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阿曽芙実建築設計事務所による、大阪の住宅「13pieces」。方向の把握もしにくい“変則五角形”の角地。特殊な条件に対応する為、全ての面に対して“同じ接し方で解く”姿勢での計画を志向。敷地の境界線をなぞった外形の平面を“9つのマス”に分割して設計のベースとする
阿曽芙実建築設計事務所による、大阪の住宅「13pieces」。方向の把握もしにくい“変則五角形”の角地。特殊な条件に対応する為、全ての面に対して“同じ接し方で解く”姿勢での計画を志向。敷地の境界線をなぞった外形の平面を“9つのマス”に分割して設計のベースとする外観、南西側の交差点より見る。 photo©yousuke ohtake
阿曽芙実建築設計事務所による、大阪の住宅「13pieces」。方向の把握もしにくい“変則五角形”の角地。特殊な条件に対応する為、全ての面に対して“同じ接し方で解く”姿勢での計画を志向。敷地の境界線をなぞった外形の平面を“9つのマス”に分割して設計のベースとする1階、「space3」から「space1(コート1)」を見る。 photo©yousuke ohtake
阿曽芙実建築設計事務所による、大阪の住宅「13pieces」。方向の把握もしにくい“変則五角形”の角地。特殊な条件に対応する為、全ての面に対して“同じ接し方で解く”姿勢での計画を志向。敷地の境界線をなぞった外形の平面を“9つのマス”に分割して設計のベースとする1階、手前左:「space9」、手前中央:「space8」、手前右:「space7」、左奥:「space6」、正面奥:「space5」、正面右:「space4」 photo©yousuke ohtake
阿曽芙実建築設計事務所による、大阪の住宅「13pieces」。方向の把握もしにくい“変則五角形”の角地。特殊な条件に対応する為、全ての面に対して“同じ接し方で解く”姿勢での計画を志向。敷地の境界線をなぞった外形の平面を“9つのマス”に分割して設計のベースとする2階、「space18」から「space12(リビング)」と「space10(ダイニング)」を見る。 photo©yousuke ohtake

阿曽芙実建築設計事務所が設計した、大阪の住宅「13pieces」です。
方向の把握もしにくい“変則五角形”の角地です。建築家は、特殊な条件に対応する為、全ての面に対して“同じ接し方で解く”姿勢での計画を志向しました。そして、敷地の境界線をなぞった外形の平面を“9つのマス”に分割して設計のベースとしました。

敷地周辺は、南北をJRと私鉄、東西に巨大遺跡公園や幹線道路があり、都市のインフラに切り取られた住宅地の一角で、小振りの住宅が綺麗に並んだ角地にある。

建築家によるテキストより

町並みはあまり特徴がなく、どこにでもありそうな風景だ。利便性がいい場所柄もあり、建て替えによる世代交代が進み、車庫がなかった2階建ての住宅地から車庫あり3階建ての住宅地に風景を変えようとしている。それはつまり、車庫をつくることで1階の前庭が無くなり、3階になることで建物のボリュームが増す。

このような場所に、新たに車庫なし2階建てを計画する。敷地が変則5角形だったり、角地で2面開いていたりと方向性を特定しにくい敷地の特性から、どの面に対しても同じ接し方で解いていくことにした。

建築家によるテキストより

まず、敷地境界線からひと回り小さい線で囲いとり、9つの枡に分けた。
9つに分けることで、各方角の5面に対して対等に建った。9つの枡の交差する点を開き、交差しない線を閉じた。すると、隣り合う枡は距離をとり、斜めの枡とは視線が抜け共鳴し合い、9つの枡と交差する4つのエリアが生まれる。交差するたれ壁の高さを揃え、それぞれの交差点のたれ壁の高さを変えることで、空間の質を変化させた。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 クリエイティブなスキルとデザインで不動産を再生する「株式会社リアルゲイト」が、設計スタッフ(経験者・既卒)を募集中
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クリエイティブなスキルとデザインで不動産を再生する「株式会社リアルゲイト」の、設計スタッフ(経験者・既卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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“古いものに価値を、不動産にクリエイティブを、働き方に自由を”
というビジョンのもと、クリエイティブなスキルとデザインで不動産を再生し、街づくりを行う「REALGATE INC.」が設計デザイン職を募集いたします。

不動産の特性を活かし、新築ビルの開発や築古ビルの再生を行う弊社は、物件の仕入れから企画・設計・施工・竣工後のプロモーションやリーシング、運営管理まで、一貫したサービスを提供しています。

時代のニーズに合わず競争力が低下した建物や老朽化したビル等を、クリエイティブな企画と一級建築士事務所としての技術力で、様々な角度から検証し、生産性の高いデザインと抜本的な改良(用途変更や増築・耐震補強等)を行い、更なる付加価値を加え、建物を蘇らせます。

オフィスを主軸としながら、SOHO・サービスアパートメント・リテールやホテルなども取り入れ、新たなオフィス需要をとらえた企画を展開し、事業領域も広がりを見せています。

【設計職の特徴】
リアルゲイトのプロジェクトは、自らが事業主として実施する場合とクライアントからの依頼で進める場合の2パターンあります。

どちらの場合でも、一番良い状況で建物をリスタートさせることを強く意識しています。そのためプロジェクトでは、スピード感・判断力・柔軟性の他、建物の個性やエリア特性、クライアントの意向等を踏まえたオリジナリティのある設計が必要です。
コンパクトなプロジェクト期間の中で、これらを最大限に発揮していくことが求められるため、一つのプロジェクトを通して多様な経験を積むことができる環境です。

