岡田宰 / 2id Architectsが設計した、静岡・浜松市の住宅「白岩の家」です。
静岡県浜松市に位置する、山の中腹にあるみかん畑の中に建つ自邸。
自身が東京と浜松(都市と地方)を行き来する2拠点生活を送る中、改めて周辺環境の豊かさや自然の魅力、価値を感じた事で、“建築と自然の距離感”を考え直した計画である。この住宅には2つの距離感が同居する。建物の周囲を覆ったパーゴラ空間は、周辺環境へ拡がる“開放性”を与え、室内空間は山を背にし、斜面に身を委ねるように“安心感”を与える。
建物はミニマムな長方形ボリュームに抑え、傾斜地を利用し斜面に寄り添うように腰を据えた一方、
パーゴラ空間を最大化し、建物を軽やかに包み込み“建築と自然” をゆるやかに繋げた。そしてこれらの面積比率は1:1となった。この緩衝領域のアンバランスさと、それぞれの“自然との距離感”を自由に行き来する暮らし方が、この土地ならではの快適性と住宅としてのリアリティを生んでいる。