針谷將史建築設計事務所が設計した、栃木・那須塩原市の2世帯住宅「那須の長屋」です。
那須の豊かな自然環境の中に建つ、4世代7人のための住まいである。農家の広い敷地全体を居場所として感じられるように、平屋の建築をつくった。
ひとつの敷地に多世代にわたる家族同士が一緒に住むということは、それだけ関係性が多様化することになる。親世帯と子世帯、祖父母と孫など、家族同士の関係だけでなく、近隣や職場や学校も含めて考えると、直接的・間接的に他者や社会との接点は当然ながら増えていく。いくつかの種類のコミュニティが同時に存在するという意味では、限られた人しか入れない場所であっても、ある種の公共性が現れる。ここではその状況を自然に受け入れられるように、住宅とも非住宅とも捉えられる、多義的なスケールを持つ建築をつくれないかと考えた。