
貴志泰正+酒井克弥 / 貴志環境企画室による、京都・久御山町の、既存蔵を居住用途に改修した「くらでくらす conversion of WAREHOUSE」です。
実家の敷地内の離れで暮らす家族のための蔵の改修計画である。
子供たちの成長に伴い部屋が手狭になることが予想されたため、離れとそれに隣接する蔵をつなぎ、居住の用途にあてることが検討された。蔵で暮らすために課題となったのは、窓が小さく内部が暗いことであった。
厚い土壁に新たに開口部を設けることは構造上不安があったため、屋根形状を変化させて高窓を設ける方法に辿り着いた。
切妻屋根の片側をめくり上げ、新たな屋根と既存の土壁の間から光を取り込む計画とした。
その際、瓦屋根を金属屋根に葺き替えることで、既存の構造へかかる荷重を軽減している。また、改修前の床は最大で10cm程度傾いており、地盤調査を実施した結果、今後も地盤沈下が進む可能性があることが判明した。
安心して居住用途に用いるため、蔵の下部に薬液を注入する方法で地盤を補強した。