また、リアルゲイトが手がける物件は、一つとして同じ企画・デザインのものはありません。常に新しいものにチャレンジしていくことができます。企画営業と共にプロジェクトを進める楽しさや、築古ビルがクリエイティブな空間に生まれ変わり、収益性の高い建物へと変化していく姿に、大きなやりがいを感じていただけるでしょう。

【ap job更新】 仲建築設計スタジオが、設計スタッフ(2025年新卒・既卒・経験者)を募集中
【ap job更新】 仲建築設計スタジオが、設計スタッフ(2025年新卒・既卒・経験者)を募集中
【ap job更新】 仲建築設計スタジオが、設計スタッフ(2025年新卒・既卒・経験者)を募集中金沢美術工芸大学(共同設計)

仲建築設計スタジオの、設計スタッフ(2025年新卒・既卒・経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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設計スタッフ(正社員)を募集します

仲建築設計スタジオでは、設計スタッフ(正社員)を募集しています。募集人数は1名です。
われわれは、地域社会のための建築をつくっています。ここでは共同代表の仲と宇野だけでなく、スタッフも含めて「一人ひとりが建築家」です。自由闊達な議論をかわしながら建築を設計し、そして実現させます。このような創造の環境に加わりたい方を募集します。

【大切にしていること】
わたしたちは、「建築を提案し、実現し、持続させること」を大切にしています。



・提案
建築のデザインを通して、地域社会に関わりたいと考えます。そのための方法論としてわれわれはプログラムアプローチと環境アプローチを実践してきましたが、今後はこれら2つのアプローチを統合していこうと思います。一緒に探求したい方を歓迎します。



・実現
提案を実現することに最大の価値と歓びを見出します。建築はひとりでは完成しません。事務所内はもちろん、異なる分野の方々とのコミュニケーションが重要です。そんなコミュニケーションの輪に参加したい方を歓迎します。建築の社会性を意識しながら、技術とプロセスを身につけられるでしょう。

・持続
われわれの実践は、日常生活の場である建築を、社会的・環境的な循環の中に位置づけることに他なりません。そのため、たとえば「経済」のように、いままではソフトだと考えられていた部分にも興味を持っています。持続可能な地域社会についての研究・提案は、財団や企業との共同研究という形を取ることもあります。

【ap job更新】 “ホテルを空間メディア”と捉えて、企画と開発から運営までも手掛ける「株式会社 水星」が、ブランドディレクター(設計経験者も歓迎)を募集中
【ap job更新】 “ホテルを空間メディア”と捉えて、企画と開発から運営までも手掛ける「株式会社 水星」が、ブランドディレクター(設計経験者も歓迎)を募集中
【ap job更新】 “ホテルを空間メディア”と捉えて、企画と開発から運営までも手掛ける「株式会社 水星」が、ブランドディレクター(設計経験者も歓迎)を募集中香林居 外観

“ホテルを空間メディア”と捉えて、企画と開発から運営までも手掛ける「株式会社 水星」の、ブランドディレクター(設計経験者も歓迎)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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株式会社水星はホテルの企画・開発・運営を起点に、ライフスタイルと観光の領域で社会に多様な選択肢をつくるホテルプロデュースカンパニーです。

この度、事業拡大に伴って、主に、ホテルの企画・開発やブランド開発支援において、社内外のさまざまなプロフェッショナルと共に空間設計~細部のデザインまでのクリエイティブディレクション、アートディレクションを軸としたブランド、プロダクト開発全体をマネジメントする「ブランドディレクター」のポジションを募集致します。

【株式会社水星 会社概要】
私たちは、「ホテルはメディア」だと考えています。人と人、人と土地、人と文化をつなぐ空間メディアとしてのホテル。
ホテルは、衣食住遊学働、人の生活にまつわるあらゆる選択肢を提案することができます。また、ホテルは、人の生活環境をハード(空間)とソフト(体験)の両面からコーディネートすることができます。

ホテルに泊まるということは、ゲストの人生の一部をお預かりすること。ホテルの体験をコーディネートすることは、ゲストのライフスタイル、人生をデザインすることにつながると考えています。私たちは、そのような可能性を秘めたホテルというアセットを通じて、社会実装されていないさまざまな課題を解決することで、選択肢にあふれる、誰もが自分らしい意思決定をできる社会をつくっていくことを目指しています。

ホテルの運営をするホテル事業部、ホテルの企画・開発やさまざまな企業、自治体のブランド開発やコンサルティングをするプロデュース事業部、ホテルの魅力を最大限に引き出し、理想の予約体験を実現する自社予約エンジン「CHILLNN」などの ITサービスを展開するプラットフォームの3つの事業を柱に、ホテルを起点に人の人生の可能性を広げるさまざまな事業を展開しています。

