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2019年度のJIA日本建築大賞を、古澤大輔の自邸「古澤邸」が受賞

2019年度のJIA日本建築大賞を、古澤大輔の自邸「古澤邸」が受賞しています。
古澤邸については、以下の動画で様子を詳しく見ることができます。

公開された結果は以下。

【優秀建築選2019 JIA日本建築大賞・JIA優秀建築賞】
2019年度のJIA日本建築大賞及びJIA優秀建築賞が、3月8日(日)に審査委員及び現地審査に選ばれた6作品の関係者によるプレゼンテーションと質疑を経て、下記の通り、決まりましたので、お知らせいたします。

【JIA日本建築大賞】(1点)
「古澤邸」
設計者:
古澤大輔(リライト_D/日本大学理工学部建築学科)

【JIA優秀建築賞】(3点)
「新潟の集合住宅Ⅲ/ザ・パーク一番堀」
設計者:
細海拓也(細海拓也一級建築士事務所)
江尻憲泰(江尻建築構造設計事務所)

「コート・ハウス」
設計者:
松岡聡(一級建築士事務所松岡聡田村裕希)
田村裕希(一級建築士事務所松岡聡田村裕希)

「須賀川市民交流センター tette」
設計者:
佐藤維(株式会社石本建築事務所)
十河一樹(株式会社石本建築事務所)
畝森泰行(株式会社畝森泰行建築設計事務所)

【JIA新人賞2019】
JIA新人賞2019が、1次審査、公開審査、現地審査を経て、3名の審査委員よる最終審査の結果、下記の方が受賞されましたので、お知らせいたします。

審査委員:青木淳、宮本佳明、武井誠

【JIA新人賞2019】(1名)
中山英之(株式会社中山英之建築設計事務所)
「弦と弧」

西沢大良による、母校の高校生に向けて自身の経験を綴ったテキスト「天職との出会い方」

西沢大良による、母校の高校生に向けて自身の経験を綴ったテキスト「天職との出会い方」がPDFで公開されています。2016年8月24日 に掲載されたものですが、非常に素晴らしい内容なのでご紹介いたします。

山田紗子による東京・世田谷区の自宅兼事務所「daita2019」の、高野ユリカが撮影した写真

山田紗子による東京・世田谷区の自宅兼事務所「daita2019」の、高野ユリカが撮影した写真が41枚、山田のサイトに掲載されています。高野ユリカは、ホンマタカシに師事した写真家です。

この家の設計をしながら、私は数年前に訪れたルワンダの森を思い出していた。それはルワンダ、コンゴ、ウガンダの三ヶ国の国境となるビルンガ火山群の森林で、そこには野生のマウンテンゴリラの群れが日々その広大な森の中を自由に移動しながら生活していた。地元の人の案内で、ある一つの群れに追いついた時、彼らはちょうど、森の中にぽっかりと空いた柔らかな茂みに腰を下ろし休憩していた。子供たちは木の上の方に上って遊んだり、大人たちの間を駆け回っていたが、大人たちは銘々に心地良さそうな草の中にすっぽりと納まり、毛づくろいをしたり草や木の皮をバリバリと食べていた。それはまるで家の風景だった。彼らは鬱蒼と茂る木々の中に居場所を見つけ、即興的に家を作っていた。壁や屋根があるわけではないが、木々や背の高い草、それらに絡まる蔦植物、地形の凹凸がつくる多くの線の重なりと見え掛りが、住人の存在を包み、家となりうる快適な密度を作っていた。これは、ゴリラの森のヴァナキュラー建築である。

東京の小さな住宅地の一角に、このような家があったらどうだろうか。むき出しの生活が、重層する線材とさまざまな奥行きをつくりだす物によって柔らかく包まれ、日差しや通りを行き交う人の視線から少し遠のくような家を作れないか。そのためにはまず、家の中も外も徹底的に線を多く浮き出させようと考えた。構造材は露出させ、材と材の接合部分や貼り合わせ部分も断面部に見えるようにした。家と庭の間には壁をつくらず、すべて窓サッシや建具で組み立てた。木の角材や鉄骨部材、単管パイプの柱や梁、筋交いなどのストラクチャーに加えて、階段のささらや手摺、窓のサッシ枠、家具やカーテン、本、衣服などの雑貨、樹木や植物の鉢植え、自転車、ジョウロ、ショベル、さらには住人の映像制作の仕事に関わる膨大な図書やビデオテープ、DVDなど、さまざまな生活の風景をつくるものを溢れ出させた。そうして建物の外から中に至るまで、多くの線材が織り込まれるように重層して、その中でそれぞれの住人が自由気ままに生活し、腰を落ち着ける環境を見つけられるようにした。

