



阿曽芙実建築設計事務所が設計した、兵庫・淡路市の「dots n / 地域交流施設」です。
同設計者が手掛けた農園付き住居群に続いて計画されました。建築家は、“ここにしかない風景”というテーマを引継ぎ、住居の“寄棟+換気塔”のモチーフも踏襲した建築を考案しました。そして、地域の人だけでなく来訪者も交流できる場所としても機能します。
アーキテクチャーフォトでは、同設計者による「dots n / 農園付き住居」も特集記事として紹介しています。
淡路市野田尾地区で滞在型市民農園施設(農園付き住居)を5戸と倉庫のほか、この施設への玄関口となる場所に地域の交流施設兼料理研究室(地域交流施設)を設計した。
農園付き住居は、地域の高齢化や過疎化によって、休耕田となる土地を淡路市が買い取り、約50㎡の住居と約50㎡の占有農園を1セットとして、年貸しの賃貸住居として整備したものである。
地域交流施設は、この農園付き住居の住人や野田尾地区の人との交流の場で、料理研究室は、野田尾地区で採れた青パパイヤを加工する施設である。
主にはこの地域の人のために整備した施設であるが、近くに来た人がふと訪れることができるように、日中は扉を開け、トイレや休憩スペースを開け放している。週末になると、地域の人によって朝一が開催され、地域の人同士だけでなく、他エリアから来た人も交流できる場所となっている。
農園付き住居の設計と同様、地域交流施設は、新しいけれど、どこか懐かしい「ここにしかない風景」をつくることをテーマにしている。
プロポーザルで農園付き住居の設計者として選定されたのち、同じ地区に建つ交流施設の設計も同じコンセプトを持つ建築とすることで随意契約となった。
農園付き住居とは、丘を一つ隔てた手前にあり、農園付き住居に比べると交通量が多く、出入りしやすい場所にある。農園付き住居の寄棟+換気塔のプロポーションをモチーフにし、休憩スペースと料理研究室の2つの屋根を重ね合わせ、敷地の形状に合わせてずらしながら形つくった。