松浦光宏 / designFreakによる、東京・港区のオフィス「Subcultural Retreat with a Kick」。従来の労働空間からの逸脱も目指した計画。理想像を“多様な才能が集まる都会の姿”に定め、アジア・混沌・ポップなどをキーワードとして設計。其々の会議室を建物に見立てて作ると共に固有のアートワークも施す
松浦光宏 / designFreakによる、東京・港区のオフィス「Subcultural Retreat with a Kick」。従来の労働空間からの逸脱も目指した計画。理想像を“多様な才能が集まる都会の姿”に定め、アジア・混沌・ポップなどをキーワードとして設計。其々の会議室を建物に見立てて作ると共に固有のアートワークも施す photo©見学友宙
松浦光宏 / designFreakによる、東京・港区のオフィス「Subcultural Retreat with a Kick」。従来の労働空間からの逸脱も目指した計画。理想像を“多様な才能が集まる都会の姿”に定め、アジア・混沌・ポップなどをキーワードとして設計。其々の会議室を建物に見立てて作ると共に固有のアートワークも施す photo©見学友宙
松浦光宏 / designFreakによる、東京・港区のオフィス「Subcultural Retreat with a Kick」。従来の労働空間からの逸脱も目指した計画。理想像を“多様な才能が集まる都会の姿”に定め、アジア・混沌・ポップなどをキーワードとして設計。其々の会議室を建物に見立てて作ると共に固有のアートワークも施す photo©見学友宙
松浦光宏 / designFreakによる、東京・港区のオフィス「Subcultural Retreat with a Kick」。従来の労働空間からの逸脱も目指した計画。理想像を“多様な才能が集まる都会の姿”に定め、アジア・混沌・ポップなどをキーワードとして設計。其々の会議室を建物に見立てて作ると共に固有のアートワークも施す photo©見学友宙

松浦光宏 / designFreakが設計した、東京・港区のオフィス「Subcultural Retreat with a Kick」です。
従来の労働空間からの逸脱も目指した計画です。デザイナーは、理想像を“多様な才能が集まる都会の姿”に定め、アジア・混沌・ポップなどをキーワードとして設計しました。そして、其々の会議室を建物に見立てて作ると共に固有のアートワークも施しました。

「従業員のための空間」を作る事を目的に、クリエイターたちが集まり、個性、文化、アイデアを享受できるプラットフォームとなるべく、従来のオフィス像から逸脱した新しい空間表現を目指し設計したグリー本社オフィス。

建築家によるテキストより

Subcultural Retreat with a Kickをコンセプトに掲げ、アジア、混沌、サイバーパンク、ポップカルチャー等のワードを基に、オフィスを多種多様な才能が集まる都会の姿と重ね合わせ、各々の会議室を建物として見立てた。

建築家によるテキストより

そこに高さの異なる軒を重ね合わせ、境界が曖昧となった空間は自由なキャンバスとなり、アートやネオンによって彩られたRetreat「隠れ家」が完成した。

建築家、アートキュレーター、職人に加え、総勢22人のアーティストがコラボすることで、刺激的なKickに溢れた壮大なプロジェクトとなった。

建築家によるテキストより
竹中工務店の新世代による「たてものめがね まちめがね展」が開催。大阪の“VS.”を会場に、縮尺を切り口とした体験型展示や子供も参加できるワークショップ等を通じて、“建物やまちをつくるおもしろさ”を伝える内容。太刀川英輔、津川恵理、奈良祐希らが登壇するイベントも実施
竹中工務店の新世代による「たてものめがね まちめがね展」が開催。大阪の“VS.”を会場に、縮尺を切り口とした体験型展示や子供も参加できるワークショップ等を通じて、“建物やまちをつくるおもしろさ”を伝える内容。太刀川英輔、津川恵理、奈良祐希らが登壇するイベントも実施展覧会ポスター(表面) image courtesy of 竹中工務店

竹中工務店の新世代による「たてものめがね まちめがね展 宇宙から虫まで、縮尺で考える建築の見方」が開催されます。
大阪の“VS.”を会場に、都市・建築分野ならではの視点である「縮尺」を切り口に再解釈した、親しみやすい体験型展示・ワークショップ・イベントを通じて、“建物やまちをつくるおもしろさ”を伝える内容です。会期中には、太刀川英輔、津川恵理、奈良祐希らが登壇するイベントも実施されます。開催日は、2025年2月8日(土)~2月24日(月)参加費無料(要事前予約)。展示会およびイベントへの参加予約はこちらのページから。【ap・ad】

『TAKENAKA AS AN ARTIST』

訪れた人々が展示を通して、建物・まちをつくるっておもしろい!を発見する展示会を目指します。

本展は、当社の作品やレガシーを紹介する従来型企業展示ではなく、竹中工務店の若手を中心とした展示企画チームを結成し、同メンバーが主体的に展示会の中身をつくっていく「新しい試み」、“TAKENAKA AS AN ARTIST”に挑戦しています。これは「従業員が自ら考え、つくり出す」というプロセスを踏んだ、全く新しい企業展示です。

『たてものめがね、まちめがね』

建物をつくるとき、虫のようなミクロな視点から鳥のようなマクロな視点まで異なる視点で未来に向けたモノゴトを捉え、小さな居場所から大きな環境までひとつながりで考えます。建物の内側にある豊かな世界を想像すると同時に、建物がまちにとっての一部分であることを意識します。

『縮尺:スケール』

建物をつくるとき、実際の大きさのままだと卓上に収まりず、時に広く世界を見渡すことができないので、ある割合で小さくしてみる「縮尺スケール」という考えを通して、私たちは新しい視点を手に入れます。縮尺に入れられるサイズの図面や模型に想いを表現する一方で、情報や考え方をまとめるため、私たちは今まで気付いていないモノゴトに自由に想像力をはたらかせ、実際の大きさの世界へとつながっていきます。