庭には果樹や香草、野菜など食用となる植物や、剪定の際に切り花として活用できるものを多く選んだ。鋼製パイプで構成されたフレームの中に、生活空間の延長であり、収穫のためのプラットフォームともなるテラスを広げ、定期的な枝葉の剪定を必要とする樹木の周りに階段を設け、道路沿いの蔓植物が伸びるフェンスに沿ってキャットウォークを走らせている。家の内部では構造体と物がお互いの存在を打ち消すことなく共存しているように、家の外部においても、構造体と植物が共に密度を作り上げていくように計画した。

構造はコストやメンテナンス性、また将来の増改築の可能性から、室内部分は木造、屋外部分は鉄骨造にしている。単管パイプはクランプによって簡単につけ外しが可能なため、出入口を変えたり、手摺にしたり、植物の支柱にしたり、物を干したり吊るしたり、と日々の生活の中の要求に合わせて形を変えていくことができる。建物と庭の境界面は、それぞれの部屋の要請によってアルミサッシ、木製サッシ、鋼製サッシを使い分け、さらに引き違い窓、滑り出し窓、片開き窓、ジャロジー窓など大小さまざまな開口が並ぶ。それらサッシの開閉によって、家が庭へ流れ出し、庭が家の中に入り込み、二つの風景が重なり合って、ゴリラの森のような心地よい住空間を作り出している。

【特集:“山”と“谷”を楽しむ建築家の人生】富永大毅によるレビュー「選べない仕事の先に切り開かれる建築家の新しい作家性」

アーキテクチャーフォトではユウブックスから出版されたインタビュー集『“山”と“谷”を楽しむ建築家の人生(amazon)』を特集します。

それにあたり、岸和郎さん(WARO KISHI + K.ASSOCIATES ARCHITECTS)、三井祐介さん(日建設計)、富永大毅さん(TATTA ※旧富永大毅建築都市計画事務所)、橋本健史さん(403architecture [dajiba])にレビューを依頼しました。

異なる世代・立場・経験をもつレビュアーから生まれる言葉によって、本書に対する新たな見え方が明らかになると思います。
その視点を読者の皆様と共有したいと思います。
(アーキテクチャーフォト編集部)

【特集:“山”と“谷”を楽しむ建築家の人生】富永大毅によるレビュー「選べない仕事の先に切り開かれる建築家の新しい作家性」

選べない仕事の先に切り開かれる建築家の新しい作家性

text:富永大毅

 
 
建築家が憧れられない時代に教えること
大学の非常勤などで学生に建築の設計を教えるとき、さて、このうちの何人が建築の設計で生きていくことになるだろうかということがいつも頭をよぎる。

自分が大学生の頃の最初の授業で、この中で建築家になれるのは1人いればいい方ですと、いきなり釘を刺されたことを思い出すからかもしれない。

その時に僕はきっと、「それなら人より頑張るしかないか」と思ったはずで、だから先生のあの一言は正しかった、有難かったと今も思っているし、結果としてうちの学年からは建築の設計で独立をした人が4-5人出ることになった。就職氷河期世代だったせいもあったと思う。

話が逸れた。
フレッシュな学生たちを目の前にして僕は、全員を建築家に仕立てよう!などと思って教えているわけではない。かと言って正直そんなに建築家になられると小さいマーケットなんだから困る、という自分の小さな器が僕を抑制しているというワケでもない。建築家志望の学生が減った現状において、建築家として建築の設計を教えることの意味と、それをどう教えたら最終的に建築設計を目指さない学生にとっても実のあるものになるかについて、最近は常に戦っている。

せっかく建築学科に入ったのに、他の人と同じように大学4年の春になると黒いスーツを着て、小さな差異を比べられて病むこともある、あの恐るべき就職活動に流れていって欲しくない。もっと大げさな言い方をすれば、建築家という人種が失われるのを食い止めようとしている。
お会いしたことはないが本著編集の矢野さんも、インタビュアーの山﨑さん西田さん後藤さんもきっと同じ思いなのだろうと思う。

