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吉野優輔 / YYAによる、兵庫・神戸市の「西神中央の家」。家族を持った施主の為に幼少期から過ごした住宅を改修。施主固有の本質からの創造を目指し、既存外壁から着想して類似する色の“十和田石”を用いた空間を考案。未来への価値の担保の為に“普遍的な空間性”も意図
吉野優輔 / YYAによる、兵庫・神戸市の「西神中央の家」。家族を持った施主の為に幼少期から過ごした住宅を改修。施主固有の本質からの創造を目指し、既存外壁から着想して類似する色の“十和田石”を用いた空間を考案。未来への価値の担保の為に“普遍的な空間性”も意図外観、テラス側から見る。 photo©太田拓実
吉野優輔 / YYAによる、兵庫・神戸市の「西神中央の家」。家族を持った施主の為に幼少期から過ごした住宅を改修。施主固有の本質からの創造を目指し、既存外壁から着想して類似する色の“十和田石”を用いた空間を考案。未来への価値の担保の為に“普遍的な空間性”も意図1階、左:テラス、右:リビング photo©太田拓実
吉野優輔 / YYAによる、兵庫・神戸市の「西神中央の家」。家族を持った施主の為に幼少期から過ごした住宅を改修。施主固有の本質からの創造を目指し、既存外壁から着想して類似する色の“十和田石”を用いた空間を考案。未来への価値の担保の為に“普遍的な空間性”も意図1階、左:キッチン、中:ダイニング、右:リビング photo©太田拓実
吉野優輔 / YYAによる、兵庫・神戸市の「西神中央の家」。家族を持った施主の為に幼少期から過ごした住宅を改修。施主固有の本質からの創造を目指し、既存外壁から着想して類似する色の“十和田石”を用いた空間を考案。未来への価値の担保の為に“普遍的な空間性”も意図外観、テラスから見る、夜景 photo©太田拓実

吉野優輔 / YYAが設計した、兵庫・神戸市の「西神中央の家」です。
家族を持った施主の為に幼少期から過ごした住宅を改修する計画です。建築家は、施主固有の本質からの創造を目指し、既存外壁から着想して類似する色の“十和田石”を用いた空間を考案しました。また、未来への価値の担保の為に“普遍的な空間性”も意図されました。

神戸市西区の西神中央のニュータウンの一角が今計画の敷地であり、施主が幼少期から、大学生まで過ごした家でもある。

敷地周辺は住宅街だが、周囲には、田園風景の広がる田舎の風景が残ったエリアである。敷地北側には公園があり、北側以外は全て住宅が隣接している環境となっているものの、敷地面積約60坪単位の住戸が並んでいるので、街中のような密な状況ではなく、比較的ゆとりのある環境となっている。

施主は大阪の祖父の住んでいた長屋が現在の住まいだが、施主が幼少期に過ごしていた西神中央の家は父親が亡くなってから、長年空き家として、放置されていたが、今回はリノベーションとして生きた家として再生させたいという依頼だった。枠組壁工法で建てられたかつての間取りは、小部屋が多く、現代の住まいとしては窮屈で、大きなワンルーム空間を作ることと、出来るだけ、外部を改修するよりも、内部を改修してほしいとの要望だった。

建築家によるテキストより

設計の依頼を受け、初めて現地調査に伺った際、特徴的な薄いグリーンの外壁だったので、珍しい色ですねと施主に尋ねると、亡くなった父が選んだ色なんですと、幼少期の亡き父との思い出を大事に覚えている施主に感銘を受けた。また現在亡き祖父の家に住まわれていて、次は昔住んでいた実家に住まうという、古きものを大事に使い続ける姿勢も素晴らしいと感じた。

施主の妻は沖縄出身であり、地元沖縄へはたまに帰る程度だった。故郷沖縄を想起させるような仕掛けが何かできないかと思った。沖縄の特徴としてはエメラルドグリーンの海を連想した。

建築家によるテキストより

今回の計画では、私小説的な発想から建築をつくるという意味ではなく、施主固有の本質から建築をつくることを目指した。
過去から現在、そして未来へ、施主の家やルーツ、記憶、モノそのものとして再利用するという意味でのマテリアルなど、少し長い時間軸でリノベーションというものを考えることはできないかと考えた。古きものを伝承するような行為が施主の本質に沿っていると考え、固有性を持たせることができるのではないかと考えた。

既存外壁の色のグリーンが施主夫妻の共通項と捉え、それを具現化するマテリアルとして、十和田石を採用した。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 ハイエンドな住宅や商業施設等も手掛ける「CUBO design architect」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2024年新卒)と業務委託を募集中
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ハイエンドな住宅や商業施設等も手掛ける「CUBO design architect」の、設計スタッフ(経験者・既卒・2024年新卒)と業務委託募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

CUBO design architect は、ハイエンドな住宅や別荘の設計に特化している設計事務所です。
高い次元で住宅建築を一緒に作っていただける、スタッフ及び外部パートナーを若干名募集致します。

現在進行中のプロジェクトの数は多くはないですが、郊外型の、住宅としては規模が大きいものです。クライアントは国内外の第一線で活躍する個人の方で、クライアントと個々に直接密度の高い対話をし、一つ一つ、しっかりと時間を掛けて丁寧に作っていくことを信条としています。クライアントに寄り添いながら、年月を経てなお美しさを増し、長年愛して頂ける世界で唯一無二の住宅建築を目指しています。

代表の猿田は、大学で経営学を学んだ後、建築の道を諦めきれず工務店に入社し、大工を3年経験した後、設計施工の会社で施工管理の現場にて、7年間の現場経験を積みました。その後、2004年に設計施工の会社を立ち上げましたが、設計と施工を切り離すべきと考え施工を切り離し、設計事務所として活動を始め、2007年に法人化。昨年16期の決算を終え、通算20年を迎えました。