本展では、いろいろな縮尺でモノ・コトを眺め、想像し発見を行う「たてものめがね、まちめがね」を持って4つの部屋を巡り、たてもの・まちのおもしろいを探ります。

リリーステキストより

ものめがね まちめがね展 宇宙から虫まで、縮尺で考える建築の見方
created by TAKENAKA CORPORATION

開催期間:2025年2月8日(土)~2月24日(月)
開場時間:10:00—19:00
※2/8、2/10、2/15、2/21、2/22、2/23は20:00まで、最終日は17:00まで
開催会場:VS.(グランフロント大阪 うめきた公園/ノースパーク)
入場無料

リリーステキストより

以下に、会場の様子を伝えるCG動画なども掲載します。

林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う外観、北側の道路より見る。 photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う1階、「たたき」からリビング側を見る。 photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う1階、キッチンからダイニング越しにリビングを見る。 photo©永井杏奈
林健太郎建築設計事務所による、香川の住宅「善通寺の建物」。往来のある道に面した角地での計画。家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案。後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担う2階、南側のルーフテラス photo©永井杏奈

林健太郎建築設計事務所が設計した、香川の住宅「善通寺の建物」です。
往来のある道に面した角地での計画です。建築家は、家族・建築・街の関係を考慮し、リビング等を納めた地上階の上に家形の個室群をセットバックさせて載せる構成を考案しました。そして、後退で生み出したルーフテラスは住宅を外に開く役割も担います。

日本の四国地方に位置する、香川県善通寺市。
穏やかな瀬戸内海と四国の山々に挟まれた地域にあり、四国八十八箇所霊場の第七十五番として有名な善通寺がある。

敷地は、人と車の往来のある道路に面した角地で、18m×16mの四角形。
この建物は、共働きの夫婦と子供のための住宅として計画された。

建築家によるテキストより

要望は、大きなリビングと各部屋が独立しすぎないこと。
建物は2階建て。1階の四角のヴォリュームの上に、高さが異なるの4つの家形のヴォリュームがそれぞれセットバックしながら乗っかっている。2階のヴォリュームをそれぞれセットバックすることで、立体的な抜けと性格の違うルーフテラスを獲得した。

建築家によるテキストより

1階にリビング、2階に各居室の構成だ。
1階は、天井高さ2.5mでリビングを設けている。リビングに寄り添うように和室を設け、その先の小道とプライベートなリビングを緩く繋ぐ役割を持たせた。2階は、主寝室、書斎、子供部屋だ。家形のヴォリュームがそれぞれの部屋になっている。本建築で、一番象徴的な役割を持っているのが、書斎だ。

L型の書斎は、開放的で家族の繋がりを生む場所となり、床が60×120角の小梁を120ピッチで並べた格子床になっている。子供部屋と書斎に面しており、使用用途により書斎まで拡張することが可能だ。子供は、部屋の大きさに縛られた使い方、成長をするわけではない。時には、部屋から飛び出し書斎まで、画材を広げ絵を描くこともあるだろう。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2025/2/3-2/9]
最も注目を集めたトピックス[期間:2025/2/3-2/9]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2025/2/3-2/9)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 永山祐子建築設計による、愛知・名古屋市の飲食店「AOI CELESTIE COFFEE ROASTERY」がオープン。地下にはボッチャも体験できる多目的なイベントスペースも備える
  2. 安藤忠雄建築研究所による、香川の「直島新美術館」の新しいパースが公開。開館は、2025年5月31日に決定。開館記念として、国内外のアーティスト12組の展覧会を開催
  3. 妹島和世+西沢立衛 / SANAAが、2025年の王立英国建築家協会ロイヤル・ゴールド・メダルを受賞。1848年から続く歴史ある賞。過去の日本人受賞者には、丹下健三・磯崎新・安藤忠雄・伊東豊雄が名を連ねる。代表作品の写真も掲載
  4. VUILDによる、東京・渋谷区の「笹塚駅のベンチ」
  5. 日本橋高島屋での「ヒュッゲな暮らしをデザイン 北欧のあかり展」の入場チケットをプレゼント。北欧で誕生した約100点の名作照明器具とそのデザイナーを紹介。照明と家具をコーディネートし、あかりを体験できる場も用意
  6. 西沢立衛事務所が、鹿児島の「古仁屋小学校」設計プロポで最優秀提案者に選定。提案書も公開。次点者は、髙橋一平事務所。佳作に、濱田慎太、保坂猛、妹島和世、武田建築事務所が名を連ねる
  7. 村山徹と杉山幸一郎による連載エッセイ ”今、なに考えて建築つくってる?” 第5回「素材と仕上げ」
  8. nendoによる、長野・軽井沢町の「手をつなぐ家」。生い茂る木々や眺望も楽しめる敷地。土地の特徴と家族の暮らしを考慮し、機能を割当てた“6つの小屋”を点在させて“柔らかく繋ぐ”構成を考案。各自の時間が尊重されつつ皆で生活する一体感も感じられる住まい
  9. ツバメアーキテクツによる、東京の「分岐の家」。コロナ禍が落ち着いた時期に計画を開始。先々の変化の想定が難しい社会状況において、様々な選択を可能にする“未来の分岐点”が多数ある建築を志向。母屋と離れの二棟を切断も可能な“ブリッジ”で繋ぐ構成を考案
  10. 山田優+小阿瀬直+大嶋励 / SNARK Inc.による、京都市の「n’estate Kyoto-Arashiyama」。古民家を改修したカフェと民泊施設。元の佇まいを尊重して既存を再利用すると共に、現代的な用途を“歴史ある地域の空気感と共に再構築”する設計を志向。開口や素材のトーンを揃えて一体的な施設として作り上げる
  11. 竹中工務店の新世代による「たてものめがね まちめがね展」が開催。大阪の“VS.”を会場に、縮尺を切り口とした体験型展示や子供も参加できるワークショップ等を通じて、“建物やまちをつくるおもしろさ”を伝える内容。太刀川英輔、津川恵理、奈良祐希らが登壇するイベントも実施
  12. ゲンスラーと竹中工務店による、愛知の「MARUWA 瀬戸工場」。郊外に建つセラミック素材メーカーの新工場。目指すべき企業像の表現も目指し、企業と世界・敷地と地域・伝統と未来を繋ぐ“架け橋”となる存在を志向。水平方向に伸びるテラスと屋根を特徴とする建築を考案
  13. 九州大学岩元真明研究室による、福岡市の「九州大学OIP」。産学官連携を先導する組織の新拠点。大学の活動の伝達も意図し、演習林の1本の杉を素材に選んで内装から家具にまで“無駄なく使い切る”計画を考案。学内の什器類の再利用も積み重ねてサーキュラーデザインも実践
  14. 根本昌汰 / mastによる、東京・大田区の「西六の家」。“新陳代謝が激しい”都市に建つ設計者の自邸。100年先も住みこなせる住宅を求め、生活を守る“堅牢”と変化に応答する“寛容”を併せ持つ存在を志向。RC造の“殻”の中に木造の“床壁”を入れ込む建築を考案
  15. アレクサンドラ・コヴァレヴァ+佐藤敬 / KASAによる、建築展「ものさし と まなざし」。プリズミックギャラリーで開催。自身の“歩みを記した日記”のような展覧会。形姿が生まれる前の“個人的な体験、考察、想像の世界”を記述する
  16. 楠元彩乃 / ayarchitectsによる、東京・新宿区のオフィス「Path of the wind」。両端に開口部のある5階の区画での計画。“気持ちの良い風”が抜ける様子に着目し、空間を貫くように“風道”を配置する構成を考案。 床材の切替でエリア分けを行うと同時に用途に沿った床材の選択も意識
  17. ザハ・ハディド・アーキテクツによる、イタリアの宿泊施設「ホテル・ロメオ・ローマ」。増改築が繰返された16世紀のパラッツォを転用。歴史が積重なる既存に向き合い、ヴォールトを再解釈したコンセプトを空間から家具にまで通底させる計画を考案。修復には49の会社が関わり230の許可申請を提出
  18. 竹山聖 / 設計組織アモルフによる、長野の「Villa-M in Karuizawa」。豊かな緑に恵まれた地域に建つ別荘。敷地の“道路の軸”と“地形の傾斜の軸”に着目し、其々に合せた二つの平面系を重ねる計画を考案。軸と呼応させ“未完結な形”とした屋根で建築に“余白と余韻”をもたらす
  19. 妹島和世+西沢立衛 / SANAAによる、東京・渋谷区の店舗「無印良品 代官山」。商品そのものが“クローズアップ”され“インテリア”となるスペースを志向
  20. 大阪・関西万博の、若手建築家が設計を手掛ける全20施設のパース画像とコンセプト(前編)。前編では、休憩所・ギャラリー・展示施設・ポップアップステージの10施設を紹介