 
踏み出す力と諦める力
『“山”と”谷”を楽しむ建築家の人生』は7人の建築家が登場し人生の紆余曲折を語るインタビューを書籍化したものである。

この手の書籍は既にたくさんあるが、この本が他のそうした本と一線を画しているのは、全員がナチュラルに従来の古い“建築家”像から脱却したような活動、キャリアを持った人たちだというところにある。
正直に言うと、ロールモデルとするにはちょっととんでもない人たちばかりかもしれない(笑)。永山さんは子育てをしながらどんどん仕事受けちゃうスーパーウーマンだし、佐久間さんは営業を学ぶために保険マンについて行っちゃうし、谷尻さんは編集部に持ち込みに行っちゃうし、森田さんは左官の技術を学びにヨーロッパに行っちゃうし、みな型破り過ぎる。

詳細はぜひ読んで確かめて欲しいが、共通しているのはみんな全く失敗を恐れずに一歩踏み出す力が凄いのと、半ば諦め的に現状をポジティブに変換してしまうところである。端から、仕事がなくてもまあ仕方ないか、じゃあ海外へ旅に行けるな!みたいな感覚しかないことに驚く。

高野ユリカが、アルヴァ・シザの建築をテーマに撮影した一連の写真

高野ユリカが、アルヴァ・シザの建築をテーマに撮影した一連の写真が、高野のウェブサイトに掲載されています。右スクロールで写真を」閲覧できます。
高野はホンマタカシに師事した経歴をもっています。こちらのページには高野のインタビューが掲載されていて、建築を撮影するときのスタンスについても語っています

最も注目を集めたトピックス [期間:2020/3/10-3/16]
最も注目を集めたトピックス [期間:2020/3/10-3/16]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:【集計期間】)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 「広島中央警察署本通交番庁舎」設計プロポの結果と提案書が公開
  2. 高知の「四万十町文化的施設」設計プロポの結果と提案書が公開
  3. Buttondesign / 村上譲・菊田康平による、東京・中野区の住宅「白鷺の家」
  4. 【特集:“山”と“谷”を楽しむ建築家の人生】岸和郎によるレビュー「ブルネレスキとの再会」
  5. 島田陽 / タトアーキテクツの建築展「:REORGANIZATION」の会場写真
  6. 昭和設計による、和歌山・紀の川市の、福利厚生機能と倉庫を併せ持つ施設「T-RUNWAY」
  7. 坂茂建築設計が2019年に完成させた、スイス・ビールの「オメガ・スウォッチ本社 (スウォッチ本社/Cité du Temps/オメガファクトリー)」の新しい写真
  8. ズントー事務所でプロジェクトリーダーを務める杉山幸一郎による連載エッセイの最新回「建築の立面図について」
  9. 島田真弓+寺田和彦 / MIGRANTが設計し施工の多くを施主や有志と行った、長野・白馬村の「MOUNTAIN HUT」
  10. 隈研吾が、「インスタ映え」の建築設計への影響などについて語っているインタビュー「21世紀は“インスタ映え”建築 隈研吾が“求められる建築”を語る」
  11. MVRDVによる、台湾・台南市の、街の中心部にある元ショッピングモールを変形した、水場を中心とするパブリックスペース「Tainan Spring」の写真など
  12. 長坂常 / スキーマ建築計画がデザインした、暖簾(のれん)「NOREN」
  13. 杉山幸一郎による連載エッセイ ”For The Architectural Innocent” 第3回「建築の輪郭。質量と仕上げ。」
  14. 妹島和世が1994年に完成させた、長野の「森の別荘」の継承者を募集中
  15. 日建設計 / 谷口景一朗+茅原愛弓+康未来による、東京・港区の「荒川ビル」
  16. 荒尾宗平 / SIDES COREによる、大阪市の、美容室とアイラッシュの併設店舗「LAND」
  17. 荒尾宗平 / SIDES COREによる、広島の店舗「BAKE CHEESE TART ekie広島店 / Cheesetart Shop」
  18. 村田純 / JAMによる、中国・北京市の、宿泊施設・工房・ギャラリー機能を持つ「瞑想と創造のための空間」
  19. トラフが建築の設計監修と展示計画を含む内装設計を手掛けた、東京・町田市の「Snoopy Museum Tokyo」の写真
  20. アトリエ・ジャン・ヌーベルの設計で2018年に完成した、フランス・マルセイユのオフィスビル「Marseillaise Tower」