多くの現場経験と独学で建築を学んできた独自の発想で、住まう人が真に求める住宅とはどんなものなのかを追求し続けてきています。

現在の事務所の体制は、外部パートナーと協働することで、所内は少数精鋭のマネジメント業務を主体とし、全員で全てのプロジェクトの概要を把握し携わる体制としていますので、短期間で多くのプロジェクトに関わることができ、豊富な経験を積むことが可能です。クライアントは全て個人ですので、クライアントと直接対話します。クライアントの生の声をヒアリングすることができるので、より濃密な関係性を築きながらの設計ができるようになります。

また、時に意匠に関わる全ての業務(作図・照明プラン・インテリアコーディネーション等)を社内で処理し、内製能力の強化も図っていますので、様々なスキルを磨ける体制としています。住宅設計でより濃密なクライアントとの関係を感じながら設計をしていきたい方には良い環境だと思います。

事務所は東京ミッドタウン(六本木)を取り巻く公園に面したビルの3階にあり、移転後4年を迎えます。事務所の大きな窓からは赤坂の町並みが望め、開放的な空気感の中で快適に仕事ができます。ミッドタウンの豊かな緑に癒されながら、良い環境の中で気持ちよく仕事ができる環境となっています。

ご応募、お待ちしております。

宮川清志 / SESNによる、大阪市の店舗「ETVOS LUCUA 1100」。商業施設内のコスメ店のリニューアル計画。“ジェンダーレス”を主題とし、様々な部分で“境界をなくす”設計を志向。“環境と店舗”を緩やかに繋ぐ動線計画と“顧客と商品”の近い距離感を作る陳列方法を考案
宮川清志 / SESNによる、大阪市の店舗「ETVOS LUCUA 1100」。商業施設内のコスメ店のリニューアル計画。“ジェンダーレス”を主題とし、様々な部分で“境界をなくす”設計を志向。“環境と店舗”を緩やかに繋ぐ動線計画と“顧客と商品”の近い距離感を作る陳列方法を考案共用通路から店内を見る。 photo©吉川直希
宮川清志 / SESNによる、大阪市の店舗「ETVOS LUCUA 1100」。商業施設内のコスメ店のリニューアル計画。“ジェンダーレス”を主題とし、様々な部分で“境界をなくす”設計を志向。“環境と店舗”を緩やかに繋ぐ動線計画と“顧客と商品”の近い距離感を作る陳列方法を考案プロダクトシェルフ photo©吉川直希
宮川清志 / SESNによる、大阪市の店舗「ETVOS LUCUA 1100」。商業施設内のコスメ店のリニューアル計画。“ジェンダーレス”を主題とし、様々な部分で“境界をなくす”設計を志向。“環境と店舗”を緩やかに繋ぐ動線計画と“顧客と商品”の近い距離感を作る陳列方法を考案プロダクトシェルフ photo©吉川直希

宮川清志 / SESNが設計した、大阪市の店舗「ETVOS LUCUA 1100」です。
商業施設内のコスメ店のリニューアル計画です。デザイナーは、“ジェンダーレス”を主題とし、様々な部分で“境界をなくす”設計を志向しました。そして、“環境と店舗”を緩やかに繋ぐ動線計画と“顧客と商品”の近い距離感を作る陳列方法を考案しました。店舗の公式ページはこちら

ETVOS 大阪ルクアイーレ店のショップデザイン。

既存店をリニューアルする形でストアデザイン計画がスタートしました。
リニューアルにあたり、ジェンダーレスを一つの軸として考え、様々な部分において境界をなくす事を念頭におきながら空間全体を構築しています。

建築家によるテキストより

販売方法、商品の陳列方法においても踏み込み、お客様と商品との境界を無くし、できる限り近い距離感とする為に動線に即したリニアな雛壇状のディスプレイとする事で気軽に手にしやすく、商品を試しやすい形式としています。

建築家によるテキストより

動線計画も間口を広げ限定的な入口を無くす事で環境と店舗空間との境界を緩やかに繋げ、どこからでも出入りのできる入りやすいシームレスな動線としました。

空間全体のデザインとしても何かのデフォルメやレファレンスを用いる事なくデザインする事で、採石場の様でもあり、山脈の様でもあり、雲の様でもあり、見る人やその時々の心境によっても異なる見え方ができる様に形や境界を無くす事を意識的に行っています。

建築家によるテキストより
坂倉準三の特集番組が、NHKの“新日曜美術館”で放送。タイトルは「戦後新宿・渋谷をつくった建築家 坂倉準三」

坂倉準三の特集番組が、NHKの“新日曜美術館”で放送されます。タイトルは「戦後新宿・渋谷をつくった建築家 坂倉準三」です。放送日時は、2024年1月21日9時~。

新宿駅西口広場や渋谷の東急会館・東急文化会館など、戦後日本の風景を作り上げた建築家・坂倉準三。ル・コルビュジエに学び、1937年パリ万博日本館でデビュー。戦後、鎌倉の神奈川県立近代美術館や羽島市庁舎、大倉山ジャンプ競技場から高速道路トールゲートまで数々の建築や都市計画を手がけ、高度経済成長期を駆け抜けた。西口広場が再整備で大きく姿を変えそうとしている今、「人間のための建築」を目指した夢の跡を追う。