スヴェーレ・フェーンによる、ノルウェーの「ヘドマル大司教博物館」(1979年) の現在の様子を紹介する動画。2025年2月に公開されたもの

スヴェーレ・フェーン(Sverre Fehn)が設計した、ノルウェーの「ヘドマル大司教博物館(Hedmark Archeological Museum)」(1979年) の現在の様子を紹介する動画です。2025年2月に公開されたもの。フェーンは1997年にプリツカー賞も受賞しています。施設の場所はこちら(Google Map)。

宇野友明による講演会「建築家の自由」の動画。パリのシテ建築遺産博物館で2024年11月に行われたもの。(日本語で視聴可能) 【ap job更新】 スキーマ建築計画 / 長坂常が、設計スタッフを募集中
【ap job更新】 スキーマ建築計画 / 長坂常が、設計スタッフを募集中
【ap job更新】 スキーマ建築計画 / 長坂常が、設計スタッフを募集中ブルーボトルコーヒー 豊洲パークカフェ(Photo: Takumi Ota)

スキーマ建築計画 / 長坂常の、設計スタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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中途設計スタッフ、新卒設計スタッフの募集(2025春採用)

私たちスキーマ建築計画では、既存の建築の枠を超え、新しい視点や価値観を発見することを目指しています。

そのために、「引き算」「誤用」「知の更新」「見えない開発」「半建築」といった独自のアプローチを用い、これまでにない建築を生み出す挑戦を続けています。短期的な効率性や利益追求を目的とした計画ではなく、持続可能な日常を探求し、人や自然を中心としたコミュニティづくりに貢献することを目指しています。

クライアントと共に未来を想像し、住宅から公共施設まで、地域に根ざした設計から国際的なプロジェクトまで、ジャンルやスケール、エリアを超えた多様な活動を展開しています。そんな挑戦に心躍る方をお待ちしています。一緒に活動しましょう。(長坂常)

【組織体制について】
スキーマでは独立までの成長のプロセスを考え、独自の体制でプロジェクトを進めています。

設計スタッフは「ルーキー」と「メジャー」に別れ、ルーキーは、初年度から自立しプロジェクトを遂行できるまでの期間、代表である長坂が密に指導し、プロジェクトを進行からデザインまで一緒に進めます。

