、建築家によるテキストの抜粋・要約です

東京のストリートカルチャーとアートシーンの中心地、原宿のファミリーマートの上にある「Burnside」は、昼はシェフ主導のカジュアルなカフェ&イーター、夜はバー&ラウンジです。スノヘッタは、ニューヨークのブロンクス地区を拠点とするフード、デザイン、アート集団ゲットー・ガストロの協力を得て、この親密な空間をデザインしました。

食を使ってコミュニティに力を与えるゲットー・ガストロは、ブロンクス地区を世界文化のインスピレーションと触媒として称賛しています。「Burnside」は、ブロンクス地区と東京が出会うこの創造的なエネルギーの上に構築されています。2012年の設立以来、グローバルな食の伝統を探求するゲットー・ガストロの活動は、アートインスタレーションのようなアプローチで、没入型の料理体験を生み出してきました。この文化の交差点にインスピレーションを受けた、スノヘッタ、en one tokyo、ゲットー・ガストロ、そして地元の建築家 小大建築設計事務所は、職人的で手作りのサウンドシステムデザイナーのデボン・ターンブルとフラワーアーティストの東信とチームを組み、ボデガ(食料雑貨店)とバーの要素を組み合わせた比類のないダイニングとソーシャルな体験を創造しました。

ニューヨークスタイルのボデガ(日本ではコンビニと呼ばれています)は、東京とブロンクス地区の共通の文化体験であり、手軽に持ち帰りができ、近隣のどこにでもあることから、両都市の都市構造の中で定着しています。Burnside東京は、ファミリーマートの上の2階にあり、コンビニの語彙を利用しています。2階に上がると、ダイニングルームとオープンキッチンが集中して見えるようになっています。壁一面の布張りの窓からは昼間の光が差し込み、昼間はアクティブなカフェのような雰囲気を醸し出し、夜には通りからの光を取り入れて雰囲気のあるラウンジを演出しています。

昼と夜、カフェとラウンジの間の変化をインテリアデザインのテーマとしています。交差する2つのアーチは、カフェ/ダイニングエリアとキッチンを明確にし、同時に両方のスペースを見渡すことができるようにして、空間の表と裏の境界線を曖昧にしています。ダークな素材のパレットには琥珀色のアクセントがあり、一日中変化する光を反射させながら、東信がデザインした花の彫刻などの装飾的なデザイン要素を際立たせています。最大収容人数30名のダイニングルームは、フロアスペースを最大限に活用できるように、ファミリースタイルのテーブルを特注でデザインしました。

ダイニングルームは、空間の裏と表が交わるパステーブルのプロセニアムアーチで締めくくられます。ここの中央のパステーブルは、プロジェクトの中心にあるキッチンの人々が集まる場となります。ダイニングルームの敷居の向こうにはオープンキッチンがあり、シェフの活動を中心に、熱と火の料理体験が展開されます。ゲットー・ガストロの意見を取り入れて設計されたキッチンのレイアウトは、将来のシェフがローテーションする際にも容易に適応できるように設計されています。デザインとレイアウトの全体的な柔軟性により、スペースは様々なポップアップ用途やイベントに対応できるようになっています。

スノヘッタの東京での初のプロジェクトである「Burnside」は原宿の芸術的な雰囲気の中で、柔軟性と創造性に富んだ場所として、ユニークなコラボレーションを実現しました。新進気鋭のシェフを招いたり、カジュアルなコーヒーハウスとして利用したり、リリースパーティーを開催したりと、東京とブロンクス地区が交差するこの洗練された空間で、ゲストの皆様を魅了することでしょう。

日本工業大学吉村研究室+田中正洋による、建築設計課題の導入として企画された、シークエンス模型ワークショップ「ビー玉ビルディング」
日本工業大学吉村研究室+田中正洋による、建築設計課題の導入として企画された、シークエンス模型ワークショップ「ビー玉ビルディング」菅原太一案 photo©日本工業大学吉村研究室
日本工業大学吉村研究室+田中正洋による、建築設計課題の導入として企画された、シークエンス模型ワークショップ「ビー玉ビルディング」石塚由梨案 photo©日本工業大学吉村研究室

日本工業大学吉村英孝研究室+田中正洋が企画した、日本工業大学工学部建築学科3年生の前期設計演習導入部のシークエンス模型ワークショップ「ビー玉ビルディング」の写真と動画です。