ペデビージャ・アーキテクツによる、イタリア北部・ブレッサノーネの酒場「Dechantei」の写真

ペデビージャ・アーキテクツのウェブサイトに、イタリア北部・ブレッサノーネの酒場「Dechantei」の写真が15枚掲載されています。こちらの宿泊施設のプロジェクトも見ごたえがあります。ペデビージャ・アーキテクツは、イタリアのブルニコという、オーストリア近くの街を拠点としている建築設計事務所。ドイツ語圏の建築に遊び心が込められたようなデザインが特徴的です。ブルニコはwikipediaによれば「住民の約82%がドイツ語話者」の街なのだそう。

トラフが建築の設計監修と展示計画を含む内装設計を手掛けた、東京・町田市の「Snoopy Museum Tokyo」の写真

トラフが建築の設計監修と展示計画を含む内装設計を手掛けた、東京・町田市の「Snoopy Museum Tokyo」の写真が22枚、公開されています。建築設計を手掛けたのはレジファインクリエイト。施設の公式サイトはこちら

世界唯一のシュルツ美術館(アメリカ・カリフォルニア州)公式サテライト、スヌーピーミュージアム。六本木から南町田グランベリーパーク内への移転・再オープンにあたり、建築の設計監修と展示計画を含む内装設計を手掛けた。鶴間公園を臨む地上3階建ての施設は、前ミュージアムの約二倍の広さを誇り、ゆったりと過ごせる。作者や作品をより深く理解でき、キャラクターの世界に浸れるユニークな空間が求められた。

ミュージアムではアイコニックな円形エントランスをくぐると、来場者を迎え入れる受付、そこから3階展示室に上がり、キャラクターのサインを追って 2階展示室、1階ショップをたどる順路とした。3階では五角形の部屋に投影される映像が来館者を出迎え、緩やかに仕切られた空間に作者の紹介ゾーンや色彩豊かな展示が、映像の部屋を取り囲むように配される。屋外の緑を望む3階テラスには、コミックに登場するゴルフシーンを背景にした撮影スポットが現れる。2階に降りると、白いタイルを敷き詰めたほの暗い部屋に、横たわる巨大なスヌーピーが厳かな印象を与える。そこから原画が並ぶ部屋、ウッドストックをフィーチャーした黄色の空間へと続き、緩急のある展示構成とした。1階のショップには、作家の手描きラインを活かした什器や、天井と同じ高さの壁面棚を配置し、中央に立つシンボルツリーが平面から飛び出したようなコミックの世界観を強調する。

作家の書斎を思わせる展示エリア、スケールアウトしたキャラクター、その特徴を抽象化した素材や色など、スヌーピーの世界を築く要素をちりばめて再解釈した。来場者が没入感を味わえるだけでなく、何度訪れてもそれまでとは違った角度から、慣れ親しんだキャラクターの世界を見ることができるミュージアムを目指した。

クレジット: ギャラリー ディレクション:草刈大介(ブルーシープ) ・ ショップ ディレクション:ソニー・クリエイティブプロダクツ/グラフィック:祖父江慎+cozfish/アニメーション:ロボット/ 建築設計: レジファインクリエイト/照明計画:大光電機

【ap job更新】 『不動産プランナー流建築リノベーション』等の著書で知られる岸本千佳の「株式会社アッドスパイス」が、企画・設計・監理スタッフ(勤務形態等相談可)を募集中
【ap job更新】 『不動産プランナー流建築リノベーション』等の著書で知られる岸本千佳の「株式会社アッドスパイス」が、企画・設計・監理スタッフ(勤務形態等相談可)を募集中
【ap job更新】 『不動産プランナー流建築リノベーション』等の著書で知られる岸本千佳の「株式会社アッドスパイス」が、企画・設計・監理スタッフ(勤務形態等相談可)を募集中小商い複合施設「中宇治yorin」

『不動産プランナー流建築リノベーション』等の著書で知られる岸本千佳の「株式会社アッドスパイス」の、企画・設計・監理スタッフ(勤務形態等相談可)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

株式会社アッドスパイスは、業務拡大に伴い、企画・設計・監理スタッフを募集します。
設計だけでなく、プロジェクトの始まり・その後の運営といった不動産領域まで拡げて、一緒に考えながら設計していただける方を募集します。