ルーキーは、他のメンバーと互いに協力・意見交換を行いながらチームビルディングを体験する段階でもあります。経験を積んだスタッフはメジャーとなり、長坂の管理範囲はデザインに絞られ、それ以外の進行などは経験豊富なプロジェクトマネージャー陣がサポートします。メジャーは自立への一歩とし、自由と責任を持ってプロジェクトを進行していくことを目標として取り組みます。

このような体制を敷いたのは、一人一人が長坂とダイレクトにコミュニケーションを取り、個性を持った建築家に成長してもらうことで、組織全体の底上げを図りたいという思いからです。

【プロジェクト内容】
街のコミュニティスペース、美術館、ショップ、レストラン、住宅、工場、ホテル、銭湯、学校、神社など、多種多様なプロジェクトに日々取り組んでいます。それは、日本国内も北から南までさまざまで、国外も韓国、中国、台湾などのアジアから、アメリカやヨーロッパなど、幅広く案件をいただいています。
スケールとしても建築、内装、家具といった枠の中にとどまらず、まちづくりなども考え、プロジェクトを進めています。

楠元彩乃 / ayarchitectsによる、東京・新宿区のオフィス「Path of the wind」。両端に開口部のある5階の区画での計画。“気持ちの良い風”が抜ける様子に着目し、空間を貫くように“風道”を配置する構成を考案。 床材の切替でエリア分けを行うと同時に用途に沿った床材の選択も意識
楠元彩乃 / ayarchitectsによる、東京・新宿区のオフィス「Path of the wind」。両端に開口部のある5階の区画での計画。“気持ちの良い風”が抜ける様子に着目し、空間を貫くように“風道”を配置する構成を考案。 床材の切替でエリア分けを行うと同時に用途に沿った床材の選択も意識空間全体を見る。 photo©Yurika Kono
楠元彩乃 / ayarchitectsによる、東京・新宿区のオフィス「Path of the wind」。両端に開口部のある5階の区画での計画。“気持ちの良い風”が抜ける様子に着目し、空間を貫くように“風道”を配置する構成を考案。 床材の切替でエリア分けを行うと同時に用途に沿った床材の選択も意識オフィス、腰壁と床材 photo©Yurika Kono
楠元彩乃 / ayarchitectsによる、東京・新宿区のオフィス「Path of the wind」。両端に開口部のある5階の区画での計画。“気持ちの良い風”が抜ける様子に着目し、空間を貫くように“風道”を配置する構成を考案。 床材の切替でエリア分けを行うと同時に用途に沿った床材の選択も意識左:風道、右:オフィス photo©Yurika Kono
楠元彩乃 / ayarchitectsによる、東京・新宿区のオフィス「Path of the wind」。両端に開口部のある5階の区画での計画。“気持ちの良い風”が抜ける様子に着目し、空間を貫くように“風道”を配置する構成を考案。 床材の切替でエリア分けを行うと同時に用途に沿った床材の選択も意識風道、南側の開口部の辺りを見る photo©Yurika Kono

楠元彩乃 / ayarchitectsが設計した、東京・新宿区のオフィス「Path of the wind」です。
両端に開口部のある5階の区画での計画です。建築家は、“気持ちの良い風”が抜ける様子に着目し、空間を貫くように“風道”を配置する構成を考案しました。そして、床材の切替でエリア分けを行うと同時に用途に沿った床材の選択も意識されました。

東京・新宿区高田馬場にある不動産業を営むオフィスの改修である。

駅前から続く通りを抜けると、専門学校や、雑居ビルなどが立ち並ぶ多様な要素が混在するエリアに敷地はある。少し高台に位置する公園と、川に挟まれた敷地はちょうど緩やかな盆地のような格好になっていて、5階に位置することもあり、気持ちの良い風が抜ける。

建築家によるテキストより

そこで既存のビルが持つ南北に大きく取られた開口をきっかけとして、フロア全体に風や光、人が抜けるような“風道(かぜみち)”を中心に通した。

建築家によるテキストより

オフィス部分と、コア部分(キッチン、トイレなどの水回り、EV、非常階段出入り口、物置などの諸室)に風道からそれぞれアプローチする。風道には使用頻度を考慮し、リノリウムという耐久性が高い天然素材を採用した。オフィス部分には、ゆったりと過ごしてもらえる落ち着いた色味のカーペットを使用している。
また既存のサッシの腰下には、木やフレキシブルボードなどを回し、空間のアクセントとした。

建築家によるテキストより
妹島和世+西沢立衛 / SANAAが、2025年の王立英国建築家協会ロイヤル・ゴールド・メダルを受賞。1848年から続く歴史ある賞。過去の日本人受賞者には、丹下健三・磯崎新・安藤忠雄・伊東豊雄が名を連ねる。代表作品の写真も掲載
妹島和世+西沢立衛 / SANAAが、2025年の王立英国建築家協会ロイヤル・ゴールド・メダルを受賞。1848年から続く歴史ある賞。過去の日本人受賞者には、丹下健三・磯崎新・安藤忠雄・伊東豊雄が名を連ねる。代表作品の写真も掲載西沢立衛と妹島和世 photo©SANAA

妹島和世+西沢立衛 / SANAAが、2025年の王立英国建築家協会ロイヤル・ゴールド・メダルを受賞しています。
1848年から続く歴史ある賞です。過去の日本人受賞者としては、丹下健三・磯崎新・安藤忠雄・伊東豊雄が名を連ねています。歴代の受賞者には、ピーター・ズントー、ヘルツォーク&ド・ムーロン、アルヴァロ・シザ、レム・コールハース、ザハ・ハディドも含まれています。記事の後半では、SANAAの代表作品の写真も掲載します。