模型の中でビー玉を転がすと何が変わるだろう?
このワークショップを通して得た答えのひとつは、模型を見る目が変わる、ということだ。

模型は多くの場合、鳥の目(鳥瞰)で見ている。ところが、ビー玉を目で追いはじめると一転、それは虫の目に変わり、模型への没入の度合いが増す。

建築家によるテキストより

今回のワークショップは、延床面積1500m2、4階建て複合型オフィスビルの設計課題の導入部において、立体空間を発想するための柔軟体操として採用した。そのため、その後に控える設計課題への移行がスムーズに行われるよう、幾つかのルールを加えた。

(1)縦動線は各フロア2つ設ける=二方向避難を提案的に成立させる。
(2)平面形は正方形とする=平面形に方向性が無いため、空間に方向や勾配を自由に与えやすい。
(3)各フロアに通過ゲートを設ける=フロア全体を使い尽くす。また、ビー玉は直径約16mmのものを用いたが、縮尺1/100の模型では人の身長や必要廊下幅を表している。

これらを通して、多くの参加者は機能的に部屋を並べることを避け、空間を立体的な繋がりとして表現するようになり、そこで生まれた場所の使い方により必要機能を満たす発想もあることに気づき始めたようだ。

建築家によるテキストより
井原正揮+井原佳代 / ihrmkによる、愛知・日進市の住宅「バイパスの湾処」
井原正揮+井原佳代 / ihrmkによる、愛知・日進市の住宅「バイパスの湾処」 photo©高橋菜生
井原正揮+井原佳代 / ihrmkによる、愛知・日進市の住宅「バイパスの湾処」 photo©高橋菜生
井原正揮+井原佳代 / ihrmkによる、愛知・日進市の住宅「バイパスの湾処」 photo©高橋菜生

井原正揮+井原佳代 / ihrmkが設計した、愛知・日進市の住宅「バイパスの湾処」です。

敷地は日進米野木駅前特定土地区画整理事業として整備が終わったばかりの、建物や人が徐々に集まる新しい住宅地の一角で、30メートルに拡幅された交通量の多いバイパスに面している。

広々と造成された周辺環境に対してどのような構えの建物とするか。

魚などの水生生物の安定した棲み処であり活動の場である湾処のように、前面道路に向かって全面的に開くのではなく、反対に閉じてしまうわけでもない。境界面を操作することで、平面的な場所に繋がる立体的な空間と、人工的でスケールアウトした場所に接する人間的な距離感を作りたいと考えた。

建築家によるテキストより

土地形状は、前面道路から入ったところから約1メートル高のひな壇となっていた。そこで、そのひな壇にRC造のボリュームを挿入し、巣穴のようにこの土地に入り込ませた。このRC造のボリュームは、1階の腰壁部分が梁となっており、1階テラスまで繋がった腰壁が建物をぐるりと取り囲む構造としている。その上に木架構を1.5層載せ、RC造とは反対に軽やかなリズムをもたせている。

カフェとして使用される地下階と1・2階の居住部分でエントランス位置や階層はきっちりと分けながらも、中央の中庭吹抜けや、1.5層のRCと1.5層の木架構という建物の構造を通して上下階の気配を感じることのできる構成となっている。

建築家によるテキストより
中川エリカが、自身のギャラリー・間での建築展「JOY in Architecture」を解説している動画

中川エリカが、自身のギャラリー・間での建築展「JOY in Architecture」を解説している動画です。アーキテクチャーフォトでもこの建築展を特集記事として紹介しています。会期は2021年3月21日まで(事前予約制)。

以下は展覧会公式の概要です。

中川エリカ氏は、初期の代表作「ヨコハマアパートメント(西田司/オンデザインと共同設計)」、「桃山ハウス」で数々の賞を受賞するなど、今まさにエネルギッシュな活動を続けている若手建築家です。
中川氏の原点は、「新しい建築の表現を追求したい」という、飽くなき探求心にあります。「新しい組み立て方」や「街の細部の法則をヒントにした材料の発見」、「内と外の関係」といったさまざまな課題に取り組み、周囲の環境や人びとの営みを巻き込みながら、生き生きとした建築の表現を生み出し続けています。
中川氏は、街と建築が相互に補い合い連続する場を生み出すべく、街のリサーチを徹底的に行うことからスタートします。そして「建築を身体的に考える」ために、暮らしぶりまで表現した精緻で巨大な模型をのぞきこみ、思考と検証を上書きしていくことで、現実の建築体験へと展開していきます。こうした探求行為とそこから生まれる発見が、中川氏のよろこびと新たなエネルギーとなっています。

