
荒尾宗平 / SIDES COREが設計した、大阪市の、美容室とアイラッシュの併設店舗「LAND」です。
テナントは木造平屋の物件で、間口はとても小さく、奥行きがあるもので、昔の長屋のような趣があった。
その特徴を生かし、奥まで見通せる路地を作り、奥へと路地を進むと各エリアが層となり展開する空間とした。玄関にはのれんをかけ、表から見ると路地へと視界を限定されることで、人の意識がのれんをくぐり、路地の奥、更に格子の向こう側へと引き込まれ、見えない店内への想像が膨らむようなファサードとした。美容師とアイリスト夫婦のための店舗を併設するにあたり、2人はお互いの仕事を協力して運営するが、美容室とアイラッシュのサービスの違いから、エントランスから2つの動線に仕分ける必要があった。
アイラッシュの部屋は受付から直で入れるようにし、床のレベルを+900mmとすることで美容室と視線レベルを変え、内部からの間仕切り高さをH1250としてもプライバシーを確保できる開放的な空間となった。
空いた床下の空間はクロゼットや収納スペースを内蔵し、受付の機能を集約している。アイラッシュのBOX状のエリアと受付カウンターは、階段箪笥のように、家具と建築の中間的な位置付けで、共通のL型木製支柱によって積み上げられた特徴的な造形がファサードへも浮かびあがるアイキャッチとして機能する。カウンターの段はディスプレイとして、お店でセレクトしたアイテムの販売を行う場所にもなる。