早坂直貴+斧田裕太 / 邸宅巣箱と五十嵐悠介による、神奈川の「庭園緑地の邸宅」。“都市と自然の狭間”にある300坪超の敷地。環境の“多面性”を活かした在り方を求め、“開放感と親密さ”のバランスを再構築する建築を志向。居間に貫入する“5つの個室ヴォリューム”を周辺を読み解いて配置
早坂直貴+斧田裕太 / 邸宅巣箱と五十嵐悠介による、神奈川の「庭園緑地の邸宅」。“都市と自然の狭間”にある300坪超の敷地。環境の“多面性”を活かした在り方を求め、“開放感と親密さ”のバランスを再構築する建築を志向。居間に貫入する“5つの個室ヴォリューム”を周辺を読み解いて配置アプローチ photo©根本健太郎写真事務所
早坂直貴+斧田裕太 / 邸宅巣箱と五十嵐悠介による、神奈川の「庭園緑地の邸宅」。“都市と自然の狭間”にある300坪超の敷地。環境の“多面性”を活かした在り方を求め、“開放感と親密さ”のバランスを再構築する建築を志向。居間に貫入する“5つの個室ヴォリューム”を周辺を読み解いて配置フロントヤード・ガーデンとリビング前のテラス photo©根本健太郎写真事務所
早坂直貴+斧田裕太 / 邸宅巣箱と五十嵐悠介による、神奈川の「庭園緑地の邸宅」。“都市と自然の狭間”にある300坪超の敷地。環境の“多面性”を活かした在り方を求め、“開放感と親密さ”のバランスを再構築する建築を志向。居間に貫入する“5つの個室ヴォリューム”を周辺を読み解いて配置ダイニングからリビングを見る。 photo©根本健太郎写真事務所
早坂直貴+斧田裕太 / 邸宅巣箱と五十嵐悠介による、神奈川の「庭園緑地の邸宅」。“都市と自然の狭間”にある300坪超の敷地。環境の“多面性”を活かした在り方を求め、“開放感と親密さ”のバランスを再構築する建築を志向。居間に貫入する“5つの個室ヴォリューム”を周辺を読み解いて配置リビングから「フロント・ヤード・ガーデン」を見る。 photo©根本健太郎写真事務所

早坂直貴+斧田裕太 / 邸宅巣箱五十嵐悠介建築事務所が設計した、神奈川の「庭園緑地の邸宅」です。
“都市と自然の狭間”にある300坪超の敷地での計画です。建築家は、環境の“多面性”を活かした在り方を求め、“開放感と親密さ”のバランスを再構築する建築を志向しました。そして、居間に貫入する“5つの個室ヴォリューム”を周辺を読み解いて配置しました。

東京近郊の住宅地における戸建て住宅の計画である。各戸300坪超の土地とその緑地による広々とした周辺環境に特徴がある。こう聞くと白紙のような敷地と思われがちだが、意外とそうでもない。ここはニュータウンと比べれば余白が大きいが、山間地の一軒家ほど周囲に無関心ではいられない。

建築家によるテキストより

この敷地の特異性は、都市と自然の狭間にある絶妙な周辺環境にある。ここでは人為的な自然と生来の自然が向かい合う。東側は隣家が都市を自覚させるのに対して、西側は雑木林に居るような錯覚に陥る。東西南北の周辺環境がそれぞれにユニークな個性を持つのだ。

建築家によるテキストより

この周囲環境の多面性。これを利用して「開放感と親密さ」のバランスを再構築することが、この場所に相応しい住宅の在り方だと思った。具体的には5つの個室ボリュームを、周辺環境を読み込みながら丁寧に配置(設計業務は、ひたすらに平面図を修正しては現地に地縄を貼り直す、という作業に費やされた)し、個室ボリュームの量感と、その間にひらける庭によって「開放感と親密さ」のバランスを調停している。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 アトリエ設計事務所の施工専門の「泰進建設 株式会社」が、施工管理職と内装設計及び事務職の正社員を募集中
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アトリエ設計事務所の施工専門の「泰進建設 株式会社」の、施工管理職と内装設計及び事務職の正社員募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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共に建築を作っていく仲間を募集いたします。

泰進建設は、新築工事やリフォームなどアトリエ系設計事務所が設計した建物を施工する会社です。
設計図を基に現場を進めながら設計者の望む理想像をどうすれば実現できるか、職人が施工可能な方法で、かつ住宅の性能が守れるかを設計者と職人と一緒になって考えていきます。

吉良森子・加藤耕一・連勇太朗による鼎談「マテリアリティの再発見と新しい建築的ラグジュアリー」の動画が、LIXILのサイトで期間限定で無料配信。“オランダを拠点とする建築家”と“歴史的建築の改修に注目する建築史家”を迎えて開催。海外と歴史の視点から現代日本の建築家の状況を再考し、未来を見据えた議論を実施
吉良森子・加藤耕一・連勇太朗による鼎談「マテリアリティの再発見と新しい建築的ラグジュアリー」の動画が、LIXILのサイトで期間限定で無料配信。“オランダを拠点とする建築家”と“歴史的建築の改修に注目する建築史家”を迎えて開催。海外と歴史の視点から現代日本の建築家の状況を再考し、未来を見据えた議論を実施左から連勇太朗、吉良森子、加藤耕一 許可を得て掲載

吉良森子・加藤耕一・連勇太朗による鼎談「マテリアリティの再発見と新しい建築的ラグジュアリー」の動画が、LIXILのサイトで期間限定で無料配信されています。
“オランダを拠点とする建築家”と“歴史的建築の改修に注目する建築史家”を迎えて開催されました。そして、海外と歴史の視点から現代日本の建築家の状況を再考し、未来を見据えた議論が実施されました。閲覧可能期間は2024年2月14日まで(申込締切は2024年2月12日まで)。【ap・ad】

2023年5月末にスタートした特集連載「建築とまちのぐるぐる資本論」。

大きなシステムで駆動する金融資本主義などと違った、人、物、空間を含んだ様々な社会資本がぐるぐると循環する経済モデルについて考え、そうしたモデルの実現に寄与する建築やまちづくりのあり方を見出していくという主旨です。

本連載では、様々な場所へ足を運んで生の声を実践者から聞いている取材とは別に、相対的にかつアカデミックに、あるいは歴史的視座からこれらの状況を俯瞰して見るために鼎談も行っています。

今回は、オランダを拠点にされている建築家の吉良森子さんと、建築史家の加藤耕一さんをお迎えし行われた鼎談の様子を、期間限定で配信いたします。ぜひご登録のうえ、ご視聴ください。

(2023年12月5日 東京大学工学部1号館建築学専攻会議室にて収録)

