


金山大+小泉宙生 / SWINGが設計した、大阪市のシェアハウス「HAYA OSAKA」です。
敷地は天王寺から自転車で数分の距離にあり、古くからの地域住民の繋がりが残る大阪市内には珍しい歴史の面影(環濠集落)のある街並みです。
エリア特性を調査する中で、近くにある神社のお祭りには、前面道路に地車が賑やかに練り歩き、横の公園では縁日もでて活気があるエリアの中心的な役割を担っていることも分かりました。
そのような地域に建つシェアハウスの相応しい姿とは、街に閉じたワンルームとは違い、地域と緩やかにつながる建築が望ましいのではないか?
公私の距離感のグラデーションをどのように建築計画に反映するか?
「住人同士 / シェアハウス / 街」 といったつながりを設定し、プランの推敲を重ねました。奥行方向が長い敷地形状を生かし、建物配置をL字型とすることで出来た中庭を、住人たちが自由に使える外部空間として位置付けました。菜園などができる余白を残した中庭からパーゴラのある開放的なテラス、そして床レベルを下げてテラスに近づけたダイニングスペースが繋がり、屋内から屋外へ自然に流れるような居場所の構成を試みています。
また、立体的で奥行き感のある場の構成や見え方、階段の上下移動の視線の動きにも配慮し、中間領域や移動空間も居場所になるようスタディコーナー、ライブラリーコーナー等の様々な居場所を点在させています。