

ツバメアーキテクツが設計した、兵庫・神戸市の「神戸のアトリエ付き住居」です。
新神戸駅からほど近い敷地に立つ、ジュエリー作家の自邸兼アトリエである。建主からは住まいの機能に加え、アトリエ、撮影スタジオ、馴染みの客と交流をする土間、資材を保管する倉庫などが求められた。
敷地のすぐ裏には、ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(1880〜1964年)が1928年に建てた旧神戸ユニオン教会がある。連続した木架構が美しいこの建築は現在、老舗ベーカリーによって、カフェとして活用されている。変化を受け入れる、おおらかなあり方を参照し設計に着手した。竣工時に美しさのピークがあるのではなく、生活と共に育っていくような建築を目指した。
間口が狭く奥行きが長い不定形の敷地に対し、門型フレームを並べ、背後の旧神戸ユニオン教会に向かって末広がりになっていく内壁のない空間とし、カフェを訪れる人々にもこちらの存在を空間的に意識させるようなことを考えた。真壁納まりにしたのは、DIYの補助線としたり、光や影をとらえたり、さまざまな周期の変化を取り入れるためである。この架構に対してスラブを差し込んでいくことで場を構成し、そこに建主が家具を設えていく。