鼎談内で語られたキーワード(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)

学生時代、建築でお金の話をするのは格が低いことだったが、今はどう活動するのかにお金の話は無視できない / オランダはリーマンショック以降、お金が全てを解決するというニューリベラリズムに変わっていった / 『時がつくる建築: リノベーションの西洋建築史』は、現代の建築家へのメッセージとしても書いた / スクラップ&ビルドではない形でどうやって産業化できるのか / (現代の日本の建築は)質素・倹約の側に行くのが正しいようにデザインされている / モダニズム的な価値観が強く残っているがそれだけが正解なのか / 建築家側の美学とユーザー側の美学のギャップ / 21世紀になって新しい考えが出てきて建築家も進歩しなければいけない / 日本の建築家は組織との住み分けで小さな仕事が多い / 日本の建築家は振り切れているがオランダの建築家は振り切れていない / 東京はラボラトリーであり続けている(90年代のコールハースの言葉) / 何を根拠にデザインすればよいかが分かりにくくなっている時代 / デザイナーが背景化していく / 建築家の美学は現代でどこまで保持できるのか / 建築家がプロフェッショナルとしてデザインすることは消えない / 新しさの部分を生成AIが切り開けるわけではない / 参加型のデザインの方が建築家はやることがある / 建物になるか建築になるかの決定的違い / 建築家はあらゆる情報を集めた中でつくりシンプルな形にまとめる / 住人との対話と協働も職能になりうる / 日本ほど状況に明確に対峙して建築的な答えをだそうとしている場所はない / 日本は制度に守られていないから自分で生き方を考えないといけない / 日本は個々人が土地を持っていて決断権が強くある / 空き家問題が実験場になっている(アムステルダムの空き家率は4%) /  日本はジェントリフィケーションの格差が小さい / 日本には非制度的なセーフティネットがある / 海外では廃材を活用するビジネスが始まっている / 材の循環をどうしていくのか / 2000年前後に美術史と建築史でスポリアの面白さが再発見された / 東大の内田祥三のキャンパス再開発でも明治の建築の部材や基礎を再活用している / 建具等だけではなく構造に使われた材を再利用できると建築の新しい姿が出てくるのではないか / 木造建築だからできるフレキシビリティがある / オランダではリノベーションは建築家の仕事ではない時代があった / スポリアの部材とつくる空間の乖離から面白い形態が生まれたりもしている / 材の再利用の面白さ / マテリアルに対する感性が大事 / 建築教育の再編の必要性 / 今までのロジックがうまくいかないことを学生は感じている / デザインの授業はどうなっていくべきか / 其々の大学が地域の特殊性を取り込むのが大事 / 建築学は確立された世界のように見えるけど全ての領域で考え直さなければいけない / 先生がいて生徒に教えるという時代でもない / 19世紀までの建築家の仕事はラグジュアリーをつくることだった / モダニズム=アンチラグジュアリー / その他

アーキテクチャーフォト編集部が抜粋
子浦中 / シオ建築設計事務所の会場構成による「井田幸昌展 Panta Rhei」。京都市京セラ美術館で開催。部屋が連続する“回遊式展示室”という与件に、“9つの空間”を作って多岐に渡るタイプの作品群を分類して展示する構成を考案。其々の展示物と呼応する空間で来館者を作品に没頭させる
子浦中 / シオ建築設計事務所の会場構成による「井田幸昌展 Panta Rhei」。京都市京セラ美術館で開催。部屋が連続する“回遊式展示室”という与件に、“9つの空間”を作って多岐に渡るタイプの作品群を分類して展示する構成を考案。其々の展示物と呼応する空間で来館者を作品に没頭させるROOM3(Figurative) photo©淺川敏
子浦中 / シオ建築設計事務所の会場構成による「井田幸昌展 Panta Rhei」。京都市京セラ美術館で開催。部屋が連続する“回遊式展示室”という与件に、“9つの空間”を作って多岐に渡るタイプの作品群を分類して展示する構成を考案。其々の展示物と呼応する空間で来館者を作品に没頭させるROOM6(Wood sculpture) photo©淺川敏
子浦中 / シオ建築設計事務所の会場構成による「井田幸昌展 Panta Rhei」。京都市京セラ美術館で開催。部屋が連続する“回遊式展示室”という与件に、“9つの空間”を作って多岐に渡るタイプの作品群を分類して展示する構成を考案。其々の展示物と呼応する空間で来館者を作品に没頭させるROOM7(Last Supper) photo©淺川敏

子浦中 / シオ建築設計事務所が会場構成した「井田幸昌展 Panta Rhei |パンタ・レイ − 世界が存在する限り」です。
京都市京セラ美術館で開催されました。建築家は、部屋が連続する“回遊式展示室”という与件に、“9つの空間”を作って多岐に渡るタイプの作品群を分類して展示する構成を考案しました。そして、其々の展示物と呼応する空間で来館者を作品に没頭させることも意図しました。展覧会の公式サイトはこちら※会期は終了しています

本プロジェクトは、画家・現代美術家である井田幸昌氏の作品を京都市京セラ美術館で展示するための会場設計である。

建築家によるテキストより

展示会場は、ハイサイドライトからの自然光が特長な、大きさや開口位置が異なる6つの独特な細長い回遊式展示室で構成されていた。井田氏の作品は、絵画や立体作品など多岐にわたる。今回の展示では、6つの作品タイプを展示し、それらをどのように配列するかについての設計打ち合わせが重ねられた。作品とは別に、エントランス、ショップ、音声ガイドコーナーの設置が必要とされていた。
これらの条件から、会場を9つのスペースに分け、作品を展示することとなった。

建築家によるテキストより

本プロジェクトでは、エントランスやショップを含む9つの異なる展示スペースを作ることで、作品の魅力を最大限に引き出すような展示とした。既存の白い矩形の展示室に壁を建てたり、色をつけたりすることで、来館者が自然と展示に没頭できるような空間を作った。それらが来館者に、より作品に入り込んで鑑賞するという行いを誘発させた。