■アッドスパイスとは
アッドスパイスは、岸本千佳が代表を務める不動産の企画プランニング・運営の会社です。企画・設計・仲介・運営と、建物の最初から最後まで一貫してやりきることが特徴です。エリア・建物・関わる人を鑑みた企画アイディアと、責任をもって適切な借り手を見出だすリーシング力を評価いただき、多方面から仕事をご依頼いただいております。

代表の岸本は、大学で建築を学び、新卒で入社した不動産ベンチャーを含めて10年以上この仕事をしています。常にプロジェクトの先頭に立ち、これまで、設計は外注する形でプロジェクトを進めてきました。今回、企画と設計を社内で一緒に取り組むことで、より質高く、依頼主の期待に応えるプロジェクトをつくっていきたい、と思い、初めて設計者を募集するに至りました。
設計サイドから、不動産サイドの岸本と一緒に企画を形にしていきたい方を希望しています。

与えられた仕事だけでなく、積極的に学んだりチャレンジしようとする方を求めます。施主や入居者、パートナーの工務店やデザイナーなど、プロジェクトメンバーは魅力的な方々ばかりですので、ぜひ、自身のスキルアップや人脈も作りながら、会社とともに成長していただけたらと思います。

■現在の業務について
・依頼案件の種類:リノベーションが多いですが、新築案件もあります。新築でも、敷地内にとどまらず、エリアの解釈をより丹念に行うため、仕事の仕方はリノベーションと変わりません。
・依頼案件の特徴:木造アパート一棟、大型ビル一棟、エリア一帯の開発など、誰に頼んでよいか分からないような難易度の高い物件が多いです。
・依頼主の特徴:建物・土地に思いを持つ地主や家主、地域に根差した企業等です。個人・法人は問わず、法人からの依頼は近年増えています。小規模な弊社では考えられないぐらいの、京都ならではの伝統ある老舗事業者からの依頼などもあります。
・エリア:京都を中心に関西が多いですが、東京・日本全国・海外もあります。

事業規模も年々拡大しております。建物ではなく、エリアブランディングのような仕事もあります。流れゆく時代に応じて仕事が変わっていくことを、楽しんで乗り越えたいと思える方が合っているんじゃないかと思います。

フランク・ロイド・ライトの依頼で旧帝国ホテルの煉瓦を手掛けた職人・久田吉之助をテーマにしたNHKのテレビドラマ「黄色い煉瓦」が放送(2020/3/13)

フランク・ロイド・ライトの依頼で旧帝国ホテルの煉瓦を手掛けた職人・久田吉之助をテーマにしたNHKのテレビドラマ「黄色い煉瓦」が放送されます。放送日は2020年3月13日22時~。久田吉之助のwikipediaページはこちら

あらすじ

今からおよそ100年前。世界的建築家フランク・ロイド・ライトは、旧帝国ホテルの設計にあたり、外壁を赤い煉瓦ではなく“黄色い煉瓦”で飾ることを求めた。当時の日本で黄色い煉瓦を焼くことのできた職人は愛知県・常滑(とこなめ)の久田吉之助しかおらず、ホテル側は協力を求めた。
しかし、久田の右腕は病気で失われていた…。

久田吉之助には、「周囲の人を殴り倒すような荒くれもの」、「建築家のフランク・ロイド・ライトを騙して金を巻き上げた」などの逸話が残っている…。いったいどのような生き方をした人物だったのか、現代の女性ライターが、建築陶器の町・常滑を舞台に、伝説の職人の真実を探っていく―。

荒尾宗平 / SIDES COREによる、大阪市の、美容室とアイラッシュの併設店舗「LAND」
荒尾宗平 / SIDES COREによる、大阪市の、美容室とアイラッシュの併設店舗「LAND」 photo©太田拓実

荒尾宗平 / SIDES COREが設計した、大阪市の、美容室とアイラッシュの併設店舗「LAND」です。

テナントは木造平屋の物件で、間口はとても小さく、奥行きがあるもので、昔の長屋のような趣があった。
その特徴を生かし、奥まで見通せる路地を作り、奥へと路地を進むと各エリアが層となり展開する空間とした。玄関にはのれんをかけ、表から見ると路地へと視界を限定されることで、人の意識がのれんをくぐり、路地の奥、更に格子の向こう側へと引き込まれ、見えない店内への想像が膨らむようなファサードとした。