王立英国建築家協会(RIBA)の会長で、2025年RIBA栄誉賞委員会の委員長を務めるMuyiwa Okiのコメント
(アーキテクチャーフォトが翻訳)

進化する建築の理論と実践において、控えめながらもインパクトのあるリーダーシップを発揮しているSANAAのデザインは、建築が機能性と深い優雅さを両立できることを示しています。この分野における真の先駆者である彼らは、持続可能でユーザー中心のデザインに対する揺るぎない献身により、他の人々のために静かに道を切り開き、私たちの建築環境の未来にインスピレーションを与える基準を打ち立てました。

数十年にわたって際立った明快さと一貫性を示してきた彼らの作品は、建築の変容力を示す永続的な証となっています。それは、喜びを鼓舞し、帰属意識を生み出し、私たちを私たちが暮らす環境と結びつけるものです。

リリーステキストより

以下に、SANAAの代表作品の写真も掲載します

堤由匡建築設計工作室による、中国・上海市の店舗「slide」。中華民国時代の建築家の自邸を改修したセレクトショップ。改修が繰り返された既存に対し、原設計者の“思想を引き戻す”と同時に“利用者の記憶も残す”設計を志向。独自の“軸回転什器”をメインとする計画を考案
堤由匡建築設計工作室による、中国・上海市の店舗「slide」。中華民国時代の建築家の自邸を改修したセレクトショップ。改修が繰り返された既存に対し、原設計者の“思想を引き戻す”と同時に“利用者の記憶も残す”設計を志向。独自の“軸回転什器”をメインとする計画を考案外観、西側の道路より見る。 photo©広松美佐江 鋭景撮影
堤由匡建築設計工作室による、中国・上海市の店舗「slide」。中華民国時代の建築家の自邸を改修したセレクトショップ。改修が繰り返された既存に対し、原設計者の“思想を引き戻す”と同時に“利用者の記憶も残す”設計を志向。独自の“軸回転什器”をメインとする計画を考案出入口側から売り場を見る。 photo©広松美佐江 鋭景撮影
堤由匡建築設計工作室による、中国・上海市の店舗「slide」。中華民国時代の建築家の自邸を改修したセレクトショップ。改修が繰り返された既存に対し、原設計者の“思想を引き戻す”と同時に“利用者の記憶も残す”設計を志向。独自の“軸回転什器”をメインとする計画を考案売り場 photo©広松美佐江 鋭景撮影
堤由匡建築設計工作室による、中国・上海市の店舗「slide」。中華民国時代の建築家の自邸を改修したセレクトショップ。改修が繰り返された既存に対し、原設計者の“思想を引き戻す”と同時に“利用者の記憶も残す”設計を志向。独自の“軸回転什器”をメインとする計画を考案売り場(軸回転什器を180°動かした状態) photo©広松美佐江 鋭景撮影

堤由匡建築設計工作室が設計した、中国・上海市の店舗「slide」です。
中華民国時代の建築家の自邸を改修したセレクトショップです。建築家は、改修が繰り返された既存に対し、原設計者の“思想を引き戻す”と同時に“利用者の記憶も残す”設計を志向しました。そして、独自の“軸回転什器”をメインとする計画を考案しました。

上海の旧フランス租界、永福路のセレクトショップ。

テナントとして入る建築は、中華民国時代の建築家であり土木エンジニアでもあった過養黙が設計した旧自邸である。抑制された装飾、中央の垂直線、丸窓など、ウィーン分離派の影響や、モダニズムの萌芽も感じられる建築である。

建築家によるテキストより

過養黙自身がここで過ごした時間は短く、その後は度重なる改修がなされたようである。そこで我々は改修により付け足された余分なものを削ぎ落として過養黙の思想を引き戻し、同時にこれまで利用してきた人々の記憶を残すことを意識した。

要求されたプログラムはカフェを併設した服飾のセレクトショップであると同時に、イベントスペースとしても使うことが想定されている。そこで、支柱を軸に180度回転する什器を考えた。イベント時は180度回転させ、商品を背板の後ろに隠し、また90度回転させれば閉店のサインともなる。

建築家によるテキストより

什器はメープル合板とステンレスパイプを用いてインダストリアルな作りとしている。床は土間コンクリートにステンレスのレールを埋め込み、表面を軽く洗い出している。天井は複雑な増改築の跡が見えるが、木造部分のみ現しとし、その他の構造は白く塗りつぶした。入口から突き当たりに見える壁は、以前の仕上げを剥がしただけのRC壁を現しにし、時代の積層をデザインとして見せている。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 連勇太朗が代表理事を務め、“新たな住環境モデル”の発明を目指す「CHAr」が、設計スタッフ(2025年新卒・既卒・経験者)を募集中
【ap job更新】 連勇太朗が代表理事を務め、“新たな住環境モデル”の発明を目指す「CHAr」が、設計スタッフ(2025年新卒・既卒・経験者)を募集中
【ap job更新】 連勇太朗が代表理事を務め、“新たな住環境モデル”の発明を目指す「CHAr」が、設計スタッフ(2025年新卒・既卒・経験者)を募集中

連勇太朗が代表理事を務め、“新たな住環境モデル”の発明を目指す「CHAr」の、設計スタッフ(2025年新卒・既卒・経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