建築家によるテキストより
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込める
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込める俯瞰 photo©NewColor
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込める書斎車、内観 photo©Kenta Hasegawa
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込める寝室1車、内観 photo©Kenta Hasegawa
元木大輔 / DDAAによる「NOT A HOTEL ANYWHERE」。車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウス。“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案。建築的な“車両”として様々な工夫を込めるお風呂車、内観 photo©Kenta Hasegawa

元木大輔 / DDAAが設計した「NOT A HOTEL ANYWHERE」です。
車両を改修したホテルとしても利用可能なモバイルハウスの計画です。建築家は、“移動可能な新しい暮らし”を想定し、車体毎に別の機能を与え“5台でひとつの居住空間”となる仕組みも考案しました。また、建築的な“車両”として様々な工夫を込めました。
現在(2024年1月時点)はベースキャンプとして宮崎市に設置されています。施設の公式ページはこちら

年に限られた日数しか使われない別荘の所有形態を考え直すことで、新しい暮らしを提案するスタートアップNOT A HOTEL。

彼らの数あるプロジェクトの中でも「NOT A HOTEL ANYWHERE」は実験的なプロジェクトで、ビンテージのトレーラーを母体に、場所に依存しない移動可能な新しい暮らしをデザインをしてほしいという依頼から始まった。5台を制作し貸し出したいという要望に対して、僕たちは寝室車や書斎車といったように、1台にひとつの機能だけが備わった車体が5台でひとつの居住空間をつくることを提案した。そのときどきで必要な車体を選んで旅先にもち運ぶことで、土地に縛られることのない、従来の家より豊かな暮らし方を目指した。

建築家によるテキストより

今回改修した5台のうち、大きな2台はスパルタン社製で、残りの3台はエアストリーム社製のキャンピングトレーラー(以下、トレーラー)だ。5台の機能を選ぶにあたって、現地調達の難しいお風呂やキッチン、スナックと、プライバシー性の高い寝室や書斎を車両化した。リビングは広いほど贅沢なので、雨天時は大きな寝室でその機能を担えるようにしつつも、車体間にタープを張ることで、行く先々の環境を取り入れたゆったりとしたアウトドアリビングをつくれるようにしている。

建築家によるテキストより

移動を前提としているので、このプロジェクトには決められた敷地はない。しかし、移動先のさまざまな風景を常に楽しめるようにしたい。つまり、まだ見ぬ敷地の固有性を享受しながらも、さまざまな環境に対応できるユニバーサルなデザインが求められるという、ある意味で矛盾した条件がこのプロジェクトの特徴である。

そこで、どんな環境でも窓から360度景色を楽しめるように、トレーラーの上半分と下半分で素材を切り替え、窓に干渉しない下半分に各部屋に必要なすべての機能を集約させ、腰高さより上に機能的なヴォリュームが出ないようにした。どうしても上半分にはみ出てしまう家具は、メッシュや透明な素材を使ったり、ヴォリュームが小さくなるようにすべてデザインしている。下半分は特徴的な木目の材を選定し、重心を低くすることで室内を広く感じられるようにしている。外壁は手を加えると既存部分とのコントラストがつきすぎてしまうため、ヴィンテージの質感をできるだけそのまま活かし防水対策など最小限の手数にとどめた。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 長坂常が主宰する「スキーマ建築計画」が、建築内装設計 及び 家具設計のスタッフ(経験者・既卒・2024年新卒)とマネジメントスタッフを募集中
【ap job更新】 長坂常が主宰する「スキーマ建築計画」が、建築内装設計 及び 家具設計のスタッフ(経験者・既卒・2024年新卒)とマネジメントスタッフを募集中
【ap job更新】 長坂常が主宰する「スキーマ建築計画」が、建築内装設計 及び 家具設計のスタッフ(経験者・既卒・2024年新卒)とマネジメントスタッフを募集中狛江湯(国内改修)

長坂常が主宰する「スキーマ建築計画」の、建築内装設計 及び 家具設計のスタッフ(経験者・既卒・2024年新卒)とマネジメントスタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

こんにちは。
スキーマ建築計画代表の長坂常です。

弊社ではチームのあり方をこの数年考えてきていますが、昨年後半にあり方を一新する体制を引きました。

僕、長坂が入社1~2年のスタッフ(ルーキーと呼ぶ)を指導し、プロジェクトを進行からデザインまで一緒に進めています。一方、それ以上の経験者はメジャーと呼び、その彼らにおいて僕の管理範囲はデザインのみで、それ以外、進行などを経験豊富なプロジェクトマネージャー陣がサポートし、独立チームを養成していきます。

この体制を引いた理由として、一人一人とダイレクトにコミュニケーションを取りたいという僕の思いと、そのコミュニケーションのなかで一人一人個性をもった建築家が育って行ってほしいという思いからです。そんな新体制で求めているのは、人を理解するコミュニケーション力、そして喜ばせる企画力、デザイン力です。

我こそはと思う方!是非、ご応募ください。

プロジェクトの内容としては、美術館、ショップ、 レストラン、住宅、工場、ホテル、銭湯、学校など、多種多様なプロジェクトに日々取り組んでいます。それは、日本国内も北から南までさまざまで、国外も韓国、中国、台湾などのアジアから、アメリカやヨーロッパなど、幅広く案件をいただいています。