美容師とアイリスト夫婦のための店舗を併設するにあたり、2人はお互いの仕事を協力して運営するが、美容室とアイラッシュのサービスの違いから、エントランスから2つの動線に仕分ける必要があった。

アイラッシュの部屋は受付から直で入れるようにし、床のレベルを+900mmとすることで美容室と視線レベルを変え、内部からの間仕切り高さをH1250としてもプライバシーを確保できる開放的な空間となった。

空いた床下の空間はクロゼットや収納スペースを内蔵し、受付の機能を集約している。アイラッシュのBOX状のエリアと受付カウンターは、階段箪笥のように、家具と建築の中間的な位置付けで、共通のL型木製支柱によって積み上げられた特徴的な造形がファサードへも浮かびあがるアイキャッチとして機能する。カウンターの段はディスプレイとして、お店でセレクトしたアイテムの販売を行う場所にもなる。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 KIAS イシダアーキテクツスタジオが、建築設計スタッフを募集中
【ap job更新】 KIAS イシダアーキテクツスタジオが、建築設計スタッフを募集中
【ap job更新】 KIAS イシダアーキテクツスタジオが、建築設計スタッフを募集中「積葉の家」

KIAS イシダアーキテクツスタジオの、【募集職種】募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

KIAS イシダアーキテクツスタジオでは業務拡大により建築設計スタッフを募集しております。

イシダアーキテクツスタジオは石田建太朗が代表を務める建築設計スタジオです。石田は、スイスの建築設計事務所ヘルツォーク&ドムーロン(HdM)にてペレス・アート・ミュージアム・マイアミ (現代美術館)など数多くの海外プロジェクトを経て、東京に拠点を移し2012年にイシダアーキテクツスタジオ(KIAS)を設立。

KIASはこれまでに那須の森に建つ美術館N’s YARDをはじめ日本橋の三越コンテンポラリーギャラリーや小山登美夫ギャラリー、天王洲のKOTARO NUKAGAなど数多くの美術空間のデザインに携わってきました。これから日本のみならず海外へと活動の領域を広げていくなか、KIASチームとして参加してくれるメンバーを募集します。現在はヴィラタイプのホテルや集合住宅などのデザイン・クオリティの高いプロジェクトが進行中です。プロジェクトはコンセプトの段階からRhino3D、V-Rayや模型などを使いデザインスタディを進めていきます。

新しいものを創造していく熱意のある方、建築設計から監理まで責任を持って誠実に取り組んでいける方、明るくコミュニケーション能力に長けている方のご応募をお待ちしております。

杉山幸一郎による連載エッセイ “For The Architectural Innocent” 第3回「建築の輪郭。質量と仕上げ。」

 
※このエッセイは、杉山幸一郎個人の見解を記すもので、ピーター・ズントー事務所のオフィシャルブログという位置づけではありません。

 


 
建築の輪郭。質量と仕上げ。

text:杉山幸一郎

 
個人的な話になってしまいますが、僕がピーターズントーの設計した建築を初めて目の当たりにしたのは2010年三月下旬頃。スイス連邦工科大学(ETH Zürich)へ留学していた時に、春休みを利用してケルンにあるコルンバ美術館を訪れたのでした。

当時、友人を訪ねてベルリンを訪れ、ハンブルク(Hamburg)に寄ってから、スイスに向かって南下する途中、ケルン(Köln)に数泊しました。
ケルンへ立ち寄ったのは、聖コロンバ教会ケルン大司教区美術館 (Art Museum Kolumba 2007、以下コルンバ美術館)と、ブラザー・クラウス野外礼拝堂 (Bruder Klaus Field Chapel 2007、以下ブルーダークラウスチャペル)へ訪れるためです。

当時ですら、ズントー作品を網羅していた建築雑誌『a+u』の特集号(1998.2)は、希少本となっており、大学図書館で借りて眺めながら、是非とも彼の設計した建築を訪れようと興味を深めていました。

(ちなみに、この特集号では英語読みでピーター・ズントーと表記されています。他にもドイツ語読みに最も近いペーター・ツムトア、ツムトールと表記されている書籍がありますが、僕はズントーと表記するのに慣れてしまったのと、身近に接している本人の印象からすると、むしろ力強い英語読みのズントーの方がしっくりくる気がして、このエッセイではズントーという表記で統一しています。)