【CHArについて】
NPO法人CHAr一級建築士事務所は、「つながりを育む、まちをつくる」をビジョンに掲げ、デザイン・建築設計・まちづくりを軸としながら、自社サービスの運営を通じて多様なアクターと協働しながらプロジェクトを進めている組織です。
人/時間/空間を再び繋ぎ合わせ、新たな価値観と想像力によって、21世紀の社会に求められるネットワークを創造することを目指しています。

現代における住環境には住宅や家といったビルディングタイプに限定されず、地域社会やコミュニティまで含めた包括的な視点から住環境モデルの大胆な構想と再編が求められています。CHArは小さな手すりの改修から、大きな都市の計画まで、スケールや領域を横断しながら次の時代に求められる新たな住環境モデルを発明し、実装することをミッションとします。

これまでは改修設計や利活用提案・コンサルティング・自社事業の運営が中心でしたが、それぞれの事業・協働者が成長し、これまでよりも規模の大きい設計案件や地方の案件・ユニークな案件が増えてきています。一方でほんの小さな変化で空間の質が変容するようなミクロなデザインのクオリティも追求しています。

また建築設計だけにとどまらず、企画提案・プログラム提案・プログラム開発・事業モデル開発など、多岐にわたる業務を横断しながらプロジェクトを進めています。

建築・まちづくり・クリエイティブへの情熱があり、建築設計を軸足としながらさまざまなチャレンジをしたい方のご応募お待ちしています!

九州大学岩元真明研究室による、福岡市の「九州大学OIP」。産学官連携を先導する組織の新拠点。大学の活動の伝達も意図し、演習林の1本の杉を素材に選んで内装から家具にまで“無駄なく使い切る”計画を考案。学内の什器類の再利用も積み重ねてサーキュラーデザインも実践
九州大学岩元真明研究室による、福岡市の「九州大学OIP」。産学官連携を先導する組織の新拠点。大学の活動の伝達も意図し、演習林の1本の杉を素材に選んで内装から家具にまで“無駄なく使い切る”計画を考案。学内の什器類の再利用も積み重ねてサーキュラーデザインも実践エントランス側からラウンジを見る。 photo©八代写真事務所
九州大学岩元真明研究室による、福岡市の「九州大学OIP」。産学官連携を先導する組織の新拠点。大学の活動の伝達も意図し、演習林の1本の杉を素材に選んで内装から家具にまで“無駄なく使い切る”計画を考案。学内の什器類の再利用も積み重ねてサーキュラーデザインも実践ラウンジ、家具の詳細 photo©八代写真事務所
九州大学岩元真明研究室による、福岡市の「九州大学OIP」。産学官連携を先導する組織の新拠点。大学の活動の伝達も意図し、演習林の1本の杉を素材に選んで内装から家具にまで“無駄なく使い切る”計画を考案。学内の什器類の再利用も積み重ねてサーキュラーデザインも実践執務空間1から執務空間2と小会議室を見る。 photo©八代写真事務所
九州大学岩元真明研究室による、福岡市の「九州大学OIP」。産学官連携を先導する組織の新拠点。大学の活動の伝達も意図し、演習林の1本の杉を素材に選んで内装から家具にまで“無駄なく使い切る”計画を考案。学内の什器類の再利用も積み重ねてサーキュラーデザインも実践中会議室 photo©八代写真事務所

岩元真明+小嶋雪乃+屋宜祐李佳+渡邉雪乃 / 九州大学岩元真明研究室が設計した、福岡市の「九州大学オープンイノベーションプラットフォーム(OIP)」です。
産学官連携を先導する組織の新拠点です。建築家は、大学の活動の伝達も意図し、演習林の1本の杉を素材に選んで内装から家具にまで“無駄なく使い切る”計画を考案しました。また、学内の什器類の再利用も積み重ねてサーキュラーデザインも実践されました。組織の公式サイトはこちら

九州大学の産学連携を司る九大OIP株式会社の新拠点「九州大学オープンイノベーションプラットフォーム(OIP)」の内装計画。研究の事業化支援や産官学連携の仲介などを行うオフィスであり、学外者の来訪も多い。
そこで、大学の多様な活動を垣間見せることをコンセプトとして設計を行った。

建築家によるテキストより

全体は約21x22mのワンルーム空間であり、大中小3つの会議室を島状に配置し、3つの部署とエントランスラウンジをゆるやかに分節した。各々の会議室とオフィスの各所では、大学演習林で育った木材や、戦前から使われてきた歴史的什器、学内研究者が開発した新建材など、学内の教育研究資産が積極的に活用している。

大学全体をいわば鉱山と捉えて材料をかき集め、教育研究活動の魅力を空間として表現する、大学ならではのサーキュラーデザインの実践である。

建築家によるテキストより

九大福岡演習林から樹齢約60年の杉を1本選び、内装材および家具材として使用した。
コンセプトは大径木の魅力を活かしつつ、無駄なく使い切ること。そのために材料調達プロセスを精緻にデザインし、伐採・製材・乾燥・加工の各段階において関連業者と緊密な連携を行った。

具体的には、まず樹高約30mの立ち木を選び、そこから長さ2.8mの丸太10本を取る。次に、これらの丸太を短冊状に製材し、45mm厚の板材61枚と年輪材1枚を得る。このうち41枚の板材は小会議室の自立壁に使用。室内外に木の自然な曲線が表れる「杉板挽き放し」の壁である。

続いて、残った板材からオフィス各所のテーブルやスツール、デスク脚を制作。最後に、それでも余った端材をかき集めてエントランスのカウンターを造作した。これは将来のための木材ストックを兼ねた家具である。

建築家によるテキストより

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