スケールとしても建築、内装、家具といった枠の中にとどまらず、まちづくりなども考え、プロジェクトを進めています。

皆様のご応募をお待ちしております。

小嶋伸也+小嶋綾香 / 小大建築設計事務所による、中国・上海の店舗「FREITAG Store Shanghai」。元工場を改修したバッグ等を扱う店。トラックの帆を再利用するブランドの物語の継承を求め、既存を“リサイクル”しながら構造を強化して建物の“長寿命化”を実施。イメージカラーも空間に導入し高揚感も生み出す
小嶋伸也+小嶋綾香 / 小大建築設計事務所による、中国・上海の店舗「FREITAG Store Shanghai」。元工場を改修したバッグ等を扱う店。トラックの帆を再利用するブランドの物語の継承を求め、既存を“リサイクル”しながら構造を強化して建物の“長寿命化”を実施。イメージカラーも空間に導入し高揚感も生み出す外観、夜景 photo©Studio Fang
小嶋伸也+小嶋綾香 / 小大建築設計事務所による、中国・上海の店舗「FREITAG Store Shanghai」。元工場を改修したバッグ等を扱う店。トラックの帆を再利用するブランドの物語の継承を求め、既存を“リサイクル”しながら構造を強化して建物の“長寿命化”を実施。イメージカラーも空間に導入し高揚感も生み出す1階と2階を繋ぐ階段を見る、夜景 photo©Studio Fang
小嶋伸也+小嶋綾香 / 小大建築設計事務所による、中国・上海の店舗「FREITAG Store Shanghai」。元工場を改修したバッグ等を扱う店。トラックの帆を再利用するブランドの物語の継承を求め、既存を“リサイクル”しながら構造を強化して建物の“長寿命化”を実施。イメージカラーも空間に導入し高揚感も生み出す2階、手前:売場、奥:外部階段 photo©Studio Fang

小嶋伸也+小嶋綾香 / 小大建築設計事務所が設計した、中国・上海の店舗「FREITAG Store Shanghai」です。
元工場を改修したバッグ等を扱う店の計画です。建築家は、トラックの帆を再利用するブランドの物語の継承を求め、既存を“リサイクル”しながら構造を強化して建物の“長寿命化”を実施しました。また、イメージカラーも空間に導入し高揚感も生み出しました。店舗の公式サイトはこちら

FREITAG(フライターグ)は1993年にスイス、チューリッヒの工業地帯で生まれたバッグ・ブランドで、創立者であるフライターグ兄弟がカラフルな自動車からインスピレーションを得ながら、使い古しのトラックの幌や廃棄された自転車のチューブ、車のシートベルトなど、リサイクル材料のみで作ったメッセンジャー・バッグが第一号のフライターグバッグだったということは非常に有名な話である。

建築家によるテキストより

今プロジェクトで、私たちはブランドのストーリーを計画地、周辺環境と共に紡ぎ、循環型のストアコンセプトを打ち出したいと考えた。

建築家によるテキストより

そこで、計画地にあった既存の建築(1970~80年代に建設された国営のタオル工場)を出来る限りリサイクルしながら、ストラクチャー部分を強化することで、より長寿命な建築物に移行させることにした。鉄骨構造フレームが優雅に地面に接しているため、路地が効果的に広がり、外部活動や回遊のためのスペースが確保できた。

外部から店舗である2階、3階への導線はブランドのイメージカラーである「Traffic Yellow」で塗装された外階段からアプローチが可能である。この外階段だけでなく、カーゴリフト、ハシゴなど、垂直方向の移動に関連する要素には「Traffic Yellow」を採用することで、主にモノトーン(今回は彼らがよく使用する「Industry Grey」もインテリアエレメンツに多く採用した)となっている建築、インテリア要素に視認性と、ワクワク感をもたらしている。

建築家によるテキストより
鹿内健+渡辺裕貴 / Sデザインファームによる、東京の「アウトドアルームのある家」。住宅街にある奥側の環境が良好な敷地。高気密高断熱と共に“自然の変化”の享受も求め、性能担保した内部空間と庭の間に“アウトドアルーム”を設ける構成を考案。“生き物としての感覚”を繋ぎ止める建築を作る
鹿内健+渡辺裕貴 / Sデザインファームによる、東京の「アウトドアルームのある家」。住宅街にある奥側の環境が良好な敷地。高気密高断熱と共に“自然の変化”の享受も求め、性能担保した内部空間と庭の間に“アウトドアルーム”を設ける構成を考案。“生き物としての感覚”を繋ぎ止める建築を作る外観、前面道路より見る。 photo©小島康敬
鹿内健+渡辺裕貴 / Sデザインファームによる、東京の「アウトドアルームのある家」。住宅街にある奥側の環境が良好な敷地。高気密高断熱と共に“自然の変化”の享受も求め、性能担保した内部空間と庭の間に“アウトドアルーム”を設ける構成を考案。“生き物としての感覚”を繋ぎ止める建築を作る2階からアウトドアルームを見る。 photo©小島康敬

鹿内健+渡辺裕貴 / Sデザインファームが設計した、東京の「アウトドアルームのある家」です。
住宅街にある奥側の環境が良好な敷地での計画です。建築家は、高気密高断熱と共に“自然の変化”の享受も求め、性能担保した内部空間と庭の間に“アウトドアルーム”を設ける構成を考案しました。そして、“生き物としての感覚”を繋ぎ止める建築を作ることも意識されました。

半地下にオフィスを併設した住宅です。
敷地は南北に細長く道路からも 1mの高低差がありました。両側に住宅が建て込んでいますが、各々の隣家は南側には大きな庭を有しており採光・通風ともに良好な環境でした。

建物構成は隣家と同じように南側に庭を配置し地下1階・地上2階としています。日常生活の拠点となる室内空間はUA値0.5W/㎡・K(断熱等級5)の高断熱・高気密仕様となっており、環境にも配慮した消費エネルギーの少ない建物となっています。

建築家によるテキストより

しかし高断熱・高気密住宅を設計していると、西日など一部の外的要因が忌み嫌う物であったり、窓を閉め切る事がエネルギー効率に繋がるなど正しい事ではありながらも、本当に良いのか……と矛盾も感じる事もあります。もちろん室内は快適にした上でですが、気温の変化や陽光の移ろいなど自然の変化も暮らしには重要な要素であると考え、ならば「暑い、寒いなど自然環境も楽しむ部屋」を作ろうと考えました。