本展覧会では、設計の現場で活用されてきたさまざまなスケールの模型を一挙に公開し、中川氏が考える建築の「よろこび(JOY)」が躍動感いっぱいに展示されます。また、これからの建築の生きた発見につなげるため、南米チリで行った、小さな什器とともに現れる人びとの屋外での居場所のリサーチとその模型を展示します。
展覧会を、建築そのものとして実現しようとする中川氏の挑戦を、ぜひご覧ください。

中川エリカと西沢大良が「30代でつくるべきもの」をテーマに対談している動画。ギャラリー・間での個展に合わせて企画されたもの

中川エリカ西沢大良が「30代でつくるべきもの」をテーマに対談している動画です。ギャラリー・間での中川の個展に合わせて企画されたもの。動画の公開は2021年4月末までの期間限定予定との事。

第一線で活躍する建築家と中川エリカ氏が、展覧会の現場にて、中川氏の建築思想に深く関係する問題意識を手がかりに語り合います。双方向の批評を通じて、世代を超えた「建築のよろこび」「建築批評をする/されるよろこび」を見出そうとする試みです。

第1回:2021年2月9日(火)公開
出演:西沢大良氏(建築家) × 中川エリカ氏
テーマ:30代でつくるべきもの

二俣公一 / ケース・リアルによる、東京・北青山の多目的スペース「地域交流拠点 まちあい」
二俣公一 / ケース・リアルによる、東京・北青山の多目的スペース「地域交流拠点 まちあい」 photo©志摩大輔
二俣公一 / ケース・リアルによる、東京・北青山の多目的スペース「地域交流拠点 まちあい」 photo©志摩大輔
二俣公一 / ケース・リアルによる、東京・北青山の多目的スペース「地域交流拠点 まちあい」 photo©志摩大輔

二俣公一 / ケース・リアルが設計した、東京・北青山の多目的スペース「地域交流拠点 まちあい」です。施設の公式サイトはこちら

青山の高台にある広大な敷地の中に、3500㎡の大規模な緑地空間と、賃貸住宅や高齢者向け住居、ショップやレストラン、保育所などが複合的に整備された「ののあおやま」。今回、その「ののあおやま」エリアに設けられた地域交流のための空間を計画することとなった。

建物1階にある約30坪の区画に求められたのは、市民ギャラリーや講演イベント、エリアマネジメント活動など、多目的に利用できるスペースである。L型の特徴的な平面をした区画は、その上部に2階へのアプローチとなる大階段が掛かっており、その影響で内部は一部傾斜天井となっていた。

建築家によるテキストより
MADの設計で建設が進められる、中国・海口市の図書館「Wormhole Library」の構造体が完成。2021年春の竣工を予定
MADの設計で建設が進められる、中国・海口市の図書館「Wormhole Library」の構造体が完成。2021年春の竣工を予定 image©SAN
MADの設計で建設が進められる、中国・海口市の図書館「Wormhole Library」の構造体が完成。2021年春の竣工を予定 photo©Agovision
MADの設計で建設が進められる、中国・海口市の図書館「Wormhole Library」の構造体が完成。2021年春の竣工を予定 photo©Agovision

MADの設計で建設が進められる、中国・海口市の図書館「Wormhole Library」の構造体が完成しています。2021年春の竣工を予定しているとの事。アーキテクチャーフォトでは、計画段階でのCG画像も特集記事として公開していました。

以下は、リリーステキストの要約です

MADアーキテクツが設計した、中国の海口市の図書館「Wormhole Library」の構造体が2021年1月に完成しました。

中国南海を見下ろすこの図書館は、海口湾の海岸線に沿ったセンチュリーパーク内に位置しています。完成後は多機能な建物となり、読書スペースや来訪者のための公共の休憩所などが設けられます。

緻密にスケールされた構造は、白いコンクリートのユニットとして鋳造されています。湾曲したコンクリートの壁は有機的な建築構造として機能するだけでなく、天井、地面、壁をつなぎ合わせています。様々な大きさの穴は建築が呼吸することを可能にし、自然光が内部にあふれるようにしています。外部の通路のグレイ色のスペースは通行人が留まり休憩の為の陰になる場所を提供します。

図書館の中では、人々は空と海の両方と直接相互作用します。人間はもはや支配的な存在ではなく、建築はもはや支配的な器ではありません。来館者の体験は、抽象的でありながら無限大の「宇宙を垣間見る」ものになるでしょう。

「Wormhole Library」では、日常の喧騒から一時的に離れて、読書や海の景色を楽しみ、野外パフォーマンスに参加することもできます。海口の元気で人気のあるパブリックスペースとして、街に彩りと賑わいをもたらします。

建物は、2021年春の完成・運用開始を予定しています。

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