 
2010年に訪れた当時の日記を読み返すと、どうやら記憶にある以上に相当なショックを受けていたようです。

というのも、当時の僕が「建築とはこうあって欲しい」と自分勝手に求めていた理想の建築像に、限りなく近いものがそこに実現されていたからです。

自分でも正確にはイメージしきれていなかった理想の建築が、自分の想像を待たずして既にそこに建ち上がっていた。
それを初めて見て体験したにもかかわらず、「これがまさに僕が求めていたものだったんだ」と納得してしまった不思議な体験。

自分がやりたかったことが先に実現されてしまっていたことへの悔しさ。
それをはるかに飛び越えて、何より自分すらも知らなかった、自分が心のどこかで求めていたものが明らかにされてしまっていたことへのショック。

建築を訪れて、頭が空っぽになるほどショックを受けてしまった経験というのは、そうはありません。ともすれば、まだ学生だった自分の建築人生に見切りをつけてしまいそうになりました。

こんなことが起こりうるのか。。
どうして良いのかわからない気持ちをどこにしまっておくべきなのか。
この出来事は僕に、どうしてもズントー事務所に行かなければと決意させた瞬間でもありました。

昭和設計による、和歌山・紀の川市の、福利厚生機能と倉庫を併せ持つ施設「T-RUNWAY」
昭和設計による、和歌山・紀の川市の、福利厚生機能と倉庫を併せ持つ施設「T-RUNWAY」外観(北)。 photo©松村芳治
昭和設計による、和歌山・紀の川市の、福利厚生機能と倉庫を併せ持つ施設「T-RUNWAY」屋上デッキ(夕景)。 photo©松村芳治

昭和設計が設計した、和歌山・紀の川市の、福利厚生機能と倉庫を併せ持つ施設「T-RUNWAY」です。

某アパレル系商社の福利厚生機能と倉庫を併せ持つ施設である。
和歌山の田舎町。ゆったりとした時が流れる自然の中に、絶えず移り変わりゆくファッションショーの舞台“RUNWAY”を提案した。
RUNWAYという言葉には本来「滑走路」という意味がある。
『T-RUNWAY』は、ショーを楽しむだけの場所ではなく、世界を舞台にビジネスを展開する商社が、さらなる飛躍を目指し飛び立つための滑走路であり、またその英気を養いに降り立つための滑走路でもある。

建築家によるテキストより
ピーター・アイゼンマンに、若者へのアドヴァイスを聞いているインタビュー動画

ピーター・アイゼンマンに、若者へのアドヴァイスを聞いているインタビュー動画です。制作はルイジアナ美術館。

“Learn the language,” counsels the award-winning American architect Peter Eisenman, who is considered one of architecture’s foremost theorists of recent decades. Find out what he means in this short video.

Eisenman stresses the importance of communication and of knowing the language of the field you’re interested in, whether that is historical, musical, painterly or something else: “Whatever allows you to get to that, is where you should go as a young student.”

荒尾宗平 / SIDES COREによる、広島の店舗「BAKE CHEESE TART ekie広島店 / Cheesetart Shop」
荒尾宗平 / SIDES COREによる、広島の店舗「BAKE CHEESE TART ekie広島店 / Cheesetart Shop」 photo©高木康広

荒尾宗平 / SIDES COREが設計した、広島の店舗「BAKE CHEESE TART ekie広島店 / Cheesetart Shop」です。

BAKE CHEESE TARTを運営するBAKE Inc.には、『工房一体型』という考え方があり、ファサードをガラス張りにすることでタルトを焼き上げる工程も含めた製造の場を体感し、購入できる特徴を持つ。 

通路に対して2面が開放されたこの区画では、その特徴を最大限に表現するファサードを作ることを考えた。

平面計画の難所でもあった躯体柱を中心に廻るように焼成前準備から販売までの作業動線を計画し、同心状のガラスで工房全体をぐるりとパッケージングしたようなデザインとした。ファサード周囲には敢えて余白をとり、来客が工房内と同じ方向へ廻る動線を設け、タルトを作る様々な工程を見ながら並び、商品を買い、その先にある座席で焼きたてのタルトを食べることができる。

建築家によるテキストより

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