建築家によるテキストより

そこで住戸の南側には「アウトドアルーム」と呼ばれる屋外の部屋を作っています。この空間は屋外ではありますが、室内的要素を随所に散りばめた内部のような空間となっています。 構造で必要な横倒しの梁は室内から連続し、長押のような雰囲気を生み出しています。庭側上部には防火設備を兼ねたサッシがありますが、下部はサッシを設置せず開放的な構成としています。天井にはペンダント照明を吊り下げるなど、屋外と屋内が混じったような中途半端な状態にしています。

これらの構成要素がある事で「室内にいる」という無意識の感覚が生み出され、屋外ではありますがホッとするような気持ちになります。このホッとする気持ちがアウトドアルームでの滞在時間の長さに繋がると考えています。長く滞在すればするほど、普段生活していた時には気が付かなかった自然が見せる「瞬間」に出会えると思います。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2024/1/8-1/14]
最も注目を集めたトピックス[期間:2024/1/8-1/14]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2024/1/8-1/14)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 西沢立衛が、建築家を目指す人に向けたアドバイスを語っている動画
  2. 吉田裕一建築設計事務所による、東京・世田谷区の「大蔵・HOUSE・U」。様々な条例のある地域の擁壁下の敷地。緑化や壁面後退を行った“建築可能な範囲”に、各用途の空間が“ベン図”の様に重なり合う立体的な構成の建築を考案。環境と呼応する量塊の操作で風景に加え光や風も取り込む
  3. 高橋沙耶 / saya architectureによる、埼玉・南埼玉郡の「小さく暮らすための家」。家族3人が暮らす設計者の自邸。自分たちの“適切な延床面積”の検討から出発し、共用部の一体化と複数の居場所作りで“必要最小限”で暮らせる住宅を考案。敷地内に設けた余白は光と風をもたらし周辺環境にも寄与
  4. ライトの、パナソニック汐留美術館での建築展「フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」。“帝国ホテル二代目本館”等の設計で知られる近代を代表する建築家の展覧会。最新の研究成果を踏まえ、多様な文化との交流や先駆的な活動を明らかする内容。精緻なドローイングの数々や原寸モデルも展示
  5. 2023年にアーキテクチャーフォトで注目された作品トップ10(第10回 ap賞 発表)
  6. 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る
  7. 「北川啓介教授が能登半島地震の被災地へ屋内用インスタントハウスを届けました」(名古屋工業大学)
  8. 2023年にアーキテクチャーフォトで注目された記事トップ100
  9. キノシタヒロシ建築設計事務所による、鳥取市の「屋内庭のある家」。降水量が多く雪も降る地域での計画。気候に適した“庭”の在り方を求め、屋根の全面が半透明素材の“屋内庭”を備えた住宅を考案。入れ子状に設けた居室の壁面で“断熱”と“気密”を確保して快適な暮らしも実現
  10. 藤原・室 建築設計事務所による、大阪の「藤井寺の家」。分譲地の奥行きのある区画。敷地特徴を活かし“増幅する”設計を意図し、内部に“著しい距離感”を生み出す“ジグザグ”の平面構成を考案。特徴的な形態は“複数の外部空間”も作り出して風や光の導入も可能にする
  11. Atelier Tsuyoshi Tane Architectsによる、東京の住宅「Todoroki House in Valley」
  12. 相坂研介設計アトリエによる、東京・世田谷区の「代田の住宅」。間口が狭く隣地から見下ろされる敷地。明るさや広さの最大化を求め、反射光を呼込む“ライトコート”を含む“大小4つの外部空間”を援用する建築を考案。植栽や屋根の形状等で周囲の視線からプライバシーも守る
  13. VUILDによる、東京・渋谷区の「笹塚駅のベンチ」
  14. MADによる、中国・広東省の「南海アートセンター」。湖の畔に計画された約6万㎡の劇場・博物館・運動施設を内包する建築。人が集う地域文化の未来への継承を目指し、最大限の“中間領域”を備えた構成を考案。外観を特徴づける半透明の幕屋根は地域の伝統建築も参照
  15. 山口誠デザインによる、東京・台東区の、オフィスビル「MONOSPINAL」。ゲーム制作会社の本社。従業員の“集中力”と“リラックス”のバランス確保を目指し、環境要素も向上をさせる“斜壁”を持つ建築を考案。小スケールの素材を集積をさせる仕上げで“あらたな風景”を作る
  16. 村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、東京・千代田区の「OAG office」。複数の法人を束ねる本部事務所の計画。社員交流等を活性化する存在を目指し、働く人々の“様々な営み”が混じり合う空間を志向。会議室群の点在で複数の“小さな溜まりの空間”を生み出して多様な居場所として提供
  17. 五十嵐理人 / IGArchitectsによる、福島の二世帯住宅「柱群の家」。家々に囲まれ裏に山を背負う敷地。環境に対し閉じつつも開かれた状態を目指し、視線を遮る為の“壁”を立て“高窓”を全周に配置する建築を考案。内部では90角の柱を林立させ“人工と自然の間”の様な空間を作る
  18. ザハ・ハディド事務所を含むチームによる、橋「フェニックス」。コンクリートの3Dプリント技術を用いた実験的な橋。同チームが開発した“Striatus”の進化系として、カーボンフットプリント等を大きく削減。様々なプロジェクトに繋がる“マイルストーン”として完成
  19. 彦根アンドレア / 彦根建築設計事務所による、神奈川の住宅「365°」。海と山を望む高台の敷地。周囲の景色を取り込みつつ強風に対策する為、中庭を囲む様に諸室を配置した“円形”の平面構成を考案。詳細な設備計画や自然エネルギーの活用等で“自立した生活”環境も構築
  20. 隈研吾建築都市設計事務所による、東京・江戸川区の「魔法の文学館」。童話作家の角野栄子の名を関した児童文学館。花びらが広がるような屋根“フラワールーフ”を外観の特徴とし、景観との調和や内外の連続性も意図。くぼしまりおによる内装は角野の著作の世界観をイメージ

