



柿木佑介+廣岡周平+池谷浩樹 / PERSIMMON HILLS architectsが設計した、埼玉・春日部市の「妙善寺本堂」です。
本堂を建替える計画です。建築家は、地域住民に“門戸を開く”存在を目指し、寺院の“閉鎖的な印象を払拭”して“機能的にも空間的にも連携”をとれる建築を志向しました。また、過去と連続させながらも現代の素材と構法で新しい使い方を喚起しています。
埼玉県春日部市、妙善寺の本堂を建て直す計画です。
現代では檀家の数が減っていく中で、いまだ関係を持っていなかった地域の住民に対して新しく門戸を開いていくため、寺院建築が持つ閉鎖的な印象を払拭し、機能的にも空間的にも連携をとっていけるあり方を提案しました。
寺院建築は和小屋によって屋根の自由度を上げ、照り屋根を作ってきた歴史があり、壁や少ない開口部によって、耐震性と光を限定することによる本尊への象徴性をもたらしてきました。一方で日常生活において宗教に対する意識が薄くなる中、その暗く、閉ざされた印象が敷居の高さを生んでいます。僕らが提案したのは現代的な素材や構法によって、今までの宗教建築の形としての連続しながらも、新しいイメージや使い方を喚起する空間です。
寺院建築が檀家のための祈りの空間だけでなく、地域住民にとっても活動の場となる新しい在り方です。本堂の斜め壁は、仏画の絵解をしたり、プロジェクターで投影して映画を見たり、活動の起点となります。無柱で段差のない本堂は平面的に余白が十分にあるため、コンサートを行ったり、地域活動の舞台として本堂を使用することができます。