安藤忠雄による、1981年竣工の「小篠邸」の現在の様子を伝える動画。メキシコの建築家が訪問し収録して公開したもの

安藤忠雄が設計した、1981年竣工の「小篠邸」の現在の様子を伝える動画です。メキシコの建築家のCOTAPAREDES Arquitectosが訪問し収録して公開したものです。小篠邸は現在「KHギャラリー芦屋」として一般公開されています。

OMAのエレン・ヴァン・ルーンによる講演「architecture for expression」の動画。自身が手掛けた“Aviva Studios”について語る内容で2023年11月に行われたもの

OMAのエレン・ヴァン・ルーンによる講演「architecture for expression」の動画です。自身が手掛けたイギリス・マンチェスターの文化施設“Aviva Studios”について語る内容で2023年11月に行われたものです。このイベント自体もAviva Studiosで行われました。アーキテクチャーフォトでは、Aviva Studiosを特集記事として紹介しています。

(翻訳)
建築家エレン・ヴァン・ルーンからAviva Studiosの創作について聞く。このファクトリーインターナショナルの新しい常設施設は、マンチェスターの中心部にある画期的な新しい文化スペースで、アート、音楽、文化のグローバルな目的地を作り出しています。

これは、2023年11月29日にマンチェスターのAviva Studiosで開催されたライブイベントを収録したものです。

この建物の設計の鍵はその柔軟性にあり、新しいタイプのパフォーマンス・スペースを提供する。固定された劇場と開放的な倉庫のセッティングを掛け合わせたユニークなもので、複数の機会と無限の構成や環境を生み出すように考えられています。

街路レベルでは、デザインによってアーウェル川沿いの重要な公共スペースが作られました。建物のコンクリートと波型の金属のファサードは、周囲の改装されたレンガ造りの建物やオフィス、スタジオスペースに映え、新しいセント・ジョンズ地区を作り上げています。

(原文)
Hear from architect Ellen van Loon about the creation of Aviva Studios. This new permanent home of Factory International is the landmark new cultural space in the heart of Manchester, creating a global destination for arts, music, and culture.

This is a recording of a live event held on 29 November 2023 at Aviva Studios in Manchester.

The key to the design of the building is its flexibility, offering a new type of performance space; a unique crossover between a fixed theatre and an open warehouse setting, conceived to create multiple opportunities and limitless configurations and environments.

At street level, the design has created a significant area of public space along the River Irwell. The building’s concrete and corrugated metal facades stand against the surrounding refurbished brick buildings, offices, and studio spaces that make up the new St John’s neighbourhood.

キノシタヒロシ建築設計事務所による、鳥取市の「屋内庭のある家」。降水量が多く雪も降る地域での計画。気候に適した“庭”の在り方を求め、屋根の全面が半透明素材の“屋内庭”を備えた住宅を考案。入れ子状に設けた居室の壁面で“断熱”と“気密”を確保して快適な暮らしも実現
キノシタヒロシ建築設計事務所による、鳥取市の「屋内庭のある家」。降水量が多く雪も降る地域での計画。気候に適した“庭”の在り方を求め、屋根の全面が半透明素材の“屋内庭”を備えた住宅を考案。入れ子状に設けた居室の壁面で“断熱”と“気密”を確保して快適な暮らしも実現外観、公園より見る。 photo©キノシタヒロシ建築設計事務所
キノシタヒロシ建築設計事務所による、鳥取市の「屋内庭のある家」。降水量が多く雪も降る地域での計画。気候に適した“庭”の在り方を求め、屋根の全面が半透明素材の“屋内庭”を備えた住宅を考案。入れ子状に設けた居室の壁面で“断熱”と“気密”を確保して快適な暮らしも実現1階、テラス(屋内庭)、左側の建具の中がダイニング photo©キノシタヒロシ建築設計事務所
キノシタヒロシ建築設計事務所による、鳥取市の「屋内庭のある家」。降水量が多く雪も降る地域での計画。気候に適した“庭”の在り方を求め、屋根の全面が半透明素材の“屋内庭”を備えた住宅を考案。入れ子状に設けた居室の壁面で“断熱”と“気密”を確保して快適な暮らしも実現2階、テラス(屋内庭)から吹抜側を見る。 photo©キノシタヒロシ建築設計事務所

キノシタヒロシ建築設計事務所が設計した、鳥取市の「屋内庭のある家」です。
降水量が多く雪も降る地域での計画です。建築家は、気候に適した“庭”の在り方を求め、屋根の全面が半透明素材の“屋内庭”を備えた住宅を考案しました。そして、入れ子状に設けた居室の壁面で“断熱”と“気密”を確保して快適な暮らしも実現しています。

敷地のある鳥取県は山陽側と比べて雨の降る日数がおよそ2倍多く、積雪もあるため外部庭の有用性に恵まれていない。そこで、本来外部にある庭を屋内に取り込み、部屋と屋内庭を織り混ぜた住宅を提案した。

建築家によるテキストより

計画ではまず、敷地が公園の傍に位置していたため、できるだけ公園側に接近させて公園の眺望や風などを迎え入れるように構えた配置としたほか、敷地と公園との間には近隣住民の往来する生活道路があるため開口を避けてプライバシーに配慮した。また準防火地域でもあり、ほかの窓は南側に隣接する福祉施設の中庭に向かって無理なく設け、日陰になる箇所には地窓を設けるに留めた。

建築家によるテキストより

屋根は全面半透明とした。それにより屋内庭は陽光で満たされ、可動式テントの開閉の程度により日射量を調整し、屋根裏に設置した換気扇の排気風量を制御することで温度の調整を行う。屋内庭にもソファ、書斎机、本棚、ハンモックなどの家具が置かれ、太陽光の下で読書したり子どもと遊んだりして過ごす。

建築家